その件で近所の瑞雲に爆撃された作者は急いで四話を仕上げたのだった。
(―前回までのあらすじ―
提督が設計図をシュレッダーにかけたせいで航空戦艦になれない日向は唯一の解決策をもつ夕張の元へ向かう)
明石の話によれば夕張の部屋は軽巡寮の最奥部に位置するという。俺は夕張の協力を得るために軽巡寮の暗い廊下を進んでいた。
なぜこんなに暗いのかというと川内が暗闇に目がなれるように蛍光灯を取り外してしまったかららしい。
やはりここの川内も夜戦バカか……
廊下の突き当たりにたどり着くと右手側に『夕張のラボ』と書かれたドアがあった。
「夕張、いるか?」
ドアをノックしてみるが返事が無い。
寝ているのか、気づいていないだけか……。夕張は出撃の時以外は部屋に引きこもっているらしい。そして今日は夕張の出撃の日ではない。
「夕張、入るぞ……」
俺は一応断ってから扉を開けた。
*
さむっ!?
部屋はエアコンがガンガンにかかっている。さらにあちこちに置かれたパソコンやHDDのファンの唸りや絶え間なく響くタイピング音で非常にうるさい。
そして部屋の真ん中に置かれたこたつに半纏を着て眼鏡をかけた夕張が一心不乱にキーボードを叩いている。
「おい、夕張」
俺が前に立っても気付かないので夕張の肩をたたく。
「はひゃあ!?」
夕張は変な声を出して飛び上がり、艤装を展開してこちらにむけてきた!危ない!
「ま、待て夕張。日向だ」
「へ?あぁ、日向さんか。脅かさないでよ」
いくら戦艦と言えども14cm砲の直撃は痛い。
「で、どうしたの?もしかして私の発明の被験者になってくれるの?」
「実は相談があってな」
かくかくしかじか
*
「なるほど、それで私に目をつけたんですね。いい判断ね」
「やってくれるか?」
「モチロンよ。提督が邪魔で実験出来なかった発明がいっぱいあるのよ。着いていくわ」
夕張が部屋の押し入れを開けてなにやら怪しげなヘルメットを取り出す。
「このマシーンの被験体になってくれるってことですよね」
まずい、夕張が暴走している。しかも結局実験の被験者になってしまった。覚悟していたとはいえ怖い。
*
「このヘルメットは被験者の魂を観察する装置よ。さらにオペレーターが被験者の魂に直接的ダイブすることができるのよ!」
なんという発明だろうか!まるでマンガやアニメにでてくるような機械だ。
「それが本当なら凄い発明に思えるが……」
「実はこれ、艦娘にしか使えないのよ。艦娘はその艦の魂の形、つまりメンタルモデルのコピーを増幅したものなの。だから魂をとらえやすいのよ」
何を言っているかわからないがこの世界においての艦娘の真実が明かされているらしい。
「今回は日向さんの魂にダイブして艤装の設計を調べるわ。さぁ、善は急げよ!早速始めるわ」
夕張は鈍足な艦とは思えないような速さで俺にヘルメットを被せる。
「待て……まだ準備が……」
言い終わらないうちに意識が薄れていった。
話がなかなか進みません……