奪われた男   作:フューチュラ

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フリージング少ないから自分で投稿。

駄文ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。


ウェストゼネティックスに来た男

あの時…

 

アイツが現れなければ…

 

失わなかった…………

 

家族をダチを…………

 

そして…俺という人間(・・)を…………

 

だから…憎む…ヤツらを…

 

俺から全てを奪ったヤツらを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタバタ…

 

「…………」

 

アオイ・カズヤはオスプレイに乗り、生徒会長『シフォン・フェアチャイルド』と共に『ウェストゼネティックス』に向かっているのだが…

 

カズヤの隣にはもう1人の男が座っていた。

 

男は身長180cmぐらいで身体は引き締まっている。だが、カズヤとは違いゼネティックスの制服ではなくオレンジ色の囚人服を着て、手首には大きめの手錠を付けて、髪や顔は整えておらず金色の髪はボサボサで肩まで伸びていて無精髭が生えている。

そして…

 

「が〜が〜」

 

イビキをかいて寝ていた。

 

いったい何者なのか、カズヤと同じ『リミッター』なのかと思い男を見ていると、

 

「はぁ…そろそろ起きてください…ギンジ・アマノさん」

 

シフォンさんはアマノさんという男に近づき起こすために肩を揺すった。

 

「…………はい…着いた?」

 

アマノさんは寝ぼけ眼でシフォンさんに聞いた。

 

「いいえまだですわ。それより今の説明聞いてなかったですよね?」

 

「い、いや!聞いてましたよ⁉︎」

 

アマノさんは慌てながら答えるが、

 

「イビキをかいて寝ていたのにですか?」

 

「いや……………ごめんなさい…聞いてなかったです…」

 

アマノさんは寝ていたことを指摘され誤魔化すことが出来ないと分かったのか頭を掻きながらシフォンさんに謝り、

 

ス…

 

両手を懐に動かし何かを取り出した。

 

「あの…悪いんだけど吸っていいか?」

 

アマノさんは言いながら手にあるものを僕たちに見せた。

タバコだった。

 

「はぁ…ここは閉鎖空間なんですよ。吸ったら煙が充満して私達の肺に悪影響を及ぼしますから止めてください。それに貴方は未成年ですよね?喫煙は許されませんよ」

 

アマノさんはその言葉に頭を再び掻いてタバコを懐にしまうが、

 

「ここで吸うのは止めるが…タバコを辞めるのは無理だわ。なんせ3年も吸ってるんだから吸わねえとやってけねえよ…」

 

吸うのは辞める気が無いらしい…

 

「はぁ…分かりました。その代わり吸う時は見つからないようにして下さい…」

 

シフォンさんは何度目かの溜息を吐いてアマノさんに言うと、

 

「ありがとう…」

 

シフォンさんに頭を軽く下げて、隣にいるカズヤの方を見た。

 

「え〜と…君だれ?」

 

その言葉にカズヤは少し呆れ顔になるが思い出してみれば、カズヤが入ってきた時アマノが寝ていたのを思い出し、

 

「僕はアオイ・カズヤです。今日からウェストゼネティックスに編入になりました」

 

自己紹介をすると、

 

「俺はアマノ・ギンジ。俺も今日からウェストゼネティックスに入ることなったんだよろしくな」

 

アマノも自己紹介をし、手錠が付いている両手を出した。

 

「よろしくお願いします。アマノさん」

 

握手しようと手を出そうとするが、

 

「いけません‼︎」

 

シフォンがその手を止めた。

 

「え⁉︎」

 

シフォンの急な行動にカズヤが驚いていると、

 

「おいおい…別に俺はコイツを人質して逃げる気は無えんだから…握手ぐらいはいいだろう?」

 

アマノはシフォンに言った。

 

『人質⁉︎逃げる⁉︎』

 

カズヤはそんな人が隣に座り…同じ場所に行くのかと思い不安になり顔を青くした。

 

「貴方はウェストゼネティックスに着くまでは誰とも接触を許されてません。ですが、今回は私がいることで何があっても対応できるということでアオイ・カズヤさんとの移動が許されたのです。話す以外の行動は校長に会うまでは避けてください」

 

「了解…」

 

アマノさんはシフォンに頷いて返答し再び目を閉じて寝ようとするが、

 

