新世界より ~千年前からのメッセージ~   作:キリュウ

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駄文ですが

よろしくどーぞ!


新世界より ~第二話~

 

「さて!今日は呪力でカードの家作りをしてもらおう!」

 

 

今日の太陽王もとい遠藤先生の授業の課題が発表された。

 

 

「これは呪力に必要なすべての要素を鍛える効果がある!毎月恒例の班対抗戦も迫ってきているから皆、集中して励むように!」

 

 

そう先生が言うと皆自分の目の前に用意されたトランプを見て呪力を使い始めた。

クラス全体で見るとゆっくりではあるが皆できてはいるようだ。

実際、俺たち1班のメンツで新入りの早季もゆっくりではあるがしっかり呪力が使えていた。

 

 

「やった~できた!」

「おめでと早季」

「うん、ありがとって二人ともスゴ!」

 

 

早季の横と斜め前でやっていた真理亜と瞬はもう4段くらいは積み上げていた。

 

 

「まぁ焦らずゆっくりやるといいよ。最初はみんなそんな感じだからね」

「そうそう、だから早季も焦らず松といっ・・しょに?」

 

 

真理亜が俺の方に目線を向けたとき、俺はすでに5段目に入ろうとしていた。

 

 

「えぇ~なんで松そんなにできるの~?」

「うん?まぁ勘だよ勘!」

「いや、松!勘でそこまでできないと思うけど?」

「いや~世の中には「はい、はい、凄いことあるね~」っく!瞬も言うようになったな!」

 

 

そんな風に和気藹藹と楽しくやっていたが誰しもが上手くいくわけではない。

実際、

 

 

「はっはっは!麗子はまだ呪力のコントロールが苦手みたいだな!」

「はっはい」

 

 

先生に見られながらも麗子は頑張ってカードの山を作ろうとするが、何度やってもカードが震えて上手く立ってはくれず結局その授業では麗子は山を作ることができなかった。

 

 

 

 

次の日、俺と瞬と覚は早季たち3人に呼び出されていた。

 

 

「で!なんでこんな草木が生い茂ったところに俺たちは連れてこられてるわけ?」

「文句言わないでついてくる!」

「いや、ってかどこまで行くんだよ!」

「ここから入れるから」

「は!?」

 

 

早季に連れてこられた場所は早季と真理亜そして麗子の3人の秘密基地らしい。

 

 

「へぇ~すごいね」

「誰にも見つかったことのない秘密の場所なんだよ!」

 

 

まぁ大人たちの中には気づいてるやつもいるだろうがそれはだまっておこう。

 

 

「で?なんでこいつらにココ教えたわけ?」

 

 

秘密の場所と言うだけあって、真理亜は俺たちに教えたことをどうやら少し気にしているらしく、不機嫌な表情を浮かべていた。

 

 

「それは、その...「早季ちゃん!」」

「ここからは私が!えっと、私、全人学級に上がってから私だけ大人になれなくて置いて行かれてる気がして、...本当は不安だった。だから...呪力の特訓、手伝ってください!」

 

 

麗子が俺たちに頭を下げようとした瞬間、真理亜が麗子に駆け寄った。

 

 

「「「「言うの遅すぎ!!!」」」」

「ちょっとかぶせないでよ!」

「いや、そっちがかぶせてきたんだろ?」

「いや、どっちでもいいから!」

 

 

とりあえず、麗子の秘密特訓が始まることになった。

仮の先生役は瞬と何故か俺となった。

 

 

「じゃあ特訓のメニューはカードの家作りに絞ろう。バランスよく鍛えられるし班対抗戦があるから目標にもなるしね!」

「う、うん」

「まずはいつも作ってるイメージを...」

 

 

その日は結局、瞬と早季の講義で俺と真理亜、覚は手本を見せるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

「...業魔と悪鬼について、全人学級では2つの童話でもってより詳しく学んでいく!さて、まずは...」

 

 

今日の先生の授業は実技ではなく普通の授業だった。

それにしても悪鬼と業魔。この二つの言葉は俺にとってあまり聞きたい言葉ではない。

 

 

