「見つけたぁ!」
背後からこの数日間ですっかり聞きなれた声が聞こえた
あの後ミスタークラウスからの指示としてひとまず面接として近くのカフェに呼び出してくれと言われたのでさぁ探そうと行動しようとしたところ対象があっちからよってきた。
いつもならば存在を希釈してやり過ごすところだが、今日は違う。
「ん?いつものように消えないのか?」
「はぁ、御仏 一茶さん
今日はあなたをライブラにスカウトしに来ました。これから面接を行いたいのでお時間よろしいですか?」
私がそういうと御仏はものすごくうれしそうな顔をして
「おお!やっとライブラに入れるのか!
時間は何の問題もない!さぁ、案内してくれ」
…キラキラしてる。復讐なんか考えていないような純粋な顔だ。
ふむ、こうしてみると丸々としていて愛嬌があるようにも見える。
「それではご案内します」
「よろしく
それにしてもそちらから招待してくれるなら準備などしなくて良かったな」
準備?
「準備とは…?」
私がそう聞くと彼は笑顔で
「ああ、今日は捕まえようと思ってスタンガンや網などいろいろ用意していたんですよ。
いざとなれば追いかけようと思って小型のGPSも用意してたんです」
いろいろやってるなー(全部効かないけれども)
まぁ何が何でもライブラにたどり着きたいという気持ちはわかるな
ライブラ事務所の近くのカフェ
そこにいる一組ははとても奇妙な組み合わせだった
筋肉質な巨漢が一人、細身の女性が一人ともじゃもじゃ頭の少年が一人
そしてはた目から見ればデブでハゲな巨漢
そんな四人が一つのテーブルを囲んでいる
「初めまして、私はクラウス・V・ラインヘルツ。
秘密結社ライブラのリーダーを務めさせていただいている。」
「初めましてクラウスさん。僕は御仏 一茶といいます。
気軽にブッチャと呼んでください。このたびは貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。」
「いやいや、お誘いしたのはこちらだ。むしろこちらこそありがたいと思っている。
さて、早速本題だが、君は何のためにライブラに入りたいのか聞いてもいいかな?」
「復讐です。親父のことを殺した…というと語弊がありますが、それに関しての謎を解き明かすためにあなた方の情報収集能力をお借りしたい。
もちろん対価としてあなた方のお仕事もお手伝いさせていただきたいと考えています。」
「ふむ、そのなぞというのは異形の物との取引に関してかね?」
「!?
そこまでわかっているんですか。やはりライブラとはすごいんですね」
「いやいや、それは買い被りだよ。
我々がそのことに関して知っているのはあまり多くない。
それにこの情報もここにいる彼のおかげで知っているというだけだ。」
そこでようやくブッチャの意識が同席している少年に向く
「初めましてブッチャさん。僕はレオナルド・ウォッチです。」
「初めましてレオナルド君。君はあの異形の者に関して詳しいのかな?」
「いえ、そういうわけでは
僕もあなたと同じく異形の者から取引を持ちかけられた人間なんです」
「!
そうか、それでは君も親しい人を?」
「はい、僕は妹の視力と引き換えに義眼を手に入れました」
レオナルドが目を開くとそこにはまるで芸術品のような美しい眼球があった
「なるほど、君は目か。」
「はい、ブッチャさんはいったいどの部分を?」
「僕の場合は骨だね。全身の骨を入れ替えられたよ。」
「互いの自己紹介はそれぐらいでいいかね?
そんなわけでこちらとしても君のライブラ加入に関してはとても喜ばしく、レオナルド君と協力して調べていけば君の知りたいこともいずれわかるだろう。
しかしライブラは荒事も多く、危険も普通にここで暮らすのと段違いになってしまう。そんな危険な場所に君を巻き込んで殺してしまうのは我々としても不本意だ。
そこで異例ではあるが君には試験を受けてもらいたい。」
「試験ですか?」
「ああ、我々のメンバーの一人と戦ってもらいたい。
もちろん命の危険はあるが、相手にも手加減しておくようにと言ってある
勝つまで行かなくともある程度善戦すれば合格となる」
「わかりました、それで試合はどこで?」
「ついてきてくれ。
我々が管理している地域がある。そこに相手も待機している。」