憑依日向と瑞雲鎮守府   作:8号機

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宿題がジェットストリームアタックをかけてきたのでだいぶ遅れました。スミマセン。


海原の鷹9―衝突― Ver.1.1

「くっ……」

 

「おっと、逃がしませんよ」

 

逃亡を図った加賀をどこからともなく縄を取り出した青葉が縛る。

 

「さあ!どんな気持ちですか?一言お願いします!」

 

「一航戦の誇りが……こんなことで……」

 

やはり青葉に頼んだのは失敗だったか?やることが多い中で状況をかき乱さないでほしい。

 

「青葉、これは記事にしないでくれ」

 

「拒否します!」

 

「しかたない。大淀に何か対策を……」

 

「わかりました。わかりましたよ。別の事件探してきます」

 

青葉は嫌そうな顔をしたあとトボトボとその場を去っていった。脅しに使った俺が言えることではないが彼女はどう見られているのだ?

 

「加賀、とりあえず艦載機を着陸させておけ。もう日が暮れるぞ」

 

「…………。そうね、そうさせてもらうわ」

 

加賀はしばらく俺を睨んだ後にそう答え、艦載機が順番に着陸する。着陸が完了した頃、完全に日が落ちた。

 

 

 

 

「さて、どういうわけか説明してもらえるか?」

 

「拒否します」

 

縛られていても強気は揺るがず、かえって敵対心が増している。刺すような視線から黒い殺気がにじみ出ている。

 

「いいえ、加賀さん。私も聞きたいです。これはどういうことですか?」

 

建物の陰から赤城が現れる。

 

「赤城さん……どうしてここに……?」

 

「あれだけ騒がれれば誰だって気になります」

 

それも俺の作戦のひとつ。寮の部屋の近くで戦闘を行えば必ず誰かが気づく。冷静に見えて感情的な加賀なら気付かずに攻撃すると思っていた。とはいえ気づいたのが赤城とまでは思わなかったが。

 

「どういうことか説明してください」

 

「あ、赤城さん……これは……」

 

毅然とした態度を見せる赤城と対称的に加賀はひどく動揺している。

 

「彼女たちに何か不満が有るんですか?」

 

「当たり前です」

 

加賀が顔を上げ、俺と天城を睨み付ける。

 

「私は認められません。艦載機も持ってない艦が航空戦隊など……」

 

加賀から向けられるのは軽蔑を含んだ眼差し。確かに天城も日向も艦載機を搭載しての実戦は行っていない。航空隊を載せて練習航海を行っていた天城と違い、日向に瑞雲が搭載されることは無かった。

 

「艦載機の着艦も出来ない艦が航空戦隊の旗艦を務め、特に航空戦をしない一航戦なんて……。許せません」

 

「加賀さん……」

 

制止する赤城を無視して加賀は続ける。

 

「航空戦隊が輸送作戦、対空砲台に従事するなど……私たちの一航戦を……赤城さんを馬鹿にしているんですか」

 

「加賀さんっ!やめてください」

 

「え……?」

 

突然叫んだ赤城に再び加賀が戸惑いを見せる。

 

「私たちが彼女たちを責められるわけ無いじゃありませんか」

 

赤城が暗い表情で話始める。

 

「航空機も……燃料すらも無いなかで必死に自分に出来ることを行ってきたんです。そんな彼女たちを自らの力量に自惚れて、慢心して戦っていた私達が責められるわけがありません」

 

「赤城さん……私達は……」

 

「いいえ、天城さん」

 

何か言いかけた天城を押さえて赤城が続ける。

 

「決定的な敗北で日本を不利にして、あなた達を苦しい時代に生まれさせてしまいました。むしろ責められるのは私のほうで……」

 

「違うっ!」

 

加賀が叫んで立ち上がり、しかし縛られているため地面に倒れる。それでも這って赤城へ近づいて行く。

 

「赤城さんは……いつも人一倍厳しい訓練をしてっ……それも毎日毎日!慢心なんかしていないっ! 」

 

「確かに訓練はしました……ですが、図上演習の被弾を誤魔化して楽勝気分で戦場に向かう……。そんな気持ちで実力を発揮出来るはずがありません!」

 

赤城も虚ろな目で叫び返す。

 

「あんな図上演習、間違いに決まってる!あの時負けたのだって運が悪かっただけ……もう一度やれば……」

 

「やめてください……栄光の第一航空戦隊なんかじゃない……本当の私は……」

 

「完璧な空母が本当の赤城さんよ!」

 

「違う!加賀さんまでそんな……本当の私を……見てよ……」

 

赤城が呟き、それを聞いた加賀の動きが止まった。

 

「赤城さん?私は……赤城さんの……何を……」

 

加賀は動きを止めたままぶつぶつと呟き始める。

 

「赤城さん、言い過ぎです」

 

天城が俺の後ろを離れて赤城に駆け寄る。

 

「加賀さん……私は……そんなつもりじゃ……」

 

赤城は天城のことも目に入っていないようだった。天城が赤城の居るところにたどり着く前に赤城が走り出した。

 

「赤城さんっ……」

 

走り去る赤城を追った天城も見えなくり、残されたのは俺と縛られたまま転がっている加賀、そしてどうしようもなく混乱した状況のみだった。

 

どうしてこうなった。

 

 




どうしてこんな暗いんや?
この話で解決する予定だったのに……
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