東方魔郷談   作:Walther58

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今回はシリアス?展開です
では第十四章どうぞ


第十四章 ~無意識(こいし)と無意色(ピア)~

 博麗神社にて、緊急会議が開かれた。霊夢は魔理沙と文を通して、紅魔館、白玉楼、守矢神社から招集をかけた。

 

「霊夢さん。急に呼び出したりして、いったいどうしたんですか?まさか……私とピアさんをお付き合いさせてくれるんですか?!」

「はっはーん。さては霊夢……ようやくピアを私の専属執事にすることを許したのね?話が分かるじゃない!」

 

「……文、あんた一体なんて言って集めたの?」

「あやややや。私はただ、“霊夢さんが呼んでますよー”と言っただけですよ?」

「……こいつら……妄想も大概にしなさいよね……」

 

 霊夢が呆れていると、魔理沙がようやく帰ってきた。

「すまねぇっ!遅れちまったぜ!」

「遅いっ!!どこで油を売ってたのよ!」

「わりぃわりぃ……アリスがなかなか来てくれなくてさ……」

 

 魔理沙が連れてきたのは幽々子と妖夢、さらに同じ魔法の森にすむ人形使い、『アリス・マーガトロイド』だった。

 

「あのねぇ、魔理沙……。どうして私が、見ず知らずの外来人のために動かなきゃならないわけ?」

「頼むよ、アリス!アリスにも一緒に考えてほしいんだよ。ピアのことは何度も説明しただろ?あいつはいいやつなんだって!」

 

「だからって……私が手伝う義理はないわね」

「アリス……!」

 

 魔理沙はアリスにすがるように頼んだ。さすがのアリスも、魔理沙のこの行動には驚いた。

「ちょ……魔理沙!?」

「頼むよ……。あいつ……紫に殺されるかもしれないんだ……私はそんなの嫌だっ!!あいつはすっごくいいやつなんだよ!!どんな不条理だって乗り越えてきた!どんな誤解も解いてきた!私だって……!!」

 

「魔理沙……」

「私だって……初めは霊夢に仕えるだけの悪魔だって思ったんだ。でも、人里であいつは、村人たちに慕われているんだ。そんな奴が命を狙われているっていうのに、黙っていられるか!!」

 

「……私からもお願いするわ、アリス」

「……!霊夢……」

 

 霊夢もアリスに頭を下げた。霊夢が頭を下げることなどめったにないことなので、その場にいた一同が驚いた。

 

「アリスにとっては、いい迷惑かもしれない……。でも……今の紫を放っておくと、やばい気がするの」

「…………」

 

「お願い……助けて(・・・)、アリス……!!」

「!?」

 

 霊夢からの意外な頼みに、アリスはさらに驚きを隠せなかった。しばらく黙り込んでいたが、やがてため息を一つついた。

「……しょうがないわね……」

「……!アリス、それじゃあ……!!」

 

「魔理沙……というより、霊夢に頭を下げられたらね……。さすがに断れないわ……」

「ありがとう、アリス。それじゃあ……話し合いを始めるわ」

 

 霊夢は全員に聞こえるように言った。辺りが一瞬で静まり返った。

「とりあえず……今わかっていることは一つ。紫がピアを殺そうとしているわ」

「え……えぇっ!!あの紫さんがですか!?どうしてそんなことを……」

 

「知らん。あんな悪魔はとっととくたばればいい」

「神奈子……まだそんなことを言ってるわけ?早苗のためにも、いい加減に許してあげたらどうなの?」

 

 諏訪子と神奈子がまたも衝突しそうになったので、早苗は必死に二人を説得した。三人を無視して、会話は進む。

 

「山の神どもはどうでもいいとして……霊夢、その話は本当かしら?」

「今のところはねぇ~」

 

 萃香が遅れてやってきた。お酒は飲んでいなかった。

「でも、それだけなんだよねぇ~。理由がさっぱりなんだ。ピアって悪い奴には見えないしなぁ~」

 

「……なぁ、幽々子。お前は紫と親友なんだろ?なんか聞いてないのかよ?」

「ごめんね、魔理沙。私は能力でピアを殺すようにとは言われたけど……理由までは聞いてないわ」

 

「幽々子も知らないとはなぁ……って!ピアを殺すだって?!」

「断ったわよ。好きな男を殺すような真似はしないわ。私だって女よ」

 

