インフィニット・ストラトス Strong・Summer   作:kue

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第17話 少年の導き出した答え

 今回のトーナメントで順番が最初の俺達は既にISを展開した状態でアリーナの中央で互いに見合っている。

 こいつとの決着をつけるのにかなり時間が経ったけど……でもそのおかげで俺は何のために強くなるかを見つけた……絶対にこいつには負けねえ。

 

「ようやく貴様と決着をつける時が来たか」

「そうだな。俺もずっと待ってたぜ。このときを」

 雪片弐型を強く握りしめ、奴を睨み付ける。

 試合開始までのカウントが空中投影される。

「「ぶっ潰す」」

 俺とラウラの言葉が重なった瞬間、試合開始の合図が鳴り響き、同時にスラスターをふかし、互いにまっすぐ突き進んでいく。

 

「おぉぉぉ!」

「はぁ!」

 

 プラズマ手刀と雪片弐型がぶつかりあい、金属音が鳴り響き、目の前で火花が散る。

 雪片弐型を連続で振り下ろすがすべてプラズマ手刀によって防がれ、目の前で何度も火花が散る。

「こんなものか!? 貴様の力は!」

「試合始まって早々聞くな!」

「っっ!?」

「うらっ!」

「っぐぅ!」

 

 雪片弐型をフィールドに突き刺し、それを支えとして振り子の様に体を大きく振ると同時にラウラの蹴りを入れると相手の装甲に少しひびが入る。

 

「私を忘れてもらって困る!」

「シャル!」

「オーケー!」

 

 ラウラが下がると同時に箒が向ってくるが俺もシャルと位置を代わり、箒をシャルに任せて俺は上空へ向かい、ラウラめがけて急降下していく。

 悪いが今回は箒の相手はシャルに任せっきりだ。俺はラウラを倒すことに専念する!

「はぁ!」

「直線的だな!」

 今だ!

「食らえ!」

「なっ!? 貴様何故サブマシンガンなど!」

 

 シャルと入れ替わると同時に借りたサブマシンガンをラウラめがけて急降下しながら打ち続け、相手がAICなどという反則的な機能を使わせない。

 あれに捕まったら動けなくなるからな!

 が、付け焼き刃程度の技術しかない俺のサブマシンガンではラウラにダメージは与えられない。

「その程度の物で私にダメージを与えるなど愚の骨頂!」

 両肩、そして腰部左右から合計で6つのワイヤーブレードが俺めがけて放たれてくる。

「よっ!」

 

 サブマシンガンを放り投げ、スラスターを全開に吹かしてワイヤーブレードの追撃を避けていく。

 伊達に代表候補生と毎日、模擬戦してねえんだよ!

 アリーナを縦横無尽に高速で移動しながらワイヤーブレードの追撃を避け、ラウラとの距離を縮めていく。

 とは言ってもなんであいつ、白式の速度をあんなにも簡単に見切るんだ…………それになんかあいつの片目、色が変色しているし……今はそんなこと気にすることじゃないな!

 

 ――――警告! 相手ISにロックされています。

 

 っっ! とうとうあの大型レールカノンも使ってきたか!

 上空へと飛び上がった瞬間、俺がさっきまでいた場所にレールカノンから放たれた一撃が着弾し、大きく爆発を上げて大きな穴をあける。

 レールカノンで相手を狙いながらワイヤーブレードでの追撃もやめない……流石はドイツ軍に所属している専用機持ちだな。俺は近距離しか能がないけど……それを極めるさ!

 地面を滑るようにワイヤーブレードからの追跡を振り切り、瞬時加速を行う準備を行う。

 瞬時加速はあいつには見切られていると考えよう。今までに何回か見切られて直撃するところをかすり傷程度にまでされたからな……行くぜ、白式!

 

「来たかっ! 瞬時加速!」

 俺が発動した瞬間にラウラも瞬時加速を発動させ、フィールド内を高速で移動しながらお互いの得物をぶつけ合う。プラズマ手刀と雪片弐型。似ているようで似ていない形状のものがぶつかり合う。

 でも俺の白式の瞬時加速の方が早い!

 

「っっ! ちっ!」

「はぁ!」

 直線的に進んでいるところを瞬時回転を行ってラウラの頭上を飛んで方向転換を行うとともに背後を取り、雪片弐型を振り下ろすが相手も瞬時に反応し、その場から離脱してまたもかすり傷程度にされてしまう。

 瞬時加速を止めると同じようにラウラも止まった。

 瞬時加速はエネルギーを消費するからな……今ので3割ほど消費したか……でもまだまだ十分戦える数値だ。

 

「やはり貴様の速度は脅威だな……だがそれ以上に私は楽しいぞ織斑一夏! 貴様と戦えることが! だが勝つのは私だ! 貴様なんぞに負けやしない!」

 6つのワイヤーブレードが俺めがけて飛んでくる。

 やってやる……白式。耐えてくれよ! 2連続瞬時加速!

 背部と脚部のスラスターからドンドン! と連続で鈍い音が響いた瞬間、凄まじい重圧が俺にかかるとともに今まで以上の速度に入り、まだ気づいていないラウラめがけて向かっていく。

 な、なんて重圧だ! でも速度は確かに早い!

