愚弟の暗殺教室   作:レベル777

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この駄目文は説教されてもおかしくないレベル


4話:説教の時間

 朝のHR――――。

 

「えー、それではHRをはじめます。日直の人は号令を」

 

「起立、気をつけ、礼……っ!!」

 

 渚ちゃんの号令で一斉射撃。

 

 ターゲットはもちろん担任教師。

 

 今日も3年E組の教室で暗殺が始まる。

 

「おはようございます。発砲したままでいいので出席を取ります」

 

 皆で話し合って決めた暗殺計画。

 

 皆と協力をする暗殺第一弾だ。

 

 皆が手に持つ拳銃、ライフル、マシンガンから放たれるBB弾が炸裂する。

 

 ボクは二丁拳銃だ、ひゃっはー♪

 

「磯貝くん」

 

「は、はい………」

 

「すみませんが銃声の中なので大きな声で」

 

「はいっ」

 

「岡島くん」

 

「はいっ」

 

「奥田さん」

 

「はいっ」

 

「片岡くん」

 

「ヒャッハーーーwwww」

 

「こら片岡くんっ、ちゃんとした返事をするように!!」

 

「はーいww」

 

「か、片岡さん」

 

「は、はいっ」

 

「茅野さん」

 

「はいっ」

 

「神崎さん」

 

「はいっ」

 

 まあ、全部避けられているけどね。

 

「―――――――はい。遅刻無し、と……素晴らしい。先生とても嬉しいです」

 

「早すぎぃ……」

 

「クラス一斉射撃でダメなのかよ」

 

「残念ですねえ、今日も命中弾ゼロです。数に頼る戦術は個々の思考を疎かにする。目線、銃口の向き、指の動き、1人1人が単純過ぎます。もっと工夫しましょう」

 

 予想通り結果というべきかな。

 

 今回の暗殺も失敗終わった。

 

 まぁいいさ、ボクの本命は銃じゃないからね。

 

 

 

 

 HRも終わり授業が始まる。

 

 国語、数学、理科、社会、英語、その他の教科を全てこの黄色いタコが教えていると知ったら親はどんな顔芸を見せてくれるだろうか。国家機密だけども。

 

 来年の三月には地球を破壊すると宣言した怪物が普通に先生しているんだからビックリだよね。

 

 せんせーは教え方が上手い。時折ジョークを交えてくるのもボク達を退屈させないために工夫してくれて、ちゃんと授業をしてくれる。

 

 ボクは英語が苦手だ。

 

 でもね、このせんせーの授業だとやる気が出てくるよ。

 

 今は四時間目。英語の時間。

 

「はい、ここで問題です。磯貝くん」

 

「は、はいっ……」

 

「この四本の触手のうち仲間外れは?」

 

「えと…青い触手…………」

 

「正解。青の例文のWhoだけが関係詞です」

 

 なんと、ボクは紫の触手が正解だと思っていたよ。

 

 と、まぁこんな感じで……理解できなかった時は休憩時間や放課後にでも、もう一度教えてもらおう。

 

 ついでに暗殺も交えよう。

 

 英語の授業がある日は大概、暗殺補習だね。

 

 そんな英語の授業の中、チープな銃声音が聞こえた。

 

 パン――――――。

 

 中村ちゃんが発砲した。

 

 あぁ、なんてことを……ボクの脳内が必死に覚えようと構築していた文法が砕け散った。

 

「中村さん、暗殺は勉強の妨げにならない時にと言ったはずです」

 

「すみませぇん」

 

 あぁもう英語の時間だけはダメだよ中村ちゃん。集中力無くしちゃったよ。

 

 だから、ボクも気晴らしに何発かせんせーに発砲した。

 

「にゅやっ!? 片岡くんまで!?? 罰として2人共教室の後ろに立って授業を受けなさい」

 

「ガビーン!??」

 

「にししっ、ミソギちゃんよろしく~♪」

 

「もちろん中村さんは廊下側で片岡くんから距離取ってくださいね」

 

「えーーー」

 

「「えーじゃない!!」」

 

 ボクは英語の授業だけは真面目に受けるって決めているんだ!

