箱庭の世界にやってきた博麗霊夢 作:冷水
レミとか、れいみとか、レミーとか、そういう読み方をしてほしい。
----すみません、雑談はこれくらいで、話、始めます。
==ポーカー勝負==
「「盟約に誓って!」
ポーカー勝負、最初のディーラーはクラミー。
2枚、2枚、3枚、3枚と、
プレイヤー・ディーラーの交互の順番でカードが配られる。
交換は1回、その時は卓の中央に置かれた山札からカードを引く。
霊夢がポーカーを覚えたのは、箱庭で十六夜とポーカー勝負をしたからだった。
いくつかのルールで何度か勝負し、暇潰しにやった程度。
それでも、霊夢はサイコロやトランプなど、一般的な認識として『運の要素があるゲーム』と認識されるものにおいて、霊夢は負けることがなかった。
それは、互いがランダムと認識するゲームにおいてのみではあるが、
”賽の目が霊夢が予想したという事実を覚えている”といわれる程に。
まるで、勝負そのものが霊夢を勝たせようとするかのような”浮世離れ”がある。
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クラミー・ツェルは目の前の巫女服(?)の少女をみる。
(何かしら、この特徴的な脇を出した服装の少女は)
不敵な顔をし、少し上目使いでクラミーを見つめてくる。
こんな勝負の場でなければ、思わず「かわいい」と呟いてしまいそうになる、そんな少女だった。
((フィー、聞こえてる?))
((は~い、聞こえてるのですよ~))
心の内で話すように問いかけると、頭の中から声がする。
その声の主は、自らの主人であり相方であるエルフ、フィール・ニルヴァレンのものだった。
((今回も、お願いするわ))
((もちろんなのですよ~))
目に、輝きが灯る。
使うのは、視界を共有する魔法、
そして、視界を共有しながら、遠隔地でカード書き換えなどの魔法を同時に行使する。
フィールというエルフは、己の身内すらも欺いて同族からは”無能”の烙印を押されているが、
魔法の同時行使、そして繊細な制御においても、エルフでも指折りの猛者である。
クラミーは、今回の大会で、ありえない勝ちを続けていた。
営利目的のカジノなら、既にもう追い出されていてもおかしくないほどに。
普通なら、イカサマを確信される程度に。
しかし、盟約により”イカサマは発覚しなければ”不正とならない。
ただのイマニティ風情には、不振な状況から、魔法が使われている”可能性”を疑うことはできても、
魔法適正0%のイマニティには、見ることはおろか、感知することさえもできない。
それを指摘し、その場で取り押さえることも、まして証拠を見せることなど”原理的に不可能”であるのだから。
ゆえに、他国の者・・・・・・エルフの国「エルヴン・ガルド」の支援を受けたクラミーは、
ゲームによる「国王選定戦」において、連戦連勝、無敗を誇っていた。
「私はクラミー・ツェル」
「博麗霊夢」
互いが名乗り、そして
【盟約に誓って】ゲームは始まる。
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霊夢は、5枚のチップを賭ける。
クラミーが3枚のカードを交換する。
霊夢は2枚のカードを交換する。
霊夢の手:フルハウス
クラミーの手:フォーカード
((他愛も無いわね))
((それはそうなのです))
フィールは2つの魔法を同時行使する。
1つは、相手のカードを見る魔法。
1つは、望むカードを引く為の魔法。
フィールは、クラミーが山札をドローする際に、
山札の好きな場所からカードを”転移”させてくる。
事前に、練習していただけあって、
クラミーのトランプを引く”まねごと”は上手かった。
もし、相手がより良いカードを引いた場合は、
手札を書き換える魔法も行使する。
この勝負は、イマニティの未来を、
クラミーにとってはイマニティの「生存権」を得る為の勝負。
その方法は、けっして気分のいいものではない。
でも、やるしかない。
それはエルフより酷い条件を突き付けてくる他国が、
私と同じように“イマニティの奴隷”を傀儡にしようと行動したと考えた時、
クラミーの背筋には死よりも恐ろしいと感じる寒気が走る。
そんな輩に、イマニティの全権利は渡すことなどできはしない。
ならば、エルフにイマニティの全権利を渡す条件として、
庇護を得られるように画策する私のプランの方が良いに決まってる!