「カズヤ。歳は幾つだ?」

 

アマノはカズヤに聞いた。

 

「え〜と…」

 

カズヤはシフォンを見ながらどうすればいいのか聞こうとすると、

 

「はぁ…会話は許されているから構わないですわ」

 

再び溜息を吐きカズヤに答えた。

その姿を見たカズヤは、

 

「15歳です…」

 

少し臆しながら答えた。

その姿を見ながら少し笑いながら、

 

「別にテメエをどうする気も無えんだからビビる必要は無えよ…15か…俺より3つ下か…ま…そこまでかしこまらなくていいぞぞ…呼び捨てで構わ無えよ」

 

カズヤに言った。

カズヤはその言葉に少し困惑しながら、

 

「ギンジ…………先輩」

 

言うが、呼び捨ては無理だようだ。

歳上ということもあるし何よりカズヤの性格上それは無理なのだろう…

 

「ま…さっきよりはましか…今後ともよろしくなカズヤ」

 

アマノはカズヤに言うと、

 

「シフォンさん。あんたも別に呼び捨てでいいぜ?」

 

シフォンを見ながら言った。

 

「…考えておきます」

 

シフォンはアマノの言葉に目を閉じて言った。

何か考えているのだろう。

その姿を見たカズヤは考えながらも答えが分かることなくただ無言でウェストゼネティックス到着まで待った。

 

 

 

 

その後、1時間程でウェストゼネティックスに到着したが、

カズヤがオスプレイから降りると周りには数多くの女性と中には刺股のようなものを持ったいる者までいる。

周りを囲む女生徒を見て驚いた表情になるが、

 

「俺の迎えにしては結構豪華じゃねえか」

 

カズヤの後ろから出てきたアマノは表情を変えずに周りを見ると両手を開いて腕を上げた。

その行動を見たカズヤは疑問に思いながら見ていると、

 

「それ俺の首や足に付けんだろ?待ってるから早くつけろよ」

 

アマノは慌てることなく身構えている女生徒に言うと、

 

ガチャ!ガチャ!

 

女生徒達は表情を歪ませながらも、アマノが言った通りに首と足に刺股から出てきた縄を付けた。

 

「んじゃ…案内頼むわ」

 

アマノは拘束されても慌てることなく落ち着いた表情で言い、

 

「また後でなカズヤ」

 

アマノは手錠が着いた手を少し上げ、カズヤの方を見て手を振りながらシフォンが先導して周りの女生徒に引っ張られながら歩いって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヤと別れた後、俺は独房のような部屋に先程付けられた拘束具と女生徒達とシフォンと共にいた。

 

「はぁ…いつ迄俺はここにいればいいんだ?そろそろタバコ吸いてえんだけど」

 

この部屋に入ってから1時間近く経ちタバコを吸いたいという思いを我慢していたが、限界が近くなり口を開くと、

 

ギ‼︎

 

俺の首に付いている拘束具を持っている女生徒の手に力が入った。

 

「痛⁉︎」

 

「無駄口を叩かず静かにしてろ!」

 

力を入れた女生徒は褐色の肌に銀の跳ねっ毛でショートヘアの女。

その女は俺に厳しい目付きで俺を見て言った。

 

「おいおい…厳し過ぎんだろ…」

 

俺は彼女の行動、言動に呆れ顔になりながら言うと、

 

「無駄口叩くなと…言っているだろう‼︎」

 

彼女は大きな声を出して、ボルトウェポンだろう手にグローブを出して片手で拘束具を掴みながら俺を殴ろうとするが、

 

「お止めなさい!」

 

ピタ!

 

シフォンの言葉で彼女の拳は俺の顔ギリギリ前で止まった。

 

「クレオさん。それ以上の行動は許しません」

 

シフォンは眼を少し開いてクレオを見ると、

 

「…チ!」

 

クレオは表情を歪ませながら下り再び拘束具を両手で持った。

 

「ありがとう」

 

俺はシフォンに礼を言うと、

 

「静かにしていてください。これ以上口を開くと私でも彼女達を止められないですから」

 

これ以上喋るなと釘を刺した。

 

「了解…」

 

俺はそれに従い、眼を閉じて寝ることにした。

 

 

 

「コイツは何なんだ?」

 

