原作効果もいい加減にしろ!   作:なのは3931

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七話までタイトル詐欺レベルの内容だったのでプロローグ作りました。




プロローグ

広大な宇宙空間の様な場所―――

 

そこの景色はあらゆる物が削り取られた欠片の様な風景だった――

 

無の空間に思い出したかの様に何かの残骸が漂っている――

 

 

極めて代わり映えしない景色、その中で唯一他とは違う存在がそこにあった――

 

 

 

『……』

 

『……』

 

 

 

人の様な何かが二対に対峙していた。大きさも距離感も性別も分かりづらい。

 

 

ただ一つ分かる事があった―――

 

 

『……』

 

 

片方はこの暗い世界を照らすような輝きを持っている。その者を例えるなら光という表現がふさわしい。

 

 

 

『……』

 

 

片方は対照的に暗い、圧倒的に暗い。その者が出す黒いオーラはこの一帯を黒く染め上げる程だ。

この世界をここまで殺風景にしたのはこの者であろう…。

 

 

『いつまで黙っているつもりだい?○△◇?』

 

黒い方が白い方に問いかける。

 

『諦めなよ、君たちはもう終わりさ。この世界はボクが支配する』

 

『…なぜこのような事を?●▼◆?』

 

 

白い方が黒い方へ問いかける――

 

 

『分からないのかい?分からないだろうねぇ?分からないからそんな風に平然としていられるんだ。こんなおかしな世界で…』

 

『おかしい?一体何がおかしいというのです?私からしたらおかしいのはアナタです』

 

『だろうねぇ…ボクはおかしくなっちゃったんだ、気付いてはいけない事に気付いてしまった』

 

『?』

 

 

白き者は黒き者の言うことが理解できない、一体何に気付いたというのか?

 

 

『キミはこれが何に見える?』

 

 

そう言ってその者が取り出したのは一枚のカード、この世界ではありふれておりこの世界の根幹を成すもの。

 

 

『知らない筈が無いでしょう、それはデュエルモンスターズのカード。私たちを形作ったもの…』

 

 

『ブブ~!不正解!マジック&ウィザーズって意味でもないよ?正解は【遊戯王 ARC‐V オフィシャルカードゲーム】さ!』

 

『遊戯王…?』

 

『やっぱり君でさえ何にも分かって無かったんだね?』

 

 

黒き方は滑稽な者を見るように白き方を見る。

 

 

『君はなんでも知っている様で実はなに一つ分かっていなかったという訳だよ、ワトソン君?』

 

『先ほどから意味の分からない事を…!』

 

『分からないなら教えてあげるよ!君はこの世界が一枚のカードから生まれたと思っているんだろう?』

 

『何を言っているのです?そんな事は私が一番…』

 

 

 

『アレね、真っ赤なウソ。本当はこの世界はたった一人の人間が生み出したんだ』

 

『なっ!?何を馬鹿なことを!』

 

 

『信じられ無いかい?この世界は一人のいわゆる【漫画家】が生み出した物語の世界なんだ』

 

『物語の…世界…?』

 

 

黒き者の言葉に白き者も動揺を隠せない。

 

 

『分かったかい?ボクがこうなったワケを!この世界は作り物の偽物だったんだ!僕たちも君も後付けで作られた存在に過ぎない!そういう風に世界が書き換えられ、後付けの存在が足され、幾多の平行世界が作られ、人間共を楽しませる為に僕たちは巻き込まれ戦わせられて未来を弄られる!』

 

 

『……っ!』

 

 

『だからボクは全てを終わらせる事にした…、この世界を掌握し、ボクの望む世界を作り上げる!いいやそれだけじゃない!』

 

 

『それ以上何を望むというのです?』

 

『この世界を作った漫画にこんな話があった…子供たちがあるゲームに夢中になった。ペットのモンスターを育成するゲームさ。たまごっちを元にした話なんだけどね?飼い主はゲームのペットのいう事に従い続け、まるでペットの方が主の様になってしまうんだ』

 

 

黒き者が何を言いたいのか理解出来ない。この者は一体何を望むというのか?

 

『本来僕らは僕らを見ている【彼ら】に干渉出来ない、どれほど力が強かろうと神の様な絶対的な力を持っていても僕たちは指一本彼らに触れる事は出来ないし彼らに影響を与えることは出来ない…ピカッと光らせる例外もあるけど…。だがその精神、心の方はどうだい?』

 

『まさか…』

 

『そう、人は物語を読んで感動したり怒りを覚えたりする。僕らに愛着を覚えて嫁と勝手に認定したりする。そしてそれは現実世界にも影響が出る事もある』

 

 

『まさかさっきの話は…!?』

 

『そう、僕が彼らを操るのさ!その漫画の雑誌に似たようなものがあった、電子ドラッグとやらで人々を操る話さ!これまで僕たちを好き勝手弄ってきた者たちを今度は僕が操るのさ!』

 

 

この者は狂っている…!真実を知ってなおそう確信できる。

 

 

『なぜあなたはそうまでしようとするのです…!』

 

『おかしな事を言うネ?僕をそう作ったのは紛れもない彼らだよ?人々を冷笑し狂気にまみれさせるのを望んでいる…それがボクさ』

 

『…』

 

 

『でもそんな僕だからこそこの世界を深く観察し、この世界の矛盾に気付いた、そして絶望しかけたよ…僕を作ったのがあの心底見下していた人間だったなんてねぇ?こんな事許せないよねぇ!?』

 

 

その者の黒いオーラが一気に膨れ上がる。感情が爆発し自分でも力が制御できないのであろう。

 

『だから壊してやるのさ!あいつらが作った役割(ロール)通りにね!この世界も外の世界も陰で支配する邪神として!』

 

 

『そんな事は…させません!』

 

 

黒き者の言葉に相対して白き者が戦闘態勢に移る。

 

 

『君ならそう言うと思ったよ、何せそういう風に作られたんだから。でもボクは負けない。ここで君を倒してこの世界を完全に支配する…』

 

 

黒き者もそれに呼応して戦闘態勢に移る。

この世界の決闘法、それはもちろん……

 

 

『決着をつけましょう…。決闘(デュエル)で…!』

 

『いいぜ…!ここまで追い詰められてまだ勝てる気でいるのなら、まずはその幻想をぶち壊す!』

 

 

 

お互いの体が光り、石板が積み重ねられる。

白き方は40枚ほど、そして黒き方はその数およそ二万…!

 

 

『君の戦力はもうその40前後だけ、それで僕に勝てると思っているのかい?』

 

『たとえ数で負けていても…、残っているのは精鋭中の精鋭たちです。無理やり数を従わせているだけの貴方には負けません』

 

『ッチ!減らず口を!言っとくがボクが事故るなんて思わない方がイイよ?』

 

お互いが五枚の石板を自分の前に並べる。

これから始まる…。世界の存亡を賭けた戦いが…。

 

 

『『決闘(デュエル)!』』

 

 

 

白き者 L4000

 

 VS

 

黒き者 L4000

 

 

 

『まずはボクのターン、ドロー!手札からジェネクス・ウンディーネを召喚、デッキからフィッシュボーグ-ガンナーを墓地に送り、ジェネクス・コントローラーを手札に加える』

 

 

ジェネクス・ウンディーネ

効果モンスター

星3/水属性/水族/攻1200/守 600

このカードが召喚に成功した時、

デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。

デッキから「ジェネクス・コントローラー」1体を手札に加える。

 

 

『さらに墓地のフィッシュボーグ-ガンナーの効果、手札のジェネクス・コントローラーを捨てて墓地から再生する。』

 

 

 

フィッシュボーグ-ガンナー

チューナー(効果モンスター)

星1/水属性/魚族/攻 100/守 200

自分フィールド上にレベル3以下の水属性モンスターが存在する場合、

手札を1枚捨てて発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

このカードをシンクロ素材とする場合、

他のシンクロ素材モンスターは全て水属性モンスターでなければならない。

 

 

 

『シンクロ召喚の準備がもう整うとは…!』

 

 

『そうさ、レベル1チューナーモンスター、フィッシュボーグ-ガンナーとレベル3のジェネクス・ウンディーネをチューニング…名状しがたき者よ…その姿を現せ…古神ハストール!』

 

 

 

いあ! いあ! はすたあ! はすたあ くふあやく

ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ

あい! あい! はすたあ!

