ユクモ村の狩人録   作:箱の中の世界

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どうも……箱の中の世界です。
すみません、色々修正してたらこんな時間になっちゃいました。
次回からは矛盾の起きないようにストーリーを進めて行きますね。


狩人の双舞踏

 闘技場に向かいながらトールとユーカは今回のクエストの確認をしていた。

 

「さて……今回のクエストは闘技場でギギネブラ2頭の同時狩猟……だよな?ユーカ?」

「そうよ。トール、そんな事も覚えてないの?クエストを受けたのついさっきじゃない」

「いや、ただの確認だから……

一応言っとくが、今回の狩りは同時狩猟だからけむり玉を闘技場に入ったらすぐ使う。んでもって一体ずつ各個撃破していく。これで良いか?」

「えぇ、大丈夫よ。けむり玉は先に私から使わせてもらうけど良いかしら?」

「あぁ、問題ないぞ」

「ありがと、さて、闘技場に着いたわね」

 

 闘技場の入り口で二人は一度立ち止まり、顔を見合わせた。

 

「行くぞ!」「行くわよ!」

 

 ほぼ同時に声をあげた二人は闘技場の中に走っていった。

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 闘技場に入った瞬間ユーカは事前の会話通りけむりを地面に向けて叩きつけた。

 

 ボシュゥゥゥ…………

 

「ケホッ……相変わらずけむり玉のけむりは慣れないわね……」

 

 けむり玉のけむりにむせるユーカをよそにトールはボウガンの適正距離につき、ギギネブラ亜種に照準を合わせていた。

 

 自身の近くに大タル爆弾を置きながら。

 

「さぁ、火事場発動の為の爆弾特攻の生け贄としてキミには一役買ってもらうよ」

 

 そう言ったトールは覇砲ユプカムトルムの引き金を引いた。ユプカムトルムから放たれた弾丸はギギネブラ亜種の頭部に直撃した。

 

『ゴァァァァァァァッ!!!』

 

 その一撃でこちらに気付いたギギネブラ亜種は咆哮をあげトールに向かって突進してきた。

 

「ちょっとトール!?何で逃げないのよ!」

 

 トールはユーカの忠告を無視し自分に向かってくるギギネブラ亜種に動じもせず、ただ、銃口を大タル爆弾に向け続ける。

 

「……あと少し」

 

 ギギネブラ亜種がトールの目前に迫った瞬間――

 

「今だっ!」

 

 トールは大タル爆弾に向けていたユプカムトルムの引き金を引いた。

 

 ドォオオオオオンッ!!

 

『ゴァァアッ!?』

 

 大タル爆弾の爆発に巻き込まれたギギネブラ亜種は一時的にであるが、動きを止めた。

 

「いてて……流石に爆弾特攻はキツいな……」

 

 先程の爆弾特攻で体力の7割程失ったトールだが、その顔に後悔の色はなく、むしろやる気に満ち溢れた顔をしていた。

 

「これで準備は整った!見せてやるよ……瞬間攻撃力800の恐ろしさをな!」

「トール何してるの!回復しないと!」

 

 スキル発動でテンションがおかしくなっているトールにユーカが一喝した。……が件のトールはユーカの声も聞かず、ギギネブラに向けて通常弾を撃ち続ける。トールの放つ通常弾はギギネブラ亜種の弱点である頭部に確実に当たっている。

 しかし、ギギネブラ亜種も撃たれるだけではなかった。体内で作られる電気を口から放った。

 

「うぉっ!?」

 

 トールは自身にせまる雷球を間一髪避けることができた。

 

「おい!ユーカ!そっちに雷球がいったから気を付けろ!」

「はいはい、わかってますよ!」

 

 ユーカはギギネブラ亜種の雷球を横に回避することで防いだ。

 

「ユーカ!通常弾が直に足りなくる!調合するからその間の時間稼ぎ頼む!」

「了解!……っと、その前に……」

 

 ユーカは薄れかけてきたけむりに気付き、けむり玉を地面に叩きつけた。

 

「さて、トールが調合してる間の時間稼ぎはさせて貰うわよ?」

 

 ユーカは背負っていた暗夜剣【宵闇】の柄に手を添えながらギギネブラに向かっていった。

 

