魔法先生ネギま、心の力(物理)   作:オズワルド

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今回はオリジナル技術が出てきます、その事に不快感を覚えたりする方はご注意を

新年あけおめ!


残像だ

さて、俺がナギ・スプリングフィールドと言う赤毛で生意気そうで事実小生意気な小僧を弟子にすることにして数日後、新しく作り直された魔法練習場で俺は駄々をこねられていた

 

駄々をこねているのは他でもない俺の弟子になったナギ・スプリングフィールドと言う小僧だ、この馬鹿は今の修行内容が気に食わないと言いあまつさえこの俺に修行内容改変の要求までしてきた、一体何が気に食わないというのかさっぱり分からん

 

 

 

「何が気に食わないんだよ」

 

「ずっと基礎練習ばっかじゃんかあー! もっとこう、ドカーンと! ズガーンってのをさ!」

 

「ドカーンズガーン」

 

「痛ったああああああ!?」

 

 

 

とりあえず無詠唱火属性魔法で吹き飛ばしておく、この馬鹿は基礎の強さをまるで分かっちゃない、基礎が出来てるのと出来てないとではまるっきり何もかもが違う、そんな事は何事にも通用する事なんだが……、子供相手に今すぐそれを理解しろと言うのは酷か

 

眉根に皺を寄せて悩む、馬鹿の攻めるような目を無視して腕を組む、ちょっかいを出してくる馬鹿を軽く流して馬鹿の性格を考えてこのまま基礎を教え込むのは難しいと諦める、基礎の大切さを知ってもらう為にも一つ位小技を教えてもいいだろうと判断して黒板一式を用意して馬鹿をその前に座らせた

 

 

 

「致し方がない、お前の熱意に負けた、本来であれば到底到達不可能な不可侵領域とさえ呼べる遥かな高みへとひとっ飛びの裏技的超絶強力『奥義』を教えてやろう!」

 

「お、おお! 奥義! なんか凄ごそう!」

 

「うん、やる気が出たようで何より日和だ

さて、話が変わったようで変わってないのだが、お前は確か『瞬動』『虚空瞬動』『縮地』を習得してたよな?」

 

「確かも何もバッチリだぜ! あのバッ! ていってギュギュギュ! って止まってガッ! だよな!?」

 

「良し、お前ちょっと黙ってろ」

 

 

 

自分の弟子の馬鹿さ加減にほとほと呆れながら黒板に白いチョークで今述べた三つの高速移動方を図にして表す

 

『瞬動術』と書かれた所には人影が残像を残した場所から10m先に人影が現れている図

『虚空瞬動』と書かれた所には空中から瞬動と同じように残像を残して地上へと人影が移動している

『縮地』に関しては、正直見た目では瞬動と変わりない

 

 

 

「さて、馬鹿(ナギ)でも分かる超簡単!高速移動方!? のお時間だ」

 

「そこはかとなくバカにされてる気がするんだが師匠?」

 

「まずは『瞬動術』から説明しよう、コレは基本的な高速移動方であり中級〜上級者への入門編と言っても過言じゃないだろう

理屈は至極簡単で馬鹿(ナギ)でも理解出来た事から分かりやすさは折り紙付きだ、なんせ魔力……もしくは気を足の裏で爆発させてその衝撃で一歩踏み出すだけだからな、一歩踏み込んだ後にしばらく空中を跳んで着地する、その速度は残像が残る程だ」

 

「なあ師匠、今またバカにしなかったか?」

 

「黙ってろって言ったろ、次は『虚空瞬動』だが、コレは『瞬動術』の弱点その1を克服する為の物だな、瞬動は一歩で数mを残像残す程の速さで移動出来る……、だがしかし上級者ともなると瞬動の間にある一歩の間、体が完全に空中に浮いた状態は明確な『隙』以外の何物でも無かった

 

車は急には止まれない、瞬動もまた急には止まれない、であれば止まる必要は無いと考えたのが『虚空瞬動』だ、瞬動の間に空中で更に瞬動を発動して方向転換する、爆発の衝撃を受け止める地面がある瞬動とは違い爆発に必要な魔力や気の消費量は多いし空中という不安定な場所故にバランスの取り辛さもある、だが虚空瞬動がなければ瞬動は唯の確反行動でしかない」