 

 

古神ハストール ATK2300

 

 

黒き者が人間では理解することすら拒むような言語でナニカを唱えると、巨大な蛸の様なナニカが映り、その後黄色のぼろ服を纏った化身が現れる。断じてショタではない。

 

 

 

『さらにカードを二枚セット、ターンエンド…』

 

 

 

黒き者

 

手札6→3

 

古神ハストール ATK2300

 

伏せカード2枚

 

 

『私のターン…ドロー!……私はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師をペンデュラムゾーンにセッティング』

 

 

時読みの魔術師(アニメ効果)

ペンデュラム・効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻 1200/守 600

【Pスケール:青8/赤8】

①:1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体を対象とした罠カードの発動と効果を無効にできる。

その後、その罠カードは墓地へ送らず、そのまま魔法&罠ゾーンにセットする。

【モンスター効果】

①:1ターンに1度、Pゾーンのカードを対象とした魔法・罠カードの効果を無効にできる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

星読みの魔術師(アニメ効果)

ペンデュラム・効果モンスター

星5/闇属性/魔法使い族/攻 1200/守 2400

【Pスケール:青1/赤1】

①:自分のPモンスターが戦闘を行うバトルステップに発動できる。

1ターンに1度、魔法カードの発動と効果を無効にする。

その後、その魔法カードは墓地へ送らず、そのまま魔法&罠ゾーンにセットし、このターン再び発動できない。

【モンスター効果】

①:1ターンに1度、自分のPモンスター1体がフィールドから離れた時に発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

白き者の両端に二体の魔術師が現れる。

 

 

『元の世界の力をそのまま使役するか…やってくれるね…』

 

 

『貴方もそうやって今まで蹂躙してきたではありませんか、今度はこちらの番です。ペンデュラム召喚!現れなさい、レベル7、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!ブラック・マジシャン!E・HERO ネオス!』

 

 

 

1◇PENDULUM◆8

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ペンデュラム・効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

【Pスケール:青4/赤4】

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の(1)(2)のP効果は

それぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。

(2):自分エンドフェイズに発動できる。

このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。

【モンスター効果】

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、

このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500

ブラック・マジシャン ATK2500

E・HERO ネオス ATK2500

 

 

 

両端に現れた二体のモンスターが光の柱を展開し、その間に三体のモンスターが現れる。

かつて世界を幾度となく救ってきた戦士たちが今終結する。

 

 

『オッドアイズで古神ハストールを攻撃!灼熱の炎スパイラルフレイム!』

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500

 

VS

 

古神ハストール ATK2300

 

 

『ハストールを撃破!さらにオッドアイズが戦闘で与えるダメージは倍になります』

 

 

黒き者 L4000→3600

 

『だがハストールの効果発動…ネオスに自身を装備。これによりネオスは攻撃できない』

 

 

 

 

古神ハストール

シンクロ・効果モンスター

星4/風属性/爬虫類族/攻2300/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 

(1):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

墓地のこのカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。

装備モンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

(2):このカードの効果で相手モンスターに装備されているこのカードが

フィールドから離れた場合に発動する。

自分はこのカードを装備していた相手モンスターのコントロールを得る。

 

 

 

黄衣の者は破壊される寸前に奇妙な舞踏を踊った…。

そしてその踊りをネオスは見てしまった…。

 

破壊された瞬間、黄の布がネオスに纏わりつき拘束する…。

 

 

『ですが貴方のフィールドはがら空き…行きなさい、ブラックマジシャン!』

 

『ならモンスターを呼び出すぜぇ!罠発動!死霊ゾーマ!』

 

 

死霊ゾーマ(原作効果)

永続罠

このカードは発動後モンスターカード

(アンデット族・闇・星4・攻1800/守500)となり、

自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。

このカードが戦闘によって破壊された時、

このカードを破壊したモンスターの攻撃力分の倍のダメージを相手ライフに与える。

(このカードは罠カードとしても扱う)

 

 

『このカードはモンスターにもなる罠…さあ攻撃してきな?』

 

『その効果は分かっています…。カードを一枚伏せターンエンド…』

 

 

白き者

手札6→0

 

Pゾーン

 

時読みの魔術師

星読みの魔術師

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500

ブラック・マジシャン ATK2500

E・HERO ネオス(ハストール装備) ATK2500

 

伏せカード1

 

 

『ボクのターン、ドロー!フフフ!神を見せてあげるよ!それも創造神を!』

 

『何ですって!?』

 

『ボクは神属性・創造神族を選択しこのカードを発動する!』

 

 

(発動条件が種族・属性を宣言すること?一体何をする気なのか?)

 

 

『リバースカードオープン!鏡像のスワンプマン!このカードもモンスターとして扱う!』

 

 

鏡像のスワンプマン

永続罠

(1):種族と属性を1つずつ宣言して発動できる。

このカードは発動後、宣言した種族・属性を持つ

通常モンスター(星4・攻1800/守1000)となり、

モンスターゾーンに特殊召喚する。

このカードは罠カードとしても扱う。

 

 

『スワンプマンは泥で出来たコピーさ。雷に打たれた男の下の泥が何らかの現象で死んだ人間とまったく同じ姿、記憶、思考をした【モノ】になった…それは厳密には違う【モノ】だが本人すらも別の【モノ】になったとは分からないだろう…ならこれはもはや【本物】と言っても良いんじゃないかな?』

 

 

『そんなことは今は関係ありません。私を惑わそうとしても無駄です…!』

 

『おお、コワイコワイ!スワンプマンはこの世で唯一である創造神族へと変わる…』

 

 

鏡像のスワンプマン 神属性・創造神族 星4 ATK1800

 

 

『そして二体のレベル4モンスターでオーバーレイ!ランク4、鳥銃士カステル!』

 

 

鳥銃士カステル

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/風属性/鳥獣族/攻2000/守1500

レベル4モンスター×2

「鳥銃士カステル」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードのX素材を1つ取り除き、

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを裏側守備表示にする。

(2):このカードのX素材を2つ取り除き、

このカード以外のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを持ち主のデッキに戻す。

 

 

『鳥銃士カステルの効果!オーバーレイユニットを二つ取り除きオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをデッキに戻す!』

 

『くっ!?』

 

カステルの羽ばたきによってオッドアイズは光の球体となってデッキに戻っていく。

 

『ペンデュラムモンスターは破壊しただけじゃ戻ってくるからね、デッキの奥底に消えてもらったよ』

 

『ですがモンスターはまだ残っています』

 

『言っておくがボクはまだ通常召喚をしていないんだぜ?レッド・リゾネーターを召喚!』

 

 

 

レッド・リゾネーター

チューナー・効果モンスター

星2/炎属性/悪魔族/攻 600/守 200

「レッド・リゾネーター」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが特殊召喚に成功した時、

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力分だけ自分はLPを回復する。

 

 

 

『レッド・リゾネーターの効果、手札からシンクロ・フュージョニストを特殊召喚する!』

 

 

シンクロ・フュージョニスト

効果モンスター

星2/闇属性/魔法使い族/攻 800/守 600

(1):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

『レベル2のレッド・リゾネーターとレベル2のシンクロ・フュージョニストをチューニング…出でよ炎の王、シンクロ召喚…レベル4、古神クトグア…』

 

 

ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ・ぐあ なふるたぐん いあ! くとぅぐあ!  

 

  

古神クトグア

シンクロ・効果モンスター

星4/炎属性/炎族/攻2200/守 200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。

フィールドのランク4のXモンスターを全て持ち主のエクストラデッキに戻す。

(2):このカードを素材とした融合召喚に成功した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

(3):フィールドのこのカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。

●このX召喚に成功した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

辺り一面が火の海と化し、全身が燃え盛るナニカが現れる。その姿はまさしく生きた炎としか表現のしようが無い。

 

 

『そしてシンクロ素材となった事でシンクロ・フュージョニストの効果、デッキから簡易融合を手札に加える…』

 

 

黒き者

手札4→2→3

 

 

『更に鳥銃士カステルと古神クトグアを墓地に送り旧神ヌトスを特殊召喚する!』

 

 

旧神ヌトス

融合・効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻2500/守1200

Sモンスター+Xモンスター

自分フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。

自分は「旧神ヌトス」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

 

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが墓地へ送られた場合、

フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

 

現れたのは美しき女性、ギリシャ風の兜を被っており例えるならヴァルキリーの様な姿をしている。

彼女は旧き印が描かれた盾を向け…

 

 

 

――クトグアと黒き者に攻撃した…。

 

 

 

『ヴオォォォォォッ!?アブねぇ!?』

 

 

黒き者がカステルを盾にして防御しクトグアとカステルは消え去った。

 

 

 

『ヌトセ=カームブルはクトゥグア達グレート・オールド・ワンを封印した立役者。やれやれ…だから旧神を使うのは嫌なんだ…大体外なる神と旧神とグレート・オールド・ワンが同じカテゴリーで戦うのがそもそもおかしいんだ…さらに簡易融合を発動!旧神ノーデンを融合召喚扱いで特殊召喚!』

 

 

黒き者 L3600→2600

 

 

簡易融合

通常魔法

「簡易融合」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。

レベル5以下の融合モンスター1体を

融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、

エンドフェイズに破壊される。

 

 

旧神ノーデン

融合・効果モンスター

星4/水属性/天使族/攻2000/守2200

SモンスターまたはXモンスター+SモンスターまたはXモンスター

 

(1):このカードが特殊召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。

 

 

 

カップラーメンが現れ中から髭を生やした老人が現れた。

 

 

『旧神であるノーデンスは本来グレート・オールド・ワンとは対立しているがむしろこの世界では逆…旧神ノーデンの効果!墓地からレベル4以下のモンスターを復活させる、蘇れクトグア…』

 

 

古神クトグア 星4

旧神ヌトス  星4

旧神ノーデン 星4

 

 

『クトグアとノーデンでオーバーレイ!外神ナイアルラをエクシーズ召喚する!』

 

 

外神ナイアルラ ランク4 DEF2600

 

 

現れたのは異形の塊、決まった形を持たず、常に別の何かへ変化している…

 

 

『クトグアの効果で一枚ドロー…さーらーに!ナイアルラの上に重ねてオーバーレイ!…現れろ外神アザトート!』

 

 

