東方魔郷談   作:Walther58

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今回はあの方です、第十一章どうぞ!


第十一章 ~二つの神社と二人の巫女~

 カシャッ!

「…………?」

 

 突然のシャッター音に、ピアは思わず振り返った。すると、もう一度シャッターが切られた。

 

「はい、ありがとうございます!いやぁ、いい絵が撮れましたぁー!」

「……え?」

 

「あ、申し遅れました!私、清く正しい『射命丸文』と申します。『文々。新聞』という新聞をご存知ですか?」

「あぁ、あれか。いつも読ませてもらってるよ」

 

「ありがとうございます!最近、人里内で博麗の巫女の使いの存在が専ら噂になっていまして……これはぜひ、わが『文々。新聞』としても取材したく……」

「ん~……。まぁ、俺は問題ないよ」

 

「おぉ、そうですか!!それでは、取材をさせていただきますね!!」

「よろしくな、文」

 

「……で、あの天狗の取材をまんまと受けた……と?」

「……はい」

 

「あんた、馬鹿ぁ?!あれほど天狗にはかかわるなって言ったのに……」

「……すいません」

 

 突然現れた鴉天狗、射命丸文に取材を受けた翌日、ピアは霊夢から説教を受けていた。霊夢の手には“激撮!博麗の巫女の使いの正体とは!?”と、大きく書かれた新聞が握られていた。

 

「はぁ……おまけに名前までばれてるし……。これじゃあ、最初の業務命令の意味がなくなっちゃうじゃない……」

「え?なんで?」

 

「あれはね。ピアを守るためのものだったのよ」

「俺を……守る?」

 

「そう。名前を言っちゃうと覚えられるけど、“博麗の巫女の使い”とだけ名乗っておけば、さほど印象付かないでしょ?」

「なるほど……」

 

「なのに……よりにもよってあの天狗にばれるなんてぇ~!!これは完全に誤算だったわ……」

「……あっそう」

 

 霊夢が悔しがる中、ピアは静かにお茶を飲んだ。自分の存在が世間に知れ渡ったなら、いちいち名乗る手間が省けるので、ピアとしては楽だった。

 

「まぁ、いいんじゃないか?名前がばれただけで、何も問題はないと思うけど……」

「問題あるわよ!紫とかに名前がばれたら、まずいでしょ?」

 

「紫か……。俺に能力のことを教えてくれたのも、そういえば紫だったな。あとでちゃんとお礼を言っとかないと……」

 

「言わなくてもいいわよ。……ピア、紫に嫌われてるっぽいわよ」

「えっ!?なんで?」

 

「知らないわよ」

「…………?」

 

 ピアの能力は紫の助言があって、初めて使えたものだった。嫌われている理由に関して、心当たりを探っていると

「たのもーっ!霊夢さん、いますかぁー!?」

 

 霊夢を呼ぶ大きな声が聞こえた。ピアが動く前に霊夢が先に動いた。外に出ると、霊夢とよく似た格好をした巫女が立っていた。

「何の用なのよ……早苗」

 

 その少女、東風谷早苗は霊夢の前に新聞を突き付けた。

 

「新聞を見ました。博麗の巫女の使いという人に会わせてください!というか、会いたいです!!」

「私の部下は見世物じゃないのよ。帰ってくれない?」

 

「……最近、博麗神社へ参拝する人が増えているという噂を聞きました。私が人里へ下りた時も、里では博麗神社の噂で持ちきりでした。いえ、正しく言うならば、博麗の巫女の使いの噂でした。私や神奈子様、諏訪子様も、初めは信じられませんでした。まさか、あなた方が仁徳で信仰を集めるなど……。ですが、この新聞を読み、博麗の巫女の使いの正体を知りました。神奈子様は会いに行くことすらも反対しましたが、私はもう我慢できません!!そこで、私は神奈子様の制止も振り切り、ここまで来たのです!」

 

