マリーの内職を手伝った達也はベッドに横になっている。
「・・・どうしようか・・・」
達也は考えていた。仕事について・・・
すぐに出来るといったらやっぱりバイトだろうか・・・
しかし、金が必要になったら銀行などから奪う、
ということしかしていないため、どんな仕事があるとか、
上司に対する礼儀作法とかは全然知らない。
「・・・そういやキサラギとエネの話によると
シンタローは家に引きこもってパソコンをしている・・・って
言っていたな・・・あいつにこの辺のアルバイト情報を調べさせるか・・・」
アジトにパソコンは一応あるが、達也はパソコンの操作なんか出来ない
・・・というか電卓すら操作できない。
まあ、触ったことのある電子機器はテレビのリモコンか
固定電話くらいだからしかたないのだろうが・・・
達也はシンタローに聞いてみた。
「おい、なんかこの辺のバイト募集中の職場を調べてくれ。」
「いや・・・そんくらい自分で調べてくださいよ・・・今ではパソコンで何でも調べられる時代になったんですから・・・」
「俺はパソコンとか使えない。使ったことがない」
「・・・これを聞くのは失礼だと思いますが・・・今までどうやって食ってきたんですか?」
「逆に聞くけどな、こんな便利な能力を持った奴がまともに仕事すると思うか?」
達也の説明を聞いて、シンタローが納得する。が、同時に達也へ不信の目を向けてくる。
「そうですか・・・。まあ、真面目に働いてくれるなら・・・。」
「働く。」
(ほんとかよ)
と、思った後シンタローはパソコンで調べてみる。さすがイケニート、
毎日パソコンを使っているだけある。すぐに結果が出てきた。
「結構あるな・・・運送業やら店員やら・・・」
「まあ、それだけ人手を求めている場所があるということですよ。」
「・・・じゃあまずは此処に行ってみるか。」
と達也が指差した場所はラーメン店である。
「そんな軽い気持ちで決めて大丈夫ですか?」
「絶対大丈夫だ。」
「(その確信は何処から・・・)まあそういうのなら・・・」
「じゃあ早速いってくるわ。」
「今から!?」
「おう、人手を求めている場所ならすぐにでも取り合ってくれるだろ。」
「それはおかしいですよ!さっきの『絶対大丈夫』はそれですか!?そうですか!」
(なんか今のシンタローに係わると面倒くさい気がする・・・)
達也はそう考えて、シンタローを無視してラーメン店に向かう。
「・・・あれ?達也さ~ん?」
そこから約1時間20分、達也は帰ってきた。
「はあ・・・。」
「達也さん・・・どうでした・・・?(大体結果は予想つくけど)」
「落ちた。まあ面接自体はできたけどな。」
「(面接できたのか)・・・残念でしたね・・・」
「しかもあの
達也は悔しがるように言う。シンタローはそれを聞いて「ん?」と声を出す。
「・・・達也さん。志望理由には・・・どう答えました?」
「金が欲しいからって答えた。」
「そりゃ落ちますよ!つーかそれ犯行動機じゃないですか!」
「いや、金以外の理由がねーし・・・無償で働く気はねーし・・・」
「たしかにそれは解りますけど・・・人と話すのが好きだから―とか言えばまだ・・・」
「まあ、就こうとしただけご主人よりマシですよ。」
話をシンタローのスマホから聞いていたエネが話に入ってくる。
「頼むから入ってこないでくれ・・・しかもなんか胸が痛くなる・・・」
「・・・?まあいいや、次いこうぜ次、次は・・・ここで。」
達也は次に指差した場所は、スーパーマーケットである。
「計画性なさすぎです。行き当たりばったりじゃ誰も相手してくれませんよ。」
「今度はいきなり行くんじゃなくて、電話で取り合ってみる。丁度、表示されてあるサイトに
電話番号が載ってあるしな、え~っと・・・電話電話・・・」
達也はアジトに置いてある固定電話でスーパーマーケットに電話する。
「・・・はい・・・そんなに離れてないと思います・・・分かりました・・・」
電話で取り合った結果は・・・
(履歴書を持って明日の昼にか・・・紙にでも書いておくか・・・それに銀行に口座やらを作ったり・・・
保険に入ったほうがいいとも言っていたな・・・)
履歴書・・・そんなもの持っている訳がない。持っていても白紙に近いだろう。
「・・・おいシンタロー。履歴書って何処にあるんだ?」
「・・・雑貨店で普通に売ってますよ・・・」
「そうか、じゃ買ってくる。(帰りに口座を作って保険に入るか・・・)」
達也は履歴書を買いに出かける。
「・・・本当に働くことができるのか?」
シンタローの思いは尤もである。
さて、達也はスーパーマーケットで働くことができるのだろうか・・・
駄目な部分や気に入らない部分があったら。
遠慮なくお叱りください。