新世界より ~千年前からのメッセージ~   作:キリュウ

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リメイクしました~

前に感想を書いてくださった人には本当に申し訳ありません!

よかったら見て行ってください!


新世界より ~第一話~

 

もう何年たったんだろう―――わからない。

 

なぜ僕は生まれてきたんだろう―――わからない。

 

このわけもわからない()はなんなのだろう―――わからない。

 

僕が世界にいったい何をしたんだろうか―――わからない。

 

 

 

僕はただ・・・。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

楽しい。

 

俺はなんとなくそう思った。

 

普段と何も変わらない学校からの帰り道、いつも一緒に帰っている皆と歩いているが6人もいると全員が全員同じ話をするわけではない。

前の方を歩いているグループと後ろの方のグループでだいたい話の内容が変わってくる。

 

実際、前の方ではお調子者の(さとる)が学校でやらかしたことを面白おかしく早季(さき)と話している。

それを早季の横で真理亜(まりあ)が一緒に聞いている。

そして後ろのグループの俺は横にいる(しゅん)と話をしていた。

 

 

「そういえば(ときわ)は、今日のあの問題よく解けたね。結構難しかったと思うんだけど」

「あぁ~まぁ、勘だよ勘。」

「勘で問題は解けないと思うけど?」

「いや~世の中には不思議なこともあるもんだな~。な、麗子も思うだろ?」

「え?あぁ~うん、そう...かも?」

 

 

急に話しかけられた麗子(れいこ)は曖昧な返事を返す。

麗子は前と後ろのグループの中間にいたのでどっちの話を聞いてればいいのか迷っていたからだ。

 

河川敷に出てから10分くらい歩いていたら、反対岸から早季を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

「あ、お母さん。」

 

声のする方に目を向けると、左手に袋を抱えた早季の母親が立っていた。

 

 

「皆こんにちは。よかったら、みんなでお団子を食べて頂戴」

 

 

そういうと早季のお母さんは手元に持っていた袋に入っていた団子を見て、次の瞬間それをこっちまで飛ばした(・・・・)

それは美しい弧を描いて...ではなく、ふわふわと重力の動きを無視して早季の手元に収まった。

 

今、早季のお母さんがしたのは別に摩訶不思議な超常現象を行ったのではない。

これは呪力(じゅりょく)と言われる力で、簡単に説明すると、念力みたいなものだ。

 

 

「お母さん、ありがと~」

 

 

お菓子を受け取った早季は母親にお礼を言い、何故か走り出した。

 

...え?なんで?

 

 

「よ~っし!みんな~!投げるよ~!!」

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

 

言うまでもなく早季を除く全員が驚いた。

だが皆の驚きなど早季は気にせず楽しそうに笑って投げようとする。

 

 

「はい!じゃあ覚!」

「うぉわ。早季てめぇ!」

「次、麗子!」

「わ、わっ」

「真理亜!」

「うん!」

「瞬!」

「ありがと、早季」

 

 

瞬の言葉に早季は嬉しそうに笑った...うん、俺はどうしたらいいのだろうか。

 

 

「.....あ、松!」

「はいはい俺は忘れられ、ってうわちょっと早すぎ」

 

 

早季は照れ隠しか一番早いスピードで俺に投げてきた。

俺はとりあえず団子を受け止めることには成功した。

 

 

「おぉ~松大丈夫か?団子潰れてねぇの?」

「ん、まぁなんとか」

「ご、ごめん。ちょっと強くしすぎちゃった」

 

 

早季もさすがに失敗したと思ったのだろう、慌てて俺に近づいてきた。

まぁ団子は無事だったので、俺は早季に受け取った団子を見せ、それから一口にそれを食べた...うん、旨い。

みんなも早季のお母さんの手作りお菓子を食べながら色々感想を言っている。

 

 

「すごいよね~呪力って!」

 

 