 

「…………zzZ、ん、むにゃあー」

 

「……、『オレサマ・フィンガー!』」

 

「ぐ、ガッ、あぁたああああ! あたまあああ!?」

 

「話を続けるが、最後の『縮地』に関しては今までの移動方に必ず有る弱点その2である出始めと終わりに有る上級者なら理解出来る『隙』を何らかの方法で消す事を言う

まあこれは様々だな、武術やら作法やら小道具やらで各個人が消している、俺は長年戦ってきた歴史から作り上げた独自の物だがお前は何だったか聞いてなかったな?」

 

「やったら出来たぜ?」

 

「…………、馬鹿(バカ)は話にならんからほっといて以上が今馬鹿が出来る高速移動方だな?」

 

「普通にバカにすんなよ師匠!?」

 

「馬鹿言うなよ、俺に人を馬鹿にする力なんてないぞ、お前は馬鹿にされるまでもなく元から馬鹿だろうが」

 

「ちくしょー! くらえ必殺ウルトラスーパーオブナギナックルッ!」

 

「オレサマフィンガァアアアアア!」

 

「アアアアアッー!?」

 

 

 

ナギの拳を鷲掴みそのまま握力でもって握り締めながら持ち上げる、長年の歴史が作り上げた独自の必殺技、その名もオレサマ・フィンガー! やり方は至って簡単握力で握り潰すだけ

 

流石に潰しはしないが痣位は付くかもしれないな、痛めつけるのが目的じゃないしそろそろ次の話に移るか

 

馬鹿を放して黒板の『瞬動』以外の図を消すとまた新しく今度は地上から浮いてる人影を書き上げる、その横に『浮遊術』と書いて馬鹿に向き直る

 

 

 

「さてさて、ナギは浮遊術は習得しているんだったか?」

 

「おう、魔力を放出したり風の魔法で飛んだりするぜ」

 

「ん、『浮遊術』は空中に浮かび上がり自由自在に飛び回る方法全般の事を指すが、大抵は魔法だな

基本的にコレが扱え無くては上級者とは呼べない、『瞬動』『虚空瞬動』より遥かに遅いとは言え自由自在に空を飛べるということは、上空から一方的に攻撃出来るということ、『瞬動』は言わずとも分かるだろう、『虚空瞬動』は善戦したとしても先読みのしやすさ、魔力消費量の差、不安定な空中での連続使用と言った事情から厳しいだろう

 

劣っている点など速度位か、ここまではいいかナギ?」

 

「バッチリだけどよ師匠、それと奥義がどう関係あるんだよ?」

 

「うん、よくぞ聞いたな」

 

 

 

黒板に歩いている人影を書き上げる、足元に爆発する図を書いてチョークを置く

 

正直こいつに教えてもなんとなくで出来るようになりそうだから怖いんだよな、俺の今までの苦労全否定してくるもんなこのクソ馬鹿チート野郎

 

 

 

「これが今からお前に教える奥義だ」

 

「えー、なんかしょ――」

「――ん?」

 

「…………ナ、ナンデモナイデス」

 

「そうか、これは基本的に魔力が規格外に無ければ使う事を考えない方がいい奥義だ、あんまりに魔力消費量が多い為何も考えずバカスカ使ってたら直ぐに魔力切れを起こす

しかし使ってみればその効力は絶大だ、『瞬動』の速さを持ち合わせ『虚空瞬動』を超える回避性を保有して、『縮地』所か他の歩法も同時に使用可能!

 

その名も『跳躍』!」

 

「……本当にそんな都合の良い物あんのかよ師匠?」

 

「ある、と言うかこれがそうだ、問題点は魔力消費量と習得のし辛さ、そして体に思考が着いてこれるかどうかだな」

 

「よくわかんねーけどわかった!

