暗の使い魔   作:Luta

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第二十話 『激震』

「さ、西海……!」

「よう、豊臣の。随分久しいじゃねえか」

長曾我部元親が、碇槍をクルリと扱い地面に突き立てる。バキリと床板が砕け、大穴が開く。

いまだうろたえたままの黒田官兵衛を前にして、彼は突き立てた槍に片足を乗せて凄んだ。

「四国征伐以来か?あんときはてめぇにしてやられたぜ」

「な、なんのことだったかね?小生、もう豊臣は抜けたんでね。古い思い出はしまい込んだんだよ」

官兵衛は、冷や汗を流しながら言葉をひねり出した。しかし長曾我部は不満そうに鼻を鳴らす。

「まあ今は昔の事はいい。てめえがここにいるのも今は関係ねえ。それより……」

長曾我部は視線をずらし、部屋の最奥に控えたウェールズをじろりと見やった。

「フーケの奴が言ってたのは本当だったみてぇだな。てめえが『王党派』とやらのアタマかい」

その言葉に、船室内がざわついた。ウェールズは真顔になると、懐から水晶のついた杖を取り出して長曾我部に突き付けた。

その様に、長曾我部は笑い出した。

「おいおい!俺と張ろうってのかい?」

長曾我部は勢い良く槍を引き抜き肩に担ぐ。それと同時だった。

ウェールズの左右を守るメイジの杖から、火炎と風刃がはじけたのは。

官兵衛の左右をすり抜けて、二つの魔法が長曾我部に襲い掛かる。彼の眼前数メイルにそれが迫る、しかし。

「しゃらくせえっ!」

碇槍から炎が吹き出る。担がれた槍がうなりを上げて、目前の空間をなぎ払う。

「うらあっ!」

振り下ろした一撃が火炎を吸収する。そして第二撃の横薙ぎがかまいたちを弾き飛ばした。

右手のみで振るわれたにも関わらず、それは脅威の槍技。

『三覇鬼《さばき》』と恐れられる炎の二段撃。その強靭な攻撃の前には生半可な術など無意味だ、そして。

「くらいなっ!」

さらに恐るべき攻撃に、周囲にどよめきが走った。長曾我部が縦に振り下ろした穂先が、あろうことか――伸びた。

「なにっ!?」

突風を撒き散らし、巨大な碇が飛ぶ。

刹那の出来事に近衛のメイジは対応する間もなかった。

メイジの胴体に鉄槌に等しきものが激突する。碇をくらったメイジは背後の木壁を巻き込んで、壁の向こう側へと吹き飛んでいった。

「なっ!なんだと!?」

己の隣に到達した碇を横目で確認しながら、もう一人の近衛メイジはうめいた。

伸びた穂先がさらにうなる、次の瞬間。

「そらよ。いただくぜ」

かきんかきん、とウェールズと残った近衛メイジの杖が宙に舞った。

大蛇がのたうつが如く碇に繋がれた鎖が蠢き、二人の杖を弾き飛ばしたのだ。

「ぬぅっ!杖が……」

「殿下!」

弾かれた杖を尻目に、近衛メイジがウェールズを庇う。

左手をポケットに突っ込んだまま、長曾我部は右手のみでくるくると槍を取り回す。

そしてカシリと碇が納まった槍を肩に担いでみせた。

その瞬間、長曾我部の目前に、水晶の杖と軍杖が落ちてきて転がった。

二本の杖を踏みしめると、長曾我部は言った。

「いくら妙な術が使えてもよ、こいつがなきゃあ話にならねえ。だよな!」

「くっ!」

メイジとウェールズは歯噛みした。まさかこうもたやすく杖を奪われるとは。

船室内には、ほかに戦えるメイジはいない。ルイズとワルドは杖が無いし、他のメイジは外に出払っていて何故か戻ってこない。

万事休すだ。

「なにが望みだ?」

「殿下!」

近衛メイジの制止を振り切り、ウェールズが言う。長曾我部は一歩歩み出ると、静かに一言こう言った。

「足がかりよ」

「そうか」

ウェールズは短く呟いた。長曾我部が続ける。

「俺達はこのまま戦場のド真ん中に連れてかれるわけにはいかねぇのよ。そんで、見つかった以上手ぶらってわけにもいかねえ」

「つまりは、資金と港への立ち寄りか」

ウェールズの問いに、長曾我部は唇を笑ませた。

「まあ手っ取り早いのは、船ごといただく事だ。ちょいとアンタを人質に取れば軽いもんよ」

「あくまで力づくという訳だね」

殿下お下がりを、と近衛がウェールズの目前を遮る。しかし杖を持たないメイジは無力だ。長曾我部は気にした風も無く歩み出る。

「殿下!」

部屋の隅に避難していたルイズが声を上げた。このままではウェールズが危険に晒されてしまう。

ルイズは何か手立ては無いか、と周囲を見回す。しかし武器になりそうなものも、長曾我部を止める手立ても存在しない。

どうしたものかと、再び迫る男に目をやったその時であった。

「そいつは困る」

「カンベエ!」

長曾我部の行く手を遮るように、ルイズの使い魔・黒田官兵衛が立ちはだかった。

 

