大学という場所は彼の周囲の環境をガラリと変えた 作:さくたろう
ほぼ?オリキャラのみになります。
八色期待していた方申し訳ないです。先に謝っておきます。
4月16日
いろはが比企谷先輩とのデートのため私たちと別れた後、私たちは街で遊んでいた。
今ごろいろはは比企谷先輩とよろしくやってるのかなぁ。
ちょっと見たかったな。あの二人ってどんなデートするんだろ。一方的にいろはが比企谷先輩のこと連れまわしそう。
うん、容易に想像できる。いやむしろそんな感じしか想像できないまである。
私以外の友人はいろはが今日好きな先輩とデートしていることは知らない。もちろん私から言うつもりもない。
別に他の子たちを信用していないわけではないのだけれどねっ。いろはの想いが上手くいったのならちゃんとみんなにも報告すると言ってるし。
「せんぱいを紹介してライバルが増えるのは困るし、どうせわたしが勝っちゃうからその時みんなに申し訳ないし」
ちょっと困りながらも自信をもって言った一言だったと思う。少し照れていたいろはすマジあざとい小悪魔。
そんなに競争相手増えなさそうだけどなー。これ言うと怒りそうだから言わないけどね☆
まあでもいろはがあんなに夢中になるあの人に興味がないわけでもなく、特に高校時代のいろはのライバルの話とか聞いてたらそのころの話とか聞いてみたいな~なんて思ったりもしたわけなのですよ。
だって傍目からみてもいろははかなり美人の方に入るし、あの計算尽くされた可愛さ、元い、あざとさの前では敵はいないと思ってしまうわけで。
そんな彼女がライバル、強敵、ラスボスたちっていうほどの女の子とか同性としては凄く興味あるわけなんですよね!
まあいろはは教えてくれないけれどね。ケチっ。
私がそんなことを考えて歩いてると友人たちがいろはの話題を持ち出す。
「いろはって合コンとか来ないし、男関係の話題ってあんまりださないよね」
「あーわかる。あんなに可愛いのになんか引っかかるよねー。彼氏いるって雰囲気ではないんだけどね。ああいう子って彼氏いたら雰囲気でわかるし!」
「でもたまに恋する乙女みたいな表情するときあるよね~」
「「それある!!」」
これ言わせたかっただけでしょ作者。
まあ実際主に講義中だろうか、物思いに耽っているいろはの表情は可愛い。
というか私あの子のこと可愛い可愛い連呼してるけど別にそっちの趣味はないからね?
「あれは絶対恋してると思うんだ私。推測だけど今日も実はそれ関連だと読んでる」
あんたたち意外と鋭いなー。なんて思っていると見慣れた女の子とアホ毛がピョンっと伸びている猫背の男性が一緒に歩いているのが見える。
亜麻色の髪の女の子が猫背の男性の腕に抱きつき寄り添いながら歩いてる。
あれ絶対あれだよね!?いや確かにこの辺でデートするって言ったらここら辺にいる可能性もありましたけど!?なんてタイミングでいんのよ……
というかあの二人なんなの?付き合ってるの?付き合ってないよね?普通にカップルに見えるんだけど?本当リア充爆発しろ。なにがボッチうんぬんなんでしょうね?街中でイチャつくなー?
しかし、これはどうしたものか。
幸い、他の子たちはまだ二人に気づいていない。そもそもみんなは片方を知ってはいるが男性(比企谷先輩)を知らないわけでもしかしたらこのまま気づかないことも考えられるわけで。
下手にアクションしないほうがいいかな……、いいよね?
と思っていた時期が私にもありました。まる
「ねえねえ、あれいろはだよね?」
「え?何々?あー本当だ!あれ?一緒にいるの誰?っていうか男じゃん!」
「だよねだよね!あれ女の子じゃないよね?しかも寄り添っちゃってるし」
「あー……、いやでもここからだと本人かわからなくない?他人のそら似みたいな?」
我ながらこれは厳しい。というかここでフォローすると私まで怪しくなるじゃん!
