メカクシティアクターズ~転生した怪物の目~   作:照月晨也

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第四話:母親

「さ~て、此処が達也さんの部屋だよ~。」

 

「お~・・・」

 

案内された部屋はかなり簡素であり、

ベッドや机などの必要最低限の家具しか置いていなかった。

前の世界で暮らしていた高級ホテルとは全然違っている。

まあ、高級ホテルの一室と未成年達が暮らしている部屋と

比べるのは野暮というものなんだろうが・・・。

 

「はあ・・・」ペラッ・・・

 

達也はベッドにどっかりと座り、寂れた漫画を読み始める。

その漫画というのは、AKIRAだ。

 

「じゃあ、夕飯の時間までには食卓に来てね~

料理を手伝ってくれるとうれしいなあ~。」

 

「・・・おう」

 

達也は料理を手伝うつもりは無い。

なぜなら、生まれてこの方料理なんてしたこと無いからだ。

食事はいままで売ってある弁当か外食で済ませていた。

 

「・・・そういや俺がもともと持っていた漫画はあるんだな・・・

まあ、俺の私物すべてが無くなっていたら今頃俺は全裸だけどな・・・。」

 

達也は私物を改めて確認してみると、持っているのは

漫画『AKIRA』、財布、封筒、封筒の中には230万入っている。

 

「・・・喉が渇いたな・・・。」

 

粗方私物を確認した後、喉が渇いたので、台所へ行く。

 

「・・・?」

 

コップを拝借して水道水を飲んで、自分の部屋に

戻ろうと廊下を歩いていると、マリーが自身の部屋で

何かの作業をもくもくと行っていた。

 

「・・・」

 

「・・・なにやってんだ?」

 

「うわあ!?」

 

なんか興味を持った達也がマリーに話しかけると

驚いたマリーが造花の花びらを床に撒き散らしてしまう。

 

「あ・・・ああ・・・やっちゃった・・・」

 

「あ~あ・・・」

 

達也は他人事のように無気力な声を出す。(驚かせたこいつの責任も

あるのだろうが)そして、完成している造花を見て、マリーに話しかける。

 

「お前・・・造花を作っているのか?」

 

「造花・・・あ・・・(お花のことか)うん・・・そうだよ・・・」

 

達也は思い出していた、子供の頃を・・・

そういえば母さんが造花を作る仕事をしていて

ガキだった俺は母さんの仕事を手伝っていたな~・・・と

そう、子供のころを思い出している内に、達也は自然と

マリーと一緒に造花の花びらを拾っていた。

そして、いつのまにか達也はマリーの造花作りを手伝っていた。

 

「あ・・・ありがとう・・・」

 

「別に・・・」

 

「・・・達也、話を聞いてくれる・・・?」

 

「あ~、いいけど・・・」

 

「達也を見ていると・・・お母さんを思い出すの・・・」

 

「・・・お前の母さんはどんな人間だ?」

 

「え~っと・・・とっても優しくて」

 

「なら俺とぜんぜん似てないな、

何で俺を見てお前の母さんを思い出すんだよ・・・。」

 

『優しい』という単語が出てきた瞬間、

達也はきっぱりと否定する。

マリーはお母さんのことを説明するときの楽しそうな顔とは

打って変わって、すこし唖然としている。

 

「で・・・でも・・・今私のお花作りを手伝ってくれてるし・・・」

 

「これはただ手持ち無沙汰になっていただけだ

お前、優しいってだけで母さんを思い出したのか?」

 

「それだけじゃない・・・それは・・・」

 

マリーは言いかけたときに、一気に表情が暗くなる。

 

「・・・ほい、大体できたから後は頑張れ。」

 

「あ・・・うん・・・」

 

達也はマリーの雰囲気を察したのか、大体の造花を

完成させ、部屋を出る。

 

「・・・お母さん・・・」

 

マリーは思い出していた、母親のことを・・・

母親は穏やかで、とても優しくて、まだ小さい自分の傍に

ずっと居てくれた・・・だけど

私が言いつけを破ってしまい、人間に虐められた時

お母さんは私をかばって・・・死んでしまった。

そのときの記憶は曖昧だけど・・・お母さんが人間を

石にした直後に・・・お母さんが血を吐いて死んでしまった

というのは覚えている。

 

私たちに能力を見せたときの達也は、私の中の、

お母さんが死んだときの記憶を思い出させた・・・。

 

「・・・ごめん・・・なさい・・・。」

 

マリーは過去を思い出し、すすり泣いてしまう。

 

メカクシ団の過去・・・そして、達也の過去

いつか、それらを隠すことなく語り合える日が来るのだろうか・・・




今回は比較的短かったです。
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