「このような状態で寝るなんて…」

 

「馬鹿なんじゃないの?じゃなきゃこんな状況で寝れないでしょ?」

 

「確かにな」

 

「ええ。馬鹿なのは間違いないわね」

 

アマノの周りで拘束具を手に持っている『クレオ・ブランド』と同じ3年生の『イングリット・バーンシュタイン』、『アーネット・マックミラン』は目の前で寝ているアマノを見て言った。

普通ならいつ手を出されるか分からないこの状態で寝るのはまず無理だろう。しかも周りにいるのは『パンドラ』。驚異的な身体能力を持ち普通の人間ならいとも容易く殺せる力を持っている者達がいる。

なのに目の前にいるアマノ・ギンジという男は何もないように寝ているのだ。

 

その男を見て3人は『馬鹿』と言うが、シフォンだけは違っていた。

 

この人…ここにいる3人よりも強い…

 

シフォンは先程、クレオが殴りかかった時にそれを感じていた。

彼はクレオが殴りかかった時、微動だにせずそして瞬きもしないでクレオの拳を見ていた。

普通なら急な行動に体を動かして避けるなり構えるが、彼はそれをしなかった。

 

クレオの一撃を彼は動きで威力を察し避けずとも耐えることが出来ると判断したのだろう。

 

その彼の微動だにしない精神に驚愕していた。

 

 

 

 

30分後。

 

ピピピ…

 

部屋の中に電子音が流れその音で目を覚ますと、ドアが開いて部屋の中に女が入ってきた。

 

「会長、校長がお呼びです」

 

女はシフォンに言うと、

 

「ありがとう。ティシー」

 

シフォンは部屋に入ってきたティシーという女に軽く頭を下げて、

 

「それでは行きますよアマノさん」

 

俺の方を見て少し笑いながら言った。

 

「ふぁ〜了解…はぁ…タバコ吸いてえ…」

 

俺は溜息を吐いてゆっくりと立ち上がった。

それと同時に拘束具を持っている彼女達も立ち上がり、何があってもいいよに身構える。

 

「おいおい…俺は何もする気がねえんだからそんなに身構えるなって」

 

手を出さないことを彼女達に言うが、

 

ギッ‼︎

 

更に拘束具に力が入り俺を締めた。

どうやら逆効果だった。

 

「黙って歩け」

 

クレオは俺に冷たい目で言い、

 

「はぁ…分かったよ…」

 

俺は黙って歩くことにした。

 

そんな中、

 

「これ…良いわ…」

 

拘束具をの一つを持つ赤毛のストロングヘアの女が少し息を荒くしているのが見えたが、声をかけると面倒事が増えると思い黙っていた。

 

 

 

その後、

校長室に連れて行かれ、中に入ると修道服を着た初老の女性が椅子に座り机に肘を置いて入ってきた俺を見て、

 

「初めましてアマノ・ギンジさん。私はこの学園の校長シスター・マーガレットと言います。以後お見知りおきを」

 

校長ことマーガレットは俺に丁寧に挨拶をし頭を下げた。

 

「こちらこそよろしくお願いします。マーガレット校長」

 

俺も丁寧に挨拶をし頭を下げて、

 

「そろそろコレ外してもらえないですか?息苦しくてしょうがないんですけど?」

 

手錠や拘束具を見て校長に言った。

 

「そうですね…皆さん外してあげて下さい」

 

校長は少し考えた後、俺を監視しているシフォン達に外すように言うが、

 

「校長⁉︎それは危険…」

 

シフォンは外すのを拒んだ。

 

ま…そうだよな…

 

アマノは自分のことを資料で知っているであろうシフォンは俺の事を初めから警戒しているのは分かっていた。

更に先程のクレオの攻撃を何もせず受けようとしたのを見て更に警戒心を上げたことも気づいていた。

 

だが、アマノのことを危険視しているシフォンに対して、

 

「外しても構いません。それに彼ならこのようなモノ意味がありませんからね」

 

校長はシフォンに言うと、

 

「意味がない?」

 

それを聞いた、拘束具の1つを持っていたクレオがその言葉に疑問持ち校長に聞いた。

 

拘束具を手に持つクレオは彼、アマノから力は全く感じずいつでも倒せるものだと思っていた。

それは、周りにいるイングリット、アーネット共にそう思っているが、

 