「はぁ……わざわざご苦労様」

「あぁ……博麗の巫女の使い……ピア・デケム様……。いったいどんな人なんでしょう……。私と同じで元外来人、しかも外の世界では魔王様!!おまけに魔王なのに聖剣を使うなんて、かっこいいじゃないですか!!」

 

「あのねぇ……」

「博麗の巫女の使いは、俺だ」

 

 とうとうピアが神社から出てきてしまった。早苗の目の色が、一気に輝きを増した。

「あっ!あなたがピア・デケム様ですか!?」

「“様”って……そんなえらいもんじゃないんだけど……」

 

「か……」

「か?」

「かっこいい!!」

 

「は?」

「生で見たらすっごいイケメンじゃないですか!!霊夢さんのところに、参拝客が増えるのもうなずけますね!!」

 

「だから言ったでしょ?私が雇った男なんだから、間違いは……」

「あの……よろしければ、守矢神社で神主をやってみませんか?」

 

「えっ?」

 そして早苗はいきなりピアにキスをした。霊夢の目の前で、堂々と。

 

「!?!?!?!?」

「ちょ、早苗っ!?」

 

「……ふふっ。これ、私のファーストキスだったんですけど……ピア様がお相手でよかったです」

 

「え、あ、ちょ、いや……あの、これ……うえぇ?!」

「……早苗えぇぇ!!」

 

 霊夢は顔を真っ赤にして怒っていた。どうやら本気で怒っているらしく、スペルカードを一枚取り出していた。

 

「ちょ、霊夢っ!!落ち着けって!!」

「うるさーいっ!!」

 

「ピア様、逃げましょうっ!」

「って、もともとは君が……うわっ!!」

 

 早苗に手を引かれ、ピアは博麗神社の階段を下りていった。その後、霊夢の退魔符乱舞が鳥居を吹き飛ばした。

 

「はぁ……はぁ……。まったく、なんてことをするんだ……」

「ピア様、ごめんなさい……。でも私、ピア様のこと……好きですよ」

 

「そんな堂々と……」

「でも……私の思い、伝わりましたか?」

「あ……えっと……」

 

 ピアは困惑していた。初対面の人間に“好きだ”と言われてはさすがにどう受け止めていいのかわからなかった。

「えっと……今のって、本気?」

 

「本気です!」

「その……神主って……?」

 

「はい。その……」

「あぁ、待て!!説明はいらない。理解は……しているつもり……」

 

「あ、自己紹介がまだでしたね。私は『東風谷早苗』と言います。妖怪の山にある、『守矢神社』で巫女をしているんです!」

「巫女?じゃあ、霊夢とは同業者か」

 

「同時に、ライバルですね。巫女として……何より、一人の女性として」

「…………」

 

「あの……ぜひ、守矢神社に来てくれませんか?今戻ったとしても、霊夢さんに怒られるだけでは?」

「……まぁ、たしかに。だったら、その“様”付けをやめてはくれないか?」

「わかりました、ピアさん!」

 

 早苗は満面の笑みを浮かべた。本当にピアのことが好きらしく、ピアが行くと言っただけでとても喜んでいた。

「じゃあ、行きましょう。案内しますね!」

「あぁ、任せたよ。早苗」

 

「きゃっ♪ピアさんに名前で呼ばれちゃいました!」

「(どうしよう……俺、この子もちょっと苦手だ……)」

 

 早苗は嬉しそうに道案内を始めた。ピアはおとなしくその後に続いた。

 

早苗に案内され、ピアは妖怪の山を歩いて登っていた。少しでも長くピアと話がしたい、早苗の提案だった。

 

「へぇ~。早苗って、元々外の世界にいたのか」

「はい。でも、外の世界で信仰が集まりにくくなって……それで、幻想郷に来たんです」

 

「家族とも別れた……ということか」

「はい……。ピアさんは、ご家族とは?」

 

「別れを告げたよ。この手で終わらせた」

「終わらせ……って?」

 

「殺した」

「……!つらく……なかったですか?」

 

「今生の別れだ。かえってつらくはなかったよ。……早苗の方がつらかったんじゃないか?だって、生きてるから」

「……つらかったですよ。でも、それを乗り越えて、ここにいるんです!」

 

