真・恋姫†夢想~三国乙女大乱!流星に乗ってきた最強の弟子~ 作:TE
気に入って頂けると幸いです。
「さて、適当に走ってみたけど町らしき所は見当たらない」
さっそく詰んでしまった。
川すら見つからないし・・・
「どうしよう・・・。ん?」
腕を組んで考えていると微かに金属音が聞こえる。しかも、誰かの叫び声が聞こえてきた。
よくわからないけど行ってみよう!
兼一の場所から何キロか離れた場所に2人の女性と女の子。それを囲むように複数の武器を持った男達が立っていた。
「失せろ、盗賊共!我が斧に斬られたいか!」
1人の女性が盗賊たちに手に持つ斧を振り回して牽制している。この女性は華雄、真名は不明。
「か、華雄!そんな奴らさっさと始末するのじゃ!」
「そうですよ!パパ~っと倒しちゃってください~!」
「うるさい!黙っていろ!」
華雄の後ろに隠れている2人は、女の子の方が袁術こと美羽、女性の方は張勲こと七乃であった。
華雄は自分任せで何もしようとしない2人に怒声を上げて黙らせる。
華雄は盗賊たちに睨みを聞かせ、斧で威圧する。
盗賊たちもその気迫に押され手を出せずにいた。
いつもの華雄なら盗賊など数分で倒せるだろう。しかし、華雄は今手を出せない状態であった。
「(今、私の斧は寿命が来てしまっている。当然だ。金が一切ない今、武器を整備させることなど出来るわけがない)」
よく見てみると華雄の斧は所々に亀裂があり、後なん振りかしたら壊れてしまうまでいっていた。
「(武人としてはあるまじき行為だが仕方あるまい・・・)」
武器が大事でも金がなければどうしようもない。
華雄はどうしようもないことを考えても仕方ないと判断し、さらに威嚇を強くする。
これで盗賊達が引けばよし、引かぬなら覚悟を決めなければならない。
「なあ。こいつ凄い気迫なのにどうして斬りかかってこないんすかね?」
「ん?よく見たらあの武器かなりボロくないか?」
「!」
武器を使っての威嚇行為が仇となり、華雄の異変に気づかれてしまう
「お前ら、あの女の武器はボロボロだ!大したダメージは与えられない筈だ!」
「突撃!」
「「「うおぉぉぉ!!」」」
男たちは一斉に襲いかかる。
華雄の武器金剛爆斧はすでに限界。しかし、そんな事言っている場合ではない。
「くらえ!!」
「「「ぎゃあっ!?」」」
一振りで複数の盗賊を吹き飛ばす。
しかし、深いダメージを与えられず盗賊達はすぐに立ち上がった。
「な、なんじゃと!?」
「華雄さん!?何してるんですか!」
「ちっ・・・」
驚く美羽と七乃。華雄はやっぱりかと言った表情だった。
「やっぱりオンボロ武器で致命傷は喰らわねえ。やっちまえ!」
「くっ・・・!」
華雄は盗賊の猛攻に防戦一方。斧で防ぎ、薙ぎ払いを繰り返した。
しかし、とうとう限界が訪れた
「なっ!?」
「華雄さんの武器が壊れちゃいました!?」
「なんじゃと!?」
華雄の武器は破壊され絶対絶命の危機へと陥った。
「ここまでか・・・」
「な、何を諦めておるのじゃ!?」
「そうですよ!戦ってください!」
「武器も無しにどう戦えと?すまないな、2人とも」
そういうと観念した華雄は地面に座り込んでしまう。武人の誇りか、目を瞑って自分の末路を待つ。
「潔いいじゃねえか。お望み通り殺してやる!死にやがれ!」
「・・・・・・」
盗賊の剣が華雄へと振り降ろされる。
痛みと死への恐怖か盗賊の声を聞いたと同時に瞼をさらに硬く瞑った。
「・・・・・・・・・・・・?」
いつになっても来ない衝撃に華雄はゆっくりと瞼を開いた。
そこには盗賊が振り降ろしたであろう剣が目の前にある。
何故止まっているのかと思ったが、視界をさらに広げることでその理由が分かった。
振り降ろされた剣を片手、細かく言えば左手の指3本で止められていた。
盗賊達よりも随分と若く、明らかに盗賊の仲間ではない事が理解出来た。
「て、てめえ!何しやがる!?」
「それはこっちの台詞だ!このスカポンタン!!」
危なかった。
途中で悲鳴が聞こえたから全速力で走らなかったら間に合わなかった。
「て、てめえ!何しやがる!?」
この銀髪の女性を斬ろうとした男が僕に怒声を浴びせて来た。
そんな男の態度に少しむかついた。
「それはこっちの台詞だ!このスカポンタン!!」
「ヒイッ!?」
あっ!