 

暗の使い魔 第二十話 『激震』

 

 

「邪魔すんじゃねぇよ」

「生憎だがそれはこっちの台詞なんだよ」

何?と長曾我部は官兵衛を睨みつける。それに臆した様子も無く、官兵衛は言葉を続けた。

「小生らは、その『戦場のド真ん中』に大事な用があってね。そうそう寄り道はしてられないんだよ」

「大事な用?暗の官兵衛さんよ、とうとう女子供連れてお遣いか?」

大口開けて笑い飛ばす長曾我部に、むっとしたルイズが声を上げようとする。しかし隣のワルドに制せられ押し黙った。

「そうさ、大事な大事なお遣いさ」

官兵衛が言う。

「そうかい。じゃあ仕方無え」

長曾我部がそう返す。

ゴキン!

言い終わるや否や、耳が裂けんばかりの金属音が室内に響き渡った。

見れば振りかぶられた碇槍と、官兵衛のうち振るった鉄球が衝突し、火花を散らす。

ギリギリと歯を噛み締めながら、両者がにらみ合っていた。

「西海!どうあってもお前さんを退けなきゃならんらしいな。気絶で済まなくても後悔すんなよ?」

「いいぜ!四国でのケリ!ここで落とし前つけさせてやらあ!」

うおおおお!と咆哮を撒き散らしながら、二人の武将は激しく激突した。

 

官兵衛と長曾我部の邂逅よりやや前に遡る。

狭い軍艦通路を、細身の人物が駆け巡っていた。リスのように軽い足取りで、走るその影。

それと対照的に、どたどた騒がしく追いすがる無数の男達。

彼らは海賊の船員の風貌だったが、その手には一人残らず軍杖を握り締めていた。

先頭を走る男が、通路の彼方を走る素早い影に魔法を飛ばす。

水の蛇が纏わり付こうと伸びた。しかしその人物は、ひょいと杖を後ろでに振るってみせる。

するとどうであろう、天井が大量の土砂へと変じて魔法を遮ったではないか。

それを見て、男たちは強かに舌を打った。

「メイジか!小癪なっ!」

崩れ落ちてきた土砂を押しのけ、再び追跡を開始する船員達。

それをあざ笑うかのように、軽やかに逃走する影。

それが、ここ数十分の騒ぎの後延々と繰り返されていた。

「おい!貴様止まれ!くそっ、なんてすばしっこい奴だ!」

船員たちが次々と魔法を放つも、それらの一つも掠りはしない。

ある時は土砂に遮られ、またある時は壁に穴を空けて逃げられる。

「慌てるな。出来る限り応援をよこすんだ。ここは空だ、逃げられん!」

追いかける船員の中で、一際位の高そうなメイジが命令を下す。

それに呼応し、何人かが伝令となって元来た道を駆け出す。

その一連の騒ぎを見て、逃走する影、フーケはほくそ笑んだ。

「(いいね。もっと人を集めさせるかい)」

騒ぎは大きければ大きいほうがいい。今頃は元親もウェールズに近づいてる頃だろう。

自分の仕事は、彼らの元に増援を寄せ付け無い事。ここで乗組員らを引っ掻き回して注意をひきつけること。

早い話が陽動だ。

「(手早く片付けておくれよっ)」

フーケは心の内で願った。かつてトリステイン中を混乱させた盗賊であるフーケ。

当然追っ手からの逃走などお手の物、しかしここは船の上だ。

逃げ場には当然限りがあるし、長引けば捕まるのにそう時間はかからない。

この果てしない逃走劇が終わる時。それは元親がウェールズを人質にとり王軍の命運を握るか、フーケもしくは元親が捕縛された時のみであった。

元親がウェールズの身柄を拘束してしまえば、港までの航行くらいまではどうにかなる。作戦は成功だ。

しかし、しくじってどちらか片方でも捕まれば相方は投降せざるをえない。計画は頓挫し、お先真っ暗である。

だからこそ彼女は、元親の襲撃成功までひたすらに陽動に徹し、捕まるわけにはいかないのだ。

 

