はぁとため息混じりに俺は階段を上る。
ここ私立直江津高校は階段が長い。
高校なのに螺旋階段があるのだ。
本当に嫌になるがこのままでは遅刻してしまうのでペースを上げようとしたその時だった。
自分の目を疑った。
なんと空から少女が降ってきたのだ。
なにこれ?ラ○ュタ?
てっ、ふざけている場合ではない!
受け止められなくとも身代わりにならなければ少女が死んでしまう‼︎
俺は螺旋階段の中央に手を伸ばし落ちてきた少女を受け止めた。
だが、それと同時に違和感を感じた。
なぜ俺の腕は無事で済んでいるんだ?
普通なら俺の腕が折れてしまうだろうし俺が一緒に落ちることになってもおかしくはない。
だが、綺麗に受け止めることが出来たのだ。
そしてその違和感の正体に気づくことに時間はかからなかった。
俺が受け止めた少女には。
およそ体重と呼べるものがなかったのだ。
5キロだ。
およそ5キロ、俺の感覚を信じればそれしか重さがない。
それでも驚き手を離してしまわなかったことは幸いだった。
そして少したち落ち着いてからやっと気付いた。
落下してきた少女は俺と同じクラスの、俺と同じぼっち
戦場ヶ原ひたぎであった。
戦場ヶ原は落下している途中で気絶してしまったのか受け止めた拍子に気絶したのか分からないが俺は戦場ヶ原を下ろし楽な格好で寝かせておいた。
体重のことは気になるがまあ、人に聞かれたくない事など人間誰しもがあるものであろう。
おっと、この言い方ではもう人間ではない俺にとっては少々自虐ぽいか。
その日の放課後つまりafter schoolだ。
俺と俺のクラスの委員長である羽川翼は文化祭の出し物を決めるため柄にもなく居残りをしている。
そうだ、せっかくだからこのキングオブ委員長である羽川翼の事について説明しよう。
まず言えることは容姿端麗、頭脳明晰、巨乳の三大要素を全て持っているのがこの羽川翼である。
えっ?一つおかしいって?
……そうだな、頭脳明晰は何かに帰るか。
そして、結論を言うと羽川翼は異常である。
異常と言っても魔法少女だったり、プリプリキュアキュアしているわけではない。
普通に異常なのだ。
テストを受ければ満点を取り、何か質問をすればWikipedia並みに詳しく教えてくれる。
これだけでも異常だが彼女の本質はこんなものではない。
彼女は正し過ぎるのだ。
何をしても正解しどんな事をやらせても失敗しないし物事を正確に捉え行動出来る。
ハッキリ言って気持ち悪い。
だが、それと同時にいい奴でもある。
この場合のいい奴は「都合のいい奴」ではなく本当にいい奴ほうだ。
そうだ、羽川に少し戦場ヶ原について聞いてみよう。
さすがに気にはなってしまう。
「なあ、羽川。戦場ヶ原ってどんなやつだ?」
「……、戦場ヶ原さん?いきなりどうしたの?」
俺が聞くと羽川は少し間を空けて答えた
「いや…その、少し気になってな」
「ふーん、でも珍しいね比企谷くんが他人に興味を示すなんて」
「まあ、ちょっとな……」
「他人に興味を持つのは友達作りの第一歩かもしれないしそんな詳しくはないけど分かることだけなら教えてあげるよ」
「すまない、助かる」
ーーーーーアニメと同じーーーーー
なるほどな、戦場ヶ原の体重の原因は過度なダイエットとかではないか、やはり。
これは少し俺が動かなければいけなそうだな。
「すまん羽川、あと任せていいか?」
「いいよ、あとはまとめるだけだしね」
俺はありがとなと一言いい教室から出た。
教室を出て待ち構えていたのは戦場ヶ原ひたぎだった。
えっ?なにストーカー?
「あなた、私のストーカーか何かなの?」
あっ、逆に言われた。
「はあ?なんのことだ?」
「そう、あくまでもとぼけるのね。ならいいわ、比企谷くんと言ったからしら?」
ほほう、俺のことを知ってるのか。
「ああ、そうだけどそれがどうしっ!」
俺が話していると空いていた口にはホッチキスが入れられていた。
「1997年8月8日生まれ。友達なし、彼女なし、家族は両親二人と妹一人の4人家族」
個人情報が漏れている。
「比企谷くん少しお願いがあるの聞いてもらえるかしら?………あら、そう。右側が寂しいのかしらなら埋めてあげるわ」
そう言い右側にはカッターがログインした。
「いい、今日あったことは全て忘れ今後一切私に関わらないと誓いなさい。………はいの時は頷いて、いいえの時は口を閉じなさい」
俺はすぐに頷いた。
「そう、ありがとう。それにしても迂闊だったわ階段にバナナの皮が落ちてるなんて」
バナナを食ったやつ出てこい!
「じゃあ、約束を破ったらどうなるか……分かるわよね?」
そう言いながらカッターとホッチキスを俺の口の中から抜いたと同時にホッチキスで口の中を刺した。
「っっっ!」
「あなたが悪いのよ。変に探ろうとするから。……じゃ、これからは関わらないよう努力してちょうだい」
そう言い彼女は去っていった。
あー、いってー。
本当にいてー。
俺はすぐにホッチキスの針を取ると戦場ヶ原のあとを追った。
階段を降りたところに戦場ヶ原はいた。
そして、俺が声をかけると振り向きこう言った。
「そう、あなたも結構やるのね。………じゃあ戦争をしましょう」
そう言いどこにしまっていたのか分からないが文房具を何十個何百個と出した。
たが、俺は戦うつもりなど全くない。
「ちょっとまてよ、人の話を聞け。……これを見ろ」
俺はそう言いながらさっきホッチキスで刺されたところを見せた。
そこには傷は愚か跡さえ残っていなかった。
ふぅ、疲れる。
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