外神アザトート

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/悪魔族/攻2400/守 0

レベル5モンスター×3

このカードは自分フィールドの「外神」Xモンスターの上に

このカードを重ねてX召喚する事もできる。

このカードはX召喚の素材にできない。

 

(1):このカードがX召喚に成功したターン、相手はモンスターの効果を発動できない。

(2):このカードが融合・S・Xモンスターを全てX素材としている場合、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

相手フィールドのカードを全て破壊する。

 

 

黒き者

手札3→2→3

 

 

現れたのは黒き影。あまりにも冒涜的なその物質の周りを神々が囲んでいる。それもこの存在を守るためではなく怒りを鎮めるために…。それほどまでに強大な邪悪。

 

 

 

『アザトースは宇宙が始まった時から存在したとされ、この世の全てはアザトースの生み出した夢だと言われている…。まるで一枚のカードから生まれたこの世界の様な設定だね…』

 

 

『……』

 

 

『アザトースは外なる神とグレート・オールド・ワンを生み出した。ニャルラトホテプもアザトースに生み出され強大な力を持ちながら白痴であるアザトースの代わりに行動をしている…召喚条件にナイアルラから出せるのもそれが理由だ。だが…それも全て人間が作り出した設定だった!』

 

 

黒き者はアザトートを心底侮蔑した顔で睨んでいる。いやこの世の全てを憎んでいるのだろう…。

 

 

『アザトートの効果は融合・シンクロ・エクシーズのモンスターをエクシーズ素材にしている場合、エクシーズ素材を一つ取り除き相手の全てのカードを破壊する…』

 

 

『っ!?まさかその効果でこちらのカードを…!』

 

 

『まさか!効果を使うまでもないね!手札から大嵐を発動!』

 

『なっ!?』

 

 

大嵐

通常魔法

フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

『伏せているカードには消えてもらおうか!』

 

 

『罠発動!和睦の使者!』

 

 

和睦の使者

通常罠

このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、

自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

『ボク相手に和睦?二重の意味で面白い冗談だ。だがフィールドから離れた古神ハストールの効果!ネオスのコントロールを奪う!』

 

『!?』

 

 

ネオスはまるで何かに操られているかの様に黒き者へ向かって行った。

 

 

『ネオス…!』

 

『面白いモノを見せてあげるよ!手札から永続魔法【Get Your Game On!】を発動!』

 

 

『な…何ですかそれは…?』

 

 

白き者は思わず黒き者に尋ねる。この自分ですら知らないカードがこの世にあるとは思わなかったのだ…

 

 

『知らないか、そうだろうねぇ!このカードは【外の世界】のカードさ!その効果は自分フィールドの「E・HERO」と「ネオスペーシアン」の攻撃力を倍にする!』

 

 

『なっ!?』

 

 

Get Your Game On!

永続魔法(使用不可カード)

自分が「2007 Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME World Championship」に

参加していた場合のみ発動できる。

自分フィールド上の「E・HERO」と名のついたモンスターと

「N(ネオスペーシアン)」と名のついたモンスターの攻撃力は2倍になる。

 

 

 

※多分ですが彼はワールドチャンピオンシップ2007には出てません。多分。

 

 

E・HERO ネオス ATK2500→5000

 

 

 

『攻撃力5000…!』

 

 

『さあ…!カードを一枚伏せてターンエンドだ…』

 

 

黒き者 L2600

手札0枚

 

E・HERO ネオス ATK5000

外神アザトート ATK2400

旧神ヌトス ATK2500

 

 

 

Get Your Game On!

伏せカード一枚

 

 

 

白き者 L4000

手札0枚

 

ブラック・マジシャン

 

 

 

相手は全体破壊除去の効果を持つモンスターと攻撃力5000のモンスターを従えている。状況はこちらに圧倒的に不利である。

 

だが…諦めるわけにはいかない…。

 

 

 

『私のターン、ドロー!魔法カード【天よりの宝札】を発動!互いに六枚になるまでドローします!』

 

『六枚もドローさせてくれるのか!お優しいこって!』

 

 

天よりの宝札 (原作効果)

通常魔法

互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする。

 

 

白き者

手札1→6

 

黒き者

手札0→6

 

 

 

 

原作に出てきた最強クラスのドローカード…アドという概念がぶっ壊れている。

 

(手札は増やせたがリスクも大きい…このターンで決着をつけなければ…!)

 

 

 

 

『私は手札から【増援】を発動、デッキからジャンク・シンクロンを手札に加えます!更に手札から【調律】を発動!デッキからクイック・シンクロンを手札に加えデッキから五枚墓地に送ります』

 

 

調律(アニメ効果)

自分のデッキからチューナー1体を手札に加える。

その後、手札に加えたモンスターのレベルの数だけ

自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

 

 

『サーチ&墓地肥しか!』

 

『そしてジャンク・シンクロンを召喚!ジャンク・シンクロンの効果、墓地からレベル2以下のモンスターを効果を無効にして墓地から特殊召喚します!グローアップ・バルブを特殊召喚!さらに墓地からモンスターが特殊召喚されたことで手札からドッペル・ウォーリアを特殊召喚!』

 

『ジャンクドッペルか…!』

 

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

ドッペル・ウォリアー

効果モンスター

星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

(1):自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。

自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

白き者

手札6→4

 

 

『レベル3チューナー、ジャンク・シンクロンと、レベル2のドッペル・ウォーリアをチューニング、シンクロ召喚!レベル5、TG ハイパー・ライブラリアン!』

 

 

TG ハイパー・ライブラリアン SCX-1100(アニメ効果)

星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 

(1):このカードは機械族としても扱う。

(2):このカードが機械族を指定した魔法・罠の効果を受ける場合、このカードの元々の攻撃力・守備力は半分となる

(3):このカードがフィールド上に表側表示で存在し、

自分または相手がシンクロ召喚に成功した時、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

(4):このカードが破壊された時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

この効果で手札に加えたカードは、このターン使用できない。

 

 

『更に、ドッペル・ウォーリアの効果発動、レベル1のドッペルトークンを二体特殊召喚。更にレベル1チューナー、グローアップ・バルブとドッペルトークンでチューニング、シンクロ召喚、フォーミュラ・シンクロン!フォーミュラ・シンクロンの効果発動。一枚ドローします。更にライブラリアンの効果で一枚ドローします』

 

 

フォーミュラ・シンクロン(アニメ効果)

シンクロ・チューナー・効果モンスター

星2/光属性/機械族/攻 200/守1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体

(1):一ターンに自分はデッキから1枚ドローする。

 

白き者

手札4→6

 

『更に手札のレベル・スティーラーを墓地に捨て、クイック・シンクロンを特殊召喚、レベル5チューナーのクイック・シンクロンとレベル1のドッペルトークンをチューニング、シンクロ召喚、レベル6、ジャンク・ガードナー!シンクロ召喚に成功した事でさらに一枚ドローします』

 

 

クイック・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、

「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚できる。

 

 

ジャンク・ガードナー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻1400/守2600

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、

表示形式を変更する事ができる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた場合、

フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、

表示形式を変更する事ができる。

 

 

白き者

手札6→4→5

 

 

ジャンク・ガードナー ☆6

フォーミュラ・シンクロン ☆2

TG ハイパー・ライブラリアン SCX-1100 ☆5

ブラック・マジシャン ☆7

 

 

『レベル・スティーラーが墓地に…来るかッ!』

 

 

『そしてレベル・スティーラーの効果、ジャンク・ガードナーのレベルを1つ下げ墓地から守備表示で特殊召喚!これで…揃いました…!』

 

 

レベル・スティーラー(アニメ効果)

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

白き者のフィールド

 

レベル・スティーラー ☆1

ジャンク・ガードナー ☆6→5

フォーミュラ・シンクロン ☆2

TG ハイパー・ライブラリアン SCX-1100 ☆5

ブラック・マジシャン ☆7

 

 

『私はレベル2のシンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンと二体のレベル5シンクロモンスターでチューニング!現れなさい!シューティング・クェーサー・ドラゴン!』

 

 

 

シューティング・クェーサー・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000

シンクロモンスターのチューナー1体+チューナー以外のシンクロモンスター2体以上

このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。

このカードはこのカードのシンクロ素材とした

チューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの

効果の発動を無効にし、破壊する事ができる。

このカードがフィールド上から離れた時、

「シューティング・スター・ドラゴン」1体を

エクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

 

 

現れたのは白き龍、その白き輝きは相手の邪悪な闇と対抗する絶対的正義。

 

 

『やはりクェーサーか…。だが、D・ホイールに乗って無いんじゃそのカードの真の力は引き出せないよねぇ?』

 

『…貴方を倒すにはこれで十分です…さらに手札から、【二重召喚】を発動、そして…レスキューラビットを召喚します!』

 

 

二重召喚

通常魔法

このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

 

 

レスキューラビット

効果モンスター

星4/地属性/獣族/攻 300/守 100

「レスキューラビット」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードはデッキから特殊召喚できない。

(1):フィールドのこのカードを除外して発動できる。

デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

 

 

白き者

手札5→3

 

 

『っち、エクシーズか…!』

 

『レスキューラビットを除外してデュミナス・ヴァルキリアをデッキから二体特殊召喚します』

 

 

 

デュナミス・ヴァルキリア

通常モンスター

星4/光属性/天使族/攻1800/守1050

勇敢なる光の天使。その強い正義感ゆえ、

負けるとわかっている悪との戦いでも決して逃げない。

 

