ゲームチェンジャー   作:のなもちとちみ

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第5話 新しい友

 翌日、選考会へ参加予定の人間は広間に集められていた。どの班にも、サポートの女の子は同行していない。

 

「どんな試験なんだろうな」

 

 そう言いながらやる気満々な表情の中村さんは、誰にでもなく言葉を続ける。

 

「やってやるさ……行ってやるよ、戦国時代に!」

 

 

『お待たせいたしました! これより、選考会委員長より皆様に発表があります!』

 

 今日の司会は佐川優理ではないらしい。

 

 別の班から「おっ」と反応があったので、おそらくその班のサポートの子なのだろう。スピーカーから発される声は、その後ほどなくして男性の物に代わった。

 

『参加者の諸君、選考会お疲れ様でした』

 

 

 《ざわざわ》

 

 その男の言葉に場内がざわついた。

 

(選考会お疲れ様でした?え?)

 

 

『察しの良い方はお分かりでしょうか、選考は昨日をもって既に終了しております』

 

 

「どうゆうことだ聞いてねーぞ!」

「だましたのかよ!」

「あー、このパターンか」

 

 

『お静まりください』

 

 広間に静寂が戻る。

 

『選考は、昨日まで行われていた講義の成績、同班及び他班の参加者との交流状況、人望、また各サポートとの会話、居住区リビングでの過ごし方を元に行われました』

 

 

(なんだよ、準備とか言っといて油断させて監視してたのか)

 

 リビングでの過ごし方、という事は当然ながら監視カメラでも設置してあったに違いない。

 

 

「優理ちゃんに秘密をしゃべらせなくて正解だったっすね」

 

 金田さんの言葉に驚いた。伊藤さんばかりが目立っていたが、この人もなかなかに頭が切れるようだ。

 

「そうですね……内容によってはヤバかったかもしれませんね」

 

 この施設、この組織がどんな物か全くわからない。もしかしたら佐川優理は、秘密を話す事で本当に危なかったかもしれないのだ。

 

「伊藤先輩、この事知ってたんっすか?」

 

 金田さんが言う「この事」が何を指すのか、俺には分からなかった。

 

 

 伊藤さんはすっとぼけた感じで答えた。

 

「んなこと知るかよ、ただ、色んな可能性は考えてたけどね」

 

 

(色んな可能性を考える……か)

 

 俺たちの会話を遮るように、スピーカーからの言葉が再開される。

 

 

『昨日各班より推薦された参加者については、予定通り候補者と認定致します』

 

 

(そっちは予定通りなのね)

 

 この三日間の過ごし方で評価される選考に、通過するかどうかを気に病む必要が無くなった推薦を受けた8人は、檀上へ呼ばれた。もちろん、俺もだ。

 

 ステージに上がると、そこは皆がいる広間より2メートルほど高く、圧倒的に見下ろす形になった。各班から推薦された俺を含む8名は、特に会話をする事もなくステージに上がり並ばされた。

 

 

「がんばれー!」

 

「むらかみ~! がばんれよ!」

 

「ヨシオ! 変革起こして来いよ!」

 

「石島ちゃん! ふぁいと~」

 

「お土産よろしくなー!」

 

 飛び交う応援の中に、金田さんの声が混じっているのを聞き取れた。

 

 

『続いて、選考結果を発表します』

 

 広場にまた、静寂が戻る。

 

 

『第1位通過 得票数439票』

 

 

 場内が大きくどよめいた。

 

 

(得票数? なんだよそれ、439って、そんなに選考する人間がいるってことか?)

 

 俺とと同じ疑問を持った人間もいる様子であるが、この選考発表を既に経験している人間は疑問ではなく驚きを表していた。

 

「439票って、とんでもねぇな」

 

「ああ、俺初めて聞いたわ」

 

 俺の横に並んでいた、推薦候補者同士の会話が聞こえてきた。

 

(選考基準はよく分かんないけど、1位通過のヤツはとんでもないってことか)

 

 

『選考会参加回数 1回』

 

 場内が再びどよめいた。

 

「初参加で439票って、化け物クラスだな」

 

「んだな、出るかもな、ゲームチェンジャー」

 

 俺の横に並ぶ候補者2名は、どうやら初参加ではないようだ。

 

 

『第6班』

 

 《ざわざわ》

 

 

 

(うちの班だ!)