真理亜が団子を食べながら俺たちのほうを見て言う。

 

確かに呪力という力はとてつもない「力」だ。

このお菓子だってそう。

外はしっかりとした食感なのに中はとてもトロトロとした状態のまま。

呪力無しに、これを作るのは不可能だろう。

 

 

『呪力は創造力の力』

 

 

誰かが昔そんなことを言ったらしい。

 

 

「ん?あれって...」

「何?瞬?」

 

 

瞬が指を指した方を早季が見た。

 

 

「わ!バケネズミだ!」

「町中にいるなんて珍しいね」

「水路の掃除してるんだぁ、顔は...見えないか。残念」

 

 

バケネズミの素顔が見えないことに落ち込む早季。

まぁ見えても今の早季たちではどうしようもない現実(・・・・・・・・・・)の入り口を知るだけなのだが。

 

 

「大人はいいよな~呪力で船が動かせて」

「ほんっと早く呪力が使えるようになりたいわよね」

 

 

そんな覚と真理亜のつぶやきに早季が言った。

 

 

「じゃあさ!呪力が使えたら皆は何がしたい?」

「じゃあ、覚から!」

「俺?そりゃ岩をドッカ~ンってさ!最強の呪力を使う鏑木 肆星(かぶらぎ しせい)さんみたいになりたいよな」

「覚らしすぎ、真理亜は?」

「う~んそうね、とりあえず船で移動したいわ。大人だけずるいっていつも思ってるもの」

「うんうん確かにそれは思う!麗子は?」

「え、えっと、お、お料理とか、あとはお絵かきしたり、あとは~えっと~」

「(かわいい~)「だよな~」え?松、何か言った?」

「え?い、いや何も?」しまった声に出ていたらしい。

「早季はどうなのよ?」

 

 

横にいた真理亜が早季に聞いた。

 

 

「私?」

「どうせアレだろ?」

「私は八町標の外を探検してみたい!!」

 

 

八町標(はっちょうじめ)、それはこの町、神栖66丁目の外をぐるりと囲んだ強力な結界のことだ。

子供は決してこの八町標の外に出てはいけないという決まりがある。

だが、ここにいる子供たちはこの結界が何の為にあるのか知りはしない。というより考えない。

この結界が一体なんなのか。これは何の結界なのか。

その理由を知る者は子供たちの中にはいない...子供たちの中には(・・・・・・・・)

 

 

「外に出て、バケネズミやそれ以外の生き物も見てみたい!きっと呪力があればどこにだっていけると思うし!」

「それじゃあ僕と一緒だ。その時は一緒に行こう、早季」

「瞬...うん。」

「それじゃあ最後のトリを言ってもらいましょう!松さん!」

「大変言いにくい展開にしてくれたな覚!......そうだな~」

「難しく考えなくていいんだからほら!」

 

 

別に何も考えはしなかった。

最後だったから面白いことを言ってやろうとかかっこいいことを言ってやろうとかそんなことを考えなかった。

だから俺はホントに俺がしたいことをそのもも言った。

 

 

「俺は、大切なモノを守れるようになりたい」

 

 

そう言うとなぜがみんなが黙ってしまった。

 

 

「え?何か俺変なこと言ったか?」

「え?いや、なんかカッコいいこと言ったな~と思って」

「うん、とってもいい目標だと思うな~」

「やめてくれ。何か恥ずかしくなるだろうが!」

「まぁまぁ松の夢は置いといて~瞬!!!」

「な、何?真理亜?」

「調子のんなよ!私も早季と一緒に行くんだからな!」

「わ、わたしも一緒に」

「はは、モテモテだな早季は」

 

 

いや、まったくだ。ってか麗子も行くのか~......うん、俺も行こ。

 

 

「まぁまぁみなさん、ところでこんな話を知ってるか?」

 

 

あぁ~これはあれか?題して、『覚君のこわ~い話』......うん、キモイな俺。

 