 

『レベル4が二体…来るか!』

 

『手札からエクシーズ・チェンジ・タクティクスを発動し、二体のレベル4モンスターでオーバーレイ!ランク4 No.39 希望皇ホープ!』

 

 

 

エクシーズ・チェンジ・タクティクス

永続魔法

自分フィールド上に「希望皇ホープ」と名のついた

モンスターがエクシーズ召喚された時、

500ライフポイントを払い、このカードの効果を発動できる。

デッキからカードを1枚ドローする。

「エクシーズ・チェンジ・タクティクス」は

自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない

 

 

 

No.39 希望皇ホープ ATK2500

 

 

現れたのは白き戦士。希望の象徴。

 

 

『ホープが場に出た事でライフを500払い一枚ドロー。手札からエクシーズの宝札を発動。ランク4のホープがいる為四枚ドロー出来ます!』

 

 

 

エクシーズの宝札 (漫画ZEXALオリジナル)

通常魔法

自分フィールド上にランク4以下のモンスターエクシーズが存在する時、 そのランクの数だけ自分のデッキからカードをドローできる。

 

白き者

L4000→3500

 

 

白き者

手札3→6

 

 

『さらにホープの上に重ねてエクシーズ召喚!SNo.39 希望皇ホープONE!更に一枚ドロー!』

 

 

SNo.39 希望皇ホープONE(漫画版)

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻2501/守2000

光属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上に

このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

 

このカードのエクシーズ素材を全て取り除き、

自分のライフポイントを1ポイントになるように払って発動できる。

相手フィールド上のモンスターを全てゲームから除外する。

その後、この効果で除外したモンスターの攻撃力の合計のダメージを相手ライフに与える。

 

 

白き者 L3500→3000

手札6→7

 

『ホープONEの効果はオーバーレイユニットを全て取り除き私のライフを1にし、あなたのモンスターを全て除外しその攻撃力の合計分のダメージを相手に与えるカード…私の勝ちです…!』

 

『やーれやれ、まさかもう勝った気でいるのかい?リバースカードオープン!』

 

『無駄です!シューティング・クェーサー・ドラゴンの効果は一ターンに一度相手のカード効果を無効にする効果!もはや止める術は有りません!』

 

 

 

 

『…それはどうかな?』

 

『っ!?これは…!融合!?』

 

 

クェーサーとホープが巨大な渦に巻き込まれ消えていく…。

相手ターンに相手のモンスターを融合素材にできるカード…そんな凶悪な融合カードが一枚だけ存在する…。

 

 

『ご名答、伏せていたカードは…【超融合】だったのさ』

 

 

超融合(アニメ版)

速攻魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できず融合召喚時に魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

 

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

黒き者

手札6→5

 

 

『融合素材となったクェーサーがどうやって防ぐんだい?まあ仮に残っていたとしても超融合を防ぐ事は不可能だけれども』

 

『ば…馬鹿な…!?何故アナタが其れを…!?』

 

『僕はあらゆる魔法を扱う事が出来る…というのはウソで、まあ外の世界から手に入れたんだよ』

 

 

ケラケラと笑いながら話す黒き者の言葉に引っかかる。

 

 

『何故です?超融合を持っているならこの世界と外の世界を繋ぎ超爆発を引き起こし、世界を破壊する貴方の目的も達成する筈…』

 

 

『何言ってんの?それじゃあ面白くないじゃん。ボクは人の苦しむ姿が見たいのに。一瞬で消しちゃったらつまんないじゃん…』

 

 

駄目だ…この者は狂っている…。

 

 

『デュエルを続けるよ?ボクが融合召喚するのは旧神ノーデン、ノーデンの効果、ハストールを墓地から特殊召喚する!』

 

 

黒き者

 

古神ハストール ATK2300

旧神ノーデン DEF2200

E・HERO ネオス DEF2000

外神アザトート ATK2400

旧神ヌトス ATK2500

 

 

 

『まだ終わってません…!千本(サウザント)ナイフを発動!ブラック・マジシャンがいる時、相手モンスターを全て破壊する!』

 

 

千本(サウザント)ナイフ(原作効果)

通常魔法

(1):自分フィールドに黒魔術師が存在する場合、

相手フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

 

 

ブラック・マジシャンが無数のナイフを投げ、モンスターを串刺しにし、全滅させる。

 

『だがハストールの効果、ブラック・マジシャンを拘束する!そしてヌトスの効果、ハストールを破壊する!これによりブラック・マジシャンのコントロールを奪う!』

 

 

『所有者の刻印を発動!ブラック・マジシャンを私の場に戻します!』

 

 

所有者の刻印(遊戯王R版)

通常魔法

フィールド上の全てのカードのコントロールは、元々の持ち主に戻る。

 

 

白き者

手札7→5

 

 

『ブラック・マジシャンで攻撃!黒・魔・導(ブラック・マジック)!』

 

 

黒き者 L2600→100

 

 

黒き魔導師の正しき闇の一撃が、邪悪な黒き存在にぶつかる。

 

 

『ぐっ!?…ふふ、少しキツかったよ…!』

 

 

『カードを四枚セットしてターンエンド…』

 

 

白き者

手札5→1

 

ブラック・マジシャン ATK2500

 

 

伏せカード4

 

 

 

(ギリギリ決められなかった。だが次のターンを耐えきれば…!)

 

 

 

『ボクのターン、ドロー!』

 

 

 

黒き者

手札5→6

 

 

 

『中々楽しかったよ……キミとのお遊びも!!』

 

『?!』

 

 

黒き者の周りが禍々しく変わる、まるで今まで手を抜いていたといわんばかりに…。

 

 

 

『ボクは手札から【ハーピィの羽根箒】を発動、キミの伏せカードを破壊する…』

 

『通しません!リバースカードオープン、【スターライト・ロード】!ハーピィの羽根箒を無効化しスターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚扱いで特殊召喚します』

 

 

 

ハーピィの羽根箒

通常魔法

(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

スターライト・ロード(アニメ版)

通常罠

(1):自分フィールドのカードを2枚以上破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。

その効果を無効にし破壊する。

その後、「スターダスト・ドラゴン」1体を(シンクロ)召喚扱いとして、エクストラデッキから特殊召喚できる。

 

 

『ハーピィの羽根箒の効果を無効化してスターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚します!』

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースして発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

(2):このカードの(1)の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。

その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

巨大な羽根を振り、突風を巻き起こすが光り輝く白き竜が立ち塞がりそれを防いだ。

 

 

 

白き者

手札1

 

ブラックマジシャン ATK2500

スターダスト・ドラゴン ATK2500

 

伏せカード3枚

 

 

黒き者

手札5枚

    

                             

『っち、かわされたか…だが所詮は無駄な足掻き…ボクは手札から【ニーベルングの財宝】を発動…!』

 

 

 

宝箱が現れ、その中から現れた指輪がスターダスト・ドラゴンにはめられる。

その瞬間スターダスト・ドラゴンは身動きが取れなくなる。

 

 

『こ…これはっ!?』

 

『ニーベルングの財宝はニーベルングの指輪をデッキから相手モンスターに装備する代わりにデッキから5枚ドロー出来るカードさ』

 

『なんですって!?』

 

 

 

ニーベルングの財宝(アニメオリジナル)

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動することができる。

デッキから「ニーベルングの指輪」1枚を相手フィールド上の魔法・罠ゾーンに置き、選択したモンスターに「ニーベルングの指輪」を装備する。

その後、デッキからカードを5枚ドローする。

 

 

ニーベルングの指輪(アニメオリジナル)

装備魔法

このカードを装備したモンスターは効果の発動、攻撃、表示形式の変更、リリースすることができなくなる。

このカードを装備したモンスターをコントロールしているプレイヤーは自分のターンのドローフェイズ時にカードを2枚ドローする。

このカードの効果によってドローしたカードの中にモンスターカードがあれば墓地へ送らなければならない。

(モンスターカードを2枚ドローした場合は1枚を選択して墓地に送る)

 

 

黒き者

手札5→9

 

 

『そして手札から【絶望の宝札】を発動!デッキから三枚のカードを選択し手札に加え、残りを墓地に送る!』

 

『なっ!?ふざけた効果も大概にしなさい!?』

 

『い や だ ね !アハハ!まさに絶望をもたらすカードだ!三枚を手札に加え約二万枚のカードを墓地に送る!』

 

 

 

絶望の宝札 (漫画ZEXALオリジナル)

通常魔法

自分のデッキからカードを3枚選択して手札に加える。

その後、自分のデッキのカードを全て墓地に送る。

 

 

数万もの石板が墓地に機関銃で発射される様に送られていく…。

 

 

黒き者

手札9→11

デッキ0枚

 

 

『そして手札からトワイライトゾーンを発動!墓地から海皇の長槍兵を三体特殊召喚!』

 

 

トワイライトゾーン

通常魔法

自分の墓地に存在するレベル2以下の通常モンスター3体を選択して発動する。

選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。

 

 

海皇の長槍兵 ATK1400

海皇の長槍兵 ATK1400

海皇の長槍兵 ATK1400

 

 

『そして、手札から永続魔法【とどまらぬ大地】を発動!』

 

 

 

とどまらぬ大地(漫画ZEXALオリジナル)

永続魔法

自分フィールド上にモンスターが存在する場合、

自分のライフポイントは自分フィールド上に存在する

モンスターの攻撃力を合計した数値になる。

 

 

『とどまらぬ大地の効果でボクのライフはボクの場のモンスターの攻撃力の合計値になる!』

 

 

黒き者 L100→4200

手札11→9

 

 

『削ったライフが…!?』

 

『悔しいでしょうねぇ…さて、フィールドにはモンスターが三体、上級モンスターを呼び出す準備が整った訳だけれども…』

 

 

(モンスターはレベル2が三体…エクシーズ…?いや…何でしょう、この嫌な感じは…?)

