魔法少女リリカルなのはIF   作:多田 竜一

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打ち抜け! 合体スピリット!

アリシア「なのは選手の見事な逆転劇がサクレーツ! まだまだ不安が残る状況ですが、完全に勢いをつけました!」

フェイト「流石なのはだね」

アリシア「まあでもビギナーズラックだよね、あのペンドラゴン。多分初札から握ってたカードでしょ? だったら普通はもうちょっと早く使ってただろうし」

フェイト「おねえ……アリシア。そんなこと言わないであげて」

アリシア(お姉ちゃんで良いし、解説がひいき目をしないでってば!)

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 第9ターン。

(いいや。アレはビギナーズラックなんかじゃない)

「スタートステップ」

 ターンの処理を進めながら、シュテルは思いっきり後悔していた。

 ライジングを使ってきた時点で、赤軽減をブレイヴ―――その中でも強力な「騎士王蛇ペンドラゴン」の存在は常に警戒しておくべきだった。

 それさえ気を付けていれば、ドラゴニック・タウラスはともかく、エリダヌス・ドラゴンまで失うようなことはなかったし、実質的に封じていたライジングのブレイヴも、次のターンから許すような羽目にはならなかったはずだ。

「コアステップ」

 しかもたちが悪いのが。

「ドローステップ。……」

 このドローで6枚になる手札の中に、この状況を打破できる「光導」スピリットがいないこと。

 シュテルにとって、これはかなり宜しくない状況だ。

 なのはに傾いたバトルの流れを取り戻すには「光導」スピリットは必須だ。それがないということは、この勢いのままなのはにターン渡すということ。しかも次のターン、十中八九ライジングの合体(ブレイヴ)アタックが飛んでくる。下手なスピリットの展開はそれだけでシュテルの場の壊滅を意味する。

「リフレッシュステップ」

 ブロッカーがいないからと数押しで残り3つのライフを削るにしても、【アポロ】には“あのマジック”がある。セイバーシャークが見えている今、それですら得策ではない。

 これ程の状況、ビギナーズラックで作り出せるものか。

 なのはは伺っていたのだ。ペンドラゴンが最も機能する瞬間―――12宮Xレアの制圧力を一気に無力化する好機を。

(油断しているつもりはありませんでしたが……。心のどこかで「初心者が相手」だと慢心していたのかもしれませんね)

 何にしても、このターンにシュテルが現状打破をする方法はない。けれど。

「メインステップ。『鎧骨殻ボーン・ローダー』を召喚」

 今はできることをするだけ。いずれくる逆転のチャンスへの布石を整える。

「召喚時効果。トラッシュより『星魂』スピリット―――エリダヌス・ドラゴンを手札に戻します。そしてボーン・ローダーを、蛇皇神帝に合体(ブレイヴ)し、そのままレベル3にアップ」

 ボーン・ローダーがその身を分離させ、アスクレピオーズの持つ杖に集う。その禍々しい骨の鎧が、アスクレピオーズの不気味さをより際立てる。

 これでとりあえず、アスクレピオーズのブロック時効果が機能する。BPも高い。なのはは迂闊には攻撃できないだろう。

「ターンエンド」

 不安は残る。しかし、これが今できる最善だ。

 シュテルはこれで、ターンを終える。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

ヴィータ「ウソだろ……。あのシュテルが守勢に回りやがった……」

すずか「なのはちゃん! がんばって!」

アリサ「そのまま押し切っちゃいなさい! 」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 なのはの第10ターン。

(ネクサスは生きているのに12宮Xレアが出なかった。ってことは、今のスタークスさんの手札にはいないってこと! なら、一気にたたみかける!)

「メインステップ! ムゲンドラをレベル1で召喚。続いてブレイヴ『魔銃ヴェスパー』を召喚!」

 紫のシンボルが現れ砕け、出てきたのは実に紫らしい禍々しいスピリット。どことなく銃に頭や足や羽などがついたような見た目をしている。

「……!? ここで、ヴェスパー……!?」

「魔銃ヴェスパーを太陽神龍ライジング・アポロドラゴンに、合体(ブレイヴ)!」

 ヴェスパーが、その姿を変える。頭足羽が消え、それは完全に銃となる。それを、ライジング・アポロドラゴンの右手が掴む。瞬間、紅の翼は紫のオーラを纏い、その見た目が悪魔のようなものに変わった。

 ライジング・アポロドラゴンとヴェスパーの合体(ブレイヴ)が完了する。

「アタックステップ! コロナ・ドラゴンの効果で系統「星竜」を持つスピリットにBP+2000!」

 コロナ・ドラゴンはレベル2BP3000から5000へ。合体(ブレイヴ)スピリットはレベル3BP14000から16000へ。

「撃ち抜け、合体(ブレイヴ)スピリット!」

 ライジング・アポロドラゴンが、その右手に持つ魔銃ヴェスパーを構える。標的は―――。

「魔銃ヴェスパーの合体(ブレイヴ)アタック時効果! アスクレピオーズのコア2個をリザーブへ!」

 アスクレピオーズに向けたその銃の引き金を、ライジング・アポロドラゴンが引く。

 銃口から白い光が飛び出し、その光がアスクレピオーズを貫いた時、アスクレピオーズのレベルがLv3:17000からLv2:15000へと下がる。

 魔銃ヴェスパーの効果。それは合体(ブレイヴ)アタック時、自身のシンボルの数だけ相手スピリットのコアをリザーブへ送る。この場合、合体(ブレイヴ)スピリットのシンボルは2つ。よって、アスクレピオーズのコアが2個取り除かれた。

 そしてこの瞬間、アスクレピオーズのレベル3のブロック時効果が消える。

「そしてライジング・アポロドラゴンの効果で、アスクレピオーズに指定アタック!」

 合体(ブレイヴ)スピリットが、その悪魔の翼で空に舞い、その銃口に炎のエネルギーを溜める。それに対してアスクレピオーズも、自身の杖にエネルギーを溜めて合体(ブレイヴ)スピリットに向ける。充分にエネルギーが溜まり、それをお互い相手に向けて、砲撃する。両者の砲撃がぶつかり合う。しばらく保った均衡は、しかし長く続くことはなく、アスクレピオーズはその砲撃を飲み込んだライジングの攻撃に飲まれ、破壊された。それから逃れるように、ボーン・ローダーが分離する。

「さらに、ライジング・アポロドラゴンレベル3合体(ブレイヴ)アタック時効果!」

 レベル3の合体(ブレイヴ)アタックで相手スピリットを破壊したライジング・アポロドラゴンは、相手フィールドのカード1枚を破壊する。

「『光り輝く大銀河』を破壊!」

 再びライジング・アポロドラゴンが魔銃ヴェスパーを構える。標準は、シュテルの背後に位置する光り輝く大銀河。

 紫のエネルギーが溜まり、そのトリガーを引く。放たれた紫光の弾丸は、シュテルの横を通り抜け。

「……!」

 後ろにある光り輝く大銀河を破壊した。

「コロナ・ドラゴン! ボーン・ローダーに指定アタック!」

 分離の勢いでまだよろめいているボーン・ローダーに、コロナ・ドラゴンが近づく。そして、その手に持つ槍で一突き。それで、ボーン・ローダーは破壊された。

「ターンエンド!」

 これで、なのはのターンが終わる。

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