メカクシティアクターズ~転生した怪物の目~   作:照月晨也

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楽しみにしていた方、
期間が開いてしまい大変申し訳ございません!



第一話:能力は暑ささえ隠す

ここはある通り、近辺に大型のデパートや遊園地があるので平日でもかなりの賑わいを見せる大通りだ。

今日は休日なので、一段と賑わっている。

 

「・・・暑いな・・・」

 

しかし、今日は真夏日である、空には雲1つ無く、

太陽は手加減無しに地球に灼熱の光を浴びせてくる。

このような状況に陥っているのは、荷物を持っている

3人の少年少女である。

 

「そうっすね・・・今日は30℃越えるってニュースで言ってたっす・・・」

 

「ええ・・・本当・・・?・・・あ、そうだ。困っている美人に化けて道行く紳士に助けてもらお(「おい」ギロッ

 

「じょ・・・冗談だよ~キド~」

 

キドと呼ばれる少女は此処が人が沢山居る大通りでなければ、カノと呼ばれる少年を

殴っていただろう。

それ位、今のキドには気迫があった。

 

「泥棒だー!誰か捕まえてくれー!」

 

「・・・はあ・・・はあ・・・」

 

そんな時に□ーソンの制服を着た店員と泥棒と思われる男が

追いかけっこをしていた。

こんな白昼堂々に泥棒をするなんてどれだけ素人なんだと突っ込みたくなる。

今日の暑さによって周りの人は助けようとしない。

少年少女3人を除いて

 

「おい、カノ、セト・・・俺と同じことを考えているか?」

 

「もちろんっす」

 

「右に同じだよ」

 

3人は頷いた後、キドの『目を隠す』能力を使い、

3人の周囲からの認識を極限まで薄くして、泥棒を捕まえようとする

 

と、その刹那

 

「!?待て!」

 

「何々!?・・・え・・・」

 

「・・・これは・・・?」

 

さっきまで普通に動いていた周囲の人たちが、

ゼンマイが切れた玩具みたいに動きがピタリと止まったのだ。

彼らは混乱する。もしかして、マリーが近くに居て、

『目を合わせる』能力を発動しているのではないかと考えてしまう。

・・・しかし、周りを見渡してもマリーは見当たらない。

 

「・・・!あの男・・・」

 

「動いているっす・・・」

 

そんな彼らの視界に入ってきたのは、さっきまで店員から逃げていた

泥棒に歩いて近づいてくる男だ。

男は何もいわずに、止まっている泥棒を強く睨む。

 

「・・・」ギロッ

 

「・・・」ジリ・・・ジリ・・・

 

泥棒は後ずさり、自身を追いかけていた店員の目の前に来ると

腕を真横に真っ直ぐにする。

その後、男は泥棒の真後ろに居る店員を睨む。

 

「・・・」ギロッ

 

店員は泥棒を後ろから羽交い絞めにする。

そして、男が力を抜き、さっきまで男が睨んでいた

店員と泥棒の真横を通り過ぎると

 

「・・・!?つ、捕まえたぞ泥棒め!」

 

「はあ!?なんで俺捕まってんだよ!?」

 

「知 る か!」

 

さっきまで止まっていた人たちは、さっきまでの出来事が

まるで無かったように動き始めた。

しかし、彼らの目にはしっかりとさっきまでの信じられぬ

出来事が焼きついていた。

 

「・・・カノ、セト、悪いと思うが荷物を持って先に帰ってくれ」

 

「まさかキド・・・あの人に接触する気じゃ・・・」

 

「そうだ。俺たちと同じ、能力を持っているかも知れないからな」

 

「大丈夫?見るからに広く影響する能力だよ」

 

「目を隠す能力を使えば大丈夫だ。この能力を使っている間は

さっきの能力は効かないみたいだからな」

 

「・・・分かったっす。無事に戻って来てほしいっす」

 

キドは頷いた後、キド以外の二人の能力を解く。

カノとセトは、荷物を持ってアジトに帰る。

 

・・・彼らがそんな事をしている間、男・・・鈴木達也は

考えていた・・・それは、さっきの自分の行動について・・・。

 

(なんで俺は・・・あの事件現場を無視しなかったんだ・・・?

いや、無視をしないにしても店員と泥棒の財布を盗めばよかったじゃないか・・・

それなのに・・・なんで泥棒を捕まえる手助けをしたんだ・・・?)

 

それは、今まで自分のためだけに能力を使っていた彼には、考えられない事だった。

一人になりたかった達也は、人がたくさん居た大通りとは打って変わって

人気が無い路地裏に入る。

 

「おい、灰色のジャケットを着ているお前。」

 

「!?誰だ!?」

 

何処からか声が聞こえる。それは、さっきまで考え事をしていた達也を

かなり驚かせた。辺りを見渡しても誰も見当たらないので、なおさら驚かせた。

 

「まあ、驚くのも無理は無い・・・だけどな、俺は今のお前以上に驚いたんだぞ。

さっきの出来事を生み出したのはお前だろ・・・?」

 

その言葉に達也はまた驚く。あの場所に田中終一と同じように

操れない人間が居たのか・・・と考える。これは大きな誤算だった。

いずれにせよ、見ていたのなら隠す必要は無い。

 

「・・・そうだ、俺があいつらを操った。操って□ーソンの店員に

あのコソ泥棒を捕まえさせた。それがどうした?この俺をどうするつもりだ?」

 

といっても、達也は警戒せざるを得なかった。あの時のように、

政府に捕まってしまうのはごめんだったからだ。

 

「・・・単刀直入に言う。俺に付いて来てほしい。」

 

「・・・はぁ?」

 

あまりにも直接的な言葉に達也は間抜けな声を出してしまう。

いや、さすがに付いて来てほしくてもほかの言い回しがあるだろう。

 

「・・・まず、何処に付いて来てほしいんだ?」

 

「俺が暮らしている場所だ。そこで詳しく話を聞く。」

 

「姿を見せろ。姿すら見えない相手と会話するなんて

電話でもない限り嫌なんだよ。」

 

「・・・そうか」

 

達也の視界に全体的に紫色をしたパーカーを着ている

少年(達也には男に見えている)が姿を現す。

 

「お前は誰だ?」

 

「それをいったらお前も名乗ってくれるか?」

 

「・・・いいだろう。」

 

「木戸つぼみだ・・・。お前の名前はなんだ?」

 

「鈴木達也だ・・・。」

 

お互いの名前の紹介が済んだ後、キドが切り出す。

 

「で・・・さっきの質問の答えを聞かせてほしい。」

 

「・・・分かった。付いて行ってやるよ」

 

達也はキドについて行く事にした。その理由は二つ。

一つ目は、着たばっかりのこの世界の事情を全く知らず、

正直言って藁にも縋る思いだったから。

二つ目は・・・もう達也には定まった行き先が無いからだろう・・・。

 

「じゃあ、行くぞ。案内するからついて来い」

 

「あ~分かってるよ。つぼみ。」

 

「・・・それと、俺のことはキドと呼んでくれ。その呼び方には慣れていない。」

 

「・・・そうかい、以後気をつけるわ。」

 

化け物と少年少女が出会うとき、彼らにどんな事が起こり、

その出来事に対し、彼らはどう思い、どう立ち向かうのか・・・

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