俺のラブコメは緩すぎる!?   作:まえだ有機

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3話 会議って始めのうちは大抵何も決まらないよね

 

ー目覚まし時計が枕元でけたたましく鳴る。

誠司は目覚まし時計を乱暴に叩くと布団の中に潜り込む。

もうあと5分、

誠司は現実と夢の間をさまよいながら呟くと再び眠りにつこうとする。

が、もちろん。眠らせてもらえるはずもなく、

スッ、と誠司の寝ている部屋のドアが開けられ、ある人物がそこへ進入する。

そしてその人物はニヤリと薄い笑みを浮かべ、すうっと息を吸い込み、

「おっきろぉーーーー!!!」

千沙斗は部屋中に響くくらい大きな声を発した。

「!?なんだ!?火事か!それとも巨人が襲ってきたのか!?」

誠司は布団を弾き飛ばし文字通り飛び起きた。

それを見て千沙斗はその場で笑い転げる。

「あっはははは!!はあ、お兄ちゃん、おはよ。ご飯、出来てるからはやく食べちゃってよ。」

「え?お、おう」

誠司は千沙斗に言われた通り朝食を食べに行った。

「……、千沙斗。これ、お前が作ったのか?」

「え?私以外に誰が作るってわけ?もしかしてまだ寝ぼけてる?それなら……」

千沙斗の目が怪しく光る。それに何か危機感に近いものを感じた誠司は

「いやっ!もう目は覚めている!そ、そうだよな、確かにそうだ」

やばっかった、多分、今のはそこそこにヤバかった。今の気づかなかったら何が起こったかわかったもんじゃない。

誠司は内心冷や汗がダラダラな状態であった。

「ま、まあいい。さて、とさっさと飯食って学校に行かんとな」

誠司は気を取り直してテーブルについた。

千沙斗もそれを見て満足気に頷き、千沙斗も自分で作った朝食に手をつける。

 

2人は朝食を食べたのちそれぞれに学校へ行く用意をした。

誠司が玄関を出ると、中から慌ただしい声がする。

「あ〜!!ちょっと、お兄ちゃん。待ってよぉ!今行くから〜!!」

その直後、千沙斗が何かに躓いたらしくなんか色々な物が大きな音を立てて崩れた音がした。それとほぼ同時に「痛っ!」と千沙斗の声が聞こえてくる。

多分、慌てた拍子に何かにぶつかってそれが崩れたのだろう。

「はあ、千沙斗ぉ。慌てなくていいから、な?ちゃんと待つから。落ち着いて準備しろ」

恐らく部屋の中に散らかした物を片付けているのであろう妹に玄関から声をかける。

「わかったあ…」

力の無い声が返ってくる。

それから20分ほど経ってから、

「やばい!遅刻しちゃうよ、お兄ちゃん!!どうしよう!!」

と言って早送り再生でもしているのかと錯覚させられるほどのスピードで誠司のもとへと駆け寄る。

「そのままの勢いで走ればどうにかなるだろ。じゃ俺は行くから」

誠司はそう言って少し早めに歩き出す。誠司の高校は偏差値そこそこの割としっかりとした進学校だが、始業時間は他の高校と比べると割と遅めなのである。なので今から少し急げは少しギリギリにはなるが遅刻はしない。

が、

「え!?お兄ちゃん、待ってくれてたのって一緒に行こうとかそういうのじゃないの!?」

後ろから千沙斗のそんな声が聞こえてくるが誠司はこれ以上は付き合ってられん、と心の中で呟いてそのままマンションの階段を降りていった。

 

ー学校へ着くとまばらだがまだ校門をくぐっている生徒はいた。

時間的にはまだ大丈夫なのだが、普段と違う朝、違う通学路を通ってきたので若干であるが不安ではあった。

「ははっ、流石、俺だな。ほぼ初見の道も使いこなせると」

なんて独り言を呟いてみる。そしてまっすぐ教室へと向かう。

誠司の通っている私立天水高等学校は全校生徒数約1000人と私立としては割と規模が小さめな学校である。

誠司は自分のクラスの教室へと足を踏み入れる。

「よーう!副会長!!今日はなかなかに遅い出勤だね!」

教室に入った瞬間に待ち構えていたかのようなタイミングで声をかけられる。

「朝からうるさいぞ、会長。俺は朝は静かに過ごしたい派なんだ」

と朝から無駄テンションの高い会長と呼ばれた少年を尻目に自分の席につく。

「釣れないねぇ、まあいいや。なあ誠司君、今は時間がないから手短かに言うけど昼休み、生徒会室に集合ね」

そう言って会長は教室を出て行った。

説明が遅れたが、この会長と誠司に呼ばれていた少年の名前は宮原 英一朗(みやはら えいいちろう)と言う。

生徒会長である。彼は1年の後期からそれを務めている。

ちなみにこの高校の生徒会は少し、というかかなり変わっていて会長は選挙で決めるが、残りのメンバー、つまり副会長や書記、といった役職は一般の生徒から会長がスカウトする、という新会長にとっては中々シビアな制度を設けている。