幾度目になるか、細い通路の角を曲がりながらフーケは思う。

「(しかし、まさか本当にこんな所で王軍の扮した船に出くわすとはね……)」

数時間前、賊の正体を見極めるべく空賊船へと侵入し、今はかく乱の為の逃走劇。

彼女も修羅場に慣れている。単独で貴族の重警備を掻い潜り、お宝を掻っ攫ってきたのだから。とはいえ。

「(王党派……ね)」

今回ばかりはフーケも、少々気持ちが追いついていないようだった。

それは、彼女の相対している王軍いや、王政に対しての想いから来ている。

「(ジェームズ……)」

心の内で、彼女はある人物の名前を浮かべる。

やつ、やつはこの船にいるのか、いや、あの老体は恐らくこの船に居るまい。

軍を率いてるのはおそらく若き皇太子ウェールズ。

やつの子息だ。

 

ギリリ――

 

知らず知らずの内に、彼女の眉間に力が篭る。

自分でも気がついたが、あえてそれは止めはしない。

胸の奥底に、静かに、だが確実に黒いうずが巻き起こる。

この仕事、やり遂げた暁には――

「(どう料理してやるかねェ……)」

火薬の香りが漂う。それは彼女の胸の闇を象徴するにおいであろうか、いや。

『武器・火薬庫』そう記された一室の前で、彼女は静かに立ち止まると、砂埃が空へと舞うように中へと消えた。

 

 