 

「聞いた話なんだが、呪力に目覚めなくって小学校を卒業できない生徒もいるらしいぜ?」

「え?」

「でも小学校を上れなかった人なんてこの町にいないよ!」

「俺の聞いた話だと、ネコダマシっていう大きな猫に連れ去られるらしい。」

 

 

覚の言葉に早季と真理亜、麗子の3人はすっかり怖がってしまっている。

こんな時でも瞬は冷静に聞いているだから、流石である。

 

 

「そ、そんなのいるわけないじゃん!」

「小学校を最後に卒業した先輩によると夜の帰り道に後ろに気配を感じたらしんだ。でも振り返っちゃいけないって気がしてそのまま進んだんだ、でも...気が付いたんだ」

「な、何に?」

「自分の後ろから出てる巨大な猫の影に!」

「きゃ~早季」

「ちょっ!やめなさいって覚!」

 

 

うんうん、さすがにそろそろね~一人泣き出しそうになっちゃってるから。

 

 

「でもそんな話をして後悔しないことね!」

「はぇ~俺がなんで~?」

「決まってるじゃない!私たちの中で一番最後まで残ってるのは覚に決まってるからよ!」

「ん、んなわけねぇだろ!」

「ふふ~ん、まぁその日が来ないことを祈ってなさいよね!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~数か月後~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「はは、結局俺たち二人が残ったな」

「っく!まさか覚にまで先を越されるなんて!」

 

 

結局この和貴園(わきえん)に残っている生徒は俺と早季の二人だけになってしまった。

 

 

「あぁ~早くみんなに会いたいな~」

「まぁ焦らず呪力に目覚めるのを待つだけだな」

「う~、っていうか意外と松も残ったよね。私てっきり瞬と同じかそのあとくらいには卒業すると思ってた」

「ど、どうせ俺はこんなもんですよ~だ」

「はは、いじけてる松って面白いかも」

「まぁいいや、帰ろうぜ早季」

「あ、ごめん今日はちょっと先に帰ってて、先生にちょっと呼ばれてるから」

「うん?そうか。気をつけて帰れよ?」

「ありがと、またね」

 

 

早季はそう言って教室から出ていった。

俺はこの時少し嫌な予感がしていた。

この時期に先生に呼ばれることなど何があるだろうか?

和貴園を卒業する生徒は全員、全人学級に進学することになっている。

それは絶対だ。だから進路のことなどでは決してない。

じゃあ何か仕事を手伝ってもらう?これもおかしい。

生徒の手を、しかも呪力が使えない生徒に手伝える仕事なら大人がやったほうが早い。

俺は正直、なぜ早季が呼ばれたのか想像がついている。

呪力のことだ。発現が遅いからだろう。

俺もまだ和貴園にいるが早季よりはまだ心配されていないのかもしくは俺にはもう何も言うまでもなくアレ(・・)をよこすつもりなのかもしれない。

 

 

「まったく。何時になっても人は変わらないものだな」

 

 

俺は結局そのまま教室に残り早季が帰ったのを確認してからそのあとをこっそりと追った。

俺が後ろからつけているのに気付いたのか時々後ろを振り向くが見当違いの方向を見たりもするからおそらく前に覚が言っていた例のことを心配しているのだろう。

早季が歩いているのは木が周りに茂っている道だ。

アイツら(・・・・)が来るならこのへんかと思ったら案の定来た。

そいつらは俺には気づかないでこっそり早季の後ろに回り込んでいった。

しかし、運よくか運悪くか早季はそいつらの影に気が付いたらしく、小さく悲鳴をあげながら走り出した。

それに気が付いたそいつらも早季を追おうとしたが、追わなかった。

いや、正確に言うなら追えなかった(・・・・・・)

 

 