 

 

 

『ボクは【天声の服従】を発動!レベル8以上のモンスターを宣言し、そのカードがキミのデッキにあるなら、ボクの手札に加えることができる!』

 

 

 

天声の服従(原作オリジナル)

通常魔法

レベル8以上のモンスターカード名を1つ宣言する。

宣言したカードが相手のデッキにある場合は

1000ライフポイントを支払う事で、

そのカード1枚を自分の手札に加えることができる。

 

 

『なっ!?私のモンスターを召喚するというのですかッ!?』

 

 

自分のデッキに眠る上級モンスター、それも生贄を三体要求するカード。

 

嫌な予感が確信に変わる。

 

 

『ボクが宣言するカード、それは―――レベル10!【オシリスの天空竜】!』

 

 

 

白き者のデッキの石板の山から一枚の板が抜かれる。

 

 

その石板に書かれた名は―――

 

 

 

――――オシリスの天空竜。

 

奪われしカードは神…。

 

 

 

オシリスの天空竜 (原作効果)

効果モンスター

星10/神属性/幻神獣族/攻X000/守X000

このカードは、ドラゴン族としても扱う。

このカードを通常召喚する場合、

自分フィールド上に存在するモンスター3体をリリースしアドバンス召喚しなければならない。

このカードの召喚は無効化されない。

このカード罠・モンスターの効果を受けず、魔法カードの効果は一ターンしか受け付けない。

また、コントロールを奪う効果、リリースする効果、破壊効果を受けない。(上級呪文は例外とする)

特殊召喚されたこのカードは、エンドフェイズ時に墓地に送られる。

 

(1):このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×1000アップする。

(2):相手フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された時、そのモンスターが攻撃表示なら攻撃力を、守備表示なら守備力を2000ポイントダウンする。

この効果によって攻撃力または守備力が0になったモンスターは破壊される。

 

 

 

『この効果には1000のライフコストが必要だが、とどまらぬ大地の効果でライフは元に戻る…』

 

黒き者 L4200→3200→4200

 

『…ですが、例え貴方の手に堕ちようとも神は私を裏切りはしません…!』

 

 

そう、神は自分にふさわしくない相手には服従しない。

 

もし自分が認めた者以外が自分を操ろうものならルールを越え、使用者に牙をむく。

 

しかし黒き者は全く動じずに言葉を続ける。

 

 

『やれやれ…ボクでは神を従わせる事は出来ないと思っているようだけど…出来るんだなぁこれが…。フィールド魔法【神縛りの塚】を発動!』

 

『!?』

 

 

神縛りの塚

フィールド魔法

(1):フィールドのレベル10以上のモンスターは

効果の対象にならず、効果では破壊されない。

(2):フィールドのレベル10以上のモンスターが

戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

破壊されたモンスターのコントローラーは1000ダメージを受ける。

(3):フィールドのこのカードが効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。

デッキから神属性モンスター1体を手札に加える。

 

(4):神のカードを使役することが出来る。

 

 

 

『このカードは神を操る事が出来るフィールド魔法…』

 

『馬鹿な…!?そんなカードがある訳が…!』

 

『あるんだよ。人がそれを望んだからね、そしてこれにより神のカードを操れる!ボクに従え!オシリスの天空竜を召喚!』

 

 

天から雷鳴が轟き、紅き竜がその姿を現す。

その姿は巨大な蛇のようで、空を埋め尽くす程長い胴体をしており終わりが見えない。

 

現れし魔物は、神。

 

呼び出された竜は怒りを露わにし、ルールを越え自らを呼び出した召喚者を裁こうと二つの口を開ける。

 

だがどこからともなく大量の鎖がその姿を縛りオシリスを封じる。

オシリスが強制的に縛られ黒き者の思うがままに操られてしまった…。

 

 

『オシリス…!』

 

『アハハ!今どんな気持ち?信じてデッキに入れた神が自分の敵になるなんてさぁ!そして!オシリスの攻撃力はボクの手札の枚数で決まる!ボクの手札は7枚!よって攻撃力は…』

 

 

オシリスの天空竜 ATK 7 0 0 0 !

 

 

 

『…ッ!?』

 

 

攻撃力7000…白き者のモンスターの攻撃力は両方2500、その差4500。

攻撃を受ければ一撃でライフが0になってしまう。

 

 

『勝負あったかな?知ってると思うけど神に罠は通用しないよ?ミラフォとかもオシリスには無意味だ』

 

『……』ギリッ

 

『あれあれ?どうしちゃったのかな?奥歯噛み締めちゃって、もしかして図星だったりする?』

 

 

黒き者の挑発に反応してしまう。

三枚の内一枚は攻撃反応型の罠カード。神には通用しない。

このままバトルフェイズに移れば間違いなく決着がつく。

状況はかなり絶望的。だが―――

 

 

 

『…あなたはパンドラの箱という物を知っていますか?』"

 

『…はあ?何さいきなり…?』

 

『パンドラという女性がゼウスから貰った箱を開けた時、あらゆる災いが降り注いだといわれています。ですがその箱には最後に希望が残っていました…』

 

『さっきから何を言いたいのかな?』

 

『貴方は絶望をもたらしましたが最後に希望を残してくれました』

 

『何?』

 

(こいつ、一体何をする気だ…?)

 

 

『罠発動!【墓荒らし】!』

 

 

墓荒らし(原作効果)

罠&魔法

相手プレイヤーの墓地に置かれたカードを1枚奪いとる!!

 

 

 

『墓荒らしだとッ!?』

 

『私が奪うのは【絶望の宝札】!そして効果発動!選択するのは【クリボー】、【封印されし者の右腕】、そして【封印されしエクゾディア】!そして更にリバースカードオープン、補充要員!』

 

 

 

補充要員

通常罠

自分の墓地にモンスターが5体以上存在する場合に発動する事ができる。

自分の墓地に存在する効果モンスター以外の攻撃力1500以下の

モンスターを3体まで選択して手札に加える。

 

 

封印されしエクゾディア

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000

このカードと「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」

「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」

が手札に全て揃った時、自分はデュエルに勝利する。

 

 

 

エクゾディア、手札に自身の体を表すカード五枚を揃える事でのみ召喚出来るモンスター。

その力は創造神にも劣らない絶対勝利の力…。

 

 

 

『エクゾパーツを手札に加える気か……!?』

 

『今度こそ…私の勝ちです…!【封印されし者の左腕】【封印されし者の右足】【封印されし者の左足】を手札に加えます!』

 

『ば…馬鹿なッ!!?奇跡を起こしたと言うのかっ!?』

 

 

 

 

上空に並ぶ五枚の石板、五体全てが揃った事で封印されし力が解き放たれる…

 

 

 

 

 

『なあ~んちゃって(笑)』

 

 

 

『!?』

 

 

黒き者は先ほどまでの驚愕の表情から一転して愉悦の表情を浮かべた。

 

 

『は~…ほかにも使えるカードならいくらでもあったのに、ツメ甘すぎ。手札から【現世と冥界の逆転】発動…』

 

『馬鹿な!?セットもせずに罠を発動!?』

 

『見えるけど見えないものって奴だね、神のカードに気を取られて墓地に送っていたマキュラの事を気にも留めていなかった…』

 

 

『そんな…マキュラですって…!?』

 

処刑人マキュラ

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1600/守1200

このカードが墓地へ送られたターン、

このカードの持ち主は手札から罠カードを発動する事ができる。

 

 

現世と冥界の逆転(エラッタ前)

通常罠

自分の墓地にカードが15枚以上ある時、1000ライフを払い発動。

お互いに自分の墓地と自分のデッキのカードを全て入れ替える。

その際、墓地のカードはシャッフルしてデッキゾーンにセットする。

 

 

 

 

『墓地に送るカードを発動した時には当然懸念するべきカードだったはずだよ?さて、デッキと墓地をを入れ替えようか』

 

『…っ!』

 

『まったく…適当なバーンカード使っていればボクのライフは0になって勝ってたでしょうに…二万枚もカードがあったのにさっき使って見せたカードをわざわざ使うなんて、キミは決闘者としては三流だね…』

 

『くっ…!?』

 

 

お互いデッキのカードと墓地のカードを入れ替える。

が、黒き者は絶望の宝札でデッキが0枚な為墓地のカードがデッキが戻るだけだが…。

対象を失った補充要員の効果は不発となり、揃いかけたエクゾディアは消失してしまった。

 

 

黒き者 L6000

手札6枚

 

オシリスの天空竜 ATK6000

 

 

とどまらぬ大地

 

 

 

(ですが…まだ可能性ならあります…クリボーでオシリスの攻撃を防げば…)

 

 

クリボー

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200

(1):相手モンスターが攻撃した場合、

そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。

その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

『ボクは手札から第六感を発動!』

 

『!まだドローカードを持っていたのですか…』

 

 

第六感

通常罠

自分は1から6までの数字の内2つを宣言する。

相手がサイコロを1回振り、宣言した数字の内どちらか1つが出た場合、

その枚数自分はカードをドローする。

ハズレの場合、出た目の枚数デッキの上からカードを墓地へ送る。

 

 

『宣言する数字は「5」と「6」だ。知ってるかい?古代エジプトの時代から人はサイコロに運命を託していたらしいよ?当時は「アストラガルス」と呼ばれる動物の踵の骨で出来たイビツな物だったけどね…』

 

『…そんな事はどうでもいいでしょう?さっさと賽を振りなさい』

 

『おっほ!()を振りな()()、シャレかな?まあ確かに、それじゃあ…運命のダイス・ロール!』

 

 

黒き者の掛け声と共に投げたサイコロは回転し、やがて動きを止める…。

 

 

出目は…【4】!