つい気当たりを強めにぶつけてしまったから気絶しちゃった。
まあ、これで他の人たちが逃げ出してくれれば良いんだけど・・・
「こ、この野郎!お前らやっちまうぞ!!」
「「「うおぉぉぉ!!」」」
駄目でした。
確かにぶつけたのは斬りかかっていた男だけだったけど、少しは怯んでもらいたいよ。
でも、反省させるには少し痛い目にあってもらった方が良いのかな
「岬越寺師匠直伝!岬越寺無限轟車輪(こうえつじ むげんごうしゃりん)」
「「「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!??」」」
数分後。
「ふうっ・・・」
「痛え!痛えよ!?」
「おい、バカ!動くな!」
「なんで動けねぇんだ!?」
数十人いた男達は自分の腕と足が味方の腕と足によって関節が極められている。
男達は必死に叫ぶけどそれは無意味だ。この技は外の人からでなければ外す事は出来ない。
でも、少し時間がかかっちゃったな。岬越寺師匠だったら数秒なのに数分かかってしまった。
「とにかく、あなた達はしばらく反省していなさい」
「く、くそ~!?」
「とりあえず3人とも、ここから離れましょう」
「むっ?何故だ?」
「あちらの方向からこの人たちの仲間と思われる集団が此方にやってきます。戦闘を避けるため移動しましょう」
僕は指差しながらそう言うけど3人には見えていないらしく、目を凝らしながら見ていたが分からず首を傾げていた。
まあ、確かに約10キロくらい離れているから見えないかな?
「なぜ逃げる?貴方ほどの腕前だったらあんな奴らの仲間などすぐに倒せるだろう?」
「僕は無駄な争いは避けたい主義なんですよ」
銀髪の女性の言うとおり倒せると思うが無駄に時間を費やしたくない為そういった。
男たちから少し離れ、追いかけては来ないであろうところで話を切り出した。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。僕の名前は白浜兼一です」
「私の名前は華雄。で、こっちの二人は袁術に張勲だ」
「わらわが袁術じゃ。先ほどよくやってくれたぞ!誉めて使わすのじゃ!」
「私が張勲です。この度は助けて頂きありがとうございます~」
女の子の袁術ちゃんと女性の張勲さんがお礼を言ってくれる。なんかこの名前どこかで聞いたことがあるような・・・?
「私からも礼を言わせてほしい。ありがとう・・・」
「いえいえ!僕は当然のことをしたまでですよ」
「わらわはお主が気に入ったぞ!お礼にわらわの家来にしてやるのじゃ!!」
「命の恩人に対してもその態度のでかさ。流石です、美羽様」
「そうじゃろ、そうじゃろ!」
「すまない。あいつらの言うことは無視してくれてかまわん」
申し訳なさそうな表情で謝ってくる華雄さん。なにかと苦労していそうだなぁ
「私としても貴方は命の恩人だ。何かお礼をしたい。何でも言ってくれ」
「えっ!?でも、僕はそんなつもりで助けたじゃないので・・・」
「しかし、何もお礼をしないのは武人の恥だ。何でもいい言ってくれ」
真剣な目で言ってくる華雄さん。この目は意地でも譲る気はないな。
「でしたらお言葉に甘えて。実は僕、絶賛迷子中でして近くの町まで案内してもらいたいんです」
「なんだ?そんな事で良いのか?」
少し不満そうな表情をする華雄さん。僕としてはこのお願いが一番助かるので問題ない。
「確かここから一番近い町は呉の国の町ですね」
「呉じゃと!?」
袁術ちゃんがびくっと震えながら驚く。
呉?それって確か三国志にある国の名前だったような・・・
「嫌じゃ嫌じゃ!孫策のいる国など行きたくないぞ!?」
「美羽様。気持ちはわかりますけど、私たちとしても護衛の華雄さんが武器を無くして役立たずになった今、戦力になるのは白浜兼一さんだけです。もし、ここでお別れしてしまったら、今度こそ盗賊に襲われて○○○されたり、△△△されて、□□□なんてされちゃうかもしれませんよ?」
「ぴいっ!?そんなの嫌じゃ!?」
張勲さん、小さい女の子になんて事言っちゃってんですか!?
しかも、張勲さん、袁術ちゃんの怯える顔を見てとても嬉しそうだし!?