「そうか……早苗は強いな」

「そんな、強いだなんて……そんなことないですよ」

 

「いや、早苗は立派だと思うよ。悲しみを乗り越えて巫女をやってるんだから、えらいえらい」

 ピアは早苗の頭を撫でてあげた。早苗は照れ笑いを浮かべながら、にっこりと笑った。

 

「えへへ……。ピアさんに頭を撫でられちゃいました。まるで……デートみたいですね」

「デート?」

 

「あ!い……いえ、何でもないです!……えへへ♪」

「……?まぁいいか」

 

 早苗は終始、満足そうに笑っていた。ピアが早苗の様子に首をかしげていると、

「そこの人間っ!とまれっ!!」

 

 二人は言われたとおりに止まった。すると、茂みの中から誰かが飛び出してきた。

 

「あっ!椛さん!!なんでこんなところに?」

「山の上の巫女か。あなたに用はありません。……そこの人間!」

「……俺?」

 

「私は白狼天狗の『犬走椛』。人間が不用意にこの山に入ってこないよう、見張りをしている者だ。そこの巫女は見逃してもいいが、お前はだめだ!」

「も、椛さん!この人は私の友人で、神社の方へ案内していただけです!決して怪しい人ではありません!」

 

「何?」

「これを見てください!」

 

 早苗は椛に駆け寄り、持っていた『文々。新聞』を見せた。椛はそれを手に取り、読み始めた。

 

「……ふむ。これは文様の新聞……。ここに書かれていることは本当ですか?」

「本当です!私が好きになった人ですから、間違いはありませんっ!!」

 

「ちょ!そういうことは堂々と言うなっての!!」

「……わかりました」

「椛さん!では……」

 

「ただし、文様に確認を取らせてもらいます。もし嘘だったら……帰りの道中で、覚悟してくださいね!」

「了解した。通してくれてありがとう、椛」

 

「べ……別に新聞の内容を信じたとか、あなたの人柄を見直したとか、そんなのではないんですからねっ!!」

 

 椛は文のもとへ向かったのか、どこかへ飛び去って行った。ピアはふぅ、とため息をついた。

「危なかったな」

「えぇ。椛さんは仕事熱心な人ですから……私も正直、心配でした」

 

「椛か……自分の仕事に誇りを持っているんだな。それはいいことだ」

「ピアさんって、優しいんですね。すごく、かっこいいですよ」

「そんなんじゃないさ……。俺に比べたら、だよ」

 

 二人はそのまま山を登り続けた。そして、しばらく登り続けていると、今度は階段が見えてきた。

「さぁ、この階段を登りきれば、守矢神社です!」

「あぁ」

 

 早苗は意気揚々と進み始めた。ピアも早苗の元気な姿に、思わず笑みがこぼれていた。

 

 二人が階段を上がりきると、そこには一人の少女が待っていた。

「待ってたよぉ~。お帰り、早苗」

 

「あ、諏訪子様!ただいま戻りました!」

「……誰?」

 

「あ、ピアさんに紹介しますね。この人は『洩矢諏訪子』様といって、この守矢神社を支えてくださっている神様なんです!」

「げぇーっ!神ぃ?!」

 

「あぁ、安心していいよ。私は神奈子とは違って、君のことは大歓迎だからね」

「……はぁ」

 

「それに……それをいうなら、早苗だって現人神だしね」

「現人神?」

 

「人であり、神でもある存在……現人神。それが早苗だよ」

「早苗も神だったのか……。しかも……諏訪子って外観が子供じゃん……」

 

「ん?それがどうかしたの?」

「いや……俺の世界には、諏訪子と早苗を足して二で掛けたような神がいて……。それでちょっと神に苦手意識があるんだよね……」

 

「そうなんだ。それにしても……早苗、いい男を捕まえたねぇ~」

「はい!この人のおかげで、博麗神社は参拝客が集まっているようなんです」

 

「ほうほう。そいつはすごいねぇ~。君、ピア・デケムっていうんだっけ?新聞、見たよぉ~。ピアにその気があるんなら、今度からウチで働かない?」

 