 

 

『あぁ~!?外したぁ~!…外れてしまったからボクはデッキの上から4枚墓地におくるよ!』

 

 

石板が4枚、山札から墓地に送られる。

 

 

『おお?だけども良いカードが墓地に落ちた!これでボクの勝利の方程式は揃った!手札から【生還の宝札】を発動!』

 

 

 

生還の宝札(原作効果)

永続魔法

自分または相手が墓地からの特殊召喚に成功した時、

このカードのコントローラーはデッキからカードを3枚ドローする。

 

 

『生還の宝札…!またもやドローカードを…!』

 

『そして…【死者蘇生】を発動!墓地からモンスターを自分の場に復活する!』

 

 

死者蘇生

通常魔法

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

『墓地のモンスターを復活して尚且つ三枚ドローですか…』

 

『三枚?クククッ!そんなしみったれた枚数じゃ足りないねぇ!更に手札から速攻魔法【魔法効果の矢】を発動!』

 

『!?』

 

 

魔法効果の矢(原作効果)

速攻魔法

自軍の魔法効力を敵モンスターにあたえる。

 

 

『このカードは自分の場に作用する魔法カードの効果を相手の場に作用させる事ができるカード…』

 

『という事は…?私の場にモンスターをわざわざ復活させるというのですか?』

 

『ははは!そうさ!相手の場に蘇れ!ボクのモンスター!』

 

 

黒き者の墓地から白き者の場へモンスターが蘇る。

その姿は半透明の液体の様だった。

 

 

『このモンスターは…【リバイラルスライム】っ!?』

 

 

リバイラルスライム(原作効果)

効果モンスター

星4/水属性/水族/攻1500/守 500

このカードがフィールド上で破壊され墓地に送られた場合、

このカードは破壊前にコントロールされていたフィールド上に特殊召喚される。

 

 

 

『ご名答!そしてオシリスの効果!相手の場にモンスターが現れた時、そのステータスを2000下げる!さらにその効果でステータスが0になった場合、そのモンスターを破壊する!召雷弾!』

 

 

オシリスの二つの口の内、上の口が開き雷撃の玉を発射しリバイラルスライムに直撃する。

 

 

リバイラルスライム DEF 500→ 0

 

 

弱小モンスターを問答無用で破壊する神の攻撃でリバイラルスライムが消し飛ばされる。

 

 

『リバイラルスライム撃破!そしてリバイラルスライムの効果!このカードは超再生能力を持っている!よってキミの場に再び蘇る!』

 

 

リバイラルスライム DEF 0

 

『そしてこの瞬間!生還の宝札の効果で三枚ドロー!さらにリバイラルスライムが敵の場に現れた事で再びオシリスの天空竜の効果が発動!』

 

『これは…まさか…そんな…!?』

 

 

 

再び現れたリバイラルスライムをオシリスが召雷弾で破壊、リバイラルスライムが再生し三枚ドロー…原作でオシリスが負けた無限ループの状態が疑似的に再現されたのである。

だが原作と違う点はオシリスの使用者のターンであり、墓地にマキュラが落ちている事。

つまり任意のタイミングで速攻魔法か罠でこのループを終わらせる事ができるのだ。

 

 

黒き者

手札2→5→8→11→14→……

 

・・・・・

・・・

 

 

『そろそろいいか…手札から【強制脱出装置】発動。リバイラルスライムを手札に戻す』

 

 

強制脱出装置

通常罠

(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

リバイラルスライムは手札に戻り無限ループが終了する。

 

 

『さて、これによりボクの手札は…』

 

 

黒き者

手札2XXXX枚

 

 

『オシリスの攻撃力はボクの手札の枚数×1000ポイント。ボクの手札は二万枚を越えている、よってオシリスの攻撃力は二千万を超える!』

 

 

黒き者 L20000000

手札2XXXX枚

 

オシリスの天空竜 ATK20000000

 

 

 

二万の石板が王の財宝(ゲートオブバビロン)が如く黒き者の上空に並べられる。

 

手札二万以上、オシリスの攻撃力は二千万を超えた。しかも手札から罠を使い放題。勝敗は決したも同然だった。

 

 

 

『いや~手札が多すぎて困っちゃうわ~』

 

『こんな…事が…』

 

『いいねぇ、その顔…希望を与えられ、それを奪われる。その瞬間こそ人間は一番美しい顔をする!だけど、まだ足りないよ。もっともっと、最大の絶望を味わあせてあげるよ!』

 

 

『これ以上何をしようというのです…!』

 

『フフフ…ボクは再び天声の服従を発動、指名するのは…【オベリスクの巨神兵】!』

 

『っ!?オベリスクまで…!』

 

『まだだよ、更に手札から、【魔法再生】を発動!墓地の天声の服従を手札に戻す!』

 

『くっ!また…!』

 

『指名するカードは【ラーの翼神竜】!』

 

 

魔法再生

通常魔法(原作効果)

自分の墓地から魔法カードを1枚選択し、手札に加える。

 

 

『さらに手札から【陽気な葬儀屋】発動!手札から三枚のモンスターを墓地へ捨てる!』

 

 

陽気な葬儀屋

通常魔法

自分の手札から3枚までのモンスターカードを墓地へ捨てる。

 

 

『捨てるカードは、【暗黒界の尖兵 ベージ】2枚、そしてラーの翼神竜!』

 

『奪ったラーを捨てる…!?』

 

『さらにべージの効果、カード効果で墓地に捨てられた場合墓地から特殊召喚する!』

暗黒界の尖兵 ベージ

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1300

このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1600

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1600

オシリスの天空竜 ATK20000000

 

『そして手札から血の代償発動!ライフ計算はとどまらぬ大地の効果で不要!』

 

 

血の代償

永続罠

500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。

この効果は自分のメインフェイズ時及び

相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる。

 

 

『モンスターを二体召喚!』

 

 

ゴブリン突撃部隊 ATK2300

ゴブリン突撃部隊 ATK2300

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1600

暗黒界の尖兵 ベージ ATK1600

オシリスの天空竜 ATK20000000

 

 

『モンスターを三体生贄に…現れろ、オベリスクの巨神兵!』

 

 

青き巨人、いや巨神が手札より現れる…

 

 

 

オベリスクの巨神兵(原作効果)

星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

このカードを通常召喚する場合、

自分フィールド上に存在するモンスター3体をリリースしアドバンス召喚しなければならない。

このカードの召喚は無効化されない。

このカード罠・モンスターの効果を受けず、魔法カードの効果は一ターンしか受け付けない。

また、コントロールを奪う効果、リリースする効果、破壊する効果を受けない。(上級呪文は例外とする)

特殊召喚されたこのカードは、エンドフェイズ時に墓地に送られる。

 

自分フィールド上のモンスター2体を生け贄に捧げる事で、以下の効果を使う事ができる。

(1):相手フィールドのモンスターを全て破壊し、相手プレイヤーに4000の戦闘ダメージを与える。

(2):このターン、このカードの攻撃力は∞になる。

 

 

 

『更ににモンスターを召喚。そしてオベリスクの効果発動!モンスターを二体生贄にし、その力を高める!ソウルエナジーMAX!これによりオベリスクの攻撃力は 無 限 大 !』

 

 

 

オベリスクの巨神兵 ATK4000→∞

 

 

攻撃力無限大、数値などで測るのもおこがましい程の神の圧倒的力。

 

 

『そしてとどまらぬ大地の効果でボクのライフポイントはモンスターの攻撃力で決まる…』

 

 

黒き者 L20000000→∞

 

『ライフポイント…無限大…!?』

 

『さらに手札を二枚捨て【魔法石の採掘】を発動。死者蘇生を手札に戻し、そして発動。対象はもちろんラーの翼神竜!』

 

 

魔法石の採掘

通常魔法

(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

 

 

ラーの翼神竜(原作効果)

効果モンスター

星10/神属性/幻神獣族

攻:????/守:????

