憑依日向と瑞雲鎮守府   作:8号機

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秋津洲が可哀想になった作者は続きを急ぐことにしました。


瑞雲への道のり3―明石の工廠―

(―前回までのあらすじ―

自信の航空戦艦化を提督に一蹴された日向。水上機母艦秋津洲の存在を知り、様子を見に行った日向が目にしたのは濁った瞳でエア大艇ちゃんと戯れる秋津洲の姿だった。日向は鎮守府からの脱走を決意する)

 

場所は再び工廠。俺はある艦娘に会いに来ていた。

 

「明石、居るか?」

 

工作艦明石。鎮守府の工廠にて装備の改修や点検をしてくれる頼もしい艦娘である。

 

「あれ?日向さんですか?珍しいですね」

 

呼んで直ぐにハンドシールドを持った明石が奥から出てきた。

 

「どんな用件ですか?」

 

「実は……ここでは言いにくいのだが……」

 

「あ、じゃあ私の部屋来ます?」

 

明石から場所を提供されることになった。

 

「すまない、それで頼む」

 

 

 

 

「日向さん、お茶をどうぞ」

 

「あ、どうも」

 

明石の部屋は工廠の奥にあった。

畳とちゃぶ台という落ち着く家具の組み合わせに全くマッチしないガラクタの山が印象的だ。

 

「それで、言いにくい話って何ですか?」

 

「実は私を航空戦艦に改造して欲しいんだ」

 

明石がわくわくした顔から一気に渋い顔になった。

 

「無理ですよ。提督が許してくれませんよ」

 

「それなんだが……私は鎮守府からの脱走を考えている」

 

「だ……脱走!?」

 

明石の持っていたお茶がつるりと落ちる。危ない!

 

「おっと……」

 

俺はお茶をキャッチして明石に渡す。

 

「明石、声が大きい」

 

「あっ、すみません」

 

「それで、それを考慮した上で改造して欲しいんだ」

 

それでも明石は難しい顔のままだ。提督に無断で改造を行えば明石にも何らかの処分が下されるだろう。やはり戦艦のまま脱走すべきか……

 

「いや。忘れてくれ明石に迷惑をかける訳にはいかないな」

 

「あ、それはいいです。日向さんを改造したら私も脱走します」

 

え?

明石にもこの鎮守府に不満なことがあるのだろうか。あの提督頑固だし。

 

「ここの提督、ネジがもったいないとか言ってちょっとしか改修させてくれないんですよ。しかも46cm砲ばっか

りで」

 

「じゃあ、何が問題なんだ?」

 

この鎮守府は弾薬の消費が激しい。その辺の問題だろうか?

 

「じつは、設計図が無いんです」

 

 

 

 

艦娘の改装にはしばしば設計図が必要となる。

利根型の航空巡洋艦化や鳥海の第二改装など、史実で行われなかった、計画すらされていない改造に使うことがある。

 

「私の改造に改装設計図は必要だったか?」

 

「いえ、戦果と引き換えに支給される特別な設計図はいらないんですけど、提督に最初から渡された設計図があったのですが……」

 

嫌な予感がしてきた。

 

「提督が『航空戦艦など不要!』って言ってシュレッダーに突っ込んじゃいまして……」

 

なんということだ!俺の改造の妨げとなるのはまたしても提督だった!

あの提督め……どこまでも邪魔をする奴だな。

 

「何か、何か方法は無いのか?」

 

これで駄目なら航空戦艦にならずに脱走することになる。索敵能力の不足は痛い。

 

「一つだけ、方法が有ります。ですが、私には出来ません。もう一人味方をつくる必要があります」

 

「それは……、誰なんだ?」

 

此方の都合に巻き込むのだ。場合によっては相応の準備をしなければならない。

 

「それは……夕張さんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




早く秋津洲を救済せねば
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