「...というように妖怪の類が八町標の外にはて町とは違い危険が沢山ある!そんな八町標の外でやる夏季キャンプについてだが...」

 

 

なぜこんなタイミングで話すのだろうか。誰が聞いても行きたくなくなるだろうに。

その日も授業の後は麗子の特訓が続いていた。

だがこの日俺は決定的な勘違いをしていることに気が付いた。

それは麗子が漏らしたある言葉からだった。

 

 

「おぉ~すげぇ!成長したじゃん!」

 

 

覚が麗子が立てたカードの山を見てそう言った。

 

 

「すごいよ、麗子!」

「あ、ありがと!」

「で、でも時々出ちゃうあの暴走(・・)がなぁ~」

「...ん?暴走?」

「うん?どうかしたの?松?」

「麗子は呪力が上手く扱えないのはわかってたけど、それは麗子が呪力を使ったときに起きてたんだよな?」

「う、うん。」

「でも、時々意図しないで動く時があるってこと?」

「え?え~っと、なんていうか3枚のカードを動かそうとしたら4枚目が勝手に動いちゃう感じかな?」

「それがどうかしたの?松」

「え?いや。悪い変にとめちゃって。暴走っていうからちょっと気になっただけだよ。」

「じゃあ、もう一回だけやって今日は終わろうか!」

「う、うん」

 

 

結局その後、麗子はカードの山をミスなく作ることができ早季と一緒にいるとなんだかいつもより安定するとのことから本番も一緒に山を作ろうってことで今日は解散となった。

 

 

俺はみんなが解散してもその秘密基地に一人残っていた。

帰らなかったのは考え事があったからに他ならない。

それにしてもなぜもっとこの可能性を考えなかったのだろう?

全人学級に入ったばかりで呪力を使えるようになって日が浅いからこんなこともあり得ると、別にゆっくり学べばいいと思っていたが、これは早季の時より数倍ヤバイ。

まさか麗子が業魔化(・・・)しつつあるとは考えもしなかった。

だいたい経験上、こんな突然、業魔化すること自体珍しい。

普通、何かストレスやダメージを負った場合にまれに起きることなのに。

おそらく教育委員会はもう気づいているのだろう。

いや、気づいていてもまだ完全に業魔化しているのか判断をしている時間だろうか?

とりあえず俺ができることは二つだ。

一つはこの町にいる大人たちの記憶をすべて改ざんし、麗子の業魔化を治すこと。

もう一つは、麗子をこの町から一時的に逃がし、業魔化をコントロール(・・・・・・)できるまで教え込むか。

前者ははっきりいって大変だ。記憶を改ざんすることがではなく、業魔化を治すことがだ。

世間一般では業魔化になったものはもう治らないといわれている。

実際、治せる人間はこの町にはいないだろう。まぁ人間ならばだ。

もし後者ならば今度は町全員の記憶を改ざんし麗子がコントロールできるようにこれまた特訓するのみだ。

ただしこれも麗子が完全に業魔化するまでの時間に限る。

完全に業魔化したときにはもうコントロールすることは不可能だ。

どちらにせよ俺に決めることはできない、だから麗子に俺は聞くことににしよう。

俺にできるのはこれくらいだけだから。

 

 

ニャ~(貴方、やっぱりロリコンだったのね)

 

 

「...いいかげんロリコンやめてくんない?ってか突然しゃべるなよ怖いじゃん」

 

 

ニャ~(いいじゃない、誰もいないのだから。とりあえず私たちにしてほしいことがあったら言ってよね)

 

 

「...助かる」

 

 

 

 

 

班対抗戦当日

特別ゲストとして神栖66町で最強の呪力を持つ男、鏑木 肆星さんが来てくれた。

この男と戦っても俺は負けることはない、いやこの町全員と仮に争うことになっても俺は負けない。

だけど、別にそんなことがしたいわけじゃない。

俺はただ、大切なモノを守ればいい。ただそれだけなんだ。

班対抗戦が始まる直前、麗子が突然立ち上がって話をはじめた。

 

 