 気づいていないラウラの傍を通り過ぎると同時に雪片弐型で切り裂くと火花が散るのがゆっくりと見えた。

 

「ぐっ! 貴様、何をした!?」

 くそっ! やっぱり重圧が重すぎて零落白夜を発動できるほど意識が集中できねえ! それに全身が超痛い……これはほとんどできない技だな。それにスラスターにも負担が大きいみたいだし。

 白式からシステムエラー一歩手前までの負担があると警告ウインドウが出てきた……でもそれ以上に体が。

 あまりの重圧に全身がズキズキと痛み、正直これ以上はできない。

 

「だが……その分貴様にも負担がある物を使用したらしいな」

「さあ、どうかな……」

 強がりを言ってはみるが的中だ。

「これで終わりだ!」

 

 6つのワイヤーブレードが俺めがけて放たれてくる。

 避けないうがぁ!

 立ち上がって回避行動に入ろうとした瞬間、太ももがピーンと伸び、激痛が走る。

 嘘だろ!? こんな時に足がっ!

 もう目前にまでワイヤーブレードは迫っている。回避行動できない俺――――この2つの要素を重ね合わせたらその後にやってくる結末は容易に想像できた。

 

「一夏っ!」

「っっ!? シャル!?」

 

 シャルの声が聞こえた瞬間、彼女に腕を掴まれ、俺の目の前にシールドが展開され、向かってくるワイヤーブレードをそれで防ぐ。

 

「大丈夫!? さっきハイパーセンサーから一夏の反応が消えたから心配したよ」

「あぁ、悪い。瞬時加速を重ね合わせた」

「……よくそれで骨折せずに済んだね」

「やっぱり?」

 あれはもう使えないな……使うとしたら瞬時加速中に瞬時加速を重ねるやつか……これ以上は体は鍛えられない。

 ふと箒の方を見るとISの戦闘状態が解除されており、悔しそうに地面を叩いていた。

 悪いな、箒。今回はお前との戦いは今度に持ち越しだ……行くぜ。

「シャル、もう良い」

「オッケー。じゃ、行こうか!」

「あぁ!」

「2人になろうが同じことだ!」

 

 ワイヤーブレードが俺たちめがけて放たれてくるがそれを俺が雪片弐型で叩き落していく。

 左手に連装ショットガン・レイン・オブ・サタデイを持ち、右手にはアサルトカノン・ガルムが握られ、ラウラめがけて二つが火を噴く。

 高速切替――――シャルのISの特徴でもある大容量の拡張領域を活用し、事前に武装の呼び出しをせずに戦闘と同時進行で武装を呼び出す。機能と言うよりはシャルロットの特技らしい。俺にはよく分からないが要するに戦闘と同時に武器を出せて近距離・遠距離関係なしに戦えるという事だ。

 

「アンティークごときがっ!」

「ルーキーよりかは動けるよ!」

 ジグザグに動きながら2つの銃器でラウラに攻撃を仕掛けるが全てAIC・停止結界によって止められ、爆発もせずに地面に落ちていく。

 あれに捕まったら終わりだ……ただそれが一対一ならな。

 

「うらぁ!」

「ちっ!」

 

 後ろから飛びかかってくる俺の姿を捉えたラウラは鬱陶しそうに舌打ちをし、停止結界をシャルの方から俺へと向けようとするがシャルからの攻撃がやむことはない。

 

「後ろががら空きだよ!」

「ぐっ!」

 ラウラはより威力のある俺の攻撃を避けることを優先したのかシャルの攻撃をあえて受け、俺の攻撃はプラズマ手刀で受け止め、いったん距離を取る。

 

「させねえっつうの」

「っっ!」

 

 ラウラの表情が驚きの色に染まりあがった瞬間、漆黒のISに小さな弾丸の雨が降り注ぐ。

 俺の手にはさっきシャルが使用許可を出したうえで敢えて箒との戦いでいくつか落としていた武器の一つだ。

「舐めるなぁぁ!」

「ラウラぁぁぁぁぁぁ!」

 

 互いに同時に瞬時加速を発動させ、アリーナを縦横無尽に駆け巡りながらプラズマ手刀と雪片弐型をぶつけあい、ただひたすら斬り合っていく。

 さあ白式! 俺たちの速さ見せてやろうぜ! 今度は2重瞬時加速発動だ!

「っっ! 消えっ!?」

「だぁぁぁ!」

「ぐぁ!」

 

 瞬時加速をもう一度発動し、重ね合わせた瞬間、ラウラ以上の速度が出て一瞬で彼女の背後へとまわり、そのまま蹴りを加えて地面に叩き付ける。

 連続と比べて断然に重圧が違う! これならいける!

 

「瞬時加速に瞬時加速を重ね合わせたのか!?」

「おぉぉぉぉぉ!」

 2重瞬時加速状態のままラウラのワイヤーブレードの追撃を振り切り、すれ違いざまに何度も切り裂いていくと彼女のISに火花が散る。

 

「ぐぁぁぁぁ! 舐めるなぁぁぁぁ!」

「ぐぁ! おぉぉぉぉぉぉ!」

 俺の行動パターンを見切ったのか俺がラウラに近づいた瞬間に拳で殴りつけられ、頭に衝撃が走るがそんなこと気にも留めずにラウラを切り裂いていく。

 零落白夜は消費がデカすぎて使えねえけどこれでも十分なダメージだろ!

 何度も何度も彼女を通り過ぎ様に切り裂いていく。

 

「織斑一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「よっ!」

 レールカノンからの一撃を跳躍して避け、上空からラウラを見下ろす。

「なんだその目は……なんだその目は! 貴様も……貴様もこの私を見下ろすというのか!」

 突然激昂しだしたラウラ。その表情は怒っているというよりも悲しそうなものに見えた。

 これで終わりにしてやる……行くぜ、白式!

 再び瞬時加速を発動させようとした瞬間!

 

 

 ――――――――異常! PICおよび脚部スラスターに異常!

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