機械天使はマジ天使   作:邪神使いさん

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添付転生のエンジェロイド
第一話


 こんにちは、いきなりだけど転生って知ってる? そうそう、よくある生前の記憶を持ったまま別の人間として生まれ変わるヤツ。俺、ソイツを体験しちまってさ……しかもかなり変わったヤツ。凄いんだ、なんとも言えねぇけど、凄いんだ。

 

「今日、どうしようかな……」

 

 今の声、俺の体から出たんだけどさ、俺が声を出そうと思って出したワケじゃあないんだよ。勝手に動いて勝手に声出してんの。ここまで来りゃ分かるでしょ? この体、別の人が使ってんのよ。

 

(とりあえず、木の実でも集めようかな)

 

 しかも中の人の思考、ダダ漏れ。って事は、中の人の記憶も覗けんじゃね? と思って覗いてみたら、大体分かっちまったんだよ……。

 

 とある女の子、所謂薄幸系美少女がお亡くなりになりました。そこにテンプレ系神様転生のチャンスが巡ってきました。女の子は丈夫な体が欲しかったみたいで色々考えましたが、なかなか良さそうなのが思い浮かびません。ここまでは良しとしよう。だがここからが問題だ。

 女の子は生まれつき下肢麻痺故、色々な世界に行ける創作の世界に憧れていまして……世間一般で言う、ヲタクだったのです。なので、そこからアイデアを持って来る事にしました。分かるわ、その気持ち。俺だってそうしたくなるもん。だけどさぁ……。

 女の子が選んだものは……『そらのおとしもの』でした。

 

「イカロスになりたい」

 

 それを聞き入れた神様は、女の子の体をイカロスさんに変えました。ご丁寧に原作のスペックと能力まで付加してね。という事はアルテミスやイージスといった、チート武器まで使えるって事よ。超真面目に考えた結果がこれだよ! どうしてこうなった。

 だけど心は元の女の子のままです。気弱で内気、だけど健気(けなげ)な超が何個も付きそうな天使思考です。そんな子を独りで別の世界に転生させるのは忍びないと思った、思ってしまった(・・・・・・・)神様は、バレないように女の子を支えてあげられそうな子を探しました。俺だよ!! なんでこっそり俺を転生させたか知ってるかって? ご丁寧に神様本人から説明をされたからだよ。

 そして神様は女の子に、転生先は何処が良いか聞きました。また考え込んだ女の子は長考の末、答えました。

 

「ハイスクールD×Dの世界に行きたい」

 

 な゛ん゛でだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!! 君女の子でしょうが! もっと平和な世界に行きなさいよ!? 少女漫画の世界に行って、イケメンとイチャコラしなさいよ!! ハァ、ハァ…………な? 俺がこの子にこっそり憑依転生してるか分かったろ? ほぼ不死身だったとしても、半分が優しさで構成されてそうな女の子が戦いなんか出来ないから、俺がサポートするんだよ。

 

「出てくる人達ってとっても長生きなんでしょ? ずっと一緒にいられると思うから……」

 

 ホレたね。神様が溺愛しちまいそうになる気持ちも分かるわ。だから俺も大人しく転生したんだけどさ。あぁ、俺が憑いてるのは女の子でもイカロスでも無くて、『可変ウィングの核』ね。

 神様は感動して、後先考えずに転生させてしまいました。転生直前に俺は慌てた神様にこう言われた。

 

「この子を任せます。あらゆる脅威からこの子を守ってください。特に……この世界の主人公から!!」

「アッハイ」

 

 あの時の威圧感を俺は忘れないだろうね。精神体なのに漏らしそうだったぜ。んで転生してからこの子――もうイカロスでいいよな、自分でイカロスって名乗るみたいだし――の記憶を覗いた結果が今の話ってワケ。

 

 

 

 転生したのは何処か分からないけど森の中にある湖のほとり。イカロスは途方に暮れて、寝込んで初日は終わり。(ようや)く動こうかなと思ったのが次の日の朝なんだけど、目の前の湖から現れた水で出来た筋肉モリモリマッチョマンに驚いて気絶。仕方ないから俺が代わりに、ここにしばらく居させてほしい事を交渉したよ。因みにこの筋肉モリモリマッチョマンは、水の精霊、ウンディーネらしい。思考が漢女……いや乙女すぎてビビったY。

 俺とイカロスの事情を話したら快く承諾してくれたよ。しかも他のウンディーネ達と協力して、湖のほとりに周りの木を使ってログハウスまで建ててくれるサービス付き。人……じゃなくて精霊を、見た目で判断しちゃいけないね。

 

「本当にありがとう。俺は滅多に表に出られないから、この体の持ち主のイカロスって子を頼むよ」

「!」

 

 素晴らしいサムズアップで返してくるウンディーネ達。これでしばらくは安心だな。

 

 

 

 あれから俺は、俺が表に出られる条件とかを調べた。まぁ調べるまでも無いんだけどさ。箇条書きにするとこんな感じ。

 

・基本はイカロスが主導権を握っている。

・戦闘時、もしくはイカロスが意識を失っている時にのみ、俺が表に出て体を動かしてイカロスを守る。

・俺がいくら喋っても、イカロスには気付かれない。

・イカロスは俺の事を知らない。俺の事を知らない(・・・・・・・・)。ここ重要。

 

 いや、俺も最初はイカロスに俺の事を知ってもらおうかとも思ったよ? でもさ、そうなったらイカロスが俺の為に長い時間寝てしまいそうだからやめたんだよ。陰から見守って、支えてあげるくらいがちょうどイイんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 あれから約一年、未だにログハウスに住んでいます。だって平和なんだもの。イカロスもここでのサバイバル生活に慣れきっちまったんだもの!