「陛下!お逃げ下さい!」

凛とした叫びがその場にこだまする。長く美しい髪や、顔が、煤で汚れるも、彼女は片時もその場から目を背けない。

目の前の惨状から。

「カンベエ!何とかして!」

「言われんでも!」

ルイズの言葉に短く答えながら、官兵衛は部屋の中央で長曾我部と奮戦していた。

ウェールズ達が居た広い船室は、ひどい有様であった。

長曾我部の炎でそこら中焼け焦げ、壁には穴が開いている。

椅子は散乱し、中央の大机は足が一本折れている。

そしてその周囲には、倒れこんだ王軍のメイジ達。

皆ウェールズを守ろうと果敢に長曾我部に挑んだが、圧倒的なリーチの武器を振るう長曾我部には皆成すすべが無かったのだ。

彼の自慢の得物『碇槍』は、時に鳥のように素早く、時に大蛇のようにうねり、変幻自在の攻撃で相手を苦しめる。

この武器に対抗するには、この場では一人しか居ない。同じく長いリーチと強靭な威力を誇る鉄球の持ち主、官兵衛である。

「なんということだ……」

長曾我部と対峙する官兵衛の後方にて、ウェールズはただただ立ち尽くしていた。

護衛の兵は全滅。自身も杖を奪われ丸腰。

この場の頼みの綱はそう、ルイズの使い魔である官兵衛ただ一人であった。

「くぅぅぅらぁぁのオッ!官兵衛エェェェェェッ!!」

「ま、待てッ!マテマテ!落ち着け西海の!」

噴火の如く噴出した怒りの一撃が、官兵衛の脳天に振り下ろされた。

それを、なんとも間抜けなバンザイポーズで、どうにも情けない声を上げながら、官兵衛は受ける。

右手のみしか使わないにもかかわらず、その一撃の重さは官兵衛の鉄球にも負けてない。

ぐ!と苦しそうなうめきを上げる官兵衛。枷に伝わる振動と重さが、彼の腕を振るわせた。

「そらそら!どうしたどうした!?」

ぐぐぐっ!と長曾我部が渾身の力で負荷をかける。

その上いまだ左手を使わない長曾我部を見て、官兵衛はちいと短く舌を打った。

「小生相手に随分とお怒りだなっ。目的を忘れちゃあいないか?」

精一杯の挑発で、長曾我部の隙を作れないかと画策する。

しかし押し込まれる槍の重さは変わらない。

どうしたものか、改めて官兵衛は周囲の様子を探った。

現在、官兵衛の後ろでは、丸腰のウェールズがどうにか杖を奪い返せないか機をうかがっている。

しかし今、ウェールズの杖は、官兵衛と相対する長曾我部の背後、部屋の片隅に転がっている。

ウェールズが取りに行くのはリスクが高かった。

とすれば、残りは官兵衛を真横から見守っているルイズとワルドだが。

「ルイズ、今は下手に動かないほうがいい」

しきりに、ウェールズの杖と長曾我部を見比べていたルイズを、ワルドが制した。

「でも、このままじゃ!」

ルイズが必死の形相でワルドに言う。だが、ワルドは冷静に告げる。

「あの眼帯の男はまだ余裕を隠している。使い魔君がかろうじて抑えていてくれてるが、それも大した意味は無い。

押されているようだしね」

先程より苦しそうにしている官兵衛を、ワルドは指す。

「あの妙な槍は恐らく、何人も同時に仕留める事が可能だろう。

ここで下手に皇太子殿下を連れ出そうとしたり、杖を回収しようものなら、あの男はこちらにも同時に危害を加えてくる」

険しい表情で、ワルドは淡々と告げる。

「ここで下手な行動は取れない。ルイズ、わかってくれ」

「そんな……」

ワルドの冷静な分析に、ルイズはそれしか言えなかった。下手に動けば自分が餌食になる。

自分は何も出来ないのか。ようやく出会えたウェールズ様が危機にさらされているというのに。

「(どうすれば。姫様から賜った大切な任務が……)」

悔しそうに唇を噛むルイズ。

しかし、ワルドはそんなルイズの肩を叩くと、頼もしげに言った。

「心配しないでくれルイズ。僕がついてる」

その言葉にルイズはワルドを見やる。昔と同じ、優しく頼もしい笑顔がそこにあった。

「ワルド……」

「少々時間を取らせるが、ここで待っていてくれたまえ」

そういうと、ワルドは背後の扉から風のように駆けだしていった。

「ワルド!どこへ?」

颯爽と部屋を飛び出して言ったワルドに、ルイズは声をかける。しかし、すでにそこにはワルドはいなかった。

 

「あんのヒゲ。どこ行きやがった」

官兵衛がワルドが消えたのをみて、いらついた声を出す。

「はっ。怖気づいたか?まあどこに行こうが関係ねえがな」

そして、不意に飛び出して言ったワルドを、どうでもよさげに笑う長曾我部。

「そうらどうした?後が無いぜ官兵衛さんよ」

長曾我部の言葉に、官兵衛は歯軋りした。

「(硬直状態に持ち込めりゃあいいんだが……)」

その時不意に、穂先から灼熱の炎が噴出した。

「んなっ!あっつ!」

赤い炎が穂先に広がり、赤熱させる。まさに長曾我部の心情を表したような温度だ。

それが、官兵衛の手のひらを焦がし始めた。

「あつい!あつい!!――って、聞くわけないか!」

そんな軽口を叩きながら、官兵衛はとうとう反撃に移った。

「おおおおりゃああああっ!」

バギン!と金属音が鳴り響く。

渾身の気合を籠めて、その超重量の碇槍を、官兵衛は跳ね除けた。

長曾我部が剛槍を跳ね返され、一歩、二歩と下がる。

「やられっぱなしだと思うなよ!そりゃあっ!」

咆哮とともに振るわれる鉄球。官兵衛は鎖の根元を引っつかみ、体勢を崩した鬼へと突撃する。そして。

「ぶっちまけろおおおおっ!!」

強烈な鉄球の乱舞が、長曾我部目掛けて襲い掛かった。

『滅多矢多』。官兵衛が唯一手数で勝負できる、鉄球の連打である。

リーチは短いが、直接鉄球を振るう威力は、巨大ゴーレムの足すら粉砕する。

しかし。

「おせぇ」

バキリ!と甲板を踏み抜き、鬼が飛翔した。

虚しく鉄球が空を横切る。

飛び越えた鉄球を尻目に、鬼は空中で身体をしならせると。

「甘いねェ!!」

官兵衛目掛けて、空中から強靭な蹴りを放った。

官兵衛は慌てて乱打を止めるが遅い。

「なあっ!?ちょっとま――ブ!!」

言い切らないうちに官兵衛の顔面に足裏がめり込む。

全体重を乗せた一撃。

それが、官兵衛の巨体を浮かし、遥か後方へと吹き飛ばした。

「ぶげえっ!」

がらがらがっしゃん!と、巨体が船室中央の椅子、大机を巻き込んで激突する。

「カンベエっ!」

ルイズが叫ぶ。

脚折れ真っ二つになった大机の上で、官兵衛がうずくまった。

そのやや後ろで一部始終を見ていたウェールズが息をのむ。

しん、とあたりが静まり返った。ルイズが、ウェールズが、倒れこんだ官兵衛を見守る。

しかし、いつまでたっても官兵衛は起き上がらない。ピクリとも動かなかった。

「ちょっと、カンベエ?――!!」

真横で見ていたルイズが、ズタボロになった官兵衛に駆け寄ろうとしてハッとした。

ぎしり、ぎしりと足音が響く。

木椅子の残骸をふみしめながら、長曾我部が悠々と歩み出た。

倒れた官兵衛、立ちすくむウェールズを油断なく見据え、肩に担いだ碇状の槍からは、火竜のブレスのごとく炎が踊る。

何より、長曾我部の爛々と輝く怒りの眼を見て、ルイズは身じろぎした。

怒りとともに暗さを秘めた、その瞳に。

怒っている?いいや違う、そんな生易しいものではない。

少なくとも、ルイズにはそう感じられた。

目の前の官兵衛に向けられる、強い感情。その一端を垣間見た気がしたのだ。果たしてそれは――

「……ハッ!ざまあねえな官兵衛さんよ!」

だがその時、長曾我部の唐突な一言にルイズはハッとした。

見ると長曾我部はしゃがみ込み、官兵衛をじっくり眺めている。

その顔には小ばかにしたような表情が現れ、先程の感情はどこへやら。

身体のこわばりが緩むのを感じ、彼女は即座に叫んだ。

「ちょっと!それ以上は皇太子殿下にも使い魔にも近づけさせないわよ!」

意志の強い声が響く。その小生意気な声に、長曾我部は立ち上がった。

「ああん?なんだテメーは!」

ギロリと片目が睨む。

その視線に、やはり一瞬ルイズは硬直した。

(怖い……!)