「ふぅ~。お前らもこんな風にされて可哀想だよな。ほんとは俺が助けに行ってもいいんだけど、それだと、この町に大きな影響を与えかねないからそれはできないんだ。とりあえずお前らは助けてやれる。次はこの町の大人たちに見つからないように気をつけろ?毎回助けてあげられるとは限らないからな。・・けど、ホントにごめんな。」

 

 

そう俺が呟いたときにその場にいたのは一人の少年を二匹の黒猫(・・)だけだった。

 

 

次の日、和貴園に行くと早季は昨日呪力に目覚めたから今日から全人学級に行くことになったそうだ。

 

 

「まぁ松もがんばれ!一人になったからってめげるなよ?」

「ありがと、先生。そして、ごめんなさい。」

 

 

俺は先生に向かって指を鳴らした。

 

 

「うん?...おぉ何してるんだ?松?君は今日から全人学級に行くことになったんだろ?」

「はい、間違えてこっちにきちゃいました。すいません。今から行ってきます。」

「はは、明日からは間違えるなよ~」

 

 

俺は和貴園を出てそのまま全人学級に向かった。

 

 

「えぇ~今日から皆のクラスメートになる渡辺早季さんと一 松(にのまえ ときわ)君だ。」

「よ、よろしくおねがいします」

「声が小さい!!」

 

 

そういうと先生は早季を後ろから叩いた。

 

 

「俺のクラスで元気がない奴は認めん!元気を出していけ!それじゃあ次は君だ!」

「えっとまぁ一でも松でも呼びやすいほうで読んでください。」

「よしよし君たち二人は1斑に入ってもらおう!」

「1班!?」

 

 

そんな声とともにクラスの上の方の席から真理亜が早季に向かって飛んできた。

 

 

「早季~」

「真理亜!」

「遅いよ~待ちくたびれちゃったよ~寂しかったんだからね?」

「私も寂しかったよ~」

 

 

後から麗子もやってきて3人仲良く抱き合っていた。

 

 

「遅かったね松。」

「たしかに結構意外だったぜ」

「まぁちょっと遅れちゃったけどちゃんとみんな卒業できたし万事OKだろ?」

「うん、とりあえずおめでとう...それとそのそれ(・・)はどうしたの?」

 

 

瞬はそう言って俺の両肩に乗っている二匹の猫を指さした。

 

 

「あぁ、これはな~」

 

 

まぁ俺もなぜ俺の両肩にこいつらが乗っかっているのかはなぜかわからない。

とりあえず、昨日のあと俺の後をずっとついてきて家までついてきたからとりあえず飯を与えて寝て、目を覚ましたらなぜか俺の蒲団の中に入ってきていて、俺が家を出たらなぜか俺の両肩に飛び乗ってきたんだ...不思議だ。

 

 

「まぁ何故かなつかれてしまったみたいでな」

「そ、そうなんだ。っていうか先生も何も言わないからちょっと驚いたよ」

「あぁ~まぁそのなんだ、不思議なこともあるもんだな~」

「いや、普通誰でもツッこむと思うんだけどね」

「まぁとりあえず席に着こうぜ?早季たちもさ。」

「うん、そうだね。でもまたみんなと一緒でよかった~」

「そうね。これって結構、運がいいわよね!」

 

 

 

 

 

 

 

そう確かに運がいい、仲のよかった友達がまた同じ6人と同じ班になれる。

たまたま(・・・・)1班に空席が2つあるのもおそらく運がよかったのだろう。

まぁもしかしたら、運以外の要素が含まれているのかもしれないが、

 

 

「まぁ早季にあんなことしたんだこれくらい許されるだろう?」

「ほら松君の席はこっちだよ」

「あぁありがと麗子(かわいいな~)」

 

 

ニャ~(あなた、ロリコンなの?)

 

 

「...え?お前しゃべれるの?」

 

 

その日から俺の全人学級での生活が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございますです!

少しコメディ感もあってもいいかな~と思い書きました!ww

感想をいただければ幸いです!
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