 

 

 

『伊藤修一』

 

 《おおお~》

 

 場内が沸きたつ。

 

(伊藤さんだ、やっぱり化け物クラスなんだ!)

 

 

「ぐはー、俺かと思ったのに!」

 

 残念な声を上げる金田の横で、伊藤さんがこちらを見ているような気がした。

 

 

『伊藤修一さん、檀上へ』

 

 一瞬、伊藤さんと目が合った気がした。

 

(行くんだ、一緒に……)

 

 これ以上心強い味方はいないと思っていたけど、それは間違いじゃなかったらしい。伊藤さんは選考する側からも高い評価を得ている事になる。伊藤さんが檀上へ上がる途中、ゲネシスファクトリー側のスタッフと思われる人達が通り道に駆け寄った。

 

 

「伊藤さん! 今の心境はっ!?」

 

「伊藤さん! お写真を撮らせて下さい!」

 

「一位通過の感想は!? 伊藤さん! お答えください!」

 

 

(うわ、報道陣? なに?)

 

 

 伊藤さんはそんな声に軽く右手を上げて躱しながら、無言のまま檀上へ登るとそのまま候補者の列に並んだ。

 

 

『続いて、2位通過』

 

 伊藤さんが到着する前に、次の通過者の発表が始まった。

 

『得票数 116票 選考参加回数1回』

 

 また場内がざわつく。横の二人の話を盗み聞きしたところ、どうやら初参加のワンツーフィニッシュは珍しいらしい。

 

『第6班 金田健二』

 

 

(金田さんが2位!)

 

 

「キターーーー!」

 

 金田さんの雄叫びが場内に響いた。

 

 

『第3位 得票数74票 選考参加回数4回』

 

 確かにすごい差だ、これは圧勝である。1位が439票に対し、2位が116票で、3位が74票。初参加の439票で場内が大いにどよめいたのも頷ける。

 

『第2班 須藤剛』

 

『第4位――――…………

 

 

 

 7位までの発表が終わった。7位の人の得票数は僅か9票だった。そこまで偏るほど、伊藤さんの得票数が高かった事になる。

 

(圧倒的一番人気……か)

 

 そう思ったとたん、自分の頭に嫌なイメージが浮かんだ。

 

(賭け? もしかして、これって賭け?)

 

 過去からテキトーな人間を連れて来て、面白そうな歴史のポイントに放り込み、大きな変革を起こすのが誰かを当てる、そんな賭け。

 

 参加者を殺し合いのステージに送り込み、生き残りを当てる賭けが行われ、富豪たちがその殺し合いを楽しむ。

 

 そんな映画があったような気がする。

 

(これって、そうゆうやつなのか?)

 

 

「ま、なんでもいいじゃん、普通に生きてたら絶対に体験できない事が出来るんだし」

 

 結果発表が終わると、俺の心を読みとったのか伊藤さんからそんな声をかけられた。

 

 

(それくらい楽に考えないと……ちょっと無理だよなこれ)

 

 そう思いながら、俺はある人を探すために忙しく目線を動かしていた。少し慌てているのは、急いで探さないといけないからである。

 

 

 中村さんを。

 

 

 簡単に言うと、中村さんは落選した。

 

「ま、しゃーないっすよ、俺たちは死ぬ事を了承した連中だから」

 

 金田さんは「挨拶する時間なんてもらえない」と漏らし、中村さんを探そうともしない。

 

 

 中村さんへの挨拶を急がなければならない理由は、落選者はそのまま居住区への移動が言い渡されたからてある。それに対し、通過した15名はこれから上層階に個別の居住スペースが与えられると言う。