「いやいや、あれどう見てもいろはでしょ(笑)碧何か知ってそう」
ジトーっと睨まれる私は「あははは……」と目を逸らすしかなかった。
結果的に言うと私は話さなかった。
友人たちがそんなことよりいろはを尾行しようと言ってそのまま尾行することになったからだ。
友達である私たちにわざわざ嘘をついた罰で仕方のないことらしい。
仕方のないって……、めっちゃノリノリですやん。こんなはしゃいでるの私初めてみたんですけど?
まぁ私も多少なりと二人の様子は気になっていたし?尾行も吝かではない……。うん、いろはごめん☆
二人はどうやら卓球をするらしい。私たちはばれない様に、尚且つギリギリで声が聞こえる位置に陣取り二人を観察する。途中店員さんに注意されたのは内緒☆
「いろはすごい楽しそうだねー」
「うん、あんな顔見たことないよね。あの男の人って彼氏かな?」
「友達に寄り添わないでしょ?あれは彼氏だね。秘密にしてたんだよきっと」
「これは話してもらうしかないようですねぇ♪」
「い、いろはの片思いかもしれないし、まだ彼氏とは決まってないんじゃないかな~?」
こんなフォロー無意味だと思いつつ、い、一応ね。
そのあとすぐ向こうから「死ねぇ!」という声が聞こえてビクッっとなった。あれ?ばれた?!
と思ったけれどどうやらいろはがスマッシュを決めてどうやら終わったらしい。
「そろそろ時間もあれだし、今日は解散しない?」
ばれるとまずいし、早く退散した方がいいと思った私がそう言った直後、いろはがとんでも発言をする。
あんた声でかいよ……
「せんぱいを倒すために特訓したんですよ~。約束通り今日はせんぱいのおうちにお泊りしますね!」
「「「「お泊り!?」」」」
全員がお泊りという言葉に反応しもうテンション上がりまくりで……
「あやつ、やりおる」
「リア充爆発しろ……、私なんてこの間の合コン失敗したのに」
「わ~これは事情聴取とらないとだ♪」
いろは南無。私はそう心の中で呟き、合掌する。
そのあと二人は寄り添いながら消えて行った。
私以外は今日のことでいろはに何を質問するかやら説教だやら言う話し合いをすると居酒屋に向かっていった。
私は疲れたのカフェで一休みすることに。
そしてまた見知った顔の女性に出会うのであった。
私がカフェでコーヒーを飲んでいると「碧ちゃんだー。こんばんわ♪」と挨拶された。
声の主に振り向くとそこには金沢先輩が立っていた。
「こんばんわ、金沢先輩。先輩もお一人ですか?」
「うん、さっきまで友達といたんだけどねー。ある現場目撃しちゃってね」
ある現場ですか……、奇遇ですね私も目撃しましたよ。これあれですよね間違いないですよね。
「あはは……、いろはと比企谷先輩ですか……」
「そうそう、もしかして碧ちゃんもみちゃったんだ?」
「友達と目撃しちゃいましたね」
「同じだね~。私以外は今日のこと知らなかったからみんな見たとき興奮しちゃってさ。これはあいつに問わなければならない!とか言ってなんか作戦会議してるよ今」
あはは、っと答えた金沢先輩の笑顔は楽しそうだった。
「まったく同じ状況ですね。でもいいんですか金沢先輩?あれもうほとんどカップルですよ?」
「ん~何が?」
この人……、私の言っている意味くらいわかるだろうに。存外食えない人なのかもしれない。
「いやなんというか~、金沢先輩も比企谷先輩のことす、す、好きだと思ったんで、あとから来たいろはに取られちゃうのは面白くないかなって思ったわけです」
好きって単語がなかなか言えないとか意外と私って純情?流石に狙いすぎか。てへ
「碧ちゃん言うね~。そうだね~。ここじゃあれだし一杯付き合わない?先輩奢っちゃうよ?」
碧知ってる!先輩の一杯付き合わないか?って一杯だけのことじゃないの!場合によっては潰されちゃうの!