「なので、白浜兼一さんを案内しつつ、護衛してもらい、その後は町でばれない内に華雄さんの武器を調達してすぐに逃げる。これが最善の策かと」
「むう~。わかったのじゃ。白浜兼一とやら、特別に町まで案内してやるのじゃ!感謝するのじゃぞ!」
「お礼の筈なのに感謝させようとするなんてさすが美羽様!」
「ぬははっ、そうじゃろそうじゃろ!もっと誉めてたも!」
なんかとても残念な二人だな、そう思っていると華雄さんが黙りながら頭を下げてくる。
苦労しているな、この人。
とは言え、案内してくれるのはありがたい。それに三人の会話で気になる事が何点かある。
一つは三人の名前。
華雄・袁術・張勲。この名前は確か三国志に出てくる名前だ。最初は何かの冗談かと思ったんだけど本当っぽいし。
二つ目は真名と呼ばれるものについて。
三国志の名前なんだからここは中国でほぼ間違えないと思う。でも真名と言うものが何なのか、どうにも簡単に口に出してはいけないような気がする。
三つ目は二人が言っていた町について。
確かに張勲さんは呉の町と言っていた。そして袁術ちゃんのあの怯え様。確かに歴史では袁術は孫策に討ち取られるとあった。もしかしたらそれに関係しているんじゃないか?
とりあえず、町に案内してもらっている間に聞いてみよう。
僕はそう思い三人に付いて行くのであった。
一つの流星が町のすぐ傍に落ちたことを確認した雪蓮たちは兵を出陣させて配置させていた。
「まだ光っているわね・・・」
「あれは一体何のでしょうか?」
「分からん。だが、決して油断するな」
先陣としてやってきたのは、雪蓮・思春・明命の部隊。
最初は呉の王である雪蓮が出るのを反対されていたが、雪蓮の今までにない真面目なお願いに冥琳たちが折れる形となった。
三人から少し離れた位置には流星が落ちたであろう場所に光り輝く物体があった。
「雪蓮様、兵たちを動かしますか?」
「もう少し様子を見ましょう。何が起きるか分からないし・・・」
「雪蓮様、思春様!光が治まってきます!」
明命の言葉に二人はすぐに視線を光のほうへと移す。
明命の言う通り、光が治まっていく。そして薄っすらとだが人影が確認できた。その瞬間、三人に緊張が走る。
そして光が無くなる頃には、その人影が完全に確認できた。
性別は男で容姿は頭は坊主で服装は真っ白な服、そして手には両刃剣を持っていた。
「兵たちよ!あの男の周りを包囲するように陣形を整えろ!」
「待って、思春。私が行くわ」
武器を持ってるのを確認した思春が警戒し、兵たちを動かそうとしたがそれを雪蓮が止める。
そして、雪蓮は護衛も付けずに男の方へと歩き出した。
「雪蓮様、危険です!止めてください!?」
「大丈夫よ。ちょっとお話をするだけだわ。それに大人数で囲んだりしたら相手が怯えちゃうでしょ?」
そう言って雪蓮は男の方へと歩みを進めた。
思春と明命にはそう言ったが、雪蓮は他に危惧していたことがあった。
「(それか、大暴れして襲い掛かってくるのどっちか・・・)」
予言を知っていた雪蓮にとってここまでは予言通りな為、その後の続きにあった国を滅ぼす災厄・最後の希望。
そのどちらであるのかが分からない以上下手に手を出せない。いや、どちらにしても手を出せない状態でもある。
「(さて、どちらでしょうかね・・・)」
雪蓮は残り数メートルの場所で止まり男を見る。その男は雪蓮を見て一切動かない。何を考えているのかも雪蓮には分からなかった。
「こんにちは。私はこの国の王孫策。あなたは一体何者なのかしら?何が目的?」
「・・・・・・」
男は何も答えない。その沈黙が雪蓮の精神を削り取っていく。
「・・・・・・」
「?」
男がすっと剣を持っていない方を動かして雪蓮を指差す。その指差した方向は自分の顔から少し離れていたことに気づき、辿ってみるとそれは自分の腰につけていた武器であった。
「その武器の名前は?」
「これ?私の母、孫堅から受け継いだ物。名は南海覇王(なんかいはおう)よ」
教えてあげると男の表情が笑みへと変わった。その笑みは雪蓮から見たら狂気のものに思えてしまう。
しかし、それは間違えではなかった。
「良い。早速お目当ての物が見つかった。」
「何ですって?」
「俺の目的は貴様の持つ武器。そして___」
男が頭が雪蓮の足元まで落ち、両刃剣を逆手に持って後ろに空いた手を前に出して構えをとった。
「ここにいる奴らを皆殺しにする♪」
「!!??」
今までに無いほど悪寒が雪蓮に襲い掛かった。
身体全身、細胞の一つ一つが叫びだす。