結果として、それが”この世界のルール”に違反するのだと、クラミー達は気づいてはいない。
そもそもこの世界の人類、いやこの世界の多くの知性ある生物にとって、
”世界をクリアする”なんて、考えもしない絵空事なのだから。
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霊夢が、目を細める。
魔理沙の使う魔法とも違う、
かといって、霊力でもない。
神の力でもなく、むしろ妖精に近い・・・・・・自然から発生する力の法則のような、
何かの力が行使された気がした。
感知できたわけじゃない。
しかし、霊夢の”勘”がそう告げてくる。
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この勝負、負けた霊夢がチップをクラミーの側に寄せる。
その際、ぼそっと、無意識に霊夢はつぶやいた。
その大きさは、クラミーに聞こえるか聞こえないかの音量。
「私相手に・・・・・・結構なことをしてくれるじゃない」
霊夢は、相手が問答無用で叩きのめしても大丈夫な相手なのだと、
外見からは判断できないほど、残酷な笑顔を心に浮かべていた。
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霊夢は、誰にも気づかれず、クラミーと自分を囲うように結界を張る。
結界は、自らの境界と他者の境界を曖昧にする。
閉鎖的とはいえ、結界の内側は自らの”世界の内側”となる。
自らの内側で何かの力が働くとき、
霊夢はそれを感知し干渉することが可能になる。
クラミーの目が、何かの力を伴って発光しているように見える。
そして、山札には”何かの力”がまとわりついている。
それの元を視線でたどれば、フードをかぶり、こちらをじっと見ている視線があった。
そして、一人のエルフと目があった。
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フィールは、目が合った瞬間に”嫌な予感”がした。
すると、フィールが常駐していた魔法が、霊夢にとって都合の悪い魔法だけが、
跡形もなく消し去られた。
((クラミー!?))
エルフの少女が、呼ぶ声が聞こえる。
クラミーには、それが妙に焦っているように聞こえるのは、なぜなのだろうか。
((どうしたの?))
フィールは、目の前の相手が、自らの魔法の妨害を行ってきていることを伝えた。
それは、山札への書き替え、そして手札の書き換え、相手の手札の透視の魔法に対して、
常駐していた魔法が消し飛ばされたというのだ。
フィール以外の魔法を使う者の気配は、少なくともフィール自身が関知していない。
対抗するように再度、同じような魔法を行使するも、まるで”効果を発揮できない”
しかし、クラミーとフィール間の繋がり、テレパシーの「意志疎通の魔法」は妨害されていない。
フィールは、自分以上の魔法の使い手か、自分に気配すら悟らせないほどの”何か”を持った他種族の関与を疑った。
そして、冷や汗が流れるのを抑えられなかった。
この勝負、あらかじめクラミーが掛けたチップは20枚
霊夢の手札:ストレートフラッシュ
クラミーの手札:フォーカード
2連続フォーカードというのは、周囲から見ても異常だった。
しかし、前回にフルハウスという、そこそこの役を出しながら、
次にストレートフラッシュという役を揃え勝つ方も異常と言えた。
勝敗を見守るいくつもの目が、この勝負が”互いに何かをやっている”と、理解し始めた。
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クラミーと霊夢、二人の勝負にディスボードにおける”魔法”という要素が取り除かれた。
クラミーは、目の前の少女が”どこの国の間者であるか”を考え始めた。
最初から、他国の介入は、予想していた範囲だった。
しかし、それは最悪の形で成った。
あちらには、こちらの手の内が潰されたのにもかかわらず、
こちらには、あちらが使う手の内が分からない。
この世界が、”他者への直接的な攻撃”と判断されることができないように、
魔法で直接仕掛けることはできない。
ゆえに、今この場のトランプ勝負において予め用意できたのは、
・相手の手札の透視
・山札の書き換え
・手札の書き換え
・望むカードのドロー
そして、他に考えていた手段としては、
・相手の”視界”への干渉
もし、他国の介入したままのこの勝負で、
それらが潰されてしまった場合、
フィールに出来ることは無いに等しかった。
こんなにも、手詰まりになるなんて思ってなかった。
フィールはエルフでも屈指の魔法の使い手であり、
魔法のコントロールにおいては、上位の他種族にも早々に引けを取らないと自負していた。
クラミーは、事の理不尽さを呪った。
奇しくもそれは、前の対戦者達が抱いていたものだった。
それに、クラミーは気づくことはない。
もし、相手の脅威にもっと早く気づくことができたのなら、
対他国向けに用意していた”チェス”のゲームを用意できた。
しかし、既に【盟約に誓って】ゲームは行われてしまっている。
クラミーは内心で舌打ちした。
そして、表情は焦りを表していた。
クラミーの中には、世界の最大の大国である「エルヴン・ガルド」に、
勝てる者などいないという”慢心”があった。
奇しくもそれを、前提から覆されてしまった。
===作者のつぶやき===
ああ、戦闘というか、こういう”争い”の中の心理描写を表すのが、
何度読み直しても下手だな・・・と思ってしまう、今日この頃。
自分は”死ぬかもしれない”とか、何かに”追いかけられる”系の物語は、
要するにホラー系は得意だと思っているけど(根拠のない自信!)、
競い合いが全く上手く表現できません。
それは、この物語において、致命傷となる、かもしれませんね。
というか、私が今まで読んだ本、ほとんどそういう系しかなかったな・・・・・・。
さて、今回の”拡大解釈”として、
霊夢はサイコロの目を、予想とか予知とか、
まるでサイコロが霊夢の予想した目を出しているかのような、
そんな設定があった・・・・・・と思っていたのですが、
どうだったのでしたか。
それは、相手より勝る手が、自動的に入ってくるように、
ある意味チート能力であると、解釈しました。
それは、トランプでも同様である・・・・・・という解釈も添えてます。
霊夢は、不正をしません。
むしろ能力自体が不正な感じですが、それはノゲノラ原作の魔法についても、
同じことがry・・・・。