セルオーバー ~人間に嫌われたとしても~ 作:ただの遊び人外
「俺を喰うってか?冗談は止めてくれよ。俺はただ雨宿りしに来ただけだ。」
「返事は聞いてないわ。ここに来た時点で貴方は私の今日のご飯って決まってるの。」
「へーそうか、よっ!」
男は蛇女の方に向かって行く。既に刀は抜いてある。
男が刀で蛇女を斬ろうとした瞬間、蛇女の前に水色の盾のような者が現れる。
刀と盾がぶつかった。
カーン、と音をたてて男の刀が防がれる。
「なっ!?」
「フフッ。」
蛇女が男を捕まえようと手を伸ばす。
男は捕まってはいけないと直感し、腕を伸ばして鍾乳洞を掴んで距離をとる。
「あら、人間だと思ってたけど人間じゃないのかしら?」
蛇女の意見は最もだ。ただの人間の腕が伸びる訳がない。
「失敬な。俺は人間だ。そういうお前も下半身が蛇とか人間じゃねえだろ。」
男の意見も最もだ。ただの人間が下半身蛇な訳がない。そう、ただの人間なら・・・
「人間の腕は伸びないと思うのだけど?それと貴方なにを言っているの?私はどこからどうみても魔物じゃない。」
そう、蛇女の彼女はこの世界ではラミアと呼ばれる魔物なのだ。
(この世界には魔物っていうのがいるのか。ならば・・・)
「あら?考えている余裕があるのかしら?“レド”」
蛇女の周りに氷柱のような物が現れる。そしてそのまま男に襲いかかる。
しかし男は慌てずに刀で捌いていく。
「この程度の魔法じゃ駄目みたいね。これならどうかしら?“レド・フィンブル”」
今度は蛇女の頭上に巨大な氷の槍が現れる。
「貴方にこれが避けられるかしらね?」
そう言うと男に向かって氷の槍を投げつける。
「ちっ!」
男はその槍を回避する。しかし完璧には避けきれず、右足の辺りにかすってしまった。
「あぶねえ。流石にあれは「フフフッ」・・・何がおかしい?」
「かすったところをよーく見てみなさい。」
そう言って男は自分の右足をみる。なんと、かすったところから男の身体が凍り始めているのだ。
「何だと・・・。」
「あの魔法は傷ついたところから凍らせていく魔法なの。あと数分もすれば貴方の身体は凍りついてしまうわ。」
そう、“レド・フィンブル”はダメージを与えるための魔法ではない。相手の動きを束縛する魔法なのだ。
蛇女の言うとおり男の身体は凍りついていく。
「なら、こうするしかねえな。」
男はそう言って自分の右足を斬った。
「なっ!?」
そして、その斬った右足をそのまんま蛇女に投げつける。
「くっ!」
蛇女は先ほどと同様、氷の盾で防ぐ。
(確かに傷ついたところから凍っていくのなら、そこを斬れば侵食は防げるけど、思いついたからって普通やるかしら!?)
「考え事とは余裕だな。」
男は蛇女の懐に来ていた。そしてそのまま
そしてそのまま蛇女は壁に衝突する。
「カハッ!」
蛇女はすぐさま男から距離を取る。
「・・・フフッ、良いわ。良いわね貴方!私にダメージを与えたのは貴方が初めてよ!!特別に私の最大魔法で殺してあげる!“ヘイル・クロウカシス”!!」
突然、洞窟の中なのに吹雪が吹き荒れる。
男の視界が悪くなっていき、蛇女の姿を見失ってしまう。
(ちっ、視界がわりい。でもこの吹雪の中ならあいつも見えないはず・・・な〜んて馬鹿なことなないよな。なら俺のすることはただ一つ。)
男は眼を閉じる。
ドスッ、蛇女の尻尾が男の左胸に突き刺さる。
「これで私の勝ちよ!」
蛇女は声をあげる。しかし、
ガシッと音をたてたかのような勢いで男の手が蛇女の尻尾を掴む。
「えっ?うそ!?何で!?確かに左胸を!?」
男は刀で蛇女に斬りかかる。
「無駄よ!それはさっき防いで見せたはず!」
蛇女の前に氷の盾が現れる。
刀と盾がぶつかると今度は、
パリーン、と音をたてて氷の盾が砕けた。
そのまま蛇女に刀が刺さる。蛇女は痛みによって意識を失った。
未だに主人公の名前が出てこない・・・
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