こいつはやばい!逃げろ!と、それと同時に雪蓮は叫ぼうとした。
思春、兵たちを連れて城へ戻れ!とそう叫ぼうと振り向いた瞬間、雪蓮の目に最初に映ったのは狂気の笑みを浮かべた男の背中だった。
ついさっきまで自分の前にいたのにいつの間にか追い越されて後ろにいる兵たちの所まで一直線。そして、思春と明命も追い抜き、その次に映ったのは大切な兵たちが血飛沫を上げながら宙を舞う光景であった。
「しゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃ!!」
次々と呉の兵たちが男の手によって斬り飛ばされていく。思春と明命も雪蓮と同じように驚愕の表情だった。
目ではわかっていた。男が振り向いた雪蓮を追い越して此方に向かって来ていたところを。そしてその男の表情が狂気の笑みを浮かべて殺意を持っていたのをはっきり見て取れた。
しかし、身体は動けず、動いたのは男が二人を追い越した後のことだった。
「しゃしゃしゃ!泣き叫べ!苦痛で顔を歪めろ!」
次々と兵を切り倒して行く男の名前はゲイス・ガルシア。闇の武器組である。
弱者を斬るのが大好きで何も出来ずにただ悲鳴を上げて斬られる弱者の表情が堪らなく快感に感じている姿は玩具で遊ぶ子供のようであった。
そんな姿からか『狂乱遊戯』という異名で呼ばれている。
「しゃしゃしゃ!」
「止めなさい!」
「止めろ!」
雪蓮と思春がゲイスを止めるために背後から斬りかかる。ゲイスはなんなく受け止めたが、二人の攻撃はそれだけでは止まらなかった。
「「うおおおおおおぉぉぉぉ!!」」
二人でゲイスを囲み、回るようにして攻撃を仕掛ける。ゲイスの狙いを一つに絞らせない為と少しでも時間を稼ぐための動きだ。
「兵の皆さん!急ぎ撤退して下さい!息のある人がいたら一緒に連れて行って下さい!!」
「「「応っ!!」」」
明命は兵たちの誘導作業を行っている。ゲイスの標的は兵たちだった。さっきの様子で考えるとゲイス一人で全滅の恐れがあったため雪蓮が下げさせるように命令したのだ。
「・・・・・・」
「(どうしたのかしら?)」
撤退していく兵たちを見てから俯いてしまうゲイル。
俯いたままでも雪蓮と思春の攻撃を防ぐ実力は流石とも言える。
「ふざけ・・・」
「ん?」
「ふざけんじゃねえぞ、糞があぁぁぁぁぁぁ!!」
ゲイスがきれた。それはまるで玩具を取り上げられた子供のようである。
しかし、溢れ出す気迫は鬼そのもの。思わず、思春の動きが止まってしまう。
「思春!」
「死ね!!」
「しまっ!?」
動きが止まった思春にゲイスの剣が襲い掛かる。気迫に呑まれ動きが止まってしまった。思春は身動きが取れない。
「しゃ!?」
「!?」
「無事か?策殿、思春!」
「祭!」
ゲイスは思春の横顔から通った一本の弓矢によって攻撃は阻止される。
三人から少し離れた場所には明命とゲイスを止めた矢を放った黄蓋こと祭がいた。
「不意を狙い、さらには虚を付いたつもりじゃったのだが、それでも防がれるとはのう・・・。策殿と思春の二人掛りでも倒せん訳じゃわい」
「獲物が増えた・・・。まずはあいつからだ」
「明命!気をつけなさい!狙われているわ!!」
「えっ!?」
「しゃしゃしゃ!!」
雪蓮の言葉と同時に動き出すゲイス。明命はすぐに武器を持ち構える。
「そうはさせんぞ!」
「はあっ!」
「喰らえ!」
祭の弓矢、雪蓮と思春の挟撃を仕掛けるが、ゲイスは全てを潜り抜け明命の目の前へと辿り着いてしまう。
「しゃしゃしゃ!」
「くっ!はあぁぁぁ!」
明命は自分では敵わないことは百も承知だ。しかし、せめて一太刀、掠り傷でもいいからゲイスに喰らわせてやりたい。
そう思った明命は刀を決死の覚悟でゲイスに振り下げる。
しかし、ゲイスは剣で刀を振り上げて明命の刀を弾く。その反動で明命は刀を手放してしまった。
そして、ゲイスは振り上げた武器をそのまま振り下げて明命を襲う。
「うおおおおおぉぉぉ!!」
「しゃ?」
「・・・えっ?」
思春は挟撃に失敗してもすぐに走り出していた。そして、ゲイスが明命に武器を振り下ろす直前に到着するが己の武器で止める余裕がない。だから、思春はゲイスの武器と明命の間に入るように飛び込んだのだ。
その結果___
「「思春!?」」
「し、思春さまあぁぁぁぁぁ!!?」
思春はゲイスの武器によって背中から斬られてしまった。
如何でしたでしょうか?
途中で力尽きて続きが書けていませんが頑張ります。
感想や評価お待ちしております。