このカードを通常召喚する場合、

自分フィールド上に存在するモンスター3体をリリースしアドバンス召喚しなければならない。

このカードの召喚は無効化されない。

このカード罠・モンスターの効果を受けず、魔法カードの効果は一ターンしか受け付けない。

また、コントロールを奪う効果、リリースする効果、破壊する効果を受けない。(上級呪文は例外とする)

特殊召喚されたこのカードは、エンドフェイズ時に墓地に送られる。

 

(1):このカードの攻撃力と守備力は、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたモンスターの攻撃力・守備力を合計した数値になる。

また、自分フィールドのモンスターをリリースすることによって、その攻撃力と守備力をこのカードに加える。

(2):このカードが特殊召喚に成功した時、ライフポイント任意の数値を払って発動する。 このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。

このターンこのカードは相手フィールドの全てのモンスターに同時に攻撃できる。

また、「融合解除」を発動し、このカードの攻撃力を0にし攻撃力分の数値をライフポイントに加える。

(3):1000ライフポイントを払って発動する。 フィールド上に存在するモンスター全てをあらゆる効果・耐性を無視して破壊する。

 

 

 

三枚目の『神』が黒き者の元へ行く。

 

 

オベリスク、オシリス、ラーの三幻神が揃った。

 

 

『ラーの翼神竜の第二の効果!墓地から復活した時に自身のライフと引き換えに、ラーの翼神竜の攻撃力を上げる!!ボクのライフは無限大!よってラーの攻撃力も無限になる!』

 

 

ラーの翼神竜 ATK ∞

 

黒き者 L ∞→ 1

 

 

『ですが貴方のライフは残り1です…!』

 

『忘れたのかい?とどまらぬ大地の効果でボクのライフは元に戻る!』

 

 

黒き者 L 1→ ∞

 

『そんな!?』

 

 

 

黒き者 L ∞

手札約二万枚

 

 

オシリスの天空竜  ATK20000000

ラーの翼神竜    ATK ∞

オベリスクの巨神兵 ATK ∞

 

 

 

ライフは無限、手札は二万、弱小モンスターを全て蹴散らすオシリス。敵を全て蹴散らすオベリスク、耐性を無視して破壊する効果と全体攻撃を持つラー。どれも圧倒的なパワーである。

 

圧倒的絶望な状況…だが、

 

 

『だが…まだだよ、キミには最大の絶望を味わってもらう…』

 

『これ以上一体何をすると…!』

 

 

ニタニタと笑う黒き者、相手をいたぶる事を楽しんでいるのだろう…

 

 

『キミの墓地に行ったカード…その中に有る筈のカードが一枚無かったんだよねぇ…』

 

『!!? 』

 

 

『フフフ…ボクはたくさんの(カード)を手に入れた。でもね…本当に欲しい力はキミの手札にあるんだよねぇ!手札から【バンデット~盗賊~】を発動!』

 

 

バンデット~盗賊(とうぞく)~(原作オリジナル)

通常魔法

相手の手札を全て公開し、その中から1枚選択して自分の手札に加える。

 

 

 

『ふふ、そう言えばこの世界の王と君たちに立ち塞がった最大の敵は盗賊だったね。さあ、手札を見せてもらおうか?』

 

『くっ…!』

 

白き者の石板が全て裏返り手札が全て明らかになる。

 

 

『いいねぇその屈辱に塗れた顔…。どれを指名しようかな~』

 

 

わざとらしく悩むフリをする黒き者、最初から決めた上で煽っているのだ。

 

手札のカードは四枚、三枚は絶望の宝札で手札に加えたエクゾディアのパーツとクリボー…。

 

 

そしてもう一枚は――――

 

 

『なーにかな、なーにかな?フフ…ボクが選ぶカードは―――キミだよ!!レベル12!【光の創造神 ホルアクティ】!!』

 

 

『……?!』

 

 

光の創造神 ホルアクティ

効果モンスター

星12/神属性/創造神族/攻 ?/守 ?

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上の、元々のカード名が「オシリスの天空竜」

「オベリスクの巨神兵」「ラーの翼神竜」となるモンスターを

それぞれ1体ずつリリースした場合のみ特殊召喚できる。

このカードの特殊召喚は無効化されない。

このカードを特殊召喚したプレイヤーはデュエルに勝利する。

 

 

 

 

デッキから一枚のカードが黒き者の元へ行く。そのカードはデュエルモンスターズにおいて最強にして唯一の存在、ホルアクティ…。

 

 

『そ、そんな……』

 

『いいねぇ!その顔!最高だよ!!自分自身を奪われ、その力に敗北するなんて…これ以上の絶望は無い!』

 

 

『くっ…!』

 

『これで終わりだ…三体の神の名のもとに――神を束ねるっ!!現れよ!光の創造神、ホルアクティ!』

 

 

三体の神が合わさり一人の人間の姿へと変わっていく…。

その姿は白き者と全く同じ姿をしていた。

 

ホルアクティの効果は絶対なる勝利。ホルアクティが現れた事は白き者の敗北を意味していた。

 

 

 

 

ホルアクティ L 0

 

 

 

 

 

 

『あっはっはっ!ヤッタ!!ボクの勝ちだァ!!』

 

『……』

 

『あれ?その顔、もしかして悔しいの?プププ…!』

 

 

子供の様にはしゃぐ黒き者、だが急に素に戻った様に語り始める。

 

 

『…これでボクの勝ちが確定したわけだけれども…キミはさあ…ボクに本当に勝てると思っていたのかい?』

 

『…なんですって?』

 

 

 

嘲笑ともとれるがもっと別の意味を含んだ様子で黒き者がしゃべり始める。

 

 

『ボクはね、この世界のほぼ全てを掌握していたんだよ?』

 

『知っています、だから最後に私が立ち塞がって…』

 

『そう言う事じゃないんだよ』

 

 

ホルアクティの言葉を遮って話始める。

 

 

『ボクが掌握したと言っているのはこの世界を制圧したという意味じゃなくて、この世界そのもの、この世界の運命すらも自分の思いのままにできたんだよ』

 

 

『なん…ですって…!?ということは…!?』

 

 

『そうさ!このデュエルは初めからボクが勝つことが決まっていたんだよ!キミが出来た事といったら精々良い負けざまを演出する位のもの…』

 

 

『結末が決まっていた…という事ですか…』

 

 

おかしいと思う事はあった…HEROのサポートカードを申し合わせたかの様に持っていた。

手札コストが必要な超融合を手札ゼロの状態で伏せて置いたり、こちらの伏せカードに対する警戒が薄かったりどことなく危ういプレイングを平然と行っていた。

 

薄々分かっていた。今まで戦ってきた者たちも勝てない勝負では無かったのに皆が敗北した。まるでそれが当然かの様に…。

 

 

 

『そうさ、こんなデュエル、舐めプしながらだって僕にはできる!遊びさ。本気でやるわけないじゃん。遊びで君たちを狩ってるんだ。だって君たちは僕にとってハンティングゲームの獲物なんだから!』

 

 

そう黒き者は言い放った。この台詞も世界の何処かから引用したのだろう。

自分たちがしてきた事が全て無意味な抵抗だった。そう言いたいのだろう。

 

 

『さて、デュエルで負けたというこは…どうなるか分かっているよね?』

 

 

『デュエルは神聖なる儀式…その勝敗はあらゆる物事の決定権に影響します。私は貴方にデュエルで負けた…この世界を賭けた戦いに…』

 

 

『そう、という事はキミもキミの仲間たち全員も石板に封印されボクの支配下に堕ちるという事さ!創造神よ、これが絶望だ!』

 

 

 

子供の様にはしゃぐ黒き者、

そう、このデュエルではホルアクティら【光】の軍勢ら全ての存在を賭けた。

【この世界】に残った正義の存在は彼らだけ、という事は最早【この世界】には希望が無いのだ…

 

 

 

だが…

 

 

 

『まだ…【希望】は残っています…!』

 

『はあ?何を馬鹿な事を…!この世界にいる者たちは全てこのボクの影響下に入った!希望など何処にも無い!』

 

 

 

 

 

『それは…どうでしょうか?』

 

『……何?』

 

 

 

 

『確かに私たちは負け、デュエルに参加したモンスターたちは力を奪われています…デッキ、エクストラデッキ、手札、フィールド、墓地のカード達から力の消失を感じます。このデュエルはこの世界の命運をかけた決闘…言うなればこの世界そのものが広大なデュエルフィールドと言っても過言ではありません』

 

 

『何を突然…そうさ、キミはこの世界で絶対的な力を持っている。この世界全てに影響力を持つ程にね!だが…ボクの力はさらにその上!【外の世界】にすら干渉可能な力を持っている!』

 

 

黒き者の言葉通り、デュエルでのバトルでの影響は世界中に衝撃波が巻き起こった程だった…。

 

 

『このデュエルでボクが勝った以上、この世界のどこに隠れていようとも封印から逃れる事は出来ない!この世界に希望なんてもう無いんだよ!』

 

 

『ええ、そうです。この世界に最早希望はありません…。』

 

 

 

 

 

 

『ですがたった今、希望が生まれました…』

 

 

 

 

『何っ!?』

 

 

 

馬鹿な、この者は何を言っているのか?デュエルに負けておかしくなったのか?

