ダンガンロンパ -希望と絶望のバトルロワイアル-   作:roft

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2日目①

2日目 AM7:00

⑤の島 山中

 

モノクマ「オマエラ!おはようございます!朝です!バトルロワイアル2日目が、始まりましたよー!」

電子生徒手帳から能天気で嫌らしいダミ声が鳴り響いた。

⁇?「んー...ッ!何なんダァ⁉︎人が気持ちよく寝てんのにッ‼︎」

モノクマ「ではでは、禁止エリアと爆破する橋をお知らせします!禁止エリアは⑥の島で、橋はAM11:00に❷、PM4:00に❸が爆破されます。ではでは、今日も張り切ってイキマショーッ‼︎‼︎」

⁇?「あーもう分かった分かった‼︎起きりゃいーんだろ起きりゃ‼︎」

超高校級の体操選手、終里赤音は苛立っていた。

体操選手としてずば抜けた才能を持ち、名だたる大会のメダルを総ナメにしてきた野生児。そして、気が乗らないと例え競技の途中でも帰ってしまう奔放さでマスコミを賑わせた。

そんな体力自慢の彼女でも、山の中を彷徨い歩くも、食料は見つからず、只々体力を消耗しただけの1日目の疲れはそう取れる物ではなかった。

腹が減ってさえ、この環境は終里からすれば絶好の遊び場となっただろう。

だが、入っていた食料は終里の無尽蔵な食欲を満たす事なく1日目で全て無くなってしまった。

終里「クッソー、何か腹に入れるもんがなきゃ、バトる事すりゃ出来ねーゾ!」

そしてもう一つ、終里の心を掻き乱す要因はあった。

終里「弐大のオッサン、何処行っちまったんだよォ...」

 

 

 

AM7:00

②の島 廃工場

 

???「あーたーらしーあーさがきた♪希望のあーさーだ♪」

左右田「んんぅ...」

???「ヨロコービに胸を開き♪おーおぞーらあおーげー♪」

左右田「ンダァァァァァァァァァアアアア‼︎ウッセーよ‼︎朝っぱらから何なんだよ‼︎」

軽快な音楽が左右田の眠りを妨げた。

電子生徒手帳「腕を回して背伸びの運動ー!1・2・3・4!」

どうやら音楽は、電子生徒手帳から流れている様だった。

弐大「5!6!7!8!...おお、左右田よ。もう起きとったんか」

左右田「オメーの朝の日課のせいで起きざるを得なかったんだろーが!」

弐大「ぬ!朝一番のラジオ体操は実に気持ちのいいもんじゃぞ!それに、これから動くウォーミングアップにもなるからのぅ!」

左右田「...もう勝手にやってくれ。俺はもうちょい寝る」

左右田は呆れる気持ちと眠たさの間の何とも言えない表情で簡易毛布にくるまった。

この時、疲れ切った左右田とラジオ体操をしている弐大が工場の壁一枚隔てた向こうに何者かが潜んでいる事を、まだ知る由もなかった。

 

⁇?「お姉ちゃん、作戦は2時間後。廃工場に突入だからね」

⁇?「アンタみたいなのに支持されなくても私様は私様のやり方で勝ってみせるわよ」

 

 

 

⑥の島

AM6:00 港

⁇?「どこ行っちゃったの?早く会いたいよ...」

1人の少女が港で悲しげに呟いていた。

朝日奈「さくらちゃん」

超高校級のスイマー、朝日奈葵は水泳部門において次期オリンピック候補とも呼び声も高く、またその愛らしい顔立ちやドーナツが好きと言う発言により世間ではアイドルの様に取り上げられる事も多かった。

そんな彼女の天真爛漫な笑顔は、どこにも無かった。

 