「そう……。……あぁもう!誰か知ってるやつとかいないのかしら?」

「……ねぇ、霊夢。そのピアって人……能力とかあるの?」

 

 苛立ちが募り始めた霊夢に、アリスは冷静に質問した。霊夢は静かに答えた。

「……能力を無効にする程度の能力よ」

「他には?」

 

「他?」

「そう……他の能力よ」

 

 霊夢はアリスの質問の意味がわからなかった。おいおい、と魔理沙がアリスに反論した。

「ちょっと待てよ。能力は一人ひとつずつだろ?ピアにほかの能力があるっていうのか?」

「魔理沙……ピアって人は外来人(・・・)よ。私たちの非常識は彼の中では常識なのよ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」

「あ……!」

 

「そう……。もしかしたら、その人には他に能力がある可能性があるわ。そしてそのもう一つの能力が、紫が命を狙う理由……私はそう考えるわ」

「たしかにそうかもね。アリスの言う通りかもしれないわ」

 

 アリスの発言に同意したのは、パチュリーだった。パチュリーは読んでいた本を閉じて、アリスの方を見た。

 

「ピアは外から来た人間……能力が二つ以上あっても不思議じゃないわ。幻想郷にとって、ピアの力は強すぎるものね。ありえなくもないわ」

「でも……その能力がわからない……」

 

 妖夢の発言で、さらに一同は静まり返った。このまま沈黙が続くと思った、その時だった。

「……因果律」

 

 部屋の外から声が聞こえた。全員が見た先にいたのは、永琳だった。

「『因果律を狂わせる程度の能力』……。それが、ピアに隠されたもう一つの能力よ」

「……永琳!!」

 

「因果律ですって……?どういうこと?」

 レミリアの質問に、永琳は呟くように答えた。

 

「因果律……。それは、すべての事象は必ずある原因によって起こり、原因なしには何ごとも起こらないという原理のこと。物理学では、どの形式で事象を記述するかによって意味が異なるわ。

古典物理学では、哲学と同じくすべての事象の原因と結果の間に一定の関係が存在し、原因は結果より時間的に必ず先行すると考え、ある時刻の系の状態が与えられれば、それ以後あるいは以前の系の状態が必然的かつ一意的に決定するの。

一方、量子力学においては、系の状態に因果性はあるが確率的に記述されるため、系の物理量の測定値を古典物理学のように確定的に予測することはできない。

また、相対性理論においては、事象の時間的な前後関係が観測者によって異なる場合があるため、物体や場の変動は、光速度を超えて伝播しないという制限を課すことで因果律とする」

 

「えっと……つまり、どういうことなんだぜ?」

 永琳の長く詳しい説明にもかかわらず、魔理沙は全くついてこれていなかった。

 

「つまり、物事には必ず、それが起こる原因があって、その原因がなければ何も起きないということよ」

 

 アリスがかなり説明をかみ砕くと、魔理沙はおぉ~、と納得した。

「永琳……それはどこで聞いたの?」

 

「能力は紫から直接聞いたわ。因果律の方は、『上白沢慧音』から教えてもらったわ」

「慧音が?あいつ、もはや哲学者かよ……」

 

「ねぇ。その因果律っていうのは、常に成立するものなのかしら?」

「そうでもないわよ、幽々子。物体や場の変動が、光速度を超えないという制限を破ると、“因果律の破れ”が発生するわ。時間を飛び越えたりすると、発生するらしいわ」

 

「なるほど……。その因果律の能力があったから、ピアの魔力で強くなった咲夜が時間を戻せたのね」

「まさに、“因果律の破れ”が発生しているわね。それも彼の力ということね」

 

「なぁ、ちょっと待てよ!それとこれと何の関係あるんだよ?因果律を狂わせることが出来るからって、なんでピアが命を狙われるんだ?」

「魔理沙。因果律は、すべての事象の原点でもあるの」

 

「だ……だからさぁ、それがどういうことなんだって聞いてるんだよ、アリス!」

「つまり……私たちが生まれたことも……この幻想郷が生まれたことも……すべて事象(・・)なのよ。そして、ピアはそれを狂わせる……」

 

「え……?どういうことだ?」

「鈍いわね、魔理沙。つまり彼は、その事象そのものを操れる(・・・・・・・・・・)ということよ。そして、それを創ることも壊すことも出来る

(・・・・・・・・・・・・・)」

 