 

 質問を許されたのでしてみたが、今後は選考会参加者とゲームチェンジャー候補者が交流する場は無いと言う。

 

(まだ挨拶とかしてないのに)

 

「そんなに会いたきゃ、無事に生き残って帰ってこいよ」

 

 俺と同じ推薦で通過した人に、そう声をかけられた。

 

 

「生きて帰れたりなんて、ほんとに出来るんですか?」

 

 俺はその事を全く信用してない。変革を起こせなければ全滅って落ちなんじゃないのかと思ってる。

 

 

「そりゃ戻れるさ、俺は1回戻ってきてる」

 

 

(いるんだ、生還者!)

 

 

「ほら、いくぞ」

 

 名前もしらないその生還者に促され、俺は中村さんへの挨拶を出来ないまま、上層階の居住スペースへと向かった。

 

 

(昨日の感じだと、夜に部屋を抜け出すとかも無理なんだろうな)

 

 昨晩、ぴくりともしなかった重厚な扉を思い出し、自分たちが管理されている身である事を実感した。

 

 

 上層階の居住スペースは、先程の広間の半分くらいのスペースに隣接している。下層の広間と大きく違うのは、各自の部屋が判別しやすいようになっている事と、部屋に入るとそれなりに広くて過ごしやすいって事。

 

 

 広間で簡単な説明を受けると、一度各自の早へと移動するように言い渡された。基本的に出入りに制限は無いそうだが、やはり夜間は出入り不可らしい。班別で過ごしていた部屋ほどは広くないが、一人で使うには贅沢な広さのリビングがあり、ベッドルームは倍くらいの広さがあった。

 

 

 この上層の居住区に案内されたのは、推薦者8名が各班から。選考会通過者7名のうち、2名は6班の伊藤さんと金田さん。残る5名は、1班、2班、4班、7班、8班とバラバラだった。

 

 明日、昨日までサポートに付いていた女の子がこちらへ回ってくるらしい。佐川優理は鼻が高い事だろう。なんせ6班からは3人がエントリーだ。しかも選考会では異例のワンツーフィニッシュ。伊藤さんに至っては「化け物」扱いされる程の圧倒的勝利だ。同じ班にいたってゆうだけなのに、何故だか俺まで誇らしい気持ちになる。

 

 

 明日からの予定は、3日間かけて徹底したメディカルチェックが行われるらしい。

 

 その後は、タイムスリップの条件が整うのをひたすら待つ事になるそうだ。翌日にはくるかもしれないし、場合によっては数ヶ月先になる事もあるという。

 

 俺は心のどこかで、佐川優理と数か月間、この場所で過ごせる事に淡い期待を抱いていた。

 

 

 その日の夕方、俺は伊藤さんに一つの質問をぶつけてみた。俺が感じたイメージ。この場所や、やろうとしている事が、全てイカレタ大富豪の賭け事になっているんじゃないかってゆう事。その可能性をどう考えるかっていう話を、伊藤さんに聞いてみた。

 

「十分ありえるんじゃない? だってさ、俺たちのいた時代にも賭け事ってあるじゃん。例えば競馬とか。馬券って言ってるけど正確には【勝ち馬投票券】だからね、あれ投票なんだよね」

 

 

「自分は116人に投票された二番人気っすね!」

 

 伊藤さんと話す時は何故かセットの金田さんが語り出す。

 

「でも面白いっすよね、そうやって投票で人気順を付けておきながら、そこらへん関わりのない【推薦】って方法でダークホースを混ぜ込んでる。これは確かに盛り上がると思うんすよね」

 

 広間でそんな会話を交わしていると、自然と周りに人が集まってきた。

 

 

(邪魔だなぁ……これじゃあまり変な話できないな)

 

 

 ここにいる人間は、全員がゲームチェンジャーとして偉業をなしえるためにはライバル関係である。けれども、見知らぬ時代に飛ばされるわけで、心強い味方にもなりえる。

 