⁇?「何してるの?朝日奈さん」

後ろから自分の名前を呼ぶ声がしたので、振り向いた。

朝日奈「!..キリギリ...キョウコ...!」

自分の名を呼んだのは、転校生キリギリキョウコだった。

朝日奈「私を殺そうったって、そうは行かないんだから!さくらちゃんに会えるまでは、絶対死ねない!」

朝日奈はスクールバッグから自分の武器を取り出す。その手には『火炎瓶』が握られていた。

朝日奈「消えろ!消えろ!アンタ本当は、モノクマの手先なんでしょ!私を殺しに来たんでしょ!そんなの絶対させない!」

朝日奈はキリギリ目掛けて火炎瓶を投げようとした。

キリギリ「辞めなさい、私はあなたと戦うつもりはないわ。あなたに警告と朗報を伝えようとしただけよ」

朝日奈「!」

朝日奈は攻撃の手を留めた。

朝日奈「ど、どういう事?」

キリギリ「まずは警告から、あなたはずっと泣いてたから知らないでしょうけど、あと1時間でこの島は禁止エリアになるわ。もしあなたが友達に会う気がまだあるなら、早く移動した方がいいわよ。」

朝日奈「い、移動しろって...何処に移動するのよ?」

キリギリ「それがもう一つの朗報。私達のいるすぐ近くに、⑦の島に移る橋があるわ。今からあなたをそこまで連れていってあげる。」

朝日奈「!」

転校生キリギリの提案に、朝日奈は動揺した

朝日奈「...何を見返りに貰おうとしてるの?」

キリギリ「そんなのいらないわ。ただ、あなたの友達思いな気持ち、素敵だと思っただけよ」

キリギリ「きっと会えるわ、あなたの一番の友達に」

朝日奈「...!」

朝日奈はその場で泣き崩れた。

キリギリ「そう嬉し泣きしてる時間もないわ。急ぎましょう」

朝日奈「あっ..ありがとう!」

こうして2人は橋を無事に渡りきった。

朝日奈「あ、あのさ」

キリギリ「何かしら?」

朝日奈「もし良かったら、キリギリちゃんって呼んでもいい、かな?」

キリギリ「...次にまた会えたら、そう呼んでちょうだい」

朝日奈「もう行っちゃうの⁉︎」

キリギリ「私にはこの島でしなきゃいけない事があるの。あなたを危険に巻き込みたくないから、ここでお別れね」

朝日奈「そっか...ちょっと寂しいなぁ。けど...絶対生き延びてね!」

キリギリ「あなたもね、また会える事を祈ってるわ」

2人は別々の道を歩いていった。

 

 

 

⑥の島

AM7:00 廃墟

 

???「皆さん、ご機嫌よう」

⁇?「ん?もうそんな時間なのか」

⁇?「こんな事してねーで、サッサと帰ってレムリア大陸の遺物の買い取りに行きたいべ」

⁇?「拙者も、そろそろコミックマーケットに向けて原稿を仕上げねば...戦場で油断は禁物ですぞ...ッ‼︎」

 

セレス「だから‼︎その戦場がココだって事がまだワカンネーのか‼︎このビチグソどもガァァ‼︎‼︎」

山田「ヒーッ‼︎サーセンサーセン‼︎」

葉隠「頼むからセレスっち、そんなに怒鳴らんとってくれ...ほら、お肌にワリィぞ?」

セレス「んな事テメーに言われる筋合いないわ‼︎このポンコツウニドレッド‼︎歳だけ食ってんじゃねーぞ⁉︎」

桑田「つーか、いきなり起こして怒鳴って何のつもりだよ」

 

一見風変わりなこの四人も、超高校級の生徒として希望ヶ峰学園に通うれっきとした高校生だ。

超高校級のギャンブラー セレスティア・ルーデンベルク。色白で華奢な体、大きく巻いた黒い髪にゴスロリファッションが印象的な、妖艶な少女。数多のギャンブルに手を出してはその全てに勝利すると言う完全無敗のギャンブラーとして裏カジノでも恐れられている人物である。

そしてそんな彼女の怒声に恐れおののいていた太った瓶底メガネの男子生徒。

彼こそが、以前通っていた学園の文化祭で同人誌を1万部も売り捌き、文化祭をコミックマーケットに塗り替えてしまうほどの伝説的商才と斬新かつアグレッシブな内容の同人誌で同人界に旋風をもたらした男子高校生。超高校級の同人作家、山田一二三であった。

 

葉隠「桑田っちの言うとおりだべ。まだ何も話聞いてねーぞ?」

大柄に褐色の肌、草履に腹巻に無精髭、そして四方八方に伸びた巨大なドレッドヘアー。学ランを羽織っているため辛うじて高校生とわかるもののその雰囲気はどう見たって中年男性のそれであった。