「あ~、それは嬉しいんだが……」

「諏訪子、早苗。そんな男、ここに住まわせてやる必要はない」

 

「神奈子?!」

「神奈子様!!」

「…………?」

 

 守矢神社の奥から、声が聞こえた。中から出てきたのは、注連縄を背中に背負った女性がだった。

 

「……あんたは?」

「私は『八坂神奈子』。守矢の神の一人だ。ここはお前のような悪魔が来るようなところではない!とっとと立ち去れっ!!」

「……悪魔……」

 

「神奈子様!そんなひどいことを言わないでください!ピアさんは体は悪魔かもしれませんけど、中身はちゃんと人間なんです!」

「そうだよ。神奈子、ちょっと偏見が強すぎるよ。あの天狗の新聞を見たでしょ?」

 

「たしかに見た。だが、あの天狗の新聞は、日頃から書いていることはデタラメだっただろう。だから、今回もあの天狗が適当なことを書いただけかもしれん」

 

「そんなことありませんっ!!文さんは“今回の出来は最高だ”って言ってたじゃないですか!!」

 

「たしかにそう言った。だが、そうでなくとも奴は悪魔……それも魔王だ。遥か昔より、神と悪魔は敵同士だった。悪魔であるその男は、私と諏訪子……そして、現人神である早苗……お前の敵でもあるのだ!!」

「そ……そんな……」

 

「神奈子……ちょっとあんた頑固すぎ。早苗が見初めた男なんだから、それくらい許してやりなよ?さすがに私も……怒るよ?」

 

「ふん。諏訪子が怒ったところで、私に勝てるとでもいうのか?私はその男を認めない。悪魔の存在を認めては、神の名折れ……帰らぬと言うならば、ここで討ち滅ぼしてくれる!!」

 

 神奈子は背中に御柱(オンバシラ)を装備し、その銃口をピアに向けた。ピアは黙って自分の剣を抜いた。

 

「……確かにその通りだ。俺は悪魔……お前の……お前たちの敵だ」

「ピ……ピアさん……!」

「ピア……」

 

 ピアは魔剣を神奈子へ向けると、一言だけ言った。

「勝負だ、八坂神奈子。神と悪魔の名を賭けて……な」

 

「ふ……いいだろう」

「ピアさん!神奈子様!!」

「……ったく、どうなっても知らないよ……」

 

 二人はお互いに構えた。そして、先に動いたのは神奈子だった。

「行くぞ、魔王!神祭、『エクスパンデッド・オンバシラ』!!」 

 すると、ピアにめがけて大量の御柱が飛んできた。

 

「くっ……!」

 ピアはそれを一つ一つ、確実に回避していった。

 

「……っ!『真(しん)月(げつ)輪(りん)』!!」

 ピアはブーメラン状のエネルギー破を、神奈子に向けて飛ばした。神奈子はそれを御柱からの砲撃で撃ち落した。

 

「ふんっ!!そんなものか……筒粥、『神の粥』!」

 神奈子は大量の弾幕を放った。ピアは回避を続けたが、神奈子から直接砲撃されていることもあってか、弾幕がかすっていた。

 

「ちっ……!」

「どうした、魔王!貴様の力はその程度か!!」

「なんの……まだまだだっ!」

 

 ピアと神奈子が戦う様子を見ていた諏訪子は、ピアの動きに違和感を覚えていた。

 

「ピアさん!神奈子様!!もうやめてくださいっ!!」

「おかしい……」

 

「えっ?おかしい?」

「ピアの動きが明らかにおかしいんだ。まるで……初めから戦う気がないような……」

 

「戦う気がない……?それって、一体……?」

「……!まさか、ピア……?!」

 

 諏訪子は空を見上げた。そこでは、ピアが神奈子のスペル、天流、『お天水の奇跡』を受けて苦戦していた。 

「ピアぁぁ!!」

 

 諏訪子はピアを呼んだが、その声はピアに届かなかった。神奈子は、ある一枚のスペルカードを取り出した。

 

「さて……遊びは終わりにしようか、悪魔。とどめだ……『マウンテン・オブ・フェイス』っ!!」

「…………!」

 

 神奈子の最大のスペルの一つ、『マウンテン・オブ・フェイス』を、ピアは避けることが出来なかった。

 ドオォォンッ!!

