カズナリはエリを送った後、会社に戻った。
カズナリ「失礼いたします。」
エリ父「入社一日目で社長室に来るとはいい度胸じゃないか。」
社長は外を見ながら言った。
カズナリ「エリさん、昨日も今日も胸痛がありました。エリさんが心配でつい来てしまいました。」
エリ父「なるほど、君には話してないのか。君はエリを守ってくれるのかね?」
カズナリ(なんだこのドラマみたいな展開。てかこの2,3日が濃くないか?)
カズナリ「はい!!!大切な友達ですから!!!」
エリ父「エリはそうは思っていない!」
カズナリ(そうだよな・・・俺腰抜けだしな。)
エリ父「エリはもう長くないんだ・・・」
社長は途中から半泣きになりながら言った。
カズナリ「どういうことですか?」
カズナリは驚愕した。
エリ父「末期癌なんだエリは・・・俺でなくなぜ愛娘のエリが!!!」
社長は絶叫していた。
そしてカズナリも頭が真っ白になった。
カズナリはずっと自分を否定して生きてきた。
学生時代はほぼいじめで絶望していた。
しかし今カズナリは気づいた・・・自分がどれだけ恵まれているのかを。
エリ父「カズナリ君、エリは君を愛している。だからエリを幸せにしてあげてくれ。」
社長は泣きながら言って頭を下げた。
カズナリ「社長、頭をあげてください。」
社長は頭を上げ男泣きしていたが、たたずまいが社長の風格が出ていた。
カズナリ「俺も、エリさんからいろいろ学びました。人と接する楽しさ。女性とのデート。エリさんの優しさに厳しさにいろいろ。だから俺はエリさんに幸せなまま人生を過ごしてほしいです。」
(俺はそんなことが出来るのか、こんな無責任がゆるされるのか、なぜ俺じゃなくエリが死ぬんだ・・・)
エリ父「すまないな、こんな情けない父親で・・・」
カズナリ「いえ、僕も人の事言えませんから・・・」
エリ父「じゃあ、これから飲みに行くか?」
社長は無理やり話題を変えた。
カズナリ「はい!エリさんのこといろいろ教えてください。」
社長は串カツ屋でエリのことをいろいろ話してくれた。
次の日
カズナリ(ああ、初めての二日酔いだな・・・)
母「あんたまた平服着てどこ行くんだい?」
カズナリ「バイトだよ!!!」
母「あんたがバイト!そりゃあめでたい。」
どうやら母は信じていないらしい。
カズナリは会社にまた出勤した。
受付嬢「師子王さん、今日からは五階で広告作成お願いします。」
カズナリ「それ、受付が言うの?」
受付嬢「そうですよね。おかしいですよね。」
カズナリと受付嬢は笑って話していた。
エレベーターを待っていると
エリ「楽しそうじゃない。」
カズナリ「まあな、受付かわいいしな。」
俺は自慢げに言った。
エリ「やっぱり、あんたも気をつかうんだ・・・」
どうやらカズナリがエリは不治の病を患っていると思っていることをエリは見抜いた。
エレベーターは開き、カズナリとエリの二人だけ乗った。
エリ「あんたも、もう友達じゃない!!!」
エリは激怒した。
カズナリはエリが激怒した瞬間カズナリは抱きしめた。
そして耳元で小さくエリに言った。
「たしかに俺はもうお前の友達じゃない・・・」
「じゃあ放してよ!!!」
「だから俺はお前の彼氏になる。」
カズナリは男らしく冷静に言った。
「何、言ってんの!私死ぬんだよ!!!」
「それでもお前の彼氏になる。」
カズナリはまだ冷静に言った。
「お前が最後に良い人生だったて思えるような生活を俺が創ってやる、だから一人で抱え込むな。しんどい時はしんどいって言え。自転車の後ろにもまた乗ってほしい。俺の自転車もうないけどな。」
カズナリは最後に照れくさく冗談を言った。
「カズナリ~~~~~」
エリもカズナリの肩を抱きしめた。
エリはエレベーターで泣きじゃくった。
幸い誰もエレベーターに途中から入って来ず、カズナリの恥ずかしい口説きは誰にも見られなかった。
昼休みカズナリは思った。
(ああ、あの口説きは絶対周りから見たらダサいよな・・・ああダセー。てか力技だったな)
カズナリはもっと考えて口説けばよかったと後悔した。
会社の帰りは一緒に帰った。
帰り道のことである。
エリ「カズナリ、エレベーターでのこと本気だよね?」
カズナリ「ああ、俺はもうお前の彼氏だ。」
エリ「じゃあ、私以外の親族以外の異性と話すの厳禁ね。」
カズナリ「それは、やりすぎじゃね?てか俺それ適応されたら仕事連携取れないよ。」
エリ「いいじゃん、あんたが最初で最後の彼氏なんだから・・・」
エリは照れていた。
カズナリ「そんな暗い話はもう今日で終わり!!!」
カズナリは明るくふるまった。
カズナリ「エリでいいのか?」
エリ「なにが?」
カズナリ「普通リア充になったらあるだろ。エリたん、エリー、えーりんとか。」
エリ「何それ!キモ!普通でいいから。」
カズナリ「分かったよ・・・」
(俺は本当に彼女を最後まで幸せに出来るのか?)