長曾我部の威圧感は、体格と眼帯の風貌も手伝って半端ではない。だが。

「ッ!賊に名乗る名前なんて、無いわッ!」

ルイズも負けじと声を張る。震える手を隠しながら、彼女は一歩一歩と前へ出た。

「ヴァリエール嬢!危険だ!」

ウェールズが慌てて静止を呼びかけるが、もう引き下がってはいられない。

官兵衛はやられてしまった。ワルドも戻ってくる気配は無い。

たとえ自分が危険であろうと、どんなに恐ろしかろうと――

「おい、この俺様を誰だと思ってんだ?西海の覇者、長曾我部元親よ」

「知らないわ!下がりなさい!」

自分だけ手をこまねいて見ているなんて出来ない。たとえ杖が無くたって、貴族の意地を見せてやる。

ルイズは強く、そう思った。

長曾我部がルイズに向き合う。

「よせ!」

慌ててウェールズが声を強めるが、彼女は言う。

「西海?バカいわないで、いつから海がアンタのものになったの?もういちど言うわ!下がりなさい!」

「んだと!」

ルイズの言葉に長曾我部が凄む。だがルイズもにらみ返す。

「俺様に名乗る名前が無ぇとは……いい度胸してんじゃねえか」

ドスン!と床板に碇槍が突き立てられる。ミシミシと床が軋む。

「ッ!!」

ビクリと肩が震える。

この巨大な槍が、いつ自分に向けられるか。いや、槍ではなく、この燃え盛る炎が自分を焼くかもしれない。

しかし、ルイズは、屈する事も無く言葉を言い放つ。

「いっ!いいこと!ウェールズ皇太子殿下は!いいえハルケギニアの貴族たちは!アンタみたいな賊の指図なんか受けない!

船の乗っ取りなんか出来っこないんだから!騒ぎでみんなすぐに駆けつけるわ!大人しく投降しなさい!この下郎!」

「ああ?言わせておきゃ好き放題いいやがって、っとお!」

その時、不意に長曾我部が槍を引き抜いて、ウェールズに向ける。

「下手に動くんじゃねえ。痛い目見るだけだぜ」

見ると、ウェールズが丸腰にも関わらず、長曾我部に相対している。

「殿下!」

ルイズが叫ぶ。

しかしウェールズは言う。

「よせ、君の目的は私の身柄だろう。彼女は大切な客人なのだ。見逃してくれ」

「まあそうだがよ……!」

長曾我部は肩をすくめる。

しかし、ルイズは恐慌姿勢を崩さない。

彼女は即座にウェールズと長曾我部の間に割り込むと、両手を広げて見せた。

「チッ!」

長曾我部は舌打ちしながら、彼女をみやった。

ふと、視界に震えるルイズの手が見える。

「震えてるじゃねえか。ガキが無理すんじゃねえぜ」

「震えるですって?バカいってんじゃないわ!あんたみたいな力だけの賊になんて負けるモンですか!私は貴族よ!一歩も退かない!」

ルイズは精一杯胸をそらす。

しかし長曾我部にとっては、そんなものはつまらない虚勢である。そして彼はとうとう。

「はーっはっはっは!」

豪快に大声で笑うと、ルイズの前にしゃがみこんである言葉を言い放った。

「てめーみてーな『うすっぺらい』ガキが俺様と張り合おうなんて百年はええ。大人しく母ちゃんとこに帰りやがれ!」

その瞬間、場の空気が一変した。

『うすっぺらい』それは長曾我部としては、虚勢を張ったルイズを嘲って言った言葉であった。それ以上も以下でもない。

だが。

「なんですって?」

恐ろしく静かな声色で、ルイズが喋りだした。

あん?と妙な問いに、長曾我部は先程言った言葉を復唱する。

「はっ!『うすっぺらい』肩書きで『胸』張るガキにゃ、俺様と張り合うなんざ百年――」

その瞬間、ルイズの中の何かが切れた。

ゆらりと広げていた腕を下ろし、彼女はすうと息を吸う。

その刹那、未だ言葉を言い終わらないままの長曾我部に異変が起こった。

 

メキッ

 