要するに新会長はなった瞬間からいきなり厳しい試練を与えられるので立候補する人はいないのではないか、と思うだろうが実際はそうではなく、友達とそういう約束をして仲の良い奴らで生徒会を運営しようとかいうのがかなり多い。ので、以外と競争率は高いのである。

が、英一朗はことごとくそういった輩の組織票を上回り、見事二回連続当選を果たしているのである。

学校側としては人の能力を見る目とか、交渉術とかを伸ばして欲しいみたいだが、そうもいかないのが現実である。

そして、そこで出てきたのが彼、現生徒会長の宮原 英一朗である。彼はそんな生徒会選挙を見事に勝ち抜き、副会長1人、書記2人をスカウトして見事に彼らを生徒会に引き込んだ。もちろん副会長というのは誠司の事である。

「しかし、なんで俺を選んだんだ、あいつは?いや、確かに俺は結構できる人間だと自負しているが、いや、やっぱいいか」

なんて考えているうちに1時間目が始まる合図のチャイムが鳴る。

それから誠司は午前の授業をうけて、昼休みになるのを待った。

 

そして、4時間目の授業の終了を、告げるチャイムがなり終わるとともに誠司は売店へと走った。そして昼食のパンを買うとそのまま英一朗に言われた通り生徒会室へと向かった。

生徒会室に入るとそこにはまだ誰も居らず、いるのは誠司1人だけだった。

何もしないのもアレなので、と誠司はとりあえずさっき売店で買ったパンを食べ始める。

パンを食べ始めてから少し経った頃、書記の2人が来た。

1人は割とおとなしめで正に文学少女というような、1年生の平岡 姫那(ひらおか ひな)である。

そしてもう1人は同じく1年生で姫那と同じクラスの山村 好織(やまむら いおり)と言う。こっちは結構よく喋る。そして、時折あざとかったりする。

「あ、朱坂先輩も呼ばれてたんですね。こんにちはッス!あ、隣いいですか?」

好織は生徒会室にすでに来ていた誠司の隣に答えを聞く前に座る。

「おい、良いとは一言も……」

と誠司が言い切る前に座られたので誠司は言うのを諦めた。

すると、

「あの、朱坂先輩」

教室の入り口付近から微かにそんな声が聞こえてきた。

「ん?」と誠司がその方向を見ると、おどおどした様子のもう1人の書記、姫那がいた。

それは当然である。なんたって同時に入ってきたのだから。

「ああ、平岡さん。座んなよ」

と誠司は向かいのソファを勧める。が、まあ、ここはお決まりで誠司の隣にチョコンと座った。

必然的に誠司は下級生の女子2人に挟まれる形になる。が、もちろん彼が望んだ事ではない。

なので誠司は、

「狭いだろうから、俺が移動しよう」

と言って空いている向かいのソファに移動する。

そして、再びパンにかぶりついた。

 

「ねえ、先輩。なんであたし達呼ばれたんですか?なんか知ってます?」

と好織が聞いてきた直後のタイミングで、

「いやあ、アッハッハ!みんな待たせたね!会長の登場だよ!」

と招集しておきながらも一番最後に来たというのに全く悪びれた様子を見せない生徒会長、宮原 英一朗が登場した。

「やっときたか、会長。で、俺らはなんで呼ばれたんだ?」

誠司はさっさと済ませようと言わんばかりにそう言った。

「よくぞ聞いてくれた!実は今日の放課後に会議を開くのだけど、その前に君らにその会議の内容について伝えておきたかったのと、もう一つはついでなんだけど、1人紹介したい人がいるんだよ。さ、入ってくれ」

英一朗がそう促して入ってきた人物を見て誠司は思わず勢いよく席を立ち上がり、その拍子にテーブルに膝をぶつけた。

「〜〜〜〜!?」

声にならない声を発した。それだけ痛かったのだ。

「さて、彼女には今日からこの生徒会の会計と副会長をしてもらうから」

と英一朗は膝をぶつけ、うずくまる誠司をそっちのけで話を続けた。

「2年の篠原 優香(しのはら ゆうか)です。よろしく」

と少女は言った。

「じゃ、篠原さん。とりあえず適当に座って」

と英一朗は促した。まあ、当然、といえば当然なのだろうか。

そして優香は誠司の横に座り、彼女が座ったのを確認して英一朗は話始めた。

 




まだまた更新します!
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