千切れた腕と炎に抱かれ   作:江上音

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プロローグ・命

 

 

 腕が千切れた反動で、体が飛んだ。

 地面から空へ、そして地面へ、瓦礫へ瓦礫へ。

 なんどかバウンドして、ようやく勢いが収まってきた。最後の反動を利用して立つ。

 

 左足は擦り切れていたので、地面に刺さって立ちやすかった。

 

 体からは急速に血が流れ出ている。

 左の膝から下がなくなって、左腕は手首から先がなく、肘からは伸びきった皮の隙間から骨が見えていた。

 ドアノッカーと呼ばれる大型拳銃の良いところは、そのリロードのしやすさだ。

 

 ドアノッカーのトリガーの下にある、リロードトリガーを引く。中折れ式の単発銃のため、空薬莢が一つだけ宙に舞った。

 口に咥えた銃弾をドアノッカーへ捩じ込み、中折れを畳む。

 

 ジュゥゥゥゥ

 

 右頬が銃身の熱で焼け爛れ、構えると同時に焼けた頬の肉が剥がれる。

 

 目の前で、ムカデが丸まって死んでいる。

 そんな錯覚をしてしまうほど、刺々しい戦車が一両、いまだ健在だ。

 大百足(センティピート)の特殊なワイヤーを自ら履帯に絡めてしまっただろうに、その砲身は、しっかりと俺を捉えていた。

 

 

 ザッ グジュ ザッ グジュ

 

 左右の足音が違う。

 視界もガクンガクンと揺れる。

 なのに、銃口だけは一ミリのブレもなく。

 

 ふと、戦車から人が這い出てきた。それも床からだ。

 

「化け物ども!ああ!死にたく――」

 

 ゴキンッ

 

 そんな、発砲音とともに、ソイツの頭がなくなった。

 

 撃ったのは俺じゃない。が、誰でもいい。

 みんな同じ考えなのだろう、百足の死骸に群がる蟻のように、俺たちは戦車の装甲へ銃口を押し当て、引き金を引いた。

 

 

 

 ランタンを消すことに躊躇はなく、しかし、消した直後に現れる深い闇のような絶望。

 

「あ…ああ…うあああああ…」

 

 絞りでるように出た音が、俺の声だとは思えなかった。

 いま、俺の体には足りないものが多すぎた。

 左腕がない、足がない、内臓がない、血がない、皮膚がない。

 涙を流すことも、痛覚すら失っていることにも気づかずにいた。

 

「イーヴァン…」

 

 声をかけられた。

 片目のどちからがなくなっていることに、初めて気がついた。

 だが、返答などできるはずもなく、眼球だけギョロギョロ

「ごめん…ごめんな…ごめんな」

 

 なにを謝られているのか、誰に謝られているのか、わからない。

 

 わからないまま、死ぬ…。

 嘘だろ…、それは、ダメだろ!

 

「うあ…ぁ…」

 

 わからないまま、死んでいくなんて、そんなの、そんなの――

 

「イーヴァン!?」

 

 仰向けにさせられ、声の主を見ることができた。

 

 そっか、ランデルか…。

 コイツなら、あぁ、俺が死ぬことも自分のせいにするだろうな…。

 そっか、あぁ、俺、死ぬんだ。

 そっか。

 

 俺は、笑えていただろうか。

 ゆっくりと、まぶたを閉じて、深い闇へと落ちていく。

 





生理的不安感を煽りたかったんですが、まったくできませんした。なんてこったい。

以下、本編没案

 不意に風を感じて、俺は目を開けた。
「え?」
 慌てて目を閉じる。そして、もう一度だけ開けてみた。
 ――水だ。視界の全てが水で、もう半分は空だった。
 轟々と耳元で暴れる風切り音を聞きながら、これは落下しているのだと教えてくれた。
「なっぶぅぅえお」
 喋ろうとして、吐いた空気が押し戻される。
 これはきっと、地獄へいく風景なのだろうと諦めて、俺はもう一度まぶたを閉じた。

「…………ゲソ?」


②こらはきっと、地獄へいく風景なのだろうと諦めて、俺はもう一度まぶたを閉じた。

箒「ちょ、あれ人間!!?」
一夏「嘘だろー!!!」


③あたーらしーいーあーさーがーきたー
 …間の抜けた音楽が聞こえたと思って、恐る恐る目を開けると…すげぇ服装の男たちが立っていた。
 いや、後ろには女の子もいる。
「な…なに、ここ?」
 部屋を見渡せば、すげぇ綺麗な内装である。
 昔手術を受けた病院よりは絶対に綺麗だった。
「新しい人? えっと、日本語大丈夫?」
「日本…え?なに?」
「お、通じた。俺は玄野計。時間がないから、とりあえずこれ持って、動かないようにお願いするよ。あとで説明するからさ、絶対!」


言い訳
①考えた瞬間「いやいやいや(でも面白そうじゃねーか)」となって処分しました。

②彼専用のIS<ブルーランタン>くらいは考えてふと気づいたんだけど、思えばIS読んだことも観たこともねぇやwって処分しました。

③流れ的には嫌いじゃないけど、ガンツ自体が話がふわふわしてて好きになれなかったので…。あ、大阪編と鬼編は好きですよ。でも弟とか吸血鬼とか、ちゃんと回収してほしかったので処分しました。

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