頭こんがらがってきた、もう面倒だからその辺はノリで行こう、なんかわーってなって皆幸せ的な……駄文しか想像出来ねぇ……
酸っぱくて、思わず顔を顰めるような臭いで目を覚ました、うつ伏せに倒れて居る俺の目の前の嘔吐物から離れたくて体を起き上がらせる、今一ハッキリしない意識で周りを見渡す、どうやら夜の森に居るらしい、もしかしたら森の中じゃないかもしれないがそこら辺は今の所分かりそうにない
それで、どうして俺は嘔吐物の横に倒れてたんだろうか、確か俺は『神様』に転生させられて、それで……
その後の事を思い出そうとして、いとも容易く何故嘔吐物の横に倒れてのかを思い出した、そうだ、能力の確認がてらバカな事をして耐え切れずにゲロッたんだったか、何ともバカッぽいがゲロりながらも成功したらしい
頭上を見上げてみれば星々とはまた違った光が『見える』、赤や黄色、緑に黒と白、虹色のように輝く物やドス黒く周りの光を飲み込んで行く光も、その光を打ち貫く眩い金色などと見ている今この瞬間にもまるで長編小説の大活劇を見て居るような、そんな気持ちにさせてくれる『光』
「ぅ、ッ、ヴォエヴァアアッ、ちょ、気持ち悪い……」
成功はした、成功はしたらしいが思った通りの完全無欠とまではいかなかったらしい、こう言うのなんて言うんだろ拒絶反応?
もともと人の持ってる物だけれどこうまで物理的に攻撃的だとは、確かに最も強い力『最強』と信じて疑わない物を、力を、『神様』に貰ったが制御出来てないのか、それとも『こう』までしてもまだ俺には使いこなすだけの資格が無いのか……
一旦考える事を止める、頭の中所か全身全霊をぐちゃぐちゃにされたかのような嫌悪感と不快感は未だに残ってるが少し休めば大丈夫だろ、そういえば深く考えなかったけど俺って人間を止めたのか?
いやそんな事は無いはずだ精々が強化人間とか改造人間程度だろと思い思考にキリの良い終わりを付ける、吐瀉物から少し離れた所で適当な場所を探して倒れこむ、頭上からは今にも落ちて来るぞと言わんばかりの光の劇場、この星と光のコラボが見れただけでもこの能力を貰って正解だった
しばらくの間夜空を眺めると有る事に気付く、もしかして有る程度見えたり見えなくしたりの制御が出来なきゃ街中とか行けないんじゃねーのコレ?
「いやぁ、それはマジ勘弁だよ」
制御出来なきゃ人の顔も見れやしない、『神様』にお願いしておくんだったよ畜生、オンオフが出来るように光を見えないように……気合でも入れるか、見えるなー、見えるなー、見えたら死ぬぞー
半分ふざけて居ると夜空に浮かぶ光が消えて行く、一瞬何かの間違いかと思ったがそんな事は無いらしく、先程の光の本流は跡形も無く消え去っている、ならばと今度は光を見ようと試みる、目を瞑って祈るように輝く光をもう一度見ようと思ったその時、唐突にもう一度見えるようになったと分かった、そんなバカなと瞼を上げれば光が見えた、その後も強弱や特定の光だけを見たりしてみた結果として、どうやら今の所自由自在に制御出来るらしい
何だろう、こんな簡単に行く物なのか力の制御って、だってコレ『神様』印のスーパーウルトラ能力何だぜ、それがこんないとも容易く……『神様』印?
もともとそう言う物と言う色々とバカにした話を除けば一つだけ納得出来なくも無い物が有る、ぶっちゃけ『神様がなんやかんやどうにかした』、もし俺がこの難題に対して心血を注いでいたらこれ程身も蓋もない話は無いが、別にそこまで必死じゃないし良いか、よしコレは『神様』がやりました
無理矢理気味に『神様』の所為にした後にモゾモゾと体を動かす、体に付いた落ち葉をはたき落としてうっすらと光が漂って来た方向に歩いて行く、そこで自分の服装が洋服で有る事に気付いた、センスが光るのかどうかは今までろくに衣服に興味を持って来なかったから分からないが、自分が今まで着た事が無い洋服だったのできっと『神様』が用意してくれたんだろう、となるとこの世界の時代は最低でも洋服が有る時代だと希望的観測をしてみる
暫く進んだ先に居たのは荷馬車と焚き火を木で突ついてる青年、此方を見て多少驚いているし警戒もしているが別段敵意を振りまいている訳でも無い
「えっと、こんばんは」
「こんばんは……」
「……」
「……」
「いきなりだけどちょっと聞いても良い、でしょうか」
「どうぞ」
「街ってどの辺りですか?」
「この道を真っ直ぐ行けば行けるけど……」
凄い、凄いよ俺、なんか違和感有るけど間違いない、俺は今正に英語を喋ってる、英語の評価が幻の1だった俺には信じられない事だ、いけね感動で泣けて来た
教えてくれた青年に一礼して街へ続く道を行こうとして歩き出すと、ついさっきまで唖然とコッチを見ていた青年が慌てて詰め寄ってくる
「ちょ、待って待って!
