文才がほしいです(^_^;)
あの後ピア君はどうなったのでしょうか…
ではどうぞ!
春。幻想郷の森や山に咲き誇る桜の花びらは、風にあおられて空高く待っていた。桜の花びらに交じり、リリーホワイトが春を告げるため、空を飛んでいた。月落下異変から、三度目の春。博麗神社の巫女、博麗霊夢は幻想郷の空を飛んでいた。ただ、何かをするわけでもなく、霊夢はぼぉーっと空を飛んでいた。
そして霊夢は、ある場所に到着したところで足を止めた。過去に見たことがある光景。足下には咲き乱れる桜の木々、そして遠くには鈴蘭の花畑が見えるこの場所で、霊夢は運命の出会いを果たした。
三年前の春。毒霧異変を解決するため、移動をしていた霊夢の目の前に現れた一人の男。霊夢の運命を大きく変える存在となった彼は、博麗の巫女の使いとして、霊夢に仕えることとなった。しかし霊夢は、彼のことをただお賽銭を稼ぐための働き手としか見ていなかった。
三年前の夏。幻想郷になじみ始めた彼を、霊夢は徐々に意識し始めた。それは、自分以外にも彼を求める女性が増えたからである。それでも霊夢は、あまり意識しないようにしていた。しかし、そんな霊夢の考えを破壊するような出来事が起きた。妖怪の賢者、八雲紫による彼の抹殺計画だった。紫はひそかに様々な場所へと手を伸ばし、彼を幻想郷から排除しようとしていた。霊夢は紫がそんなことをすることとは信じられなかった。
三年前の秋。もはや幻想郷では、彼を知らぬ者はいないという状況になり始めていた。霊夢は、彼が誰かにとられてしまうのではと、徐々に焦り始めていた。そんな様子を見かねた博麗神社に居候している鬼、伊吹萃香は二人の関係を後押しするようにフォローした。しかし、紫はそんな状況を認めなかった。ついに紫本人が動き出し、彼を殺そうとした。しかし、霊夢と彼を信じる仲間たちは、紫の身勝手な暴走を阻止し、彼を守ることに成功した。霊夢の想いは少しずつだが、確実に彼に近づいていた。
三年前の冬。幻想郷に最大の危機が訪れた。それは、彼が住む世界の敵が月を落とす計画、後の『月落下異変』を引き起こしたのだ。これまでにない厳戒態勢で巨大な結界を作り、月の対抗した霊夢たちだったが、巨大結界も月の前に崩壊していった。そんな中、彼は行った。月を押し返し、敵を討つために、一人飛び立った。そして、彼は敵を討ち、幻想郷を守った。
彼は、帰ってこなかった。
「…………」
霊夢は黙って辺りを見渡した。見渡す限りの桜吹雪。時折顔に向かって花びらが飛んでくるので、それを払った。
「……はぁ」
霊夢はため息をついて踵を返した。博麗神社に戻ろうと態勢を整えた、その時だった。
ズウンッ!
という、重いものが降ってきたような感覚が霊夢を襲った。
「…………!!」
霊夢はとっさに振り返る。この感覚を知っている。霊夢はこの感覚を覚えている。三年前のあの時と、まったく同じ感覚だった。
「……まさか……」
霊夢は目を凝らした。そしてやがて、そこからスキマとは異なる別空間が、霊夢に向かって開かれた。
「まさか……そんな……」
霊夢が呆然と立ち尽くしていると、空間の中から人間の左手が現れた。その左手は何かを探しているのか、必死に空を掴んでいた。霊夢はその手にそっと近づき、自分の左手を差し出した。するとその左手は、迷うことなく霊夢の左手を掴んだ。
「…………」
霊夢は覚悟を決めると、その左手を全力で引っ張った。霊夢に手を引かれ、一人の人間がその空間から姿を現した。その人間は体が完全に空間から出ると、右手で霊夢の左肩を掴み、態勢を整えた。謎の空間から姿を現したのは、男だった。霊夢とはさほど年が変わらないほどの男。膝の下まで伸びた紫色の髪。中性的な顔立ちに似合わないほどの悪い目つき。さらに、背中と腰に差している大きさが異なる二刀の剣。大剣の方は包帯で巻かれており、細剣の方は宝石のような美しい剣だった。そして、霊夢はこの男を知っていた。霊夢の目には、自然と涙があふれていた。
「……遅すぎるのよ、バカ……」
霊夢は涙を流しながらそう言った。男は少し申し訳なさそうな顔をした。
「……悪かった。こっちとそっちじゃ、時間の流れがどうも違うみたいでよ……」
「三週間って……意外と長いのね」
「三年ってのは……思いのほか短いな」
霊夢は男にそっと抱き付き、静かに泣き始めた。男もまた、霊夢を強く抱きしめた。
「ずっと……待ってた……。三年間……ずっと……」
「待たせて悪かった……。本当に……悪かった……」
「ううん、気にしてない。だって……“ちゃんと帰ってくる”って、あの時約束したから……」
「……そうだったな」
霊夢は男から離れ、彼の顔を見つめた。男もまた、霊夢の顔を見てほほ笑んだ。
「……少し……大きくなった?」
「いろいろと……ね」
「三年って長いなぁ……」
「三週間は短かったでしょ?」
「たしかにな。………ははは」
「ふふっ……あんたって、本当に相変わらずなのね」
「お前もな……霊夢」
そして、霊夢は男に向けて笑顔を見せた。
「お帰りなさい、ピア」
「あぁ、ただいま。博麗の巫女の使い、『ピア・デケム』……約束通り、帰ってきたぜ」
博麗の巫女の使い、ピア。現地時間で三週間、幻想郷の三年の時を経て、再び幻想の地に舞い降りた。
※注意!!
本当はここに書くべきではないですが一応書いておきます
その一。この物語は「東方魔郷談」の後日談です(一応)。そのため、いきなりこれから読むと解せぬ状況に陥りやすいので、本編を先に読んでください。
その二。たまに誤字、脱字がありますが、遠慮なく訂正しちゃってください。むしろ直してほしいです。お願いします。
その三。嫁キャラが主人公に毒されるのが怖い人は絶対に読まないでください。私も結構気にしてますので……(なぜもっと前から言わないのかと言われますと本当にすみませんm(_ _)m)。
その四。主人公は悪魔です。決して人間ではありませんので、彼自身に過度な期待はしないでください(主に恋愛面)。
その五。前作未登場キャラ、出番が少なかったキャラを出していきます(前作の時点でミスチーを出せなかったのは計算外でした……)。ただし!ただしです!!全てのキャラを出すことは出来ませんので予めご了承ください。
その六。後日談的内容なのですが、シリアス表現も少ない。ほとんどギャグしかないうえに、目的の無い物語なだけに、一話一話が極端に短かったりします。いや……本当にただの後日談なのです……。
上の注意事項を理解してくれた人は、ぜひぜひゆっくりして行ってください。
ではまた