「あ、あの!いきなりこんなこと言うの変かもだけど、私、みんなといられて...ほんっとぉぉにっ幸せです!」

「真理亜ちゃんの自分に素直で、でも他の人のことをよく見てるところが好き!」

「覚君の勇気があって楽しい話をたくさん知ってるところが好き!」

「瞬君の頭が良くて皆を守ってくれるところが好き!」

「早季ちゃんはいつも一番に手を差し伸べてくれて、ずっと大好き!」

「松君はミステリアスなところが好き!」

 

 

うん?ミステリアスって良いことなのか?...まぁ良い所だよな...きっと。

 

 

「だから今日は優勝してもっと幸せになれるようにがんばります!」

「あぁそうだな、この幸せを誰にも奪わせやしないさ」

「おぉ今日はいつになく好戦的だな松!」

「うんうん、いつもは結構適当なのにね!」

「まぁ麗子がここまで言うんだからそれにこたえないとだろ?」

「そうね!絶対優勝しましょう!」

「「「「「「おぉ!」」」」」」

 

 

そして班対抗戦が始まるとクラスの視線は当然1班に集まってきた。

それもそうだ麗子がここまで成長してるのもそうだがそれ以外の奴もみんな特訓してきたのだから。

1班みんながカードの山を作ることに集中している。

瞬のカードの積み上げ方には鏑木 肆星も驚いているようだ。

まぁ確かに瞬は俺も才能があると思う。

いつかは鏑木 肆星をも超えることができる俺はそう思う。

だがラスト5秒前で麗子の暴走が起きた。

麗子の意図しない方向にカードが飛んでいったのだ。

それに気づいたのは麗子自身とその横で手をつないで積み上げていた早季。

一瞬でそのカードは早季の隣の真理亜の山に飛んでいきカードの山に・・・・当たらなかった(・・・・・・・)

早季も麗子自身も驚いていた。

結局時間内に1班に追いつけた班は一つもなく優勝は1班ということになった。

麗子はなんで最後カードが止まったのかわからなかったが優勝と聞いて喜んでいる早季に抱きしめられてそのことに考える意識が遮断されてしまった。

 

 

「やった~優勝だよ!」

「もう夏季キャンプも最高に楽しくなりそうだな!」

「うん、あれ?麗子は?それと松も」

「そういえばいないね?」

「もしや二人だけいないってことは?」

「え?麗子って松のことそうだったの!?」

「いや、お前らのほうが詳しいんじゃないのかよ!」

「でも、まぁ松もいるなら大丈夫じゃないかな?」

「う~ん、まぁ明日も会えるからいいけど~どっか寄り道したかったな~」

「まぁそれは今度ってことで今日はね?」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの最後のカード止めてくれたのって松君なの?」

 

 

俺はこのとき麗子に呼び出されていた。

てっきり愛の告白でもされちゃうのかと思ったら班対抗戦の時の確認だった。

まぁ、いいんだけどさ!

 

 

「えっと、まぁそうだよ。麗子にそういうことが起きたら対処しようと最初から準備してたから」

「そ、そうなんだ。ごめんね」

「いやいや、誤らなくてもいいんだって。麗子は麗子で全力をやった、俺も俺で全力を出した。それだけだよ。」

「うん。でも松君ってホントはもっとできるんでしょ?」

「...どうしてそう思うの?」

「えっとね~勘...かな?」

「そうか~世の中には不思議なことがあるもんだな~」

「あるもんだね~」

「「...ふふ、ははは」」

「でも、ほんとにありがと。あのときホントに失敗しちゃったって思ったからさ」

 

 

そう麗子は言いながら手をもじもじさせながら言う。...守りたい。じゃなくて!

