メタサガ学園。
今までに、この名前に聞き覚えはあるかね? もしあるなら、どこで知ったのか、詳しく話を聞かせてもらうことになるが。
だが今は、こちらの説明を続けよう。
ソレの正確な場所は、国政に携わる一部の者以外に知らせていない。
無論、これは他言無用の内容だ。それはこれまでも守られてきたし、これからもそうあり続けるだろう。
……いや、『あり続けるのだ』よ。
フフフ……。
しかし、日本の某県某所にこの巨大学園都市が存在しているのは、事実だ。
……なに? それなら簡単に見つかるハズだ?
フム、その指摘はもっともだ。だが、それは不可能なのだよ。
例えそれが、宇宙にいくつも打ち上げられている偵察衛星であっても、ね?
どうしても見付けたいのであれば、己自身の眼でなければならない。
もちろん、それは容易なことではないがね。
島かもしれないし、山岳かもしれない。もしかしたら、砂丘の真ん中かもしれないぞ?
だが、もし我々の出している案内も無しに見付けることが出来たなら、躊躇うことはない。遠慮無く、中に入りたまえ。
これまでキミ達が過ごしてきた日常や常識と、全く異なる――しかし充実した世界であることを約束しようじゃないか。
……おっと、また少し話が脱線してしまった。
失礼、説明を続けよう。
このメタサガ学園は、幼・小・中・高等部に大学を加えた、エスカレーター式一貫校だ。
通常のいわゆる学力だけではない、『特殊な才能』を持つ者だけが、この学園に通うことを許可される。
先程言った『容易ではない』というのは、これが理由なのだよ。
まず、都市の中心にあるのは学園。それを取り巻くように市街地が配置され、高さ数百メートルを越す堅牢な壁が、その周囲へ円形に設置されている。
これは外界と隔絶するためのもので、あくまでも安全のためだ。理由は後からにしよう。
中に入るには、許可を得た上でさらに複雑な手続きを必要とする。
もちろん、これにも理由はあるよ。……なに、至って単純な話さ。どこで知ったのか、ここに入りたがる者が後を絶たないというだけなんだよ。
やれやれ、入れさせないのは資格を持たない、彼ら自身のためだというのに。
……ああ、そうそう。最初の一週間程だが、行動を大きく制限させてもらうことになる。その上で監視員が付く。
……何故? 危険だからだよ。
もう一度言っておく、危険だから、だよ。
と言って、そこまで怯える必要はない。
それはこの都市内だけで適用される、『独自の法』が関係している。これにより、国の法はこの都市内において、なんの効力も拘束力も持たない。
独自の文化とコミュニティを築いたここは、さしずめ国内における唯一無二の“治外法憲都市”というわけだ。
ここの人口はおおよそ十万人。
つまりここは、生徒とその家族、そしてこの学園関係者だけで運営されている都市だ。
そして先程の話に出た通り、この都市には独自の法がある。
ゆえに――、
「マズイな、どうやっても間に合いそうにない。クッソー……どうして母さんもエミリもアルファも、起こしてくれなかったんだ!」
例えば彼のように、朝に遅刻しそうだからと大通りを戦車で爆走する生徒がいても、何の問題もないのだよ。
しかし……ふむ、先に都市案内をしようと思ったのだが、丁度いい。
学校案内にもなるし、ちょっと順番を変えようか。彼――はんた君に協力してもらって、学園生活を見ていくことにしよう。
この都市の中心は、やはりあの学園だからね。位置的にも。
では、さっそくメタサガ学園へ向かおうか。
……おっと、そういえば言うのを忘れてたよ。
ようこそ、この世の最後の理想郷『学園都市メタサガ』へ。
自らの足で歩き、
多くの者と出会い、
そして――自分だけの目的を見つけるといい。
そこから、ようやくキミの物語が始まるのだから。
シリアスに見えて、全くシリアスにはなりません。
特に考えず、サッと流し読み出来る程度になると思います。
運悪く見つけて読んでしまった方。
書いても良いんだぜ? 指摘及び感想をよ!