ごめんなさい。
カリンさんが発した悪鬼という言葉は知っている。
つい最近、全人学級で習ったことなのだから。
でも頭が理解しない。
松君が悪鬼?
そんなのありえない。
だって悪鬼とは伝説上の怪物だって先生は言ってたし、その伝承も躊躇いもなく人を殺しまくる存在だって言っていた。
「信じられないって顔してるね~でもホントなんだよ。私も詳しくは知らないんだけどね、前に本人が教えてくれたんだ。」
カリンさんは淡々と話してくれる。
「えっ?そ、それじゃあ松君が人を殺さないのはなんでなんですか?悪鬼って躊躇いなく人を殺しちゃうんですよね?と、松君は私を助けてくれましたよ?」
「さぁ~なんでだろうね?」
「え?」
「あはは、私だって何でも知ってるわけじゃないんだよ?そもそも松が悪鬼だって知ったのもほんの60年くらい前だし」
「そ、そうなんですか...って、え?ほ、ほんの?」
今、さらっと凄いことを言われた気がする。
「まぁ、松のことはおいおい話してあげる!さぁそれじゃあまずは呪力をコントロールする方法から説明しようか!」
呪力のコントロール。これができないと皆にもう会えない。
真理亜ちゃんにも、覚君にも、瞬君にも、早季ちゃんも、そして...松君。
絶対にコントロールできるようになるから、皆待ってて!
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「ふぅ、戻ってきたはいいが、さっそくやらないといけねぇな」
俺は神栖66丁目に戻ってくると、空に浮かんだまま神栖66丁目の中心部の上空までやってきた。
「さて、始めますか」
俺は始めたことはいたって簡単だった。この町全員の
この町にいる大人たちは天野 麗子を処分することを決定したのだから、天野 麗子という人間は
それは別に構わない。仮に早季や真理亜、瞬や覚から麗子の記憶を
とりあえず今はこの町の大人たちに天野 麗子という人間の処分は成功し子供たちの記憶の改ざんを完了したという記憶を植え付ける。
おそらくすでに子供たちの記憶の改ざんはすんでいるからこれで大丈夫のはずだ。
「...と思いたいが、やはりそうはいかないか...それで何のようかな?鏑木 肆星さん?」
俺が後ろを振り向くと神栖66丁目最強の呪力を持つといわれている男が立っていた。
「それはこちらのセリフだと思うが?君はここで何をしている。子供の呪力では仮にこの高さまでこれたとしてもすぐに落ちてしまうと思うが?」
「そうですね、結構きついですよ。まぁちょっとした空中散歩ですよ」
まぁこの男が来るのも想定内だ。
この町で俺の記憶改ざんに反応できる人間はこの男を入れて二人だけだ。
この男の記憶を改ざんするには直接1対1で呪力を使わないと効力が薄くなってしまう。
だからまぁ会いにいくつもりだったのだからこれはこれで仕事が楽になった。
「ふむ、私には空中散歩などをしているように見えなかったが?それよりもっと別な何かをしていたのでは?」
「...まぁそうですね。俺は記憶の改ざんをやってたんです。気づいているでしょう?まぁあなたの記憶も改ざんさせてもらいますが」
「ほぉ~簡単に口を割ったな。だが私の記憶も改ざんするというのはなかなか自信がるようだな」
「えぇまぁ、加減はしてあげますよ」
「ふむ、目上の人間は敬うように先生から教わっていないのか?」
やれやれと言わんばかりの口調だったが気を抜いていないのがわかった。
「目上の人間、...そうですね。呪力の才能という点では確かにあなたは上ですね。だけど...年上を敬うのならそっちが敬うべきだな鏑木 肆星君?」
「...何を言って「まぁ悪いが今日はここまでだ」っう!」
「悪いな、お前もお前で大変なんだろうが、今はちょっとだまっててくれ」
俺は一瞬の内に鏑木 肆星の記憶を改ざんしその場からさった。
そこから向かったのは、もう一人の記憶改ざんに気づく人間のところだ。
といってもこっちは鏑木 肆星ほど厄介ではない。
目的の場所に着いた。
そこはただの一軒家ではなく、大きなしっかりとした屋敷だった。
玄関を開け、屋敷の中に入り一番奥の部屋へと進んだ。
部屋の数は多いが人がいるのは今はその一番奥の部屋だけだ。
「失礼します。」
俺はそう言って部屋の中に入ると一人の女の人がいた。
「久しぶりね、元気にしてたのかしら?」
「そうですね、お久しぶりです。富子さん」
俺が会いにきた女性は朝比奈 富子、倫理委員会の現議長であり、覚の祖母にあたる。
「ふふ、そんな言葉づかいは貴方らしくないわ。昔のように話してちょうだい。」
「それなら、富子も昔のように話したらどうだ?」
「それは無理よ、私はおばあちゃんですもの」
彼女はくすくすと楽しそうに笑う。俺もそれにつられ笑ってしまった。
「それで、何か言いたいことがあるんでしょ?」
「あぁ、まぁわかってると思うが町の人間の記憶の改ざんをした。天野麗子についての記憶だ」
「えぇわかっているわ。あなたがそうするだろうこともわかってた...私を怒っているかしら?」
富子が謝るように俺に聞いてくる。
しかし、別にこのことについては富子が全ての責があるわけでもなく、また、元を辿れば俺にも責任がある。
「別にそんなことはない。仕方のないことだ。業魔化した人間が助かる可能性は多く見積もっても1%程度だ」
「そうね、そう。1%...もしかしたらそれ以下かもしれない。それでも貴方は手を差し伸べる...私には...できなかったことだから。」
「アイツも別にもう怒ってはいないさ。ただあいつも不安なんだろうよ。」
「...それで、私の記憶を改ざんするのね?どうぞ。」
「別にお前の記憶を改ざんする必要性は絶対ではないんだが、念のためだ、すまない。」
「謝る必要はないわ。これは貴方の為でもあるし、私の為でもあるんだから。」
「わかった。」
俺はそう言い富子の記憶を書き換えた。
「...?どうして貴方がここに?」
記憶を買い替えられた富子は俺がなぜここにきたのかを知らない。
この反応は当たり前だ。
「まぁいいわ。お茶でもだしましょうか?」
「いや、いいさ。顔を見に来ただけだ。」
俺はそう言って立ち上がり部屋を出ようとした。
部屋を出るとき、富子が話しかけてきた。というよりは呟いたというほうが正しかったかもしれない。
「呪力って、ホントいいものじゃないわね」
「・・そうだな。だけどアイツは言ってたぞ?”私、ずっと呪力がなければ、いいって、ううん、いっそ生まれてこなければいいって思ってた。けどね、この
「・・ふふ、あの子らしいわね」
「そうだな、それじゃあ。また会える日を」
「えぇ、楽しみにしとくわ」
俺はそう言ってから富子の家を出て自宅に戻った。
次の日、学校に行くとすでに麗子の席はなく
俺たち1班は5人組の班になっていた・・・。
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