箱庭の世界にやってきた博麗霊夢 作:冷水
今は何もする気がおきません。
一話につき、何十回も見返して、校正して。
だけど満足の行く程度の話は、なかなか描けない。
自分が、面白いと思える作品を、作りたいと思う、ただそれだけなのにね。
===エルキア、イマニティ国王選定総ギャンブル大会:会場===
ステファニー・ドーラは、打ちひしがれていた。
ステファニーは、人類の中ではゲームが比較的強い部類に入る。
イマニティ最高のアカデミーを主席で卒業し、王家の血筋を引くお嬢様。
そんな経歴の持ち主、どの世界、どの世でも、断じて落ちこぼれ程度の実力な訳がない。
クラミー・ツェルに負けた。
自分には、王家を継げなければ、帰る家も、禄もない。
私財はほんの少しだけ。
おじい様・・・先王陛下に頂いたプレゼントである服は、
すでにゲームに賭けてしまったのだから。
もう、何も残っていない。
ゆえに打ちひしがれていた。
別に、私はすべてを失っても構わなかった。
ステファニーにとって、最も心を打つもの、それは、
先王陛下の志を、継ぐことができなくなってしまったことに対して。
愚王とののしられた先王陛下と同じ志を持って、
私が稀代の賢王として名を残せば・・・・・・・
おじい様の、汚名を晴らせると、そう、思っていたのだから。
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ジン・ラッセルは、先ほどまで煌びやかなドレスを着てゲームをしていた少女、
今は寝間着のような恰好をしている少女を、会場の片隅で見つけた。
聞き込みの最中、名前だけは知っていた。
名を、ステファニー・ドーラという少女だった。
その少女は、無念を体現しているような、何の気力もなく、その場でじっと動けないでいる。
そういう姿を、ジンは過去に見たことがあった。
ジンは回想する。
先代の、名と旗印があった頃の”ノーネーム”には、
たくさんの仲間たちがいて、
どんな魔王が来ても、どんなゲームにも、連戦連勝を体現する仲間たちがいた。
しかし、その日々は、突如襲来した魔王によって、全てが一夜にして壊されてしまった。
その時のこと。
黒ウサギは、同じような姿をしていた。
審判として参加した黒ウサギ、幼さゆえに参加できなかったジンだけが、
ギフト所持者としてはコミュニティに残されてしまった。
黒ウサギは、一夜の出来事の後、しばらく動くことができなかった。
ノーネームの裏手に両手を付き、両ひざを付き、
雨が降り、晴れ、もう一度雨が降るまでの間、
彼女はじっと、その場にいたのだった。
どこまでも彼女は、”月のウサギ”であった。
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ジンには、ステファニーのその姿が看過できなかった。。
ゆえに、自然と声をかけていた。
「あなたは、彼女たちの可能性を、信じますか?」
と。
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ステファニー・ドーラは、心を閉ざし、声を掛けられたという、その事実から目をそらそうとした。
隣に立つ少年、見慣れない異国の服装をし、緑の髪をした青い瞳の少年。
幼さを残すその少年は、しかしステファニーにとって聞き逃せない単語をつぶやいた。
「・・・・可能性を、信じますか?」
「え?」
全部は聞き取れなかった。
だけど、可能性を信じるという部分に、ステファニーの心は動かされた。
「今、あの卓についているのは、僕の仲間なんです」
ステファニーは、ただ聞いていた。
「おそらく、人類最強のプレイヤーの、一人だと思います」
人類最強のプレイヤー・・・・・・おじい様が、現れると信じた存在。
もし、本当にそうなら・・・・。
「もし、彼女が勝ったら、僕たちと一緒に国造りを手伝っていただけませんか?」
ジンは、ステファニーに手を差し出す。
その手を、少女は取るのだった。
==作者のつぶやき==
なし