 ここに集められた人は、それを十分に理解しているのだろう。味方にもなるかもしれない存在に、圧倒的1位通過をしてのけた伊藤さんを選びたいって本音があるはずだ。

 

 伊藤さん自身は、特に分け隔てなく会話に応じている。にこやかに会話に応じ、握手まで求められて、それに応じているが。

 

(話しながら何を考えてるんだろうな、この人はホントにわからないからな)

 

 

 夕方になると、食事は各自の部屋に届けられると通達があった。ご飯を食べながらの団欒は許されていないそうだ。ここから先は、全員がライバルだという意識を持たせたいのだろうか。食事の時間が近づくと、各自バラバラに自室へと戻って行った。

 

 

(……門限かよ)

 

 

 一人で広間にいても仕方がないので、俺も当然、自室に戻って夕飯が届けられるのを待つ事にした。

 

 

 《ピピピピピピ》

 

 もう聞きなれた電子音だ。

 扉や施錠が開く時になる音。

 

 《ガシャ》

 

 

(ん?夕飯にはちょっと早いような)

 

 

《プシューゥゥゥ》

 

 

 強烈な油圧式のロックでも掛かっているのだろうか、班毎に過ごしていたあの部屋にある扉と同じ音だ。

 

 要するに、夜は外に出れない事を意味している。

 

 

「やっほー♪」

 

 

 入ってきたのは佐川優理だ。

 

(あれ?)

 

 佐川優理だけではなかった。

 

 

「は、ハジメマシテ」

 

 佐川優理の後ろで、ずいぶん緊張した様子の女の子がお辞儀をしている。

 

 

「なにガッチガチになってんの!? 唯が来たいって言ったんじゃん!」

 

 佐川優理は二歩下がると、その女の子のお尻を叩いてコロコロと楽しそうに笑っていた。

 

「ほら、自己紹介しなって!」

 

 言っている佐川優理はすごく楽しそうだが、言われている「唯」と呼ばれた子は耳まで真っ赤だ。

 

 

(なに……これ、小学生の時にあるよねこうゆうの)

 

 

「あ、阿武唯と申します! 宜しくお願いします!」

 

 【あんのゆい】と名乗ったその子は、佐川優理ほどではないが十分すぎるほど可愛い女の子だった。

 

「この子ね、第2班の担当の子なんです、3位通過の須藤さんがいる班ね!」

 

 

「あ、はい……」

 

 もう、なんと言ったらいいかわからない。

 

 

「一応ね、明日からのメディカルチェックとか、待機期間中のレセプション関係とか、2班と6班は大忙しなのです! なのでだいたい一緒に行動するからよろしくね♪」

 

 佐川優理が言うレセプションが、どういった物になるのか予想がつかなかったものの、2班と6班がいれば今回の通過者上位3名が揃ってしまうのだ。

 

 なにをするにも2班と6班がいれば事足りるだろう。

 

 

「でね、唯がね、石島さんの事、かっこいいって!」

 

「え!? なんで言っちゃうのバカ優理~!」

 

 完全に小学生に戻った気分だった。お互い大人なのだ、だったら今日一晩、この部屋に泊まっていけと言いたくなる

 

 

「ま、そんな感じで! あとよろしくぅ~♪」

 

 佐川優理は何故かやたらとテンションが高く、元気よく挨拶するとそのまま部屋を出ようとする。

 

「え? ちょ、○☆ДИ~」

 

(言葉になってねぇ)

 

 阿武唯は、言葉にならない訴えを佐川優理に向けるも。

 

 

「そりでわ♪ わたくしは伊藤様のお部屋にいってまいりまーす♪」

 

 

 佐川優理は阿武唯を相手せず、ハイテンションのまま笑顔で部屋から出て行ってしまった。

 

 

「え?! 嘘でしょ?! 待って! ゆうり~~」

 

 佐川優理を追うように、阿武唯も出て行った。

 

 

(ガキか……)

 

 

 静かだった部屋は二人の登場で急に騒々しくなり、二人が去った事で痛いほどの静寂を取り戻していた。

 

 それから数分後。

 

 

 《ピピピピピピ》

 

 扉が閉まる音と一緒に、阿武唯の声が聞こえてきた。

 

「あ、あの、失礼しました!明日ま《ガシャ》

 

 

《プシュゥゥゥゥゥゥ》

 

 

(天然か?)

