やはり捻くれボッチにはまともな青春ラブコメが存在しない。   作:武田ひんげん

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今回からスタートです。
頑張っていくので応援よろしくお願いします。


序章
こうして比企谷八幡は雪ノ下陽乃と出会う。


俺…比企谷八幡は総武高校の3年生であり、クラス内では友達を作らないボッチであった。もうここまで来ればプロボッチと呼んでもいいだろう。まぁ、こんな死んだ魚のような目をしていたら誰も近づかないだろうが。

今俺は現国の平塚先生に職員室に呼び出されていた。なぜ呼び出されたかというと…

 

「比企谷、これはなんだ?」

「作文…ですけど?」

「ですけど?ではないだろう。これは作文と言えるのか?」

「作文じゃなかったらなんなんですか?」

「はぁ…」

 

とため息をついた平塚先生はあろうことか俺の書いた作文を読み始めた。

 

「青春とは幻想であり、夢である。

青春を謳歌せし物は常に幻想を見ており、常に周りより自分達の方が上という勘違いをしている。

彼らは青春の2文字の前ならば、どんな強引なことでもさも自分達が正しいかのように振舞っている。

彼らは自分達よりも立場が下のいわゆる非リア充たちをまるで自らが支配者かのように動かそうとする。

そうして彼らは立場が下の者たちの意見なんかお構いなしに楽しもうとする。

仮に立場が下の者が意見を言おう物ならば彼らはその意見を総動員で抑えようとする。

そうして彼らは自分達の立ち位置が上であると見せつけている。

そんな彼らは現実を見ようとせずに楽しくて楽な幻想しか見ようとしない。

しかしそれを指摘したところで彼らはそれを認めないだろう。

すべては彼らのご都合主義でしかない。

…結論を言おう。

青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ。」

 

 

「…、わかったかね?比企谷」

「何がですか?」

「はぁ、いったいどういう神経をしたらこんな作文が書けるんだ?」

「いえ、ただ俺が思っていることを書いたまでですが?」

「喧嘩を売っているのか君は?」

「い、いえ」

 

平塚先生から鉄拳が飛んできそうな気配がしたので、慌ててフォローに入った。あ、鉄拳と言っても画用紙使って、こんなものはいやだ、というネタをする方じゃなくて闘将星野仙一とかの方の鉄拳な。そんなこと誰でもわかるわ。俺一人でボケとツッコミができるくらいボッチを鍛えてるんです。

さて話は脱線してしまったが本題に戻すが、平塚先生は俺の作文に納得していないようだ。これは書き直して提出ルートだろう。

と、俺が次はなんの作文にしようかと迷っていた時に唐突にとある人物がやってきた。

 

「あ、静ちゃーん、遊びに来たよー!」

 

そこに現れたのは俺の同じ学年にして、眉目秀麗、成績優秀で音楽、運動も得意。 おまけに対人能力も高く、いつも周りにはお付きの人達が沢山いるような、リア充の最先端にいるような女性、雪ノ下陽乃だった。

 

「こら陽乃、いつも言ってるが気軽に職員室に来るもんじゃない」

 

という平塚先生。どうやら雰囲気的に考えるとこういうことは日常茶飯事みたいだ。

 

「いいじゃなーい、ひまなんだもぉーん!…あれ?静ちゃん、その子は?」

「彼は比企谷だ。お前と同じく3年生だぞ」

「えー?こんな子いたっけなー?」

 

そら気づかれないでしょ。だってボッチだもの。すると雪ノ下陽乃はまるで俺を商品の品定めするかのよう目でジロジロ全身を見て、

 

「私は雪ノ下陽乃ね、よろしく!」

「は、はあ」

 

満面の笑みを浮かべて握手を求めて来たので思わず返してしまう。というかなんだろうなこの感じは。なんというか、この笑顔は作り物というか裏がありそうと言うか、気を抜いたらいけないような、なんだか底知れぬオーラを感じるような…。これがリア充なのか?いや多分違うだろう。こんな人を巻き込むような、人を引き付けるようなオーラを出せる人間はそうそういない。

俺は少し気づいた気がする。なぜ周りにたくさんの人が集まってくるのかが。

そんなカリスマ性の塊みたいな人から話しかけられたことのない俺は、正直キョドってしまっていた。

そんな俺の姿をみて雪ノ下陽乃は

 

「なーにガチガチになっんのー??ほらそんなガチガチにならなくてもいいからー」

 

思いっきりキョドってるところがバレてしまった。ちくしょう、長年のボッチ生活で身につけた俺の得意技、感情を表に出さないが通じない敵がいるとは…。

まあ学年…いや、学校一の人気者がいつも日陰にいるボッチの俺の目の前に現れたらどうすればいいかわからないだろ…。

そのまま軽く固まってしまっていると、

 

「比企谷、彼女は雪ノ下陽乃だ。陽乃は見ての通り目立つから君でも知っているだろ?それに陽乃はいつもこの調子なんだ。だから私も困っていてな」

 

しかし、平塚先生はまんざらでもないような感じで言っていた。俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。

俺は雪ノ下陽乃と馴れ合う気もなかったのでさっさと立ち去ろうとしたら、雪ノ下陽乃はあろうことか先生の机の上に置いてあった俺の作文を読み始めた。

……。

 

と、読み終わったのか雪ノ下が顔を上げると、ニヤリと笑って、

 

「君、面白いね。気に入っちゃった」

 

というと満面の笑みを見せてきた。しかし俺にはなにか裏で企んでいるように見えた。

俺は再び逃げようとしたが、雪ノ下にがしっと腕を掴まれてしまった。ふえぇー逃げられねーよー…。

 

「雪ノ下、あまりいじめないようにな。それとそいつは腐っているからそこもよろしくな」

 

平塚先生…。というかその流れだと俺は一体どうなるんだ?とにかく俺は今この場から逃げたいのが本望だが、腕をがっしりと雪ノ下に掴まれていてしかもなかなか離してくれない。

 

「はーい静ちゃん。じゃ、比企谷くん、お話しよっか♪」

 

雪ノ下はそういって職員室を出た。もちろん俺の腕を掴んだまま…。

…この先どうなるかこわいよぉぉー…。

俺はなにか未知の恐怖を感じていた。

 

 

続く

 




さてようやくシリーズスタートです!
今回から頑張っていこうと思います!
この作品は原作と設定を変えてみました。まず雪ノ下陽乃が総武高校3年生で、比企谷八幡が陽乃と同じ学年ということ。ただ、ボッチには変わりはありません。もう安定ですからねー。
話数的には15話まで頑張ってみたいと思います。あくまで目標なので前後する可能性もありますが、とりあえず15話以上を目指します!
あと次回更新は6月6日の13時頃を予定しています。
あとよければ感想などもどんどん下さい!
応援よろしくおねがいします!


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