「……!?」

「その通りよ」

 

 永琳が低い声で答えた。今の季節が夏とは思えないような、冷たい風が部屋を通り抜けていく。

 

「つまり……もしピアが私たちを……幻想郷の存在を否定したならば……」

永琳は答えた。

「幻想郷は消滅するわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ~。地霊殿って、結構広いんだな」

「そうでもないですよ。ここには私が拾ってきたいろんな動物たちがいますから」

 

 さとりに案内され、ピアは地霊殿を案内してもらっていた。勇儀と暴れたことを詫びると、

「いいですよ。星熊さんも、とても満足しているようでしたから……当分は、喧騒が聞こえることはないでしょう」

 と、笑顔で許してくれた。ピアはこの時、リリーホワイトのことを思い出していた。

 

「それにしても……能力を無効にするなんて、少しずるいですね」

「心を読むほうが、よっぽどずるいぜ?」

 

「ふふっ……そうですね。でも、本当に新鮮な気分です。私も、気遣うことなくお話が出来そうなので」

 

「苦労してそうだな。その能力」

「えぇ……それなりに……」

「そうか。……ん?」

 

 エントランスで立ち話をしていると、二階から誰かの視線を感じた。ピアが二階の方を見ると、たしかに誰かがこちらを見ていた。

「(誰だろう……?)」

 

 黒い帽子に、少し長い髪。さとりと色違いの第三の目を持っていたが、その瞳は閉じていた。ピアがその少女に手を振ると、少女は慌てて姿を消した。

「(何なんだ……?)」

 

「どうかしましたか?」

 よそを向いていたピアを、さとりが不思議そうに見ていた。ピアは慌てて返事を返した。

 

「いや、何でもないよ」

「……?そうですか。では、もう少し奥の方を案内しますね」

「あぁ、頼むよ」

 

 さとりとピアはさらに奥へと進んだ。二人がいなくなったエントランスに、先ほどの少女が現れた。

 

「びっくりしたぁ~!あの人……私が見えてるのかな?能力無効って、私の無意識も無効にするのかな?だとしたら……」

 少女は二人の後を追いかけるように消えていった。

 

「……どうですか?少しは慣れましたか?」

「あぁ。大体の構造は覚えてきた。これなら迷うこともないだろうな」

「そうですか。それはよかったです」

 

 さとりはにっこりと笑った。ピアは先ほど目撃した少女について、さとりに聞くことにした。

「なぁ、さとり。ここには他にも誰か住んでるのか?」

「え?」

 

「お空とお燐にもあった。さとりが飼ってる、ほかのペットたちも紹介してもらった。でも、ほかにも誰かいたんだよな……」

「(……!まさか、能力で無意識を……!?)」

 

「帽子をかぶっててさぁ……髪はちょっと長めで……あぁ、そうだ!色違いだったけど、さとりと同じで第三の目を持ってたな!」

「こいし……?」

 

「ん?誰?」

「『古明地こいし』……私の妹です……」

 

「さとりにも妹がいたのか?」

「はい……でも……」

 

「……?」

「私には……見えないんです……」

 

 さとりはこいしについて説明した。それを聞いたピアは腕を組んだ。

「う~ん……。無意識……か。それはまた難儀だな」

「はい。妹は……こいしは、いつもどこかへ行ってしまいます。そして……いつも唐突に帰ってくる……」

 

「ふむ……」

「私には、こいしの心が読めません。だから……たまにあの子を見失ってしまう……。でも、ピアさん……あなたなら……」

 

 さとりは申し訳なさそうに言った。

「あなたなら……その能力で、いつでもこいしを見つけられます。ですから……あなたにこいしのことを、お願いしたいんです」

「…………」

 

「えっ……?何それ……?」

 遠くで隠れて話を聞いていたこいしは、驚いていた。

 

「やっぱりあのお兄ちゃん……私が見えてたんだ。お姉ちゃんは、あのお兄ちゃんに私のことをお願いしてる……。お姉ちゃん……私のこと……」

 

 こいしは不安になった。さとりは見知らぬ人間に、こいしの身柄を預けようとしている。もし、人間がそれを了承したなら、彼は能力を使ってこいしを探すだろう。そうなれば、地霊殿には戻ってこれないかもしれない。

 

