セルオーバー ~人間に嫌われたとしても~ 作:ただの遊び人外
パチ、と蛇女が目を覚ます。そして男から距離をとる。
「どういうこと?」
「なにが?」
「とぼけるんじゃないわよ。貴方人間でしょ?それなら魔物である私を殺すはず。けど、貴方は私を生かしたまま。何かあるかと思うのが普通よ。」
「ふーん、この世界ではそうなのか。」ボソッ
「何か言った?」
「いや、何も。えーと、生かしといた理由か・・・。」
男は数秒考えて、
「君が人間じゃないからかな?」
「どういうこと?」
「正直言うと、俺人間嫌いなんだよね。ほら、君と戦ってるときに見せただろ?俺の
「ちょっと待って。」
蛇女が声をあげる。
「どうした?」
「
「ち、ちょっと落ち着け。一つずつ説明してやるから。」
男は蛇女の勢いにたじろぐ。
「
「細胞って何?」
男はこの発言に驚く。
「えっ、まじで?そうか、細胞って概念がないのか。」
男は数秒考えて
「細胞ってのは、全ての生き物が持っていて、えーと、ごめん俺も詳しくわかんない。」
「そう。」
蛇女は残念そうにい言う。
「取り敢えずその細胞ってやつのせいで腕とかが伸びているわけね?」
「まあ、そういうことだな」
「・・・で、なんで私にそんな説明を?」
男の雰囲気が変わる。
「なんでってなにが?」
「なんで私に貴方の能力のこと教えたの?親切心じゃないでしょう?」
男は数秒黙り、口を開く。
「・・・ああ。そうだよ。聞きたいことがあったからな。」
「やっぱりね。・・・まあ、いいわ。私は貴方に負けたから大抵のことなら答えられるわよ。」
「そう?じゃあ、遠慮なく、魔物ってなに?」
蛇女は驚いた。この世界では魔物とは常識の存在だからだ。
「貴方、そんなことも知らないの?子供でも知ってることよ?・・・まあ、いいわ。魔物って言うのは魔王から生み出された存在のことよ。」
男は体を震わせていた。
「魔王・・・だと・・・。」
「そっ。それにしても貴方、おかしな人間ね。人間は魔王を倒すために頑張っているのに。」
その言葉を聞いた男は蛇女を掴んだ。
「ちょっ、急に「魔王を倒すだと?」・・・ええそうよ。でも貴方からしたら別にどうでもいいことじゃない?」
「どうでもいいわけあるか!くそっ!おい!魔王ってどっちの方角にいる?」
「さあ?分からないわ。魔王城は常に移動してるしね。」
「そうか・・・なら、適当に歩いていくか。」
男はそう言ってたちあがる。
「一つ、聞いてもいいかしら?」
蛇女が口を開いた。
「いいよ。今なら一つといわず三つぐらいなら答えよう。」
「一つでいいわよ。何で急に魔王に会いたくなったの?」
男は簡単そうに言う。
「魔物になりたいから。」
「・・・はっ?」
蛇女は声をあげる。それもそうだろう。いきなり人間が魔物になりだしたいといったのだから。
「なんで魔物になりたいの?それに魔王に会ったからといって魔物になれるかわからないわよ?」
「俺はさ、さっきも言ったけど昔から人間に嫌われきたんだよね。だから俺は人間が嫌いなんだよ。おかしな話だろ?人間が人間を滅ぼしたいなんて。」
蛇女は男に恐怖を抱いた。
狂っている、いくら自分が魔物とはいえ同族を滅ぼしたいなどとは思わない。
「・・・貴方、名前は?」
蛇女は自分でも驚いた。なぜ自分はこの男に名前を聞いたのか分からないからだ。
男は驚いた表情をしたが、すぐに元に戻り口を開いた。
「・・・
「そう。ねえテンチ?貴方の魔王探しの旅、私もついていっていい?」
「なっ!?」
天地は声をあげた。それもそうだろう。いきなり『ついていきたい』なんて言われたのだから。
「別に深いわけはないわ。何となくだけど貴方についていったほうがおもしろそうだからよ。」
男な手を頭にやる。
「はは、そうかおもしろそうだからか。なら断る理由はねえな。いいぜ別に。名前は?」
「ありがと。私の名前はテネシティ・オフィリアン。これからよろしく、テンチ。」
「よろしくな、オフィリアン。」
二人はそう言って握手をした。
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