命蓮寺って人里のそばにあるらしいですけど、具体的にどの方向にあるんでしょうか?
知ってる人がいたら教えてくださいw
とある雨の日のこと。
いつもよりか客が少ないために従業員と店主はカウンターで暇を持て余していた。
「お邪魔しまーす」
店の扉が開いてそう声をかけたのは青い服を着た一人の女性。
従業員は彼女のことを知っていたが、知っていたが故に彼女を呼び止めた。
「おい、修行僧がこんなところで何をしている」
「いやですね。雨宿りに決まってるじゃありませんか」
「ならその手に持っている傘は何だ」
「傘を持っていても雨の中を積極的に歩きたくはないんです」
「本当に雨宿りだけなんだよな?」
「いやいや。折角居酒屋に来ましたし、一杯もいただけないのはちょっと…」
「この破戒僧が…」
「ばれなきゃいいんですよ、ばれなきゃ」
そう言った命蓮寺で修行している妖怪の一人、雲居一輪は店主がいる席の隣に座る。
「ほらほら早くお酒をください。長居するわけにもいませんので」
「やっぱり最初からそれが目的かよ」
「つまみは獣由来のものにしてください」
「やっぱり破戒僧じゃねえか」
口ではそう言いつつも客の注文に答える従業員であった。
「それでミスティアは最近どう?」
「雲山さん、ちょっと飲み過ぎじゃないですか?」
十五分後、普段は飲めないからと超ハイペースでお酒を飲んでいた一輪は完全に出来上がっていた。
出来上がった彼女が店主に絡む隣で小さくなった雲山が申し訳なさそうに頭を下げる。
「質問に質問で返すなー。私が最近どうって聞いてるんだぞー」
「最近どうと言われましてもいつもと変わりませんよ。この店で料理を作って時々歌って日々を過ごしてますよ」
「えー。その返しはつまらないよー。ほらほら、そこの男となんか面白いことなかったのー?」
「そちらが期待しているようなことはありませんよ」
「ぶーぶー」
「ぶーぶー、じゃあありません」
「えー。でもさー、同棲して何年にもなるんでしょ?それで手を出してないって彼、枯れてるの?」
「枯れてなんか!ない…ですから…」
一輪の質問に顔を真っ赤にして叫ぶ店主。
今にでも消え入りたそうな店主に対しなおも一輪の追及は止まらない。
「ふふーん。そうそう、そういう反応を待っていたんだよ!やっぱり何かあったんでしょ!ねぇ!」
「あう…勘弁してください…」
一輪の猛攻に店主は小さくなる。
いつも以上によっていて箍が外れた彼女のストッパーとなったのは従業員の一言であった。
「おい、そこ破戒僧。これ以上うちの営業の邪魔をするなら今日お前がしたことを白蓮に言うぞ」
従業員のその提案が何を意味するのか一輪はしばし考える。
考えたのちにあることをを察したカウンターに額をこすりつける勢いで頭を下げる。
「それだけは!それだけはやめてください!あの人の説教(物理)痛いんですから!」
「この後すぐに帰るというなら白蓮に今日お前がしたことは言わないでおいてやるよ」
「本当ですか!ならこれがお代ですから、これを置いてさようなら!」
一輪はお金を叩きつけるように置くとどこぞの烏天狗もビックリなスピードで去って行った。
そこに残されたのは従業員と顔を赤くした店主。
従業員は店主にやさしく話しかける。
「ミスティア、大丈夫か?」
店主は無言で俯いたままである。
「あー。今日は休む?客少ないから一人でも大丈夫だし」
「うん…そうさせてもらいます…」
「俺も早く上がれるように努力はするから」
「頼みました…」
そう言って店主は帰って行った。
夜中。
一人で店を回した従業員が自宅に帰ると、そこにはミスティアが座って待っていた。
その目に何かしら決意している様子を感じた従業員はその真意を問う。
「ただいま、ミスティア。何か言いたいことでもあるのか?」
「はい。私はあなたに提案したいことがあります」
店主の声の様子から提案が並大抵のことではないことだと思った従業員はミスティアの真向かいに座る。
「それで、提案って?」
「け、結婚してください!」
店主が言って来たことがいまいち信じ切れなかった従業員は思わず聞き返す。
「すまない、ミスティア。もう一度言ってくれないか?」
「鷲田進さん、私、ミスティア・ローレライと結婚してください!」
自分の聞き間違いでなかったことを確認した従業員は店主に問いかける。
「どうしてそんなことを?」
「一輪さんに絡まれて思ったんです。私たちって周りからどういう関係性に見えてるんだろう?って」
「夜雀亭の店主と従業員だな」
「でも私たちってそれ以上の関係であることは否定できません。同棲してますし、それなりのこともしてますし」
店主の提案の意図を察した従業員は確認のために口を開く。
「まぁな。それで、周りに示すという目的で結婚か」
「はい。…ダメでしたか?」
「寧ろ大歓迎だよ。ただなぁ、こういうのは自分から言いたかったんだけどなぁ」
「じゃあ、さっきの私の発言はなかったことにしていいので、どうぞ」
そして相手の目を見て従業員はプロポーズする。
「ミスティアさん、自分と結婚してください」
それに店主は満面の笑みで答える。
「はい、よろこんで」
書ききった後気づいたら目の前に砂糖が見えた。