(トールが集中的に頭部を攻撃してたからもう頭部の部位破壊はできそうね……)

 

 ユーカはギギネブラ亜種の頭部に大剣の抜刀切りを放った。予想通り、トールの攻撃でダメージが蓄積していたのかギギネブラの頭部の電撃腺が潰れた。

 

(やっぱり予想通りね……)

 

 ユーカが頭部の電撃腺を潰した直後、ギギネブラ亜種の体色が赤く変色した。

 

「おっと……お怒りのようね」

 

 ギギネブラ亜種は咆哮をあげたが、ユーカは高級耳栓のおかけで、怯む事なく、攻撃を続けていた。確実に溜め切りをギギネブラに当てるユーカであったが、攻撃に集中しすぎていたため、ギギネブラの放電に気付くのが遅れてしまった。

 

「まずい!間に合わない!」

 

 ギギネブラ亜種が放電を放とうとした瞬間一発の弾がギギネブラに当たりはじけた。そのはじけた弾は爆風を生み、ユーカを放電の範囲内から弾き飛ばした。

 

「キャッ!」

 

 爆風で飛ばされたユーカが体勢を立て直すと、トールがユーカの方を向きながら

 

「すまねぇな、ユーカ。この方法しかなかった」

 

と、謝ってきた。

 

「しょうがないわよ、ガード強化のスキル付けてないこの防具だったらあの技で麻痺状態になってプレス攻撃受けてたかもしれないし……

でも、このクエスト終わったら農場の収穫手伝いなさいよ」

 

 トールは「ほーい……」と返事をし、ギギネブラ亜種に銃口を向け撃ち続ける。

 

「ユーカ、いつも通り捕獲のタイミングは頼むぞ」

「はいはい、ちゃんと捕獲用麻酔弾頼むわよ」

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

「ふぅ……やっと1体目の捕獲ね」

「あぁ……こりゃぁ時間がかかりそうだな」

 

 1体目の捕獲を終えた二人はモドリ玉を使いベースキャンプに戻ってきていた。ユーカは体力と砥石で武器の切れ味を回復させていた。トールは使用する弾の調合を行っていた。

 

「さて、私は体力も回復したし、準備はOKだけどトールは?」

「あぁ、俺も準備は完了してるぞ」

「そ、なら良いけど

その……体力はどうにかならないの?流石にそのままだと一発受けたら力尽きると思うけど?」

「いや、大丈夫だ。と言うか回復したらスキルが発動しなくなっちゃうしな」

「まあ、いいわ。さっさと2体目の捕獲に行きましょ」

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 闘技場に入った二人に気付いたギギネブラ亜種は咆哮をあげ、ブレスを放つ行動に入った。

 

「ユーカ!雷球がくるぞ!やつの側面に回り込め!」

 

 ギギネブラ亜種に正面から向かっていたユーカはトールの助言の通りギギネブラ亜種の側面に回り込み、抜刀切りを食らわせた。

 トールはユーカに助言をした後、闘技場に存在する高台に登っていた。

 

「ユーカ!奴をこっちに誘導してくれ!」

「了解!」

 

 ユーカがトールの指示に従ってギギネブラを誘導しようとしたとき、ギギネブラ亜種が頭を上げ、ユーカ覆うように攻撃してきた。

 

「っ!!ユーカ危ない!」

「え……」

 

 ギギネブラ亜種の行った攻撃、【拘束攻撃】。トールはその前兆を分かっていた。闘技場に入った時、ギギネブラ亜種は疲労していた。それをユーカに伝えずに向かわせたトールは全ての原因と言っても過言ではない。

 

「クソッ!!」

 

 トールは武器を納め、アイテムポーチからこやし玉を掴むと全速力でギギネブラ亜種へ向かって走っていった。

 

(ギギネブラ亜種の拘束攻撃は振りほどけないと大ダメージを受ける……雷耐性のあるファルメルシリーズでも防御力はそれほど高くない。下手をすれば力尽きてしまう。間に合え!)

