愛し方を知らない孤独な銀狼   作:鎌鼬

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主人公である神楽の簡易プロフィール投下しておきますね。

如月神楽

誕生日 四月七日
身長 125㎝
体重 34kg

前世の記憶はあるが生まれた直後から親より受けていた虐待のせいで一度精神崩壊した為に『それをしたという記憶はある。しかし誰に、どんな風にしたかは思い出せない』といった具合で欠落している。

生まれてからずっとまるで呪いでも受けているかのように他人から嫌われ続けている。今のところ神楽のことを嫌っていないのは教会の人間だけ。それと同時に神楽が受け入れている人間もそれだけである。

左目は親からの虐待が原因で潰れ、医療用の眼帯を付けて隠している。

顔はシュライバー、髪は銀に近い白だがそれは天然ではなく虐待によるストレスで色素が抜けたため。目の色は茶色。



第3話

 

 

「ふぅ…………」

 

 

誰もいない夜の砂浜を歩く。無条件に他人から嫌われ拒絶される僕が堂々と出歩くには夜しか無い。これは神父様とシスターに引き取られて精神が安定してからの日課でもあった。

 

 

小学三年生になって四月も終わりに近づいて来たが僕の生活は変わらない。始めの日にだけ学校に行ってそれ以降は家に籠って神父様やシスターの手伝いをしている。世間一般からしたら不登校だと思われるかもしれないが僕のことを分かっている二人は無いも言わないでくれる。

 

 

まぁ…………時折僕のことを学校に通わせようと自称友人たちが群れをなしてやって来るのだがあれは何なのだろうか?こちらのことを考えているのなら辞めてほしい、徒党を組んでやって来るとか何なんだろう。毎日朝夕に飽きもせずにやって来て…………その内夜の間も教会の前にいそうで怖いんだけど。

 

 

「やっぱり夜の海はいいな…………うん?」

 

 

砂浜を歩いているとそこに蒼く光る何かを見つけた。気になって近づきそれを拾ってみると蒼い宝石だった。

 

 

「宝石?どうしてこんなところに」

 

 

落とし物、という訳では無さそうだ。となると波に運ばれて流れ着いて来たのか。持ち主がいないようなら貰っておこう。

 

 

「ってあれ?まだあるや」

 

 

少し離れたところにも拾った物と同じ宝石が落ちていた。それも拾い、もしかしてと思ってしばらく探してみたら他にも宝石が見つかった。

 

 

「五個も落ちてた…………みんなで分けられるね」

 

 

結果拾った宝石の数は五つ、僕を含めた教会のみんなで調度割り切れる数だった。これは調度いい、みんなで分けて大切にしよう。

 

 

思わぬお土産が出来たことで少し浮かれ、鼻唄を歌いながら家に帰ることにした。

 

 

「ふんふふ~ん♪ふふ~ん♪ふーーーーーーーーーーッ!?」

 

 

教会に帰る途中の道、住宅街ではあるが人に会わないように人気の無い道を選んで通っていた時、全身の毛が逆立つようなざわついた感覚を味わった。

 

 

「何か…………来る!?」

 

 

それは僕のこれまでの経験が産んだ危険察知能力とも言える。前に歩いていた時にこの感覚に陥った時にその場から慌てて離れ、翌日にニュースで僕の通り道の直ぐそばの家で強盗殺人があったと流れていた。あの時のことを考えると何かが起きようとしているとしか思えなかった。

 

 

全力で走ってその場から離れる。100m、200mと息切れするまで走ったがざわつきは治まるどころか大きくなっている。体力が持たないと判断して近くにあった公園に駆け込んで、穴だらけの遊具の中に隠れることにした。大人だったらはみ出すだろうが子供の僕ならば全身を隠すことができる。

 

 

外から見えないように体を丸めて息を潜める。その間もざわつきはドンドン強くなってくる。今まで感じたことの無い程のざわつきに心臓は外にも聞こえているのでは無いかと思うほどに煩くなっている。

 

 

そうして隠れているとーーーーーーーーーーざわつきの正体が現れた。

 

 

『■■■■■■■…………』

「(なんだよあれ…………!?)」

 

 

現れたのは黒い塊としか言えない何かだった。ジブリの映画に出てくる祟り神と呼ばれるのを黒くしたらあんな感じになるのか。少なくともまともな存在じゃないのだけは確かだった。

 

 

祟り神モドキは何かを探すように公園にやって来て身を震わせながら公園内を徘徊する。僕に出来る事など見つからないように縮こまって震えていることだけ、早くどこかに行ってほしいと願いながら震えているとーーーーーーーーーー突然狭い空間に閉じ込められた時の息苦しさのような物を感じ、祟り神モドキは上から落ちてきた何かに押し潰された。祟り神モドキは爆散し、風圧がこちらにまで届いてくる。

 

 

「(こ、今度は何!?)」

 

 

未知との遭遇で頭の中が一杯になりパンクしそうだった、理解できなくて目から涙が出てくる。それでも気絶してしまえば逃げられなくなるので必死になって堪えて何が起きたのか理解しようとする。

 

 

祟り神モドキのいた場所には刀身が捻れた一本の剣、それと砂浜で拾った物と同じ蒼い宝石が落ちていた。あれが祟り神モドキを押し潰した?ってか今の世の中で剣って!?