 

「ウンディーネさん、おはようございます」

「!」

 

 いつ見ても変わらないキレのあるサムズアップで答えるウンディーネ達。今日も今日とて筋トレに励んでいる。聞いた話によると、精霊界は戦わなければ生き残れないそうです。

 

「今日、どうしようかな……」

 

(とりあえず、木の実でも集めようかな)

 

 ここで最初に戻ってくるワケだ。チートボディにチート武器を持っていても、使わなければ宝の持ち腐れかもしれんね。少し前に始めたスイカ畑の害虫駆除にアルテミスを使うくらいしか、能力の使い道が無いもんな。後、高い所にある木の実を採る時に飛ぶとかね。元々歩けなかったからか、歩く事自体が楽しいみたいだしね。一緒に生きてる内に俺も影響されたみたいで、イカロスが楽しそうにしていると俺も楽しくなってくる。

 

「ふんふふんふーん」

 

 植物の(つる)で編んだ籠を持って、鼻歌を歌いスキップをしながら森の中を進む。イカロスさんが楽しそうで何よりです。

 しばらくして結構な量の木の実が籠に溜まったので、途中で出会った青いドラゴンの子供にお裾分けしたら付いてきたので一緒にログハウスに帰ろうとしたら、家の近くに誰かが居た。

 何故かイカロスはドラゴンの子供を抱えて、木の陰に隠れて様子を見る事にしたらしい。いや、行けよ。俺達の家でしょ!

 

「ザトゥージさん、何でこんな所にログハウスがあるんですか?」

「うーん、さっぱりだ! ここら辺に来るのは三年ぶりだからなぁ。ウンディーネ達が建てたんだと思うぜ!」

「あ、あのウンディーネ達が……」

「あっ、ウンディーネさん達なら何か知っているんではないでしょうか?」

 

 …………思い……出した!! アレ原作組だよ! オカルト研究部のメンバーだよ! 1年のサバイバル生活のせいで、ここが『ハイスクールD×D』の世界だって事をすっかり忘れてたぜ。ザトゥージって事は、ここって使い魔の森だったのか!? あー、筋肉モリm(ryのウンディーネが居るんだもんな。最初に気付くべきだったか。

 

「……?」

「……」

 

 ウンディーネ達が「どうする、話す? 話す?」「どうしよう、イカロスさん帰って来てないしなぁ」とか仲間内で相談してるっぽいぞ。おい、誰だ、処す? 処す? みたいなイントネーションで言ったの! とにかくイカロスはどうするんだろうか?

 

(アレって原作の人達だよ、ね? どうしよう、まさかこんな所で会うなんて……)

 

 そういやこの子自分から大人数のコミュニティーに入って行けない子だったわ……。おや、ドラゴンの様子が……ってコイツ蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)じゃん!? どうやら原作通り、D×D世界の天使ことアーシア・アルジェントに反応してるのか。イカロスが日常生活に困らないように、俺が力を普通の女の子レベルに調節してるから、どんどん引っ張られていくね。

 

「ザ、ザトゥージさん!! ア、アレは何て言う使い魔なんですか!?」

「うぇ!? オレッチも初めて見るぜ……っておぉ!? す、蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)も一緒!?」

蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)って珍しいんですか?」

「あぁ、あれは心の清い者にしか懐かない事で知られているんだ! という事は、あの一緒に居る天使も心の清い存在って事になるぞ!?」

 

 流石イカロス、蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)が懐くレベルの天使思考だぜ。あ、天使って単語に悪魔の皆さん反応しちゃいましたね。一部戦闘準備までしちゃってまぁ。

 

(どどどどどうしよう!? えぇぇぇ!? わぁぁぁぁ!?)

 

 駄目だこりゃ。俺は動けねぇし、成り行きに任せてみよう。早速他のメンバーを差し置いて、原作主人公の兵藤一誠が近付いてきたか。このおっぱい馬鹿め!

 

「な、なぁ君!」

「!」

「お、俺の使い魔にならないか!?」

『イッセー(さん)(君)!?』

 

 ですよねー。もうね、視線が胸に釘付けだよ。あんまり意識してなかったけど、この体ってD×D組に負けないくらいスタイル抜群なんだよな。しかもそらおとのイカロスの服装(?)だから、胸の大事な部分しか隠れてないせいで、兵藤一誠ホイホイになっている事実。さあイカロス、この場面をどう乗り切る!?

 

(つ、使い魔……。わ、私が? 私なんかが主人公の使い魔になっていいのかな?)

 

 あ、押しに弱いんですね、わかります。

 

「俺は君がいいんだ!」

「あ、えと、うぅ……」

 

(別に、いい……よね?)

 

「はい……」

「っしゃあ!!」

 

 知ってた。はいはい、インプリンティングインプリンティング。鎖を伸ばしちゃいましょうねー。右手に巻きつけてやる! フハハ、どうだ、これならマスを掻けまい!

 

「こ、これでいいのか?」

「はい……」

「俺の名前は兵藤一誠。イッセーって呼んでくれ! 君の名前は?」

「……イカロス、です」

「イカロスか! よろしくな、イカロス!」

 

 き、決まったー! イッセーのイケメンスマイル! 変態な事を除けばカッコイイんだけどなぁ……。

 

「よろしく、お願いします。私の鳥籠(マイ・マスター)

 

 おぉ、思った以上にノリノリじゃあないか。これで少しは性格が明るくなればいいけどな。…………ん? そういや原作の桜井智樹も変態だったような? ……気にしたら負けか。

 とりあえず、これから俺の仕事が始まりそうだな!

 イカロスに手を出したら……タマぁ、取ったるでぇ……?

 

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