もしかして今から行くつもり!?」
「え、はい、ですけど……」
「今は夜だよ!?」
「あははバカだなーそれ位分かりますよ」
「違うッ、分かってない!
それに君、その装備、他に何も持ってないの?」
「見たまんまだけど、どしたの?」
「…………君って旅は始めて?」
「……はい、と言うより若干迷子気味と言うか、まずここって何処?」
暫くの間悩んだ彼は俺を隣に呼ぶと軽い質問をして来た、一体何処から来たのか、何処へ行くのか、目的は有るのか、頼れる人は居ないのか、そんな事を真剣に聞いてくる彼に俺も今の状況に不安を覚えて来た、そもそもここはどんな『世界』なのか、と言うかココは何処で今は何時なのか、そもそもそれ以前に俺って何がしたいのか
驚く程に俺は無知で何も持ってなかった、持ち物だとか数学の公式では無くもっと人間として大事な部分で、そうなると途端に怖くなって来た、何をすれば良いのか分からない、どうすれば良いのか分からない、誰かに聞こうにも頼ろうにもこの『世界』には誰も居ない、誰かにやる事を決めてもらいたい、俺がどうすれば良いか教えて欲しい
そんな泣き言を冷静な部分がグッと堪える、何だその情けない考えはふざけんなよテメェ、広い世の中テメェより酷い奴等が居るのはさっき力を使って分かってる筈じゃねーか、それでいてテメェはまだそんな情けねぇ事言うのかよ、不安なら壁なり床なり殴って気を紛らわせろ、俺が何をしてどうするのかを他人に委ねるとかバカか、まるっきし典型的なバカで情けなくて不愉快な奴代表じゃねーかよ
そんな風に乱暴に心を落ち着ける、冷静に考えて他人に自分の行動を委ねるとかさっきの俺はどうかしてた、いくら不安だからって情けなさすぎるだろ、追い詰められた時こそ人間の本性は現れるらしいが、アレが本性ならまた乱暴に叩き直すとしよう
そんな事を頭の片隅で考えながら今度は此方からも彼に質問をした、ここは何処なのか、今は何時なのか、その二つしか今の頭では考えられなかったがそんな可笑しな質問にも彼はしっかり答えてくれた
「1500年の欧州……」
「……なぁ、もし君が良かったら僕と一緒に旅をしながら色々学んでみないかい?」
「……え?」
欧州と言われるまで色んな地名を言われてもサッパリ分からず、オマケに年代を聞いてとんでもなくあたふたしていた疑うまでも無いこの不審者に何を言っているんだろうかこの人は……
いや実はね、と続ける彼の言葉に耳を貸すと何やら次の街で行う商売の話をし始めた、とても大きな商売らしく成功させたいのだが、とそこで言葉を区切ってヤヴァイ笑顔を見せてその商売でちょっと俺に働いて欲しいと言う、聞けば聞く程いやらしくゾワゾワ来る『ちょっとした働き』、要するに他の行商人丸ごと根こそぎにしてしまう計画
コイツ頭可笑しいんじゃねぇーの、それが率直な感想だったし口からもポロリと出た、俺が裏切ったり告げ口したりするかもしれないし他の奴の回し者かもしれないのに、見ず知らずのついさっき会ったばかりの他人に話す内容じゃない、最初の好青年とした顔はどうしたのか
そんな言葉を意に介さず彼はにこにこと笑続ける
「その時はその時さ」
「…………は?」
「だから、その時はその時、幾らでもどうとでも出来る、何で赤の他人にって?
別に誰でも良いんだよ、誰だろうと違いなんて無い、それで君はどうするの?
この話に乗るなら色々旅に大切な事も、近付いちゃいけない事も、逆らっちゃいけない奴も教えて挙げられるけど?」
嘘じゃない、力を使ってみても完全無欠の自然体、呼吸をするように嘘を吐くなら話は別だけどそうじゃなさそうだ、何だかヤヴァイ奴に出会ったらしいが、良く良く考えてみたら何の問題も無かった、もし俺に何かをするつもりならそれこそ能力を使えばいい訳で
未だにこにこと笑いかけてくる彼の目の前に右手を突き出す、俺の手をポカンと眺める彼に今度は俺が笑いかける
「俺の名前は獅子怒 鋼(ししど こう)、以後良しなに的な」
「宜しく、早速だけど逆らっちゃ行けない奴を教えてあげる」
――この僕だ
以後、彼が寿命で死に至るまでの少しの間、彼と共に旅をして様々な事を教えられる事になるが、そこ等辺は残念ながら語られる事の無い話だ
なんか内容が薄いような気がしないでも無い
因みに『彼』は今後出て来ない、転生したての無目的の主人公をどうしようか迷ってとりあえずいきなりエヴァにゃんに行くのは安易過ぎるし何より今の内容より薄くなりそうだったから避けたい、と言う事で急遽人生の師匠的な人を出しました、言わばエヴァにゃんに会う為のワンクッション、さようなら何か凄い人っぽそうな雰囲気を出してた名前も無い人
喜べ皆の物、この小説読んでて現段階で一番待ち望んでるであろうエヴァにゃんは次話だよ
……多分