目の前で二人のやり取りを聞いていたウェールズはその瞬間、そんな骨が軋むような音を聞いたという。

そしてルイズの目前にしゃがんでいた長曾我部が、もんどりうって後ろにぶっ倒れたのは、全く同じタイミングだった。

「ぶえっ!!」

ずでんっ!と海賊が豪快にずっこける。長曾我部は後方で伸びている官兵衛の上に、折り重なるように倒れた。

彼の下から、ぐえっ、と蛙を潰したような声が聞こえたのは気のせいだろうか。

それはともかく、長曾我部は顔面にくらった衝撃の正体を確認しようと、目を開いた。そこには。

「う、うすっぺら……!うっううっううすっ……!誰の、むっむむ胸!」

テコンドーの如く片足を掲げ、その靴裏から煙を立ち上らせた。

「だれの胸がうすっぺらいですってぇぇぇぇぇぇっ!!」

本物の鬼がいた。

「おっおい。何だぁ!?というか、何しやがる!何しやがった!?」

顔面に靴裏の判子をつけながら、長曾我部は後ずさった。

ルイズの怒りを買い、どこぞの使い魔のごとく顔に蹴りを喰らった長曾我部。

だが、怒りで加速されたその蹴りは、彼の理解を超えたスピードだったようだ。

ルイズが髪を逆立てながら激昂する。

「この半裸男!よくもこの私の、むむ、むねをうすすっぺら……!くぉの変態ぃ!!」

ルイズの先程とは打って変わった、形相。

そして暴言による、追撃。

西海の鬼のガラス製ハートにヒビが入った。

「は、半……!へんたいィ!?そりゃあんまりじゃねえか!大体いきなり何しやがる!この田舎モン!」

海賊と少女。二人の声が交差する。

「田舎者は!あんたじゃない!なにその上着!どっから風吹かしてんのよ!」

「なっ!」

なんとなく誰もが気になるが、触れてはいけなそうな部分に触れてきたルイズ。

怒りの少女に主導権を握られながら、西海の鬼は立ち上がる。

「う、うるせえ!おめえに海の男の何がわかりやがる!」

ぎゃいのぎゃいのと喧しい戦いが始まる。

しかし、先程の戦いとは打って変わって、なんとも位の下がった争いである。

「海の男?そんな色白でどこが海よ!普段引きこもってるんじゃないの!?」

「な、な、んなわけねえだろうが!け、見当違いも甚だしいぜ……」

過去の傷を抉られそうになった長曾我部だったが、平静を装う。

がしゃり!とごまかすように槍を担ごうと、ふいとそっぽを向く。

だがその時、彼は居変に気がついた。

なんと、彼が肩に担ごうと手を伸ばした位置に、碇槍が無かった。

「………………あん?」

伸ばした手が空中をまさぐる。おい?と辺りを見回すが、槍は見つからない。

そして、彼はようやく深刻な事態に気がついた。

「碇槍がねえ!!」

 

「探してるのは、こいつだろう?」

 

バッと声の方向を振り返る。

そして長曾我部はそれを見て、自分が窮地に立たされた事を知った。

見ると長曾我部の目前に、先程まで倒れていた官兵衛が屹立している。

「使い魔殿!」

「カンベエ!」

ルイズとウェールズがそれぞれ声を上げる。

官兵衛の顔には蹴りを食らい青あざが出来ているが、それ以外特に外傷はない。

そして官兵衛の腕に抱えられてるのは、先程まで長曾我部が得意げに振り回していた彼の武器。

碇槍が、官兵衛の手に渡っていた。

「てめえ!俺の自慢の得物を!」

「油断大敵!まんまと奪わせてもらったぞ西海!」

くくく、とわざとらしい笑みを浮かべ、官兵衛は槍を放り投げた。

槍は、彼の遥か後方へと飛ぶと、ドスンと木床につきたてられる。

それを見て、長曾我部の目がカッと見開かれた。

わなわなと怒りを拳で表しながら、長曾我部は向き合う。

「成程、ガキを囮に武器を掠め取るたぁ。相も変わらず、薄汚ねぇ。」

「心外だな。のびて、起きたら、好機だっただけだ。あの娘っ子を囮にしたつもりはないがね」

長曾我部の罵倒をひょうひょうとかわしながら、官兵衛は言う。

「ご主人!最悪の目覚めだったぞ!」

そして長曾我部の後ろで佇むルイズにそう言いながら、官兵衛は笑った。

「まったく。ご主人様を危険に晒すなんて使い魔失格ね」

官兵衛の言葉にほほを膨らませながら、ルイズは腕を組んだ。

そんなルイズを見たのち、官兵衛は改めて長曾我部を見据える。

そして観念しろ、とばかりに不敵な笑みを浮かべて鉄球を構えた。

だがしかし、そんな官兵衛の様子に、ますます長曾我部は怒りを増す。

「言い訳はそれで終いか?どの道てめえが小賢しいのは変わらねえ。今も昔もな」

静か、だが明らかに怒気を含んだ声色で、彼は言い放つ。

そしてその次の瞬間であった。

彼の懐から、一閃の刃が放たれたのは。

 

がしゅっ!

