カズナリはいつものようにFPSを朝からしていた。
「やべ、JAMったな。うわあ!!!マチェーテか!」
カズナリは自動小銃がJAMり、弾切れした相手プレイヤーが突撃してきてやられたのである。
「うん?メール!誰からだ。母さんかな?携帯会社かな?」
それは受信箱にエリと書いてあった。
「エリ?ああ、俺をリアルで殺してくれる天使のなりそこないからか。」
エリは末期癌になってから友達からは病人のように気をつかわれるようになっていた。
会社でも最後は病人扱いされていた。
だからエリは自分の病気を知らないカズナリにメールしたのである。
『朝11時にあの初めて会った歩道で会いませんか。』
とメールをカズナリに送信した。
「こんなものでいいか。まあ来てくれなかったら新しく友達作ろう。」
エリは末期癌であったが最後まで人生を楽しもうとしていた。
カズナリは暇だし、エリがかわいい女性だから会いに行くことにした。
カズナリの会う動機はかなり不純であった。
カズナリが自転車で行くともうエリは誰もいない歩道に立っていた。
カズナリ「おはよう。」
エリ「おはよう。」
カズナリ「あれ、自転車は?」
エリ「ああ・・・あれは借り物だったから。」
カズナリ「そうか、じゃあ歩いてどこ行く?」
エリ「ショッピングモールに行きたいなー。」
エリはここで女の武器の色声を使って言った。
カズナリ「ここから歩いて行く距離じゃないぞ?」
カズナリはエリの行きたい場所に驚いた。
エリ「そういう時こそ二人乗りじゃない?」
エリはカズナリのママチャリを指さして言った。
カズナリ「それって違反にならないか?」
エリ「大丈夫だよ!こんな田舎警察いないって。」
カズナリ「いや、俺はいいけどお前はいいのか?それに俺たちもう20代だし。」
エリ「いいじゃん!私一度でいいから自転車で男の人の後ろに座りたかったから。」
カズナリ(たしかに、俺も高校の時はあこがれた女子との二人乗り・・・いかんいかん。)
カズナリは抵抗したが結局エリの尻に敷かれた議論となった。
カズナリ(ええい!もういいや。そもそも俺死にたいし、いやでも彼女を巻き込むのは違うよな?)
エリはそっと自転車の荷物乗せに座った。
カズナリ「おしり大丈夫か?」
エリ「大丈夫!さあGO!!!」
カズナリは自転車をこぎ始めた。
カズナリ(二人乗りのこぐほうきつい・・・)
エリ(死ぬまでにやりたかったことが一つ叶った・・・)
二人はそれぞれの想いを胸にショッピングモールに二人乗りでカズナリがこいだ。
だがすぐにパトカーに見つかった。
カズナリ「エリさん、ここまでだ。さあ降りてくれ。」
するとエリは言った。
「いえ、逃げるのよ!!これが青春!!!」
カズナリ「え、いや、俺の言ったこと聞こえなかった?」
カズナリはエリに大事な事なので二回言った。
エリ「GO!!!カズナリ!!!GO!!!」
カズナリ「警察に引かれてもいいのか?」
警察でも交通係はスピード違反のバイク相手にバイクが逃げようとする場合、違反のバイクを止めるために自動車でバイクを軽く引く場合がある。
なのでみなさんも警察の人に声をかけられたら素直に応じましょう。
エリ「望むところよ!!!」
エリの負けず嫌いが変なところで出た。
カズナリはパトカーから必死に逃げた。
カズナリ(俺の脚がちぎれそうだぜ・・・)
カズナリは二人乗りだったが全速力で自転車をこいだ。
カズナリは迷路のような住宅街に逃げ込みなんとか巻いた。
カズナリ(いい成人がなにをしてるんだろうか・・・)
エリ「お疲れ~いやー見事だったよ。」
エリはそう言って俺に自販機で買った缶コーヒーを渡した。
カズナリ「ああ、人生が終わると思ったよ。」
エリ「私はあと半年で終わるから・・・」
カズナリ「なに言ってんだよ!俺もお前も同じだろ。俺はともかくお前はまた働けばいいさ。」
カズナリはかなり無責任極まりないことを言った。
エリ「・・・ありがとう。」