 

 ギギネブラ亜種にこやし玉が当たるであろう距離まで近付いたトールはこやし玉をギギネブラ亜種目掛けて投げつけた。

 

『ゴァァ――ァッ!?』

 

「あ……ありがと…トール」

「ユーカ!さっさと回復しろ!ここは俺がやつの気をひいておく!」

「う……うん…」

 

 トールはアイテムポーチから角笛を取り出し、吹き始めた。

 

  ブォォォォォオ……

 

 その音色に反応したギギネブラ亜種がトールに敵意を向けブレス攻撃を放った。

 角笛を吹き終わったトールだったが、既に雷球がトールの近くに迫って来ていた。

 

「こりゃ1落ちかな……」

 

 トールが諦めかけていた時

 

   キィィン

 

トールに迫って来ていた雷球をユーカが暗夜剣【宵闇】で防いだ。

 

「これでさっきの借りは返したからね?」

 

 ユーカが微笑みながらトールに言った。

 

「ユーカ、ありがとよ」

 

 ユーカの微笑みにトールも笑って返した。その後、トールは再び走り、ある程度距離を取ってからもう一度角笛を取り出した。

 

「ユーカ!今のうちに落とし穴の設置を頼む!ついでにその上に大タル爆弾Gを二つ置いといてくれ!」

「ほいほーい」

 

  ブォォォォォオ……

 

 トールが角笛を吹き始めるのと同時にユーカは自身のアイテムポーチから落とし穴を取り出し、地面に設置し、大タル爆弾Gを置いた。

 

「トール!準備出来たわよ!」

 

 ユーカの合図で落とし穴の設置してある方向に向かっていき、落とし穴の上に大タル爆弾Gを置いた。

 

「さぁ……こい!ギギネブラ亜種!」

 

 トールはユプカムトルムを構えながらギギネブラがこちらに突進してくるのを待った。

 しかし、ギギネブラ亜種は突進を行わず、ブレスの体勢に入った。

 

「んな!?」

 

    ザシュッ

    ザシュッ

    ザシュッ

 

 何か鋭利なものが刺さる音が聞こえた。ギギネブラの方に目をやるとギギネブラ亜種が麻痺状態になっているのがわかった。

 

『ゴァァッ――ゴァァアッ…』

 

「まさか……」

 

 ユーカを見ると、ユーカは投げナイフを片手にギギネブラ亜種に投げナイフを投げつけていた。流石にギギネブラ亜種は体の中で電気を作るだけあり、長い時間麻痺の効果は得られなかったが、ブレスを止められたのはとても大きい。

 麻痺の束縛から解かれたギギネブラ亜種はユーカ目掛け、突っ込んできた。

 ユーカはギギネブラ亜種を落とし穴まで誘導すると、横に回避した。

 

そして

 

『ゴァァァァアッ!ゴァァアッ!』

 

 ギギネブラ亜種は見事に落とし穴に落ちた。

 

「トール!!」

「おうよ!」

 

 ユプカムトルムから放たれた弾丸は大タル爆弾Gに当たり、大爆発を起こした。そしてその爆心地にいたギギネブラ亜種は……

 

『ゴ……ゴァァ…………』

 

 2度と動くことなく、力尽きていた。

 

「クエスト……終了!」

「お疲れさまだな、ユーカ」

 

 

クエスト結果

狩猟時間 25分40秒

報酬金額 13200z

 

   クエストクリア

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 

 クエスト終了後、集会浴場にて

 

「ふぅ…………今回のクエストは結構難しかったな」

「そうかしら?トールがバカみたいな事しなければもっと早く狩れると思うけど?」

「バカって何だよ!バカって!」

「はいはい、バカはバカってこと……

 あ、あとあの防具は一緒にクエスト行くときは使わないでよ?こっちが一緒にいてヒヤヒヤするから」

「えー……なんでお前に決められないといけないんだよ……」

「はいそこ文句言わない」

「ほーい……」

 




4000文字越えてますね……前話の2倍以上ですよ
そして、戦闘描写書いててわかったことなんですけど自分は戦闘描写書くのに慣れてないって事です。
うーむ……納得のいく描写を書くのって難しいですね……
まあ!今回の事を胸にしっかりと書いていきたいです!では、次回は活動報告に書いたようにトールとユーカの過去話のようなものを書いていきたいと思うのでそのときはまたよろしくお願いしますね。
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