 

 

 閉まりかけた扉の向こうから声をかけてきた阿武唯の声は、そのまま扉に遮断されて途中で途切れてしまった。

 

 結局、時間通りに部屋に届いた夕食を一人で食べ終えた俺は、シャワーを浴びながら阿武唯を思い出してみた。

 

「阿武唯ちゃんかぁ、まぁまぁ可愛かったけど貧乳だな」

 

 近くで見たわけでも触ったわけでもないが、明らかに佐川優理のほうが大きな膨らみをお持ちだ。

 

「ちきしょう」

 

 貧乳が、ではない。

 

(なんで、伊藤さんの部屋に行くなんて言うんだよ!)

 

 伊藤さんに敵わないのはわかっている。

 でも、やっぱり悔しい。

 

(まだいるのかな、何してるんだろう)

 

佐川優理の事が頭から離れないのだ。

 

「ああがぁっぁあ、もう! 俺はバカか!」

 

 3年間の引きこもりの後遺症はでかい。女の子の存在に完全に舞い上がってしまっている。しかも相手は超絶スペシャル天使だ。天使過ぎるサポート女子だ。

 

 そしてその天使が憧れているのは、この選考会を他の追随を許さない圧倒的一番人気で通過した、注目の化け物だ。

 

(なんでこんな場所で働いてるんだよ、人気アイドルとかなれちゃうだろ)

 

(伊藤さんもだよ……普通に出世して金持ちになれちゃうだろあのレベル!)

 

 300年後のすごいシャワーでも、心のモヤモヤまでは洗い流せないようだった。

 

 

 翌日からのメディカルチェックで、俺は新しい友を手に入れた。第3位通過で2班の英雄となった須藤剛(すどうつよし)君だ。

 

 何故、もうすでに友と呼べるのかと言うと、趣味が完全に一致したのだ。

 

 きっかけは、佐川優理と阿武唯のどちらが好みかという話題からだった。

 

 詳細は割愛するが、須藤くんが好みのタイプとしてボソっと口にした名前が、俺が大好きなアニメに登場する子の名前だったのだ。

 

 ピン! ときた。

 

 須藤君、いや剛くん、いや、つーくんは、同意した俺に最初は驚いていたが、すぐに意気投合し、俺達は強い絆で結ばれた。

 

 

 3位通過とはいえ、1位が伊藤さんじゃもう抜かして考えていいに等しい。ってことで実質2位みたいな物だ。金田さんは戦国マニアだった事が、選考に大きなアドバンテージを持てた原因だったとすると、その点を除外すれば、つーくんが実質1位みたいなものだ。

 

 そしてつーくんも「1位と2位が出た班から推薦されているって事は、実際はそれより上位だ!」と言ってくれている。

 

 

 俺達が敬愛する同志の間では、たとえ仲間であっても、たやすく名前の頭文字だけで呼んではいけないという常識がある。しかし俺とつーくんは、「よーくん」「つーくん」と呼び合う。

 

 俺たち同志にとって、心の底から信頼している相手だけを名前の頭文字で呼び合うのは、血よりも濃い絆の証なのである。

 

 

 同じ趣味を持たない、同志ではない人間には理解できない事だろう。3年間の引きこもりも無駄じゃなかったと、感慨深い思いだ。

 

 

 数日間のメディカルチェックを受ける間に、俺たちの間には合言葉のような物が出来た。

 

【歴史は 俺たちが 作る】

 

 そう、俺たち二人は力を合わせてゲームチェンジャーとして必ずココに戻ってくるのだ!

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