 

 

「思念体の除去完了っと。思っていたよりも弱かったな」

『お疲れ様ですマスター』

 

 

そして…………上から赤い服を着た色黒の少年が降りてきた。今あいつ上から来たよね!?今目の前で起きているのが現実なのかどうか分からなくなってきた。

 

 

「ったく、モブ風情がゴチャゴチャうるせぇんだよ。俺こそが真のオリ主だって言うのに脇役風情が粋がりやがって」

『そうです、私のマスターこそが主人公ですのに』

 

 

あそこにいるのは一人しか見えないのに声は二つ聞こえている。ホントもう泣き出してしまいたい、涙鼻水垂れ流して顔をグチャグチャにしてしまいたい。でも我慢だ、ここで泣いたらあいつにバレる。あいつの目的は僕じゃなくて祟り神モドキのはず、だったらこのまま見つからなかったら襲われないはずだ!!

 

 

「さて、これでジュエルシードゲットだな」

『待ってくださいマスター…………背後にジュエルシードの反応、数は…………五つです!!』

 

 

ざわつきが、あの祟り神モドキが現れたときよりも強くなり、反射的に地面に倒れこむ。そして感じたのは突風、そして破壊音。顔を上げてみれば…………僕が隠れていたはずの遊具は跡形もなく消えていた。

 

 

「ーーーーーーーーーーは?」

「ッチ、てめぇかよ」

『マスター…………あれは何ですか!?何故あんなにまで不快感を感じさせる生き物が生きているのですか!?』

「知らねぇよ、ただの不登校の奴だが一目見たときからあんなのだった…………そうだ、いいこと考えた」

 

 

黒塗りの弓を持った色黒の少年が顔を醜く歪ませる。

 

 

逃げなければならないと頭は分かっているが、体は金縛りにあったかのように動かなかった。

 

 

「本当だったら触れたくもねぇんだが…………光栄に思えよ?オリ主であるこの俺の手を煩わせるんだからよぉ!!」

「ガハッ!?」

 

 

色黒の少年が僕に近づいてきて蹴ってきた。同じ子供の蹴りとは思えない大人のような重さの蹴りが腹に突き刺さり飛ばされる。

 

 

「ウェッ!!ゲボッ!!」

「さて…………その目にするか」

 

 

腹を蹴られて苦しんでいる僕に少年が近づいてきて眼帯を取り上げられーーーーーーーーーー潰された目に、あの祟り神モドキが残した蒼い宝石を捩じ込んできた。

 

 

「あぁーーーーーーーーーー?あぁーーーーーーーーーーあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ハッハッハァ!!喜べよ!!無くなってた目の代わりをくれてやったんだ!!そんでさっさと暴走体になりやがれ!!オリ主であるこの俺が華麗に倒してやるからよぉ!!」

 

 

何を言っているのか聞こえない。少年の高笑いさえ届かない。癒えた傷口を抉られ、異物を捩じ込まれた激痛が煩い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして、どうして僕ばかりがこんな目に合うのだろうか?

 

 

嫌うのならばそれでいい。

 

 

好かれようなど思っていない。

 

 

勝手に嫌い、拒絶しろ。

 

 

だからどうかーーーーーーーーーー僕に触れてくれるな。

 

 

苦痛と恥辱を与えてくれるだけなのなら、

 

 

僕に触れてくれるな。

 

 

僕に触れるのは僕を愛してくれる者だけでいい。

 

 

愛無き者が、僕に触れるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焼けるような苦痛の中で現れた神楽の渇望(ねがい)、それを願いを叶える願望器であるジュエルシードは聞き届けた。

 

 

だが、それは主役を気取る少年の思惑通りではない。

 

 

少年が与えたジュエルシード一つと、神楽が砂浜で拾った五つのジュエルシードが、起こしてはならないものを呼び覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーVorüber,ach,vorüber!(あぁ わたしは願うどうか遠くへ )

 

geh,wilder knochenmann!(死神よどうか遠くへ行ってほしい)

 

Ich bin noch (わたしはまだ老いていない)

 

jung, geh, Lieber!(生に溢れているのだから)

 

Und rühre mich nicht an.(どうかお願い触らないで)

 

Gib deine Hand, (美しく繊細な者よ)

 

du schön und zart Gebild!( 恐れることはない手を伸ばせ )

 

Bin Freund und komme (我は汝の友であり)

 

nicht zu strafen.(奪うために来たのではないのだから)

 

Sei guten Muts!( あぁ恐れるな怖がるな )

 

lch bin nicht wild,(誰も汝を傷つけない )

 

sollst sanft in meinen (我が腕の中で愛しい者よ)

 

Armen schlafen!( 永劫安らかに眠るがいい)

 

創造(Briah)ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

今宵ここに、最速の殺意は再現される。

 

 

 




神楽覚醒回。かなり強引だった自覚はある、だが私は謝らない。だってこうでもしないと覚醒出来ないのだから。

時間としては原作の魔法少女なのは爆誕回、しかし描写はしない(断言)

そして始めっからクライマックス(創造的な意味で)
創造の名前を出していないのは間違ってないです。この創造は神楽が暴走で起こしたもので正式な創造には至ってませんから。

次回は虐殺回ですよ~♪(愉悦顔)


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