超高校級の占い師 葉隠康比呂 は占い界に突如として現れた超新星だ。その占いはどんな事でも確実に当たると言われ、各界の要人から法外な報酬を貰いながらも確実に的中させる超人染みた男子生徒だ。但し3割の確率でならの話である。

桑田「オメーは黙ってろ!ウニ頭」

オレンジの逆立った頭、首から上の彼方此方に空いたピアス、鋲まみれのシャツに白い厚底のローファー。これだけ聞くとパンクロッカーの出で立ちだが、彼こそが超高校級の野球選手 桑田怜恩 である。

高校野球の強豪校の4番。どのポジションに回しても確実にチームを勝利に導くプレイをする正統派の超高校級だ。だが彼自身は野球が好きではなく、ミュージシャンを目指しているらしい。

そんな濃ゆ過ぎる4人はあと1時間の内に⑥の島を出なければ、禁止エリアのルールにより首輪が爆発し4人揃ってあの世行きと言う恐ろしい状況下にいた。

 

桑田「てっきりランダムで決まるもんだと思ってたら、まさかあと1時間で死ぬとこだったなんてマジ笑えねーよ...ヤッベブルってきた」

セレス「どアホなヤギヒゲはほっといて先を急ぎましょう。行きますわよ、下僕達。」

山田「ナッ!セレス様の下僕として!拙者命をかけてお守りしますぞ!」

葉隠「よくわからんけど...俺も下僕?」

こうして一行はセレスの電子生徒手帳のGPSを頼りに、別の島へ移る橋への道を急いだ。

 

セレス「!下僕達!どうやら私達が向かってる橋は⑦の島に繋がっているようですわ」

山田「確かそれってー...昨日禁止エリアだった島?」

葉隠「マジなんか!それって危なくないんか⁈」

セレス「ご安心なさい、私の読みからしてあの島が禁止エリアになる事は、もうありません」

桑田「読みとか何とか言って、ホントは勘とかじゃねーのか?」

セレス「確かに私の勘は鋭いですが、今回は明確な根拠があります。このバトルロワイアル、プログラムは全部で7日間、島の数も7つ。ここから導き出される答えは」

山田「1度禁止エリアになった島は、2度と禁止エリアとして使用されない...と言う事ですな」

セレス「山田くん、流石ですわ♡」

山田「ふっふっふ...灰色の脳細胞が、冴え渡っておりますゾ!」

セレス「褒美に、私のヒールで10秒間踏んづけて差し上げます」

山田「ありがとうございます!ありがとうございます!」

葉隠「セレスっちもなかなかヒデーけど、山田っちもある意味ヒデーべ...」

四人が雑談も交えながら話してる内に、橋の側まで辿り着いた。橋には❼と書いてある。

禁止エリアになるまで残り10分を切っていた。

 

桑田「おいセレス!一つだけ確認しときたいんだけど!」

セレス「こんな時に何を言ってるのですか?早く橋をお渡りなさい」

桑田「1日目に俺達を生還まで導くとか言ってたけど、それには2つ条件があるって言ってたよな?それってなんだよ」

セレス「今ここで聞きますか...」

セレスは大きなため息を吐くとこう答えた。

セレス「一つはこの7日間、私の下僕となる事。もう一つは、⑦の島に辿り着いたらお互いの武器の確認をする事ですわ」

桑田「武器の確認?」

セレス「裏切り防止の為、ですわ」

桑田「俺達だって生き残りたいのに、それを手伝おうて奴を裏切りゃしねーって!」

セレス「ですが、その確証はありませんわ」

桑田「俺ら、馬鹿ばっかりだから裏切るような脳もなけりゃ生き残るまでの知識だってねーよ。それを分けてくれてんだ、感謝くらいするっての」

セレス「////⁉︎⁉︎...いきますわよ」

桑田「アポ?」

セレス「私達全員で生き抜きますわよッてんだろこのヤギヒゲガァァァァ‼︎」

4人全員が渡りきったところで⑥の島は禁止エリアとなった。

 

 

モノクマ「ではこれより、⑥の島は禁止エリアとなります」

 

 

 

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