 

 

「あぁ~その麗子実は麗子に言わないといけないことがるんだ」

「え?な、何?」

「あ~まぁ落ち着いて聞いて欲しいんだが「ニャ~(来たぞ!)」はぁ~もうかよ」

 

 

そう猫1号(命名:俺)が俺に言うと一匹の不浄猫が麗子めがけて飛びこんできた。

 

 

「え?な、何?」

 

 

麗子は突然、大型の猫がとびかかってきて腰を抜かしてしまっていた。

俺はその不浄猫を空中で止め、前回同様ただの黒猫に戻した。

 

 

「え、その猫って何なの?松君の方に乗ってるのと同じだよね?」

「あぁくそ、あいつらほんとに業魔が怖いんだな。まぁ悪鬼だとなおさらか?」

「え?業魔?悪鬼?どういうこと?」

「その、もうはっきり言うとな麗子!お前は業魔化しつつある!」

「...え?」

 

 

俺の言葉を聞いた麗子は、言われた言葉の意味を理解していないような、ポカンとした表情を浮かべていた。

まぁいきなり業魔化してますよ、貴女。なんて言われて、そうなんですか~何て言えるわけがない。

 

 

「いや、正直今すぐ納得しろなんて言わないだから話半分で聞いてくれ。麗子は呪力を上手く扱えないって思ってるかがそれは麗子が悪いんじゃないんだ。ほんとは麗子が扱えてない無意識の呪力が漏れ出してしまってるんだよ。だからどれだけ麗子が呪力をコントロールしようとしても無意識での漏出はコントロールできない!だから教育委員会、いや正確に言えばこの町の大人たちが麗子を要らない子だと判断したんだ」

「い、いらない子?それって」

「...麗子を殺すってことだ」

「...え?なんで?わ、私、み、皆とがんばって...」

「あぁわかってる!大丈夫だ!俺がいる!麗子は殺させやしないさ!俺を信じろ!」

「で、でも」

「でもじゃねぇって!町の大人たちが麗子を要らない子だって判断しても俺にとって麗子は必要だ!それはもちろん早季や真理亜、覚に瞬にとってもだ!」

 

 

今の状態を段々理解し、恐怖が麗子の心を満たし始めていたが、俺の言葉に少し余裕が生まれていた。

 

 

「あぁだから俺に任せろ絶対に殺させやしない。でも麗子には選んでもらわなきゃならない」

「え、えらぶ?」

「あぁ、1つはこの町に残れるが業魔化を完全には治せないがだましだましで生きていく方法、もう1つは一旦、町を出て業魔化をコントロールするように練習するかの二つだ」

「え?業魔化ってこ、コントロールできるの?」

「あぁできないわけじゃない。実際俺は業魔化をコントロールできるやつを少なくとも二人(・・)は知っている!」

「ふ、二人?」

「あぁだからここからは麗子が決めてくれ、残るか、町から出るか。どうする?正直あんまり時間はない。本当に悪いが今決めてくれ」

 

 

酷なことを言っているとは思った。

俺がもっと、早くに業魔化している可能性を考えていたら、もっと落ち着いて選択をさせて挙げられたかもしれない。

けど、町が麗子を殺すことを決定してしまっている以上、もう時間がかけられない。

 

 

「...うん、決めた。」

 

 

俺が想像していた以上に麗子は落ち着いた表情で決心をしていた。

 

 

「ホ、ホントか?正直もっと悩むかと思ったんだが」

「う、うん。私も結構簡単に決めちゃってるかもしれないって思うけど、でも、松君が任せろって言ってくれてるから...信じてるもん」

 

 

麗子の言葉に自然と掌に力が入った。

 

 

「...ふぅ~そう言われると、守りきらないとな!」

「あ、でも、その、なんで私にそこまでしてくれるの?っていうか松君ってなんでこんなこと知ってるの?」

「...俺が麗子を助けるのは自分のためさ。そしてなんでこんなことを知っているのかは町を出たら教えてあげるよ。いやもしかしたら教えてもらえるかもな?」

「え?」

「とりあえず、町を出よう、俺についてきて」

「う、うん」

 

 

 

その後、町を出るまで不浄猫たちは一匹も出てこなかった。

 

 

 

ニャ~(ねぇ猫1号ってやめてほしいんだけど)

 

 

「え?松君その猫喋るの!?」

「あぁ~まぁ麗子ならいいか、まぁはい喋るんだよ」

 

 

ニャ~(とりあえず私のことはシャルロットとでも呼んでちょうだい)

 

 

「しゃ、シャルロットちゃん?」

「いや、もうなんでもいいよ」

「あれ?もう片方の子は話さないの?」

「いや、喋るんだがなぜか人見知りする」

「ね、猫って人見知りするんだね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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