まぁでもこの時の金沢先輩の目をみたら断れなかった。私も知りたいことあるし丁度いい。
「いいですねー。女子会ですか♪大学生って感じします」
金沢先輩はふふっと微笑んだ。
二人で居酒屋に向かう。
少し意外だった。金沢先輩みたいな人なら居酒屋っていうよりBARとか行くのかな?と思ったりしてたからである。
でもよく考えたら前の飲み会も居酒屋で主催は金沢先輩だったし、この人は居酒屋の方が好きなのだろう。
「お酒飲むときってワイワイしたいんだ。だから私はこういう雰囲気の居酒屋が好き」
あっれ~。私心読まれてるかな?
「私もこの雰囲気好きです」
「じゃあとりあえず乾杯しよっか」
「「かんぱ~い」」
女子大生で大ジョッキの生を飲む。うん。言わないで。
「美味しいですねー」
「やっぱりこれだよね♪」
お通しと注文したおつまみを食べながら金沢先輩は口を開く。
「うんとね、碧ちゃんは私が彼を好きだと思ってるんでしょ?」
「そうですね、まあいろはもそう思ってると思います」
「確かに私はハッチーのこといいと思ってるけど、私のは恋愛感情じゃないよ?」
「その場合いいっていうのはどういうことになるんですか?」
「そうだね。友情に近いかもしれない。若しくはただただほっとけないのかもしれない」
友情か……。異性間での友情。これは本当にあるのだろうか。
「ハッチーってね入学当初は今以上に目が腐ってたんだ。私はその目に惹かれた。なんでこの人入学初日からこんな目をしているんだろうって。それから気になってねー、いろいろ話かけたんだ。いつも読書してるし、私も本好きで将来出版社とかに入れたらいいなって思ってるしね。ここきっかけにして近づけたらなぁなんて思ったりもした。」
それもはや恋じゃないんですかね!って突っ込もうしたけど今は話を聞き続けよう。
「でね、無理やりサークル参加させた後の初めての飲み会かな。先輩たちに1年生はすごい飲まされてハッチーべろんべろんになっちゃったんだ。その時初めていろいろ聞けた。高校の卒業式のあとの春休み、二人の女の子に告白されたこと、自分の出した答えは本当にあってるのか、彼女たちを傷つけただけだったんじゃないかって。ほとんど二人の自慢話だったのもあるけどね。正確には…人だけど」
きっと二人の女の子とはいろはがよく言うラスb、ライバルのことだろう。最後ちょっと聞き取れなかった。
「なんかその時のハッチーすごくてねー。まああの時の1年生は大抵先輩に潰されてトラウマみたいなの掘り起こされて共通意識みたいのが芽生えちゃったのかな?それが今のグループなんだけどね。まあハッチーの場合話聞いた感じ答えは何も間違ってないし、問題なのはその後何もしてないってことだと思うけど」
ところどころ暈して喋ったのはこの人も何かその時掘り起こされたのだろう。なんてことを考えた。
そして思い出したように彼女はまた口を開く。
「あとね、ハッチー限界超えるとおもしろいんだ……、ぷぷっ。あれ、いろはちゃん、に聞かせて、あげたいっ」
何やら笑いを堪えている。ちょ、ちょっとーめちゃくちゃ気になるじゃないですか!!
「まあそれが私がいろはちゃんと戦う気がない理由かな?あれを聞かされちゃうとね~~。というか私はハッチーに幸せになってもらいたいんだと思うんだよね。で、それをできる子がやっと追いついてきてくれたというか。だから私は協力するしたまにはぶつかってみたいと思う。いろはちゃんは私のことあまり知らないと思うけど、私は彼女をよく知っているから」
そう告げる金沢先輩の表情はとても素敵だと思えた……、ただ理由というには少しわからないところがあったけれど。
「あ、でもこの話は内緒だよ~。あ、ハッチーお酒で潰すのは協力するけどね♪」
あはは、と笑いまたお酒を飲む。
今夜は帰れなさそうだ。
最後まで読んでくださいありがとうございました。
次回はまた八色出していくのでよろしくお願いします。
今回はオリキャラがほとんどということで自分で書いててもなんか難しかったです。
よかったら感想などあると嬉しいです。