深淵歩きの翔ける空   作:城縫威

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旅立ち エピソード4

倒れ伏す帝国兵を前に、余裕綽々のアルトリウス一同。むしろルリアは一方的にやられた帝国兵達の怪我を少しだけ見てあげたほどだ。剣の腹で叩くだけとはいえ、力量の差が差だけに呻き声が痛々しいことになっている。

「直ぐではないが応援がやってきているな。逃げる手段は……ふむ、どうしようか。」

アルトリウスは剣を鞘に納め、空いた手で顎をさすりながらカタリナ、ルリア、ビィを見渡して言う。

「島を出るしかないだろう。小型艇を用意してある。それで出よう。」

カタリナも剣をおさめ、懐から地図を取り出し、現在地の大体のあたりをつけていた。

「成り行きとはいえ、空の旅ってやつの始まりだな!アルトリウス。また風を感じることが出来るってことだ、楽しみだな!」

「そうだな、ビィ。親父殿に会いに行くついで、色々とまわるか。」

「おう!あぁ、どんなりんごがあるのかなぁ、考えるだけでよだれが出るぜ!」

アルトリウスとビィの掛け合いを見守るルリアは、あの二人は本当に仲がいいんだね、とカタリナに言う。それにカタリナは、そのようだ、はしゃぐビィくんを見ると、穏やかな気持ちになるよ、と頬を綻ばせて笑顔で見守るルリアと同じようにアルトリウス達を見ていた。

「さて、和んでいる場合ではなかったな。さ、急ぐぞ、こっちだ!」

カタリナの導きに、カタリナが乗ってきた帝国の小型艇に乗り込み、アルトリウス達は暫くの間世話になった島、ザンクティンゼルを脱出した。無限とも思えるような今時期の雲海を前に、一同の胸の中に一抹の不安もなく、ナゼダカ暖かな希望があふれていた。

「空だ、ひっさしぶりの空だぜ!アルトリウス!!」

ビィがはしゃぐ。

「なぁなぁ、これからオイラ達はどこへ行くんだ?」

「そうだな……ビィくん達がめざしているのは空の果て、で良かったんだったな?」

ビィの質問にカタリナが答える。

「最終目標は、だな。だが、かの伝説の島だ、別に急ぐつもりは無いさ、険しい旅は目に見えている。」

「そうか……であればまずは空域を分断している瘴流域を越えなければな。それにファータグランデ空域の外にでることは帝国の勢力圏から出るということ、ルリアを逃がすための目的と合致する。」

「え、この広いお空全部を帝国が支配しているの?」

「なに、心配することはないさ、なにせ空は無限だ、ここからさき、新たなところを見つけ出せばいい。それにファータグランデ空域を抜ければ、帝国も追ってはこないだろうさ。」

「ま、なんであれ、ながーい旅になるってことだな!ワクワクしてきたぜ!」

「ああ。だからこそ、ちゃんと旅の支度を整えねばな。大きな街には騎空団の世話をしてくれるよろず屋があるはず、ここから近いところだと……。」

「ポート・ブリーズかバルツ公国だな。」

「む、そうだな。さて、どちらにしようか……。」

話し合うアルトリウスとカタリナを見て、ルリアは呟くようにして口を開く。

「これから、新しい世界に旅立つんだ……。硬い、冷たい部屋の中じゃなくて、カタリナとビィさんと、アルトリウスさんと、もしかしたらもっとたくさんの人と……。」

「そうだぜ!何が待ち受けてるかなんて行ってみねーとわかんねぇけどよ!だから、だからこそ行こうぜ!ここが空の彼方へ至る旅の始まりってわけだ!」

何時の間にかルリアの横にビィが来ていた。アルトリウスもカタリナもそれに頷く。不思議な少女と魂を共有したことにより、繋がりを得たアルトリウスは、世話になった故郷を後に、果てにて待つ父をおもう。各々お想いを胸に抱き、歩を進める皆を、まるで祝福するように蒼い一陣の風が、優しく撫で、吹き抜けた。




とりあえず旅立ち、オープニングが終了
最近しったことですけど、グランブルーファンタジーってストーリー完結していないんですね
まあ、そうだとしても今のところ四十二章あるわけだから、ゆっくり書き続ける分にはまったく問題はないけれど、どうなることやら……
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