「そろそろ京都に着くんだが、待ち合わせ場所はどこになるんだ?」
「私たちが所属している大学で待っているはずなのでそこに向かってもらえば」
「了解」
東京を発った次の日。
四人は第一の目的地である京都にたどり着いた。
蓮子の先導で進は車を待ち合わせ場所へと動かす。
そこで待っていたのは一人の少女であった。
「あ、あっこにいる彼女が待ち合わせをしているメリーよ」
「一応車を寄せるが、降りるのはお前がしろよ。誤解を生むのも面倒だからな」
「元からそのつもりよ。それじゃこれからもよろしくね」
そう言って蓮子は車を降りる。
待っていた少女と少し話すと彼女は驚いた顔で車を見た。
そして渋々ながら車に近づき、乗り込んだ。
「本当に巧もいるし。よ、よろしくお願いします」
「お前がメリーか?」
「あ、はい、その通りです、運転手さん。本名はマエリベリー・ハーンと言いますけど、みんなにはメリーって呼んでもっらています」
「そうか。俺は鷲田進で、横にいるのが八雲藍だ」
「鷲田さんに八雲さんですか。よろしくお願いします」
新たな乗組員を加え、車は最終目的地へと向かい始めた。
「ところでマエリベリー・ハーンって聞きなれない名前だけど、どこの国の名前なんだ?」
「それが分からないんです。私も物心ついた時にはすでに日本にいましたから」
「ありゃ。それはすまないことを聞いてしまったな」
「いえ。もう慣れましたから」
「ほう。じゃあ、もう心はすっかり日本人だと」
「そうですね。桜の美しさも理解できますので、そういってもいいでしょう」
「桜を美しいと思うのがどうして日本人の証拠なんだ?」
「海外だとすぐ散るくすんだ花というのが一般的な見解らしいので。そんな花に美しさを見いだせないんでしょう」
「へぇ。博識なんだな」
「それほどでも。あ、そうだ。鷲田さん」
「どうした?休憩でもしたいのか?」
「私はまだ休憩はいいですよ。そうではなくて、私と前にどこかで会いませんでしたか?」
その質問に対し進は答えを詰まらせる。
確かに進からしたら彼女、メリーは以前夜雀亭に来た客にそっくりである。
しかし、後日霊夢に聞いてみたところ、そんな外来人なんて来てないとのこと。
つまりはその客は十中八九妖怪にやられたということである。
あるいはかなり低い可能性ではあるが、今でも幻想郷の片隅で小さく暮らしているか。
いずれにせよその客が外の世界に帰った可能性はほぼないに等しいのだ。
もしその客がメリーと同一人物だとしたら彼女は博麗の巫女の手を借りることなく外の世界に戻ったということである。
その可能性は極めて低いと判断した進は適当に話をごまかす。
「気のせいじゃないのか?少なくとも俺にはそんな記憶はないぞ」
「う~ん、確かに会ったと思うんですけどね…」
「ほら、世界には自分にそっくりな奴が三人ぐらいいるらしいって言うじゃん」
「そういうものですかね?」
「そういうもんだ。ところでどんなシチュエーションであったんだ?」
「居酒屋の店主でそっくりさんが働いているのに出くわしましたよ。店主と名乗った女性に羽が生えていたので覚えていました」
進はただただ驚愕していた。
「それで進、メリーとやらと本当に会ったことないのかい?私にはどうも羽の生えた女性がミスティアにしか思えないのだが」
SAに入り、秘封倶楽部の三人が休憩と称して車を出ていったタイミングで藍が進に話しかけた。
「彼女とは多分会っているぞ」
「それならなぜそういわないんだ?」
「信じられないからだな」
「何が信じられないんだ?」
「霊夢の力を借りずに彼女が外の世界に帰って行ったということになることが、だな」
「確かに普通の人間がそうするのは不可能だな。だが、能力を持つ人間がそうするのは何も難しいことではない。実際博麗の巫女だって外に出ようと思えば出れるしな」
「そんなもんかね?」
「そんなものだ。彼女に言うかどうかは任せるがな」
そういうと藍は自分も休憩をしに建物へと向かっていった。
「天岩○神社に行くルートって面倒くさいな、これ」
「えーっと、高速である程度進んだ後、さらに車で進むんですか」
「しかもここってどう考えても山道だろ」
「国道って書いてあるから整備はされていると思うけど?」
「国道は国道でも、“酷”道でないことを願うよ」
はい、天○戸神社は作者が初詣に行く神社ですw
次回は地元の人ならクスリと笑うようなネタを詰めていこうかな。