エリは心の中ではうれしかったが苦笑いしていた。
カズナリは自転車を見た。
自転車は二人乗りかつカズナリの全力疾走によってパンクしていた。
カズナリ「もう少しだな。ショッピングモールまで。仕方ないけど自転車は投棄するしかないか・・・」
エリ「あなた、二人乗りは注意するのに。不法投棄は抵抗ないのね。」
カズナリは水を差された。
カズナリ「そもそも、エリが二人・・・」
エリ「え!!!なんんか言った?」
エリは威圧してきた。
カズナリ「とりあえず、ショッピングモール行こう。」
エリ「そうね、とりあえず行きましょ。」
カズナリとリナは無事ショッピングモールについた。
まずファーストフードでランチしていた。
カズナリ「重い話だけど。どうして会社辞めたんだ?まあ答えたくなかったらいいんだぞ。」
エリ「・・・まあなんか違うかった的なね!」
カズナリ「そうか。大卒?」
エリ「うん。大卒だけどすぐやめちゃった・・・」
エリは入社一か月で末期癌と診断され、辞めざる終えなかった。
カズナリ「で。今まで何人付き合ったの?てか今付き合ってる人とかいるの?」
エリ「何十も告白されたことあるけど、一人も付き合ったことないし、今もいないわ。」
カズナリ「え!!!そんなに美人なのに?」
(もったいないな。でもそうとう男を見極めれるんだろうな。)
エリ「あなたは?」
カズナリ「俺は人自体好きじゃないからな。もちろんゼロだ!」
カズナリは胸を張って言った。
エリは小声で言った。
「あなたは、これから何回だって恋出来るもんね・・・」
カズナリ「え?今なんて?」
エリ「いえ、なんでも。そろそろ買い物しない?」
カズナリ「いいけど。俺お金500円しかないよ?」
エリ「あなたは付き合ってくれるだけでいいから。」
その後ブティックをまわった。
エリ「あんたはどっちが好み?」
エリは右手に青いワンピースと左手に赤いワンピースを持って質問してきた。
カズナリ「俺は右手の青いやつかな。」
カズナリは照れながら言った。
エリ「じゃあ赤いワンピースお願いします。」
店員「かしこまりました。」
カズナリ(俺センスないと思われてるな。)
カズナリは散歩程度だと思っていたためにTシャツとジーンズだった。
それに対しリナは白いワンピに白いハットで清楚に決めてきた。
それから買い物にカズナリはつき合わされ、夕方タクシーで初めて会った歩道に戻った。
カズナリ「お前、金持ってんな。」
エリ「まあね、父が社長だから。」
カズナリ「そんなこと俺に言っていいのか?」
エリ「あなたなら、体術で勝てるから。」
カズナリ「ひでーな。俺をなんだと思ってるんだ。」
カズナリは歩道から荷物持ちとしてリナを家に送った。
カズナリ「こっから家近いんだな。」
エリ「うん、祖母の家だけどね。」
するとリナは急にうずくまった。
カズナリは心配して駆け寄った。
カズナリ「大丈夫か?」
エリ「うん、ちょっと胸が痛くて・・・」
カズナリ「救急車呼ぼうか?」
カズナリはスマホを取り出した。
エリ「ダメ!痛ッ!あそこには・・・りたくない・・・」
エリは力を振り絞り言った。
カズナリ「分かった。じゃあおぶってやるよ。」
エリ「え?でも両手に荷物あるじゃん・・・」
カズナリ「いいから・・・これでも一応鍛えてるから。」
カズナリは両手に買い物袋を持ったまま、リナをおぶった。
カズナリはしばらくリナをおぶって歩いた。
カズナリ「どう?ましになったか?」
エリ「うん。ありがとう。」
(結構頼れるところあるじゃん。)
エリ「ここが私の家。本当にありがとう。」
エリは満面の笑みでカズナリに言った。
カズナリはエリを背中から降ろした。
カズナリ「じゃあな。体大事にしろよ。」
カズナリはまた無責任なことを言った。
エリ「うん、帰り大丈夫?」
カズナリ「こっからなら歩いて帰れる。」
カズナリは歩いて帰った。
途中から『エリ』が『リナ』になっていたことにお詫びします。