転生をしてみたら大分ハードな世界を生きることになってしまった   作:プレストン

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まだ主人公の設定の話が続きます
あと最初の部分はよくわからないと思ったらスルーして問題ありません
別に大事な話にはしないと思いますので


目覚めと現在-The next

意識を取り戻したとき、俺……いや、”僕”の頭がグルグル回り、”俺”の記憶が入ってくる

転生とは、こういうものなのか?……前世が現世の”自分”の記憶の中に入ってくる

車酔いをした時のような感覚が数分続き、ようやく”自分”を認識する

 

SSでよくあるようなものじゃあないみたいだ、僕の経験する転生は。

人格というのは経験と魂のカタチによって形成されていく、僕の場合、魂は前世と一緒だが、記憶はリセットされた。つまり、別の経験を『辿っている』同一人物ということだ

”今”の自分は”前”の自分と同じ魂を持つが、同じ人格は持たない。”肉体”によって人格が既に前と違ったものになっているためだ

つまり、”俺”と”僕”のように記憶は前世と現世の両方はあるが、性格は現世となっているということだ。

 

しかし、なぜだろう?転生するとき、前世の記憶というのは普通引き継がれないと天使さん達から聞いた

だから普通、こんなことは起きない筈…?

 

そう思ってると、ようやく”肉体”の意識が起きて、目が開くことができた

真っ先に目に飛び込んだのは、涙を流して僕のことを見て喜ぶ父さんと母さんの姿と……眼鏡をした、お医者さんの姿だった。

 

「烈!わかるか、私だ!父さんと母さんだ!」

 

父さんが僕の横に来て、そう言って来る。僕は、ゆっくりと上体を起こして口を開く

 

「あぁ、わかるよ……お父さん、お母さん……」

 

まだまだ体は痛む、でもなぜか急速にその痛みが引いていくことに、僕は疑問を抱かなかった

本来、動けない筈の僕の体が動くのを見て、さらにお父さんとお母さんは喜び泣きをした

 

「成功だ……。君は今、生まれ変わった。これから先、大変だがゆっくりと慣れていこう」

 

お医者さんが僕を見て、興奮気味にそう告げた

 

「……?慣れる……?成功……?……お父さん、お母さん、それってどういうこと?」

 

首をかしげながら、僕はお父さん達に聞いた

 

「……すまない、烈……だが、こうするしかお前を助けることができなかったんだ……」

 

詫びながら、お父さんは言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その話は、本来ならば驚愕すべき内容なのだろう。前世の自分の記憶がなければ驚いていたかもしれない

でも、自然とその話を聞いてスッと飲み込めた

何も言わない僕を見た両親は、罪悪感もあるせいだろう、僕の顔の色を伺っていた

ゆっくりと、僕は口を開いた

 

「……僕は、もう、普通に生きることができないんですね」

 

「そうだ」

 

彼―――死神博士は、淡々と頷いた

 

「僕は、普通に戻れないんですね」

 

「そうだ」

 

だんだんと、目頭が熱くなってくる

 

「僕は―――――――――――もう人間じゃないんですね」

 

「そうだ」

 

瞬間、僕の両目から涙がこぼれ落ちてくる

今はまだ涙は流せる……でも、この涙もいつしか、流れなくなるのだろう

 

死神博士が言うには、僕の体内には極小の機械が動いており、僕の神経をほぼ完全に改造したという

そしてゆっくりと、着実に、体の筋肉、臓物と人工物へ作り替えていくのだと

だからなのだろう――――――骨折した腕がもう、動けるようになっているのは

 

「完全に君の体が動けるようになるには、まだまだ時間がかかる。

ゆっくりと、元の生活を、普通の人間の暮らしを”演じれる”ようにしていこう」

 

死神博士は、ゆっくりと僕に告げた

僕はただ、自分の体を見つめていた。砕けた右太腿の骨が、ゆっくりと修復されていくのを感じながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死神博士と、両親の話を聞いた後、僕は今の街とは別の場所に移り住むことになった

今までとはだいぶ違う生活になるから、以前の自分を知っている人達の目から逃れる為だと死神博士は言っていた

 

リハビリを積んで、普通の生活を演じれるようになるまでは、絶対に会わないように――――

 

両親は、そんな死神博士の言うことを聞き、死神博士のツテでここ、海鳴市の海鳴大学病院に僕は移された

窓からは海風が吹いて、涼しい風が病室を通る……ここに移されてから、誕生日が過ぎた

 

病室の中での小さな誕生日パーティだったが、楽しくて、うれしかった

実は、僕の両親はかなり資産家だ。僕の、体の中にいるナノマシンを維持させるには多大な費用がかかるという

そのため、今後死神博士は両親の援助を受けることになった

無論、ナノマシンの件や僕の体、両親と死神博士の関係は、僕たち以外誰にも知られてない

 

知られては、いけない

 

「……」

 

修復されたとはいえ、まだ神経が通っていないため、今しばらくは松葉杖の生活を送ることになる

最初は松葉杖の持ち手を握りつぶしてしまって、いくつもの松葉杖を壊してしまった

8本目になりようやく握力の加減がわかってきて、細心の注意を払いながら今松葉杖をついている

 

そして今、僕は病院の1階の廊下で壁に寄りかかりながら、海に視線を向けていた

もともとは内地に住んでいたので、ここまで近い海を見るのも新鮮だった

少し微笑みが浮かびながら、海の波を見続けた

 

ふと、人が来る気配を感じて、廊下を見る

小柄な女の子が車椅子を押しながらこちらに、いや、廊下を通っている

目が合ったので、いちおう挨拶をしておく

 

「こんにちは」

 

微笑みを浮かべながら言うと、その女の子も微笑み返してくれて

 

「こんにちは」

 

と、返してくれた……




今回で主人公と設定の話が終わると思います
次回から原作のキャラクター達ともっと絡ませようと思ってます
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