 『マウンテン・オブ・フェイス』の弾幕がピアに直撃した。

「ピアァッ!!」

 

「いやあぁぁぁっ!!ピアさぁぁんっ!!」

 

 諏訪子の叫び声も、早苗の悲鳴も、ピアの耳には届かなかった。ピアはそのまま、妖怪の山の麓まで飛ばされていった。

「……神奈子っ!!」

 

 諏訪子は怒りに満ちた表情で神奈子を睨み付けた。しかし、神奈子は全く動じなかった。

「……ふん。これが当然の結果だ。悪魔が神に敵うはずがなかったのだ」

 

「違うよっ!ピアは……あいつは、最初から神奈子と戦うつもりなんてなかったんだ!!なのに!悪魔だからって、敵意のない相手を討つなんて……それが、神奈子のいう神様なの?!だったらとんだお笑いものだねっ!!」

 

「なっ……!奴が手加減したとでもいうのか?!ふざけるなっ!!」

「神奈子が負ければ、早苗がきっと悲しむ!ピアはそう思って、力を出せなかったんだよ!!それなのに……神奈子はッ!!」

 

「す……諏訪子様……」

「……そうか。諏訪子……お前も、悪魔の肩を持つのだな?ならば……貴様も……敵だっ!」

 

「かあぁなこおおぉぉぉぉ!!」

「諏訪子ぉっ!!」

 

 怒りが爆発した諏訪子は神奈子へ向けて、土着神、『手長足長さま』を撃った。神奈子もまた、御柱、『メテオリックオンバシラ』で迎え撃った。

 

「(ピアさん……どうか……無事でいてください……)」

 何もできず、見ているだけだった早苗は、ただピアの無事を祈るばかりだった。

 

 

「ふんふんふふ~ん♪」

 

 妖怪の山の中を、リズムに乗って歩いている少女がいた。緑色の大きなリュックサックを背負った少女は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、山を下りていた。

 

「いや~。さっきの爆発は何だったのかな?どっかで誰かが実験でもしてたのかな~?……って、ん?」

 

 少女は、川に打ち上げられていた人間を発見した。弾幕勝負で負けたのか、ひどい怪我を負っていた。

 

「やや?!盟友である人間が、こんなところで死にかけてる!!ど……どうしよう……」

「おぉーい!にとりぃ―!!」

「ん?この声は……魔理沙か!」

 

 少女、『河城にとり』は呼ばれた声に返事をした。にとりを呼んだのは魔理沙だった。

 

「おい、にとり!この変に何か落ちて……!!ピアッ!!どうしたんだ?!怪我してるじゃないか!!」

「魔理沙、この人間と知り合い?」

 

「それどころじゃねぇって!!にとり、お前の家にこいつを休ませてくれないか?頼むっ!」

「わ、わかったよ!……それにしても、魔理沙が必死になって助けたくなる人間かぁ……」

 

「感心してないで、はやくっ!!」

「わかったてば!!」

 

 にとりはリュックサックのなかからマジックハンドを出すと、倒れているピアを持ち上げた。魔理沙はすぐ近くにあったピアの剣を持っていこうとしたが、

 

「こ……これ……すごく重い……!!」

「私に任せて」

 

 にとりはマジックハンドで、エッジとキャリバーを持ち上げた。そして、そのままにとりの家を目指して歩いていった。

 

「頼む……ピア……。死ぬなんて冗談はやめてくれよ……。ピアがいなくなったら、私は……」

 

 魔理沙は不安と悲しみで、ピアに必死に声をかけた。しかし、意識を失っているピアが返事をすることはなかった。

 




神奈子の攻撃に意識喪失!どうなるピア、次回明らかに…です。
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