 

 苦手科目だから。

 

 でも、おかしいんだ。

 

 昔は苦手科目じゃなかったんだけどね。ここまで文法を理解できないはずもなかったのに……

 

 何故だろう。

 

 キーンコーンカーンコーン―――――――――。

 

 4時間目終わりのチャイム。

 

「おっ、昼休みですね。せんせー、ちょっと中国に行って麻婆豆腐を食べてきます」

 

 うん、ばいばーい。

 

 

 

 

 

 さて、昼休み。

 

「おい、渚。ちょっと付き合えよ。暗殺計画、進めようぜ」

 

「あ、うん………」

 

 そう渚ちゃんに声を掛けたのはジャイアン的ポジションの寺坂くん。

 

 後ろには吉田くんに村松くんがいたり、ボク達は寺坂グループと呼んでいるちょっと素行が荒いグループだよ。

 

 渚ちゃんは寺坂くん達に呼ばれ教室を後にした。

 

「あまり良い予感しないよな」

 

「そうだね、ちょっぴり心配だね」

 

 2人して渚ちゃんを心配する、フリ……

 

 だって寺坂くん怖いもん。

 

「ミソギ、ちょっといいかしら?」

 

「な、何かな、姉ちゃん??」

 

 何故このタイミングに声を掛けるのか。

 

「まさか、やっと一緒に昼メシ食べてくれるんだね!!」

 

「違うわよ、渚の様子見に行ってきなさいって言ってんのよ!!」

 

「びぇぇええええん、姉ちゃんのバカーーー!!」

 

「「「「…………」」」」

 

 こうしてボクは強制的に渚ちゃんの様子を見に行くことになった。

 

 あ、泣き真似してダッシュで教室出て行ったから杉野くんを連れてくるの忘れた。

 

 よし、トイレ行って時間稼ぎしてから様子見に行こう。

 

 閑話休題。

 

 さて、用も足したことだし渚ちゃん達の様子でも見てこようかね。

 

 ボクは一発で彼らの居場所を突き止めてみせよう。

 

 といっても、場所が限られているからすぐに分かるんだけどね。

 

 グランドに繋がるコンクリート階段にいた。

 

 ちょうど話を終わったところのようだね。

 

「んだよ、片岡弟。お前に用は無いぞ、こら」

 

 寺坂くん達はボクの抜け駆けを良しと思っていない側のグループだ。

 

 この突っぱねた言い方になっても仕方がないね。殴られていないだけ、儲けもんだよ。

 

「道をあけろよ、このシスコン野郎」

 

「うん、よろこんで」

 

「チッ……」

 

 ボクはササッと道を譲った。

 

 寺坂グループはこの場を後にした。

 

 ふぅ~、ジャイアンは去ったか。

 

「いや~、怖かったね、渚ちゃん。でもこのボクが来たからにはもう安心だよ」

 

「あ、うん、でも、できたらミソギくんのそのセリフを1分前に聞きたかったよ」

 

 まぁそうなんだけども。

 

 寺坂くん達と衝突するのもめんどくさいしね、あまり挑発するのも良くはない。

 

「それより、寺坂くん達と暗殺計画の話しをしていたんだよね?」

 

「う、うん……次の授業に仕掛けるつもりなんだ。成功するかわからないけど、やってみるよ」

 

「頑張って、健闘を祈ってるよ」

 

「うん、ありがとう」

 

 あぁ守りたいこの笑顔。

 

「じゃあ、この事は他言無用だね。丁度、せんせーも帰ってきたし………」

 

「あ……」

 

 その飛来超生物がグランドに降り立った。

 

 せんせーの手には何故かミサイルを持っていたけども。

 

「おかえりー、せんせー」

 

「ただいまです。片岡くん、渚くん」

 

「というか、せんせーの手に持っているソレなんですか?」

 

「おみやげです。帰りに日本海で自衛隊に待ち伏せされまして」

 

「た、たいへんですね、ターゲットだと……」

 

「いえいえ、皆から狙われるのは力を持つ者の証ですから」

 

「………」

 

「さぁ、5時間目を始めますよ」

 

 そう言ってせんせーは先に校舎に戻っていった。

 

「渚くん、ボクたちも戻ろう?」

 

「う、うん……」

 

「………」

 

 反応が鈍い。

 

 あー、渚ちゃんの顔に暗い影が一割り増しだ。

 

 せんせーは地雷踏んじゃったんだね。

 

 さっき言っていたせんせーの言葉を気にしているのかな。

 

 皆から狙われるのは力を持つ者の証。ということは皆からその力を認められているということ。

 

 エンドのE組落ちした渚ちゃんは元クラスメイトたちからも教師たちからも見向きされなくなった。だから渚ちゃんは痛感してるんだ。

 

