居酒屋 夜雀亭   作:アンフェンス

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『その10 無意識と無表情』の続きです。そちらをを読んでない方は先にそちらを読むことをお勧めします。


その11 覚

 

夜雀亭の従業員と店主がこいしとこころを自分たちの家に泊めた次の日。

二人の少女はつまみ食いをした罰としてこの日も店の手伝いをしていた。手伝いとは言っても料理や皿洗いを任せるわけにはいかず、客の注文を取ったり料理や食べ終えた後の皿を運んだりする程度の物であった。

誰かのために働くという普段したことのないことを一日の間ではあるが続けてした二人は酷く疲れていながらも、どこか達成感に満ちた顔で眠っていた。

 

「二人ともつかれたんでしょうね。一日休みなしで働いてましたから」

「こうやってみると寝顔は可愛いんだな、こいつら」

「普段はいたずらばっかりしますからね、こういう顔はなかなか見れないでしょう」

「そこら辺はあの妖精どもとも通じる場所があるな」

「寝顔がかわいいことは認めますが、妖精たちと一緒にしてもらいたくありませんね」

「確かにそうですね。妖精と同列に見られるのは彼女だっていい気分ではないですよね」

「そうだったな。…っておい、だれか混じってるぞ」

 

「『妹と似て、いたずら好きな奴が』ですか。失礼ですね」

 

店主と従業員の間から声を発したのはこいしの姉である覚妖怪、古明地さとりである。いきなり現れた少女に二人は慌てる。

 

「うわ、さとり何時の間に?」

「ついさっきです。『会話聞かれてないよな?』。ええ、寝顔がかわいいとか聞いてません」

「最初っからじゃねえか」

「それはそれとして、こいしを迎えに来たんですが」

「見ればわかるだろ。今日はもう疲れて寝ているんだ」

「『自分たちが働かせたせいでな』…いったい何をさせたというんですか?」

「注文取りぐらいですけど、普段しないことをさせたから疲れたんでしょう」

「肉体的なものではなくて精神的な疲れなんですね」

「そんなところだ。悪いが、連れて帰るならば明日にしてくれないだろうか?」

「いえ、わたしは元々連れて帰る気がないので。『じゃあなんで来た?』。そうですね。こいしが地霊殿から帰ってこなかったので安否を確認しに来ただけです」

 

その発言を聞いた二人は同時に同じことを思う。その心を読んださとりは顔を赤くして叫ぶ。

 

「『うわぁ…シスコンだぁ』なんて二人で同時に思わないでください!」

「だって…ねぇ?」

「そうですよねぇ?」

「『普段絶対出てこないはずの場所から出てきてさらに地上にまで来るなんて』ってあまりに失礼すぎるでしょう!」

「いや俺、さとりが地上にいるのなんてすっごく久々に見た気がするし」

「確かに地上にはあまり来ませんが!それでも言いがかりが過ぎるでしょう!」

 

顔を真っ赤にして反論するさとりに対し、二人は穏やかに微笑む。

 

「『あぁ、分かってるよ』っていう顔は何ですか!」

「さとりさん、おとなしく認めるべきだと思いますよ」

「そうだ。、妖怪にとって精神的なストレスは危険だからな」

「だから私はシスコンじゃないって言ってますでしょう!」

 

叫んだあとさとりは肩で息をする。

そんな様子のさとりに従業員はこう話しかける。

 

「まぁ、冗談は置いといて。まじめな話、そこまで心配してるなら一度一緒に帰ったらどうだ?」

「ええ。彼女にとってもそっちの方がいいでしょう」

「『ここに置いたままだとまた来るのが面倒だ』なんて思わなければ魅力的な提案なんですけどね…」

 

なんだか納得のいかない顔をするさとりであったが、その提案に乗らない訳にもいかず、しぶしぶ了承した。

 

 

 

 

翌朝。

 

「ふぁ~あ。…あれ?お姉ちゃん!?どうして地上にいるの!?」

 

こいしが目を覚ますとそこには通常なら地下にいるはずの自分の姉がいた。その姉は彼女が起きたことを確認すると笑顔で話しかける。

 

「みつけましたよ、こいし。さ、一緒に地霊殿に帰りましょう」

 

その言葉にこいしは渋々とうなずく。

 

「は~い。じゃあ、こころちゃんまた会おうね~」

 

そうしてこいしは新しく出来た友にと手を振りあった。

 

「うん。また会おう」

 

そんな妹の様子に姉のさとりは内心微笑んだ。





没案。

さとり「われら!」
レミリア「幻想郷!」
二人「「シスコン同盟!!」」

…なんか色々とダメな気がした
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