俺のラブコメは緩すぎる!?   作:まえだ有機

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5話 たまに学校に行くのが異常に面倒な時ってありますよね

 

 

 

教室に入るとそこにはいつもの風景が………広がっておらず、教室にいる生徒のおよそ8割が教室の入り口。

つまり、そこに立っている誠司に視線を向けていた。

「っ…………!」

誠司はその視線を出来るだけ意識しないように努めて冷静を装った。

そして何も無かったかのように誠司は席についた。

「…全く。何故こんなに注目を浴びねばならんのだ…」

誠司は小声でそう呟いた。

ちょうどその時、

「おい、朱坂!!」

「どうした?」

誠司の机に2人の生徒が寄ってきた。

1人は板垣英介(いたがきえいすけ)

と言って、普段から誠司とよくつるんでいる。

そしてもう1人は伊藤隼汰(いとうしゅんた)という。彼も英介と同じく普段から誠司とよくつるんでいる。

その2人が誠司のところへやって来た。

「朱坂。お前、いつから彼女いたんだよ!??」

「てか、隠すとかマジないわー」

「いや待て。俺に彼女なんて居ないぞ。というより、一体何の話だ?」

誠司は努めて冷静に対応した。

「いや、とぼけるとかマジないべ。本当はわかってるっしょ?」

「いや、本当にわからないんだが…」

誠司がそう言ったところでチャイムが鳴り響く。

「さあ、お喋りはこれで終わりだ。ほら、さっさと席に戻れ」

誠司はしっしっと追い払うように手を払った。

英介と隼汰は面白くねー、とか本当ないわーとか言いながら各々の席へ戻って行った。

「全く、面倒な事このうえないな…」

 

それから担任が簡単にHRを終わらせ、授業に入った。

だがもちろん、休み時間の間も英介や隼汰以外のクラスメイトからも質問責めにあった。

 

昼休みになり、一部の生徒は売店に走り、また一部の生徒は学食へと向かった。

誠司は弁当を持ってきて無かったので彼も売店へと向かった。

「やあ、副会長!」

売店で最後尾に着いた時、背後から声をかけられた。

誠司の事をその様に呼ぶのはこの学校では1人しかいない。

生徒会長の宮原英一朗である。

「なんだ、会長か」

「なんだ、とは随分な挨拶だね。ところで、昨晩はお楽しみのようだったけど、どうだった?」

「一体、何の事だ?」

誠司はあえて知らない振りをしたが、やはり英一朗には通じない。顔では爽やかな笑顔を取り繕っているが、目では誠司の言動から全てを見抜こうとしていた。

「はあ、わかったよ。やっぱあんたに嘘は通じないな…」

誠司は降参、と言わんばかりに両手を挙げた。

「あはは。嘘は良くないよね」

変わらず英一朗は顔だけは笑っている。

一体、どこからそんな情報を得ているんだ?

「それで、誠司君。明日の会議の議題のアイデアは出来たかい?」

「いや、今日はクラスの奴らから質問責めされて考える暇が無かった」

「そう?まあ、明日の放課後までに考えておいてくれればそれでいいんだけどね。あ、誠司君。前に詰めてくれ」

「あ、あぁ」

英一朗はそう言って去って行った。

「やっぱり、何を考えているのかわからんな」

 

教室に戻ると誠司の席に人が座っていた。

クラスの生徒ではない。

篠原優香である。

何故か優香は教室にいる生徒からの注目を集めていた。

そして誠司が教室の扉を開けると今度はこちらに注目が集まる。

もちろん、優香も誠司の方へ視線を向ける。

「………っ」

誠司はこの時程、教室に入り辛いと思った事は無かった。

誠司はため息をひとつ、吐いて教室へと足を踏み入れた。

そして自分の席へは向かわずにちょうど教室にいた隼汰と英介のところへ行った。

「お!誠司!あれはマジでどういう事なんだ?」

「あの子、マジでお前の彼女じゃないんだな?

隼汰と英介が口々に言う。

「いや、本当に知らんのだが…」

そう言って自分の席の方へ視線を向けた。

そこにはまだ、優香が座っている。

しかもそこで弁当を広げてそれを食べている。

「ほれ、朱坂。彼女を放っておくなんてなあ……」

隼汰が頭の後ろで手を組んで優香の方へとチラチラっと視線を送る。「伊藤、見過ぎだ。あまり関わりを持たない方が身のためだぞ」

「えぇ〜。見るくらい別に良くね?あ、もしかして、俺に彼女を取られるのが怖かったり?」

誠司は忠告したつもりだったが、むしろ逆効果だったようだ。

隼汰たちはさらに調子にのってしまった。

そんなこんなで誠司は優香を英介と隼汰のところへ連れて行くハメになってしまった。

「で、こいつが板垣英介で、こっちが伊藤隼汰だ」

「そう、なの」

優香が若干引き気味に答える。

なぜなら、隼汰がずっと優香に憧れの視線を送っているからである。

隼汰はいわゆる女好きな人間である。

なので、基本的に美人には目がない。

「おい、伊藤。篠原さんが引いてるぞ。てか、いい加減にそういうの、少しわきまえたらどうなんだ?」

英介が優香の態度を察して隼汰を制する。

「まあ、篠原。こんな感じだが割といい奴らだから。とりあえず仲良くしてやってくれ」

「え、えぇ」

誠司の言葉に優香は少し戸惑いながらも答える。

「よろしくね。板垣英介君」

優香はそう言って微笑んだ。

「あれ?ちょっ俺は!?」

と、さらりとスルーされた隼汰の驚きと悲しみの混じった叫びは置いといて、

「それよりも、だ。篠原。なぜ今日、クラスの違うお前が俺の席で昼食をとっていた?」

誠司はかねてから聞こうと思っていた事を聞いた。

「ああ。それは今日の放課後の事について説明しようと思ったから」

と、ピンッと人差し指を立てて優香が答えた。

「なるほど。だが、それは昨日にでも出来た話だろう?」

「昨日は忘れてたの。だから今日言っておこうかと」

優香は少し済まなそうに言った。

「まだツッコミを入れたい箇所はいくつかあるがそれは聞かないでおく。それで、今日の放課後、俺は何を手伝えばいいんだ?」

「あまり大した事では無いんだけど………」

そして、優香は話を始めた。

 

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