東方幻想録   作:雨宮陽花

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入ってきます。


2話

博麗神社。1人になると結構広いんだね。

 

「…にしても、ちょっとだけ買い物をしてくる、ねぇ。まぁ、霊夢にしか分からないのだろうけどさ」

久遠はそう言いながら鈴奈庵、と霊夢の字で書かれた紙きれを手にしてみる。

そんなに心配するような場所なのか、と思う。

「霊夢がそう言うんならそうなんだろうなー…」

紙きれを手にしたまま、その和室の一角でゆっくりと、仰向けになる。

 

実は鈴奈庵のことを知らないわけではない。むしろ知っている方で、常連。

なにせ、そこからでしか本を借りたり返したり、買ったりすることができないのだから。

本当なら、香霖堂でもいいのだが…。

「いくらもう定着した外来人だからって、安全じゃあないんだよなー」

他の例―――守矢神社一同、紅魔館一同―――があるとは言え、自分は完全な外の世界から来た人間。

なんらかのはずみで様々な能力を持っているだけの。

 

気配に気づいたのか、上半身を起こし、縁側の方へと目をやる。

するといつからいたのか分からないが、萃香がいた。

「なんだ、いつものメンツの1人か。霊夢ならまだ買い物してるんじゃないの?」

わりとあっさり、そう言い放ち、持っている紙きれを自分が見やすいように動かして再度見始める。

「霊夢も目的なんだけどね。あんたも会う目的なんだよ?久遠。いつか酒を飲みあいたいね」

ニコニコ、と社交的な笑みを浮かべている。

紙きれを近くにあった机におき、萃香の方を向き、苦笑いを浮かべる。

「私、萃香に好かれるようなことをした覚えはないんだけどな。あと鬼とお酒だなんて、私に死ねと言っているようなものだよ?」

「幻想郷に慣れたせいで、鈍ったようだね。いつの間にかしているんだよ。恐縮しているのか?」

「いや、飲む量に差が……」

楽しそうに笑いながら話す萃香に対し、さすがに引きつった笑みを浮かべる久遠。

 

ちょうどよく、霊夢が里から帰ってきたらしく、久遠がいち早く反応する。

「っと…お帰りみたいだね、霊夢が」

助け舟がきた、と思った。本当に。

買った物を片付けてから今私と萃香(縁側に膝たちしている)のいる和室の方にきた。

「あんた…久遠(こいつ)に変な誘いをしてないでしょうね。特に飲み会の」

呆れ顔を萃香に向けながら間に座る。

「一度は飲んでみたいんだよね。霊夢、駄目なの?」

「駄目ったら駄目よ。ろくな目にあわないわ」

どこか拗ねそうな表情に、ジト目でそうすぐさま返す霊夢。

「少しなら平気なんだろうけど…さすが幻想郷だよね。無法地」

クスッ、と思わず笑ってそんなことを言う。

「それに適応しきったあんたもおかしいけどもね。んで、萃香…なに用よ」

萃香は困ったように笑った。

「ちょっとからかいにきただけだよ。2人をね。面白そうだろう?」

「ったく…。呆れる奴ね。魔理沙以上だわ」

やっぱり今日も平和だと思った。

 

雑談をしている最中、私を鍛えたいというので相手になった。

…完敗して、萃香に笑われた。

 

「久遠。あんた、いい加減手を抜くのやめてくれないかしら?」

「いやだよ、断るね。あと私は霊夢と大体同じぐらいにしているだけだしー」

今にも怒りそうな表情の霊夢。その巫女服は無傷。

対して久遠は弾幕ごっこかなにかで遊んだのか、服がある程度ぼろぼろになっている。

「あっははは、霊夢。さすがに躊躇いがあるんだろうね」

「魔理沙と大違いだわ」

その子と比べられたら困る、と思いながら久遠は立ち上がる。

余力があるのか、立ち上がるなり軽い運動をする。

「魔理沙はライバルでもあるからそうするんであって、私は違うの。だから弾幕ごっこも本気出したくな~い」

外の世界で言う準備運動を終えるなり、面倒くさそうに呟いた。

「本当あんたって奴は…」

萃香は微笑みながらその様子をみていた。




日常系なんですよ。ギャグはそんなにいれれないと思いますが。
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