「お姉ちゃん……」

 こいしが第三の目に触れた時、答えが聞こえてきた。

 

「……断る」

「…………!!」

 

「えっ……?」

「“えっ?”じゃねぇよ。断るって言ってんだっつーに」

 

「で……でも!あなたはこいしが……」

「見えるからどうしたっていうんだ?なんでお前が諦めてんだよ?」

 

「そ……それは……」

「怖いのか?無意識の果てに、自分の存在がいなくなることが」

「!?」

 

 ピアはさとりの目を見た。その真っ直ぐな視線に、さとりは思わず目を逸らした。

「たしかに……俺には君の妹が見える。能力を無効化しているからな。でもな……それとこれとは関係ないだろ?これはさとりと……こいしの問題だ。俺は関係ない」

 

「そんな……」

「当たり前だろ?お前のたった一人の家族だろうが!」

 

 ピアはフランのことを、スカーレット姉妹のことを思い出していた。そして、かつて自分が犯した罪を思い出した。

 

「さとりはこいしのために言っているのかもしれないけどな……それでも、知らない人間に連れていかれるこいしの気持ちを、お前は考えているのか?」

「……!!」

 

「心を閉じたことはさっき聞いた。だが、あくまで閉じただけで、世界そのものを拒絶しているわけじゃないだろ?こいしがさとりのことを、“嫌いだ”とでも言ったのか?」

「それは……ないです……」

 

「だったら何も問題はないじゃないか。簡単に家族を手放すような真似をするな。次、そんなことをしたら……その時は容赦しないぞ」

「ピアさん……」

「さとり……俺の心を見ろ」

 

 ピアに言われるまま、さとりは心を読んだ。さとりの表情は、次第に絶望したような表情になった。

「ピアさん!あなたは……!!」

 

「わかったろう?そういうことだ。……家族は大切にしろ」

「……はい……!」

 

 さとりはしっかりと返事をした。それを見たピアは、視線を横に流した。

「(ま、これでいいかな……)」

 

 一通り案内してもらったところで、ピアは帰ることを伝えた。お燐とお空も、ピアの見送りに来てくれた。

 

「もう帰ってしまうのですか?」

「まぁな」

 

「もうちょっと、ゆっくりしていってもよかったのにね。あたいも、もっとお兄さんと話がしたかったよ!」

「また来るさ。その時に話をしよう、お燐」

 

「ピアさん!また来てね!!」

「お空も、ちゃんと管理してくれよ?」

「えへへ……はぁーい!」

 

「ピアさん……」

 さとりが一歩前に出た。ピアもそれに合わせてさとりに近づいた。

 

「今日は……ありがとうございました」

「ん?何のことやら」

 

「ふふっ……。私、もしこいしに会えたら、ちゃんと話をしようと思います。話し合えばきっと……伝わる思いもあるでしょうし……」

「それがいい。大事にしてやれよ」

 

「はい。さようなら、ピアさん」

「あぁ、またな」

 

「またいつでも来てくださいね!あたいたち、待ってますから!」

「ばいばぁーいっ!!」

 

 三人に別れを告げ、ピアは地上を目指して飛び立った。その後をこいしが追いかけたことは、誰も知るよしもなかった。

 

 ピアは地底を抜け、地上に出てきた。地上に出てまず、大きく深呼吸をした。

「はぁ~。やっぱり地上の空気はうまいなぁ~」

 

 大きく深呼吸をした後、チラリ、と後ろを見た。

「んで、なんでついてきたのかな?……こいし」

「あ?ばれてた?」

 

 ピアのすぐ後ろに、こいしが立っていた。ピアはやれやれ、と言いながら振り返った。

 

「あのなぁ……なんでついてきたの?」

「え?だって私、お兄ちゃんに興味があるもん」

「お兄ちゃ……!?う~ん……それはどうでも良しとして……。そうじゃないだろ?さとりが心配するだろ?」

 

「うん。でも、今はお兄ちゃんのことが気になるもんっ!お兄ちゃんって、能力を無効にする能力があるんでしょ?だから私が見えるのよね?」

「……まぁな。こいしの能力が、俺に効かないように発動しているからな」

 

「すごいすご~い!だからお姉ちゃんの能力も効かないのね!」

「それは違う」

 

 ピアは即答した。こいしは不思議そうに首をかしげた。

「え……?なんで?」

 