 誰も自分のことなんてを期待していない、警戒もしない見向きもしない、存在さえ認識してくれないヒトの気持ちをバケモノなせんせーにはわからない。

 

 まぁ、ボクにも分からないけどね、渚ちゃんの気持ちなんて。

 

 ボクは渚ちゃんじゃないんだから。こうやって分析して他人の気持ちを理解したフリはできるけど、それまでさ。

 

 共感できないかな。ボクにとってどうでもいい小さな悩みだ。

 

「ねー、渚ちゃん。その暗殺、ボクが代わりにやろうか?」

 

「え、どうして……??」

 

「いや、渚ちゃんが思いつめた顔したからさ。暗殺するの嫌なのかな、と思って」

 

「そ、そんなことないよ、ちょっと別のことで考え事してただけなんだ」

 

「そうなの? それならいいんだけど、本当に嫌だったらいつでも言ってね」

 

「心配してくれてありがとう。でも、この役目は僕じゃないとできないと思うんだ」

 

「ふーん……まぁ渚ちゃんがそう言うのなら見させてもらうよ。君たちの暗殺をさ」

 

「うん……」

 

 何でだろう……最後とても冷たく渚ちゃんに当たった気がする。

 

 別に邪魔するつもりはない。

 

 暗殺に参加したいワケじゃない。

 

 ただ、冷めた感じだった。

 

 そう、別にボクがお節介をしなくてもいいじゃんと、感情に出てしまったのかな。

 

 上手いことは言えない。

 

「でも、これだけは言っておくよ渚ちゃん」

 

 上手いことは伝えれないけども……

 

「ボクはキミのことを一生忘れないよ」

 

「不安を煽るような死亡フラグは言わないでよ、ミソギくん!??」

 

 うん、ごめんね。

 

 だいぶ遠まわしだけど、確かにボクの気持ちは伝えたよ。

 

 

 

 さて、5時間目。

 

 時は来た―――――――国語の時間。

 

「はい、それではお題にそって短歌を作ってみましょう。ラスト七文字を『触手なりけり』で締めてください」

 

「「「「は?」」」」

 

「触手なりけり、ですか?」

 

「はい。書けた人は先生の所へもってきなさい。チェックするのは、文法の正しさと触手を美しく表現できたか」

 

 たまに変な授業になるのもご愛嬌。

 

「例文です――――――花さそふ嵐の庭の雪ならではえゆくものは触手なりけり」

 

 解説――――――鮮やかに映え、力強く生きていく生命とは、庭の桜を散らす花吹雪などでなく、触手だったのだなぁ

 

「できた者から今日は帰ってよしっ」

 

「「「「えーっ!?」」」」

 

 よし、隙を見て逃げ出そう。

 

「ほーらほら、ヌルヌル素晴らしい句が沸いてきませんか? ヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌル」

 

「ヌルヌルうるせーよ!」

 

「せんせー質問」

 

「にゅ、なんでしょうか茅野さん」

 

「今更なんですけど、せんせーって名前何て言うんですか??」

 

「んー、特に名乗る名前はありませんねー。あなた達で好きに付けてください」

 

「じゃあ殺せんせーってのはどうかな? 殺せない先生で、殺せんせー」

 

 面倒なのでボクからネーミングを付けてあげよう。

 

 実際、殺せんせーって1回呼んでしまったし、ボクが付けたことにしてしまえばいい。

 

 いい加減この名を言えないことに嫌気を差していたところさ。

 

「おっ、それいいねーミソギ」

 

「そうかー?」

 

「でも、呼びやすいしいいじゃん」

 

「殺せんせーですか。なかなかいいですね。これからは殺せんせーと呼んでください。ヌルフフフッ」

 

 さて、短歌を考えるフリして事の末を見届けよう。

 

 渚ちゃんが寺坂くんに話しを持ちかけられた暗殺計画。

 

 殺せんせーが一番油断しているのが昼食の後。顔がピンクの時に、渚ちゃんは寺坂くんから預かった改造したオモチャの手榴弾で自爆テロを起す。

 

 渚ちゃんは席を立ち短歌を書いた札に隠したナイフを抜き取り殺せんせーを刺そうとした。当然受け止められるけど、第二の刃が牙を剝く。

 

 対殺せんせー専用BB弾300発も詰め込められたオモチャの手榴弾が炸裂した。寺坂くんが手に持つリモコンのボタンを押したんだ。

 