「貴方がその気になればその拘束具を壊すのは簡単なはず。それにここにいる者達を倒すのも簡単なはずですよね?」

 

「「「エ?」」」

 

その言葉に3人は顔色を変え、

 

「…やはり…そうでしたか…」

 

シフォンだけは小さく頷いた。

 

彼にはそれ程の力を持っている。

それが確信に変わり更に拘束具を外すのを危惧したが、

 

「付けていても意味がないなら外していても同じです。それに彼には敵意はありませんから大丈夫ですよ」

 

校長はシフォンを見ながら言うと、

 

「…………分かりました」

 

渋々ながら承諾して拘束具に鍵を刺して外した。

 

ガチャ!ガチャ!

 

足と首に付いていた拘束具が外れ最後にシフォンが手に付いている大きめの手錠を外すと、アマノは少し笑いながら、

 

「ふぅ〜やっと楽になったぜ…やっぱ自由って良いわ…」

 

コキコキ…

 

今まで拘束具が付いていた場所を動かして骨を鳴らした。

 

「貴方にはここに来る前に見せた資料と言った通りにしてもらいます」

 

校長はアマノのことを気にせず話を進めた。

 

「ああ…この学園に入って『異次元体ノヴァ』、『パンドラ』、『リミッター』についてと戦い方を学ぶだろ?」

 

「ええ。それと貴方は…」

 

「わかってるって約束はしっかりと守りますよ」

 

「お願いしますね」

 

校長はアマノの言葉を聞いて少し頭を下げた後、

 

「これが貴方の制服です」

 

アマノにウェエストゼネティックスの制服を渡し、

 

「あとこれも…」

 

制服の上に5cm程の大きさのポーチが置かれた。

 

「…携帯灰皿です。タバコを辞めろと言っても資料から察するに貴方は辞めそうにないので吸うのは許可しますが、吸う時はくれぐれも周りの生徒に見えないとこれで吸ってください」

 

「ありがとうございます」

 

アマノは頭を下げた後、制服と携帯灰皿を受け取った。

 

「今貴方が必要と思われるものをこちらで用意しました。内容にもよりますが他に何か必要があれば言ってください」

 

マーガレットがアマノに言うと、

 

「なら…頼みたいことがあるんですけど良いっすか?」

 

アマノは少し考えながらマーガレットに言った。

 

「はい。なんでしょうか?」

 

「髪と髭を切って欲しいんです。鬱陶しくてしょうがないんですよ」

 

アマノは肩まで伸びた髪と髭を触りながらマーガレットに言うと、

 

「ふふ♪分かりました」

 

マーガレットはアマノの仕草に少し笑いながら、

 

「シフォンさんお願いしますね」

 

シフォンに言うと、

 

「はい…分かりました…」

 

シフォンは少し顔を歪ませて渋々ながら返答をし、

 

「クレオさん何かあった時の為に一緒にお願いします」

 

クレオに同行を求めた。

 

シフォンはアマノが自分では手に余ると思い、何かあった時に手数の多いクレオが一瞬でもアマノの動きを止めてくれれば私が対応することができると判断したからだ。

 

そして…もう一つ理由があった。

 

クレオがアマノに対して興味を持っているからだ。

 

クレオ以外の2人は敵意に近いものを向けているが、クレオだけは違っていた。

自分の攻撃を止めるわけでもなく、避けるわけでもなくただ受けようとし、相手がパンドラだと分かっているのに臆する事なくいる男。

 

今まで見た事ないこの男に正式にリミッターを受け入れていないクレオがアマノに興味を示しているのがシフォンは分かっていた。

 

「…分かった」

 

シフォンが思った通りクレオが同行をする事なった。

 

「んじゃ…よろしくな♪お二人さん」

 

アマノはシフォンとクレオの考えを知ってか知らずか、笑いながらシフォンとクレオに言い、

 

「それでは付いてきてください」

 

前にシフォン、後ろにクレオと挟まれながらアマノは部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

アマノ達3人が部屋を出て行った後マーガレットは、

 

「アオイ・カズヤ…アマノ・ギンジ…貴方方2人はこの世界を変える存在になる…」

 

部屋に残った生徒達には聞こえない程小さな声で言った。

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