「さとりが心を読めなかったのは、俺の能力によるものじゃないんだ。そもそも……読める心がなかったということ」

「ん~?どういうこと?」

 

「こいしは心を閉じたって言ったよね?俺の場合は……心が壊れているんだよね」

「心が……壊れて……?」

 

「心が無いって言った方がいいかな?俺には心が存在しない……だからさとりは心を読めない」

「心が壊れたら、人間は平気じゃいられないわ」

 

「平気さ……悪魔だから」

「悪魔?」

 

 ピアはこいしにすべて説明した。悪魔であるピアは、心が消滅しようとも自我を保つことが出来る。そのためピアの心は存在せず、見たとしても何も見えないのだ。

 

「そうなんだ……」

「こいしは閉じただけで、まだそこに心があるんだ。だからこいしには、その閉ざした心を……大切にしてほしい」

 

「……うん!ありがとう、お兄ちゃん!」

「いや、だから……その“お兄ちゃん”ってのは、何とかならんのか?」

 

「え?じゃあ、お兄ちゃんの名前を私に教えて?」

「ピア・デケムだ」

 

「う~ん……やっぱり、“お兄ちゃん”でいいや!」

「えぇ~」

 

「よろしくね!お兄ちゃん!!」

 こいしの無邪気な笑顔を見ていると、ますますフランのことが思い浮かんできた。

 

「(……俺って……子供に好かれやすいのか……?)」

「ねぇねぇ!お兄ちゃんのこと、もっと私に教えて?」

 

「……へ?」

「私、お兄ちゃんのことをもっと知りたくなっちゃった!だから教えて!いいでしょ~?」

 

「うっ……まぁ、別にいいけど……」

「やったぁ!!」

 

 こいしは嬉しそうにピアの隣に並んだ。ピアは飛んで帰ろうと思ったが、しばらくは歩くことにした。

 

 ようやく博麗神社に到着したピアは、知らない人間がいることに気付いた。

「よう、ピア。こいつはアリスっていうんだ。アリス・マーガトロイド。人形を使う魔法使いなんだぜ」

「そうか……。よろしく、アリス」

 

「こちらこそ。あなたの噂は聞いていたわ。よろしくね」

「あぁ」

 

 軽くあいさつを済ませた後、ピアは霊夢が見当たらないことに気付いた。

「あれ?魔理沙、霊夢は?」

「あ、そうだった。……おぉーい、霊夢ぅ!ピアが帰ってきたぜー!」

 

 魔理沙が霊夢を呼ぶと、霊夢は慌ただしく出てきた。

「ピア!大丈夫!?」

「え……あ、あぁ。大丈夫だ」

 

「けがはしてないでしょうね?本当に大丈夫なのよね!?」

「大丈夫だって!どうしたんだよ?」

「え?……あっ」

 

 霊夢はハッ、となってピアに背中を向けた。霊夢の不可解な行動に、ピアは怪訝そうな顔をした。

「……どうした?」

「無事なら……それでいいわ」

 

 霊夢はそれだけを言うと、さっさと神社の中へ戻っていった。

「(……素直じゃないわね……)」

「ん?アリス、なんか言ったか?」

 

「なにも……それより、魔理沙」

「なんだぜ?」

 

 アリスは魔理沙とひそひそ話を始めた。

「(今回の件……ピアには内緒にするべきね)」

「(あぁ……ピアは能力のことで、紫に感謝しているみたいだしな……。黙って正解だぜ)」

 

「どうした、二人とも?どうせだから神社でゆっくりして行けよ。お茶、出すぜ」

「な?いいやつだろ?」

「そうね……。どちらかっていうと、お人好しって感じね」

 

 二人はピアの誘いを受けることにした。縁側に座った二人に、ピアは慣れた手つきでお茶を注いだ。魔理沙は大袈裟に褒めていたが、アリスの評価は辛口だった。

その後、博麗の巫女の使いになったきっかけや、初めて解決した異変、これまで出会ってきた人たちとの話など、ピアはアリスにいろいろと話した。

たまに魔理沙が捏造したりもしたが、そこは冷静にツッコミを入れた。三人の話は、日が暮れるまで続いた。

 




次回は一応構想は決まっているのですがう~ん…
一回ピア君のブレイクタイムを挟むべきか
そのまま本編で進むべきか迷っています(^_^;)
どちらがいいでしょうか?
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