 烏間さんに用意してもらった特注の指向性地雷より威力は落ちるけどゼロ距離攻撃だ。殺せんせーもまともに浴びればひとたまりもないだろう。

 

「しゃぁぁああああああッ」

 

「やったぜーーーー!!」

 

 寺坂くん達が雄たけびを上げ教壇近くまでやってきた。

 

「寺坂っ!?」

 

「何やったんだ!!?」

 

「ははっ、こいつも自爆テロは予想してなかったろう」

 

 黒コゲになったせんせーっぽいものが教壇に転がっていた。

 

「ちょっと、渚に何持たせたのよ!!?」

 

 茅野ちゃんが激オコだ。

 

「あぁ? オモチャの手榴弾だよ。対せんせー用BB弾300発がすんげー速さで飛び散る用に改造してるけどな。人間が死ぬ威力じゃねーよ」

 

 そういって、倒れる渚ちゃんを確認した。

 

「俺の100億円で治療費くらい……あ?」

 

 そして、寺坂くんは気付いた。

 

 渚ちゃんに傷が一つも付いていないことに。

 

「無傷。火傷一つ負ってねぇのかよ……それよりもなんだこの膜みたいの?」

 

 渚ちゃんが無事だった理由だ。

 

「実はせんせー、月に一度脱皮をします。脱いだ皮を渚くんに被せました」

 

 どこからか殺せんせーの声がした。

 

「月に一度使える奥の手です」

 

 声は頭上から。

 

 天井に張り付いているように見えるけど、対せんせー用素材でできた天井板が張ってあるから実際には教室の壁に触手を突っ張って浮いている感じだね。

 

 ボクはこの状況に水を差し触手を狙って攻撃したいところだけど、今の殺せんせーに手を出さない方が身のためだ。

 

 顔が真っ黒。ド怒りってやつだ。

 

「寺坂、吉田、村松。首謀者は君ら3人だろ……」

 

「いや、違っ……」

 

「渚が勝手に……」

 

 寺坂くん達がいい訳するけど通用するワケもなく……

 

 殺せんせーは超スピードで教室から外に飛んでいった。

 

 マッハ20のスピードを持ってして、ボクらの家の表札を全部取って教室に戻ってきた。

 

「政府との契約ですから君たちに決して危害を加えない。が、しかし次また今と同じような方法で暗殺にきたら君たちの家族、友人、いや君達以外の人間に危害を加えるかもしれませんね」

 

 このせんせーからは逃げられない。

 

 逃げたければ殺すしかない。

 

 しかし……

 

 

「な、何なんだよテメー。迷惑なんだよ! いきなり来て地球爆破するとかっ、迷惑な奴に迷惑な殺し方をして何が悪いっていうんだよ!!」

 

「迷惑? とんでもない。君たちのアイディア自体は凄くよかった。特に渚くん、君の肉薄までの自然な身体運びは100点です。先生は見事に隙を突かれました」

 

 

 ………。

 

 

「ただし、寺坂くん達は渚くんを、渚くんは自分を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺する資格はありません」

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

「人に笑顔で胸を晴れる暗殺をしましょう」

 

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 

「君たち全員、それができる力を秘めた有能な暗殺者(アサシン)だ」

 

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 

 

「ターゲットである先生からのアドバイスです」

 

 

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、問題です渚くん。先生は殺される気なんて微塵もない。皆さんと来年の三月までエンジョイして地球を爆破します。それが嫌なら君たちはどうしますか?」

 

 

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「地球を爆破されるその前にせんせーを殺すます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌルフフフッ、なら今殺ってみなさい。今日は先生を殺せた者から帰ってよしっ」

 

「「「えーーーー!??」」」

 

「というか片岡君はどこですか? さっきまでいたはずですが??」

 

「せんせー、ミソギちゃんならさっきこっそり教室出ていったけどー??」

 

「にゅやーっ、先生のカッコいい大人の姿を意地でも見ないつもりですかーーー!? ええいッ、マッハで見つけて放課後は説教です!!」

 

「あの、バカ………」

 

「ミソギ君のバカ………」

 

「「「「…………」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後の3-Eの教室。

 

 ボクは途中で逃げた。

 

 その罰として、せんせーにヌルヌル触手に拘束されて説教されて、そこからカッコいい大人とは何か小1時間ほど聞かされた。




いや、めんどくさくなってテキトーにしたわけじゃないんです。

これからも暖かい目で宜しくお願いいたします。
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