 

肉を裂く音が響き、官兵衛は苦痛に表情を歪める。

彼の右頬を切り裂き、矢のように短剣がかすめていった。

それと同時である。官兵衛の視界に銀髪の鬼が迫ってきたのは。

「なにっ!?」

それは一瞬。

官兵衛が、飛来する短剣に怯んだ隙を逃さず、猫のように身をかがませた長曾我部が、懐に潜り込む。

距離にして数メイルはあった間合いを瞬時に詰める長曾我部。そして。

「おらああっ!」

ミシリ、と握りこぶしが官兵衛の顔面につき立てられた。

「ぐあっ!?」

顔左側に、鉄槌で撃たれたかのように火花が舞った。官兵衛の巨体がぐらりと揺らめく。

ルイズが、アッと声を上げる。

ギリギリと捻られた腕が、官兵衛の顔の表面をひしゃげさせようとする。

だが。

「こなくそ!」

がしりと、顔に刺さった拳が掴まれる。

ミシミシ、と握りつぶさんばかりに、官兵衛は長曾我部の手首を掴むと、ぐいと顔から引き剥がす。

「まだ暴れ足りないってか?懲りないねえお前さんはッ!」

長曾我部の腕をあさっての方向へともっていきながら、官兵衛は息を切らす。

互いの懐に飛び込んだままの体勢で、長曾我部と官兵衛が対峙する。

鼻と口から血を垂らしながら、歯をむき出しにして官兵衛は目前の男を睨みつけた。

長曾我部も、振り上げた腕を封じられつつ、至近距離で睨みあう、そして。

「そらよ!お星様でもくらえッ!」

官兵衛が首を捻りながら、一撃をかます。

ゴキン!と長曾我部の鼻っ面に、頭突きが叩き込まれた。

「ぐあっ……!……ッ!上等だらあっ!」

鼻から一筋の血を垂らすも、長曾我部はヒートアップ。

即座に、うなる石頭が官兵衛の顔にお見舞いされる。

「ぶべっ……!がッ!我慢比べか!小生の得意分野だッ!」

ズドンと反撃の頭突きが炸裂。

ふらり、と体勢を崩しつつも長曾我部も咆哮をあげる。

「どらあああっ!」

互いの額と額がぶつかり合った。

 

ガキイン!ゴキイン!

 

石頭と石頭のぶつかり合い。

鉄のように激しく火花を散らすそれは、徐々に激しく、また衝撃を生み、そして――

 

「だぁぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁっっ!!」

「おぉぉぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁっっ!!」

 

武将同士の剣劇に等しき、熱を生み出した。

互いの頭突きがぶつかる度に、そこから爆発が巻き起こる。

どおんどおん、と椅子やテーブルが吹き飛び始めた。

 

「な、なんだ一体これは!?」

「殿下!いま二人に近づいてはいけませぬ!」

 

爆心地で額をぶつけあう二人を、驚愕に目を見開きながら、ウェールズは立ち尽くした。

ルイズも、幾度か出会った光景とはいえ、やはりこの異常な光景には驚きを隠せない。

なんびとたりとも介入できないその打ち合い、周囲の全てを吹き飛ばす真剣勝負に。

ガツンガツン、と幾度目の衝突になろうか。

不意に、何故か官兵衛が口を開いた。

「お前さんの気持ち……!わからんでも、ないがね!そおら!」

言うや否や、頭の一撃を叩き込む官兵衛。

そして頭突きをくらった額を庇おうともせず、長曾我部が言い放つ。

「てめぇ……!てめえにっ!何がっ!わかりやがるっ!」

官兵衛の言葉を受け、怒りのまま、続けざまに頭突き返す。

「てめえら豊臣のせいで!俺の四国はっ!俺はぁっ!」

ゴス!ゴス!と幾つもの打撃が官兵衛の顔面に入る。

強烈な連打に耐え切れず、鼻血を盛大に噴出す。

しかし、官兵衛はカッ!と目を見開くと。

「だがっ!詫びる気はないっっ!」

大きく、派手に、首を仰け反らせ、渾身の一発を長曾我部の顔面にお見舞いした。

重い一撃が鼻っ面に叩き込まれ、ふらりと頭が歪む。そんな中、長曾我部は官兵衛の言葉を耳にする。

「この乱世はなぁ!運が悪けりゃあ!いくらでも奪われちまうんだよ!領土も!野望も!」

再び官兵衛が頭を振りかぶる。そして叫ぶ。

「小生や、お前さんみたいにな!」

野太い怒声がその場に響いた。

ゴオン!と再び重い一撃が、火花を散らした。

グラリ――と、長曾我部の長身が揺れた。

額から血がしたたるのを感じながら、ゲホッと咳き込む長曾我部。

渾身の精神力で踏みとどまりながら、彼は官兵衛を睨む。

見ると官兵衛も頭を真っ赤に染めて、肩で息をしている。

だがその瞳は、真っ直ぐで、何かを訴えかけるようであり。

「……ゲホッ!暗の、官兵衛ェ……」

長曾我部に、しばしの静寂を与えた。

わずかな時、ただ互いの息遣いのみが、静かに空間を支配していた。

 

(カンベエ……?)