それでどーすりゃその『跳躍』が出来るようになるんだ師匠?」

 

「仕組みは簡単だ、ぶっちゃけると『瞬動』や『虚空瞬動』と殆ど変わりはない、この奥義の極意とはどちらかと言うととある状態でこそ効果が――」

 

「師匠ー、話ずれてるズレてる」

 

「ああすまん、さっきもいったが仕組みは簡単だ、ナギお前の『瞬動』は何m移動する?」

 

「んー、あんまり測った事とかねえから感だけど、だいたい10m位じゃねぇかな?」

 

「よし、それを一歩にしろ」

 

「…………ん? あんの師匠?」

 

「なんだ、聞こえなかったのか、仕方が無いからもう一回言ってやろう心して聞け

 

――お前の『瞬動』を普通に歩くのと同じ要領で『一歩に縮めろ』」

 

「このおばか師匠!」

 

 

 

『瞬動』で突っ込んできたナギの背後に『歩いて』回り込み後頭部を鷲掴みにする、握力でもってして掴み持ち上げたナギの後頭部からメシメシという軋む音が聞こえてくる

 

このクソ馬鹿人様の事をバカ呼ばわりしやがりやがって、普段温厚な俺も腹が立ってきた、少しばかり痛い目を見た方が良いだろう、だいたいこいつ師匠だなんだと言ってるが全くもって俺に敬意とか感じられないのはなんでだ、どうしてだ

 

 

 

「ごめんなさいごめんなさい! ギブギブギブミィイイイイイイイ!」

 

「全く、こうなるのが分かってるんだから無闇に突っ込む必要ないだろ」

 

「おーいてて、いやなんか条件反射で……、そんな事より師匠今のが!?」

 

「ん、ああ今のが『跳躍』だ、一歩に縮めろというのは何も距離を短くしろと言うじゃない、文字通り10mを『一歩』に縮めてもらう、10mを残存残す速度で移動するエネルギーをたった一歩に詰め込む

これの難易度を分かりやすく言えば一歩歩くのに脇腹がなんか痛くなる程の過呼吸を起こすレベルの全力疾走をしろと、そういうことだ

普通の『瞬動』より遥かに速く目的地、地面に到達するのは当然の事、当然そうなれば次の動作に移ることができるから隙も無い、試してみたが普通に『瞬動』で10m移動するのと『跳躍』で10m移動するのでは遥かに『跳躍』の方が早かった」

 

 

「す、すげー」

 

「ただし、さっきも言ったように魔力消費量が笑えない、なんせこの『跳躍』は数をこなしてなんぼだ、たった一歩では不十分だから運用するには基本的に五歩以上『歩く』事になる

『瞬動』一回ですむ距離を『跳躍』は10歩以上歩かなければならない、常時そんな事をしていられるのは魔力が底無しな奴位だ、お前も調子に乗ってバカスカ使ってたら直ぐに魔力が空になるからな」

 

「うおっしゃああああああああああ! やってやらああああああああああっぅああああああああああ!?」

 

「ろくに説明も聞かずやる馬鹿がいるか……」

 

 

 

ため息を一つ吐いて盛大に転けた拍子に大回転しながら跳ね上がり地面に頭から飛び込んで行ったナギを持ち上げる、いきなりやろうとすれば体に思考が付いて来ずコケる

 

ちゃんと説明するんだからそうまで焦らなくても良いだろうに、ああまた大車輪してるよ

 

流石のナギも早々簡単に出来る訳ではないと気付いて少しばかり師匠の威厳を保てたとホッとするのも束の間、今度はナギが納得いくまで修行に付き合わされることになり

 

結果として、結局はその日一日を丸々ナギと過ごすことになってしまった




ちなみに、『跳躍』のイメージとしては足元が爆発する質量のある残像とかトランザムとか

因みに『跳躍』には上の段階に位置する技が有りますがそれはまたいつか、『跳躍』の理屈に納得出来ない方は『宇宙は黒いのに空は何故青いのか』とか『影に質量とか色はあるのか』とか『時間は本当に不変の物なのか』とか『光速より早い物が無いなら光速で飛行する乗り物の中で投げたボールを外から見た時の速度はどうなるのか』とか延々と考えてると答えが出ると思います

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