 

ルイズは、官兵衛の放った渾身の叫びを耳にして、ただその場で佇んでいた。

シコク、野望、一体何の話なのだろう。官兵衛とこの賊の間に何があったのだろう。

彼女は困惑していた。血まみれで叫ぶ二人の男に。

はじめてみる使い魔の表情に。

 

「……そらよ西海!そろそろ――」

「……はっ!暗ぁ!あの時ごと!まとめて決着つけてやるぜ!」

 

二人の掛け合いに、ルイズがはっとする。

うおおっ!と二人の男が、額を血に染めながら、再びぶつかりあう。

静寂の空間に、再び爆発と衝撃が巻き起こった。

と、その時であった。

「そこまでだ!」

勇敢な声がその場に響いた。衝突が中断し、衝撃波も止む。

ルイズ、ウェールズ皇太子、そして二人の武将が、そちらに視線を向けると、そこには。

「この女が船内を駆け回り、兵達をかく乱していた。貴様の共犯で間違いないな?」

ワルドと無数のメイジが、縛り上げられたフーケを囲むように、部屋の入り口を埋め尽くしていた。

「ワルド!それに、土くれのフーケ!?」

「ルイズ、待たせてすまなかったね。この通り賊の片割れを捕らえた」

ルイズの声にニコリと笑いかけ、ワルドが歩み出てきた。

手には、先程まで押収されていた軍杖を握り締めている。

ワルドはウェールズとルイズを一瞥し、次に長曾我部の様子を確認すると、彼にスッと杖を向けた。

「相方が抑えられてはどうしようもあるまい。それにその傷ではこれ以上の抵抗は無理だろう?」

何をされたか、ぐったりと意識をなくしたまま縛られたフーケを、目で指すワルド。

そして額からドクドクと血を流し、ゼェゼェと息を切らす彼の様子を指摘する。

「……フーケ」

いまだ官兵衛とつかみ合った姿勢のまま、長曾我部は小さく呟いた。

状況を見てか、長曾我部の変化を感じ取ったか、官兵衛が押さえつけていた長曾我部の手首を開放する。

すると、ふらつく頭を抑え、長曾我部が官兵衛から離れた。

それを見て、チャキチャキリ、と後ろのメイジ達が素早く杖を引き抜く。

だが、それを気にした風もなく、長曾我部は静かに周囲を見渡した。

ウェールズ、そしてルイズの元には、すでに駆けつけたメイジが数人、取り囲むように構えている。

船室の入り口はワルドとメイジにより封鎖。

そして彼の碇槍は、彼と同じように額から血を流しながら佇む官兵衛の、遥か背後。

「西海」

ふと、目の前の官兵衛が言葉を投げかける。

乱れた前髪から僅かに視線が覗くが、表情はうかがい知れない。

だがどこか、なだめるような、同情するような感情が伝わってくる。

無様にも船の略奪に失敗した自分の様を見てのことか。

「チッ」

長曾我部は、思わず舌を打った。

先程まで激しくぶつかり合ったにも関わらず、なんだその態度は。そう、心の内で呟く。

「はっ!鬼はやられる。そいつがお約束かい。はっはっは……!」

思わず喉から、乾いた笑いが漏れる。そうせずには、居られなかった。

ワルドが、ふっと嘲笑のこもった笑みを漏らす。

一瞬のこと。長曾我部の動向を見張るルイズやウェールズ達は気付くこともない。

だが官兵衛だけは、その嘲りを見逃さなかった。

やがて長曾我部は、ウェールズやワルドらを無視するかのように、ふと歩き出す。

ふらふらとおぼつかない足取りである。

そして、今にも倒れそうな官兵衛の目前に立つと。

「……邪魔だぜ」

ドン、と官兵衛を腕で払いのけた。瞬間、ドスン、とその場で力尽き倒れる。

そして、それと同時だった。

 

官兵衛が意識を手放し、その場に崩れ落ちたのも。

 

「賊を――えろ!」

「誰か――ぐに手――てを――!」

 

「――っかり――!カン――!」

 

真っ暗な視界。

薄れゆく意識。

その狭い世界の中で、官兵衛はどこか遠くから、自分を呼ぶ声を聞いた気がした。

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