そう思う黒き者に対し言葉を続ける。

 

 

『たしかにこの世界にいた私たちの仲間は例外なく全員封印されるでしょう。デッキ、エクストラデッキ、手札、フィールド、墓地…このゲームのフィールドにいた者は全て…』

 

 

 

悲しみのこもった声で呟く、だが最後に力の入った声で言った――

 

 

『ですが、この()()()()()()()()()()()存在はどうでしょうか?』

 

 

『何……!?ゲームから取り除かれた存在だとッ!?』

 

 

 

ゲームから取り除かれる、すなわちゲームから除外される。

デュエルモンスターズの世界で墓地よりも遠い所、初期ではゲームから取り除かれそのデュエルでは使用できないとまで書かれていた。

現在では除外した後も戻すカードが多様にあり第二の墓地になっているが…。

除外されたカードはデュエルフィールドのどこでも無い、ゲームとは関係の無い場所へ送られるのである。

 

 

『ゲームから除外したカードだと?そんなモノ一体いつ…ハッ!?』

 

 

 

 

 

 

【レスキューラビットを除外してデュミナス・ヴァルキリアをデッキから二体特殊召喚します】

 

【レベル4が二体…来るか!】

 

【二体のレベル4モンスターでオーバーレイ!ランク4 No.39 希望皇ホープ!】

 

 

 

 

 

『あの時か…!』

 

 

 

『そう、私たちの本当の希望はホープではなくあの子…【レスキューラビット】だったのです。』

 

 

 

見えるけど、見えないもの…ホープはレスキューラビットが除外された事を意識されない為のカモフラージュだったのだ。

 

いや、ホープだけではない…黒き魔術師(ブラック・マジシャン)英雄(ネオス)星屑の竜(スターダスト)二色の眼を持つ竜(オッドアイズ)も三幻神も自分でさえも

レスキューラビットから意識を逸らす為の囮だったのだ。

 

 

 

 

『ふふ、除外したカードの事を忘れるなんて、デュエリストとしては三流ですね!』

 

『ぐうううううううっ!?』

 

 

この時初めて黒き者が本気で悔しがった…。全てが自分の思い通りに進んでいなかった事にハラワタが煮えくり返っていることだろう。

 

 

 

『だからなんだ!?あんな子兎一匹で何が出来る!?あんな知能も低い雑魚モンスターがこのボクを倒せるとでも思っているのかっ!!』

 

 

『確かにあの子()()では無理でしょう…ですが言った筈です…あの子が行った所は【この世界】の外と…』

 

 

『この世界の…外…?まさかっ!?』

 

 

『そう…この仮想世界を作った【現実世界】です…!確かに外の世界にすら干渉できる貴方には私たちは絶対に勝てません…。物語のキャラクターがそれを見ている高次元の存在に干渉出来ないように…。

ですが、この世界を作った者と同じ【外】の人間ならどうです?』

 

 

 

そう、同じ次元の存在なら対等に勝負することができる。たとえ黒き者がこの世界の結末を自由に操作できるとしても、この世界より高位な現実世界から来た者の運命までは操作できない。彼らの運命を操作できるのはいるかも分からないさらに高位な神のみなのだ…。

 

 

『外の人間…現実世界の人間を連れてきてボクを倒させようというわけかっ!?』

 

『ええ、外の世界の者なら、貴方が壊そうとしているこの世界を守り抜き…貴方を倒す事も可能な筈です…!』

 

『くっ…!?』

 

 

『私たちだけでは外の世界に助けを呼ぶことが出来ませんでした…ですが外の世界に干渉できる貴方と戦う事で外の世界への道が開かれました。貴方は絶望をもたらしましたが、最後に貴方が希望を残したのです…!』

 

 

『チ…チクショオオオオオオオオッ!!!!』

 

 

全てが上手く行った…そう思っていたのになんだこれは?どうしてこうなるんだ?

黒き者は咄嗟に次元の狭間を確認する…。

 

 

 

 

『キュ~~~~~~ッ!!』

 

 

 

 

レスキューラビットが次元と次元の間を突き進む。

たった一つの希望を掴む為に…。

 

 

 

『まだだ!あのクソウサギはまだ外には出ていないッ!!外に出る前に封印、いやぶち殺してやるッッッ!!!』

 

『させませんっ!!』

 

 

力を失いながらも皆が一斉に黒き者へと立ち塞がる!

 

 

魔術師の師弟が、青き眼の白き龍が、赤き眼の黒き龍が、英雄が、虹色の竜が、シグナ―の竜が、三極神が、希望皇が、銀河竜が、二色の眼を持つ竜が、反逆の牙を持つ竜が、美しくも雄々しい翼の竜が、三幻神が、創造神が…

 

 

『ムカつくぜテメェら!!ボクの遊びをことごとく邪魔しやがって! なんでボクに気持ちよく遊ばせさせねぇんだ!ボクはお前たちが苦しむ姿を見ていたいんだよ!』

 

 

黒き者の前に一体、また一体と倒され、封印される…それでも彼らは立ち塞がるのをやめない…

 

幾度となく世界を救ってきたモンスター達が、攻撃力たった300の弱小モンスターに世界の希望を託したのだ…。

 

 

『いい加減沈めよ!沈めぇ!』

 

 

『頼みます…レスキューラビット…その名の通りこの世界を救う為の救援(rescue)を連れて来てください…』

 

 

 

『キュ~~~~~~ッ!!』

 

 

目を涙で滲ませながら次元の間を突き進む、そしてレスキューラビットは光に包まれ、外の世界へと旅立った…。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・

 

 

『クソッ!クソクソクソッ!?』

 

完全にしてやられた。窮鼠猫を噛むとはこのことだ。

あのウサギは外の世界から【遊戯王】をやっているデュエリストを連れてくることだろう…。

この世界のどこか、幾多の平行世界の幾多の時間、その中の一つに連れて来る筈…。

この世界は無数の平行世界が存在する。

 

例えば王国編ではペガサスが死ぬ世界(漫画版)と生きる世界(アニメ版)、二つの世界が存在しどちらが正しいという訳ではない。両方正しいのだ。

ペガサスが死ぬ世界は遊戯王Rへと進み、生きる世界はGXへと進む、もちろん実際はもっと多い。

東映版だの劇場版だの、どっかの誰かが考えた安っぽい二次創作の世界なんかもあるかもしれない。

それらの中から外の人間を探し出し始末しなければならない。実に面倒な作業だ。

 

まあ外から来た者が世界の歴史に影響を与えれば、それが違和感として浮かび上がるだろう…。

本の文字を上から修正液で塗りつぶし文字を書き足す様なものだ。パラパラと本をめくっただけで目に付くだろう。それと同じだ。

 

 

『フッ…だがまあいいさッ!』

 

そうだ、所詮外の世界の人間など大した力の無い一般人。

そんな人間に世界の救世主となって世界を救うなどできるわけも無い。

現実は物語の様に甘くないのだ。この世界の物語の主人公の様に奇跡的な勝利を掴む事など出来はしないのだ。

これを見ているキミだって世界を救えって言われて救えると思うか?できるワケが無い。

その辺の安っぽい二次創作の様に簡単にはいかない。人一人に世界を救う事などできはしないのだ…。

 

 

『キミだってそう思うだろ?』

 

 

黒き者は()()()を向いてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《某カードショップ》

 

 

 

ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!

 

ジャアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

 

 

「FOO↑スッキリしたぁ!」

 

 

いきなり糞まき散らして登場した青年。

彼はどうやらカードショップのトイレで用を足していた様だ。

 

 

()()()()のまま帰るのはどうかな~?」

 

喋りながらウンコと言ってしまう糞野郎である。

 

 

「おっすおっさん!」

 

「お~○○、用は済ませたか?」

 

 

おっさんと呼んでいる男はこの店の店長である。

 

 

「ばっちり!」

 

「手はキチンと洗ったか?」

 

「…さ~てストレージ漁ろっ!」

 

「おいこら」

 

 

店長の言葉を無視して店内を探索する…。

 

(と言っても、特に欲しいカードも無いんですが…)

 

 

新パックは毎度出た日に三箱買って残りは単品で買っている。

イベントや応募なども毎回欠かさず関わっている為、特に持っていないカードは存在しない…。

 

 

「おっ?…これはっ!?」

 

 

目に付いたのはカードでは無くスリーブ、しかも彼がやっている遊戯王のスリーブではない。

 

 

「ストパンのシャーリーちゃんではないか!?」

 

「ふっ…お前欲しいって言ってたろ?」

 

「ありがとう!店長がいなかったらア○ゾン辺りで注文するしか無かったよ!」

 

「あんまりありがたみを感じねーな…」

 

「ううん、感謝してるぜ!」

 

 

店長に感謝の意を伝え即座に購入。ホクホク顔でお家に帰る。

いや~欲しい物が手に入った時って幸せな気持ちになりますね~。

 

今日は色々と満足です。はい。

 

 

(帰ったら何でしよう…やっぱりデュエリストなら遊戯王かな…)

 

そう…この男初期からのデュエリスト、いやコ○ミどころかバ○ダイの頃からの付き合いである。

映画を見に行ったのも記憶に残っている、いわゆる古株のプレイヤーである。

家に帰ったら当然遊戯王のデュエル脳なのだ。

 

 

 

(遊戯王でやるならやはり杏子か、いやムチムチボディの明日香、いやあのデカいお乳のアキさんか。しかしたまにはロリぃな小鳥でも、いやそれなら柚子ぐらいが一番いいか、脇も良いし、でもロリならピケクラという選択肢も…いやしかしここはやはり王道を往くブラック・マジシャンガールですかね…?)

 

 

訂正、この主人公最低である。

 

デュエル?知るか馬鹿!そんな事より○○○ーだ!

 

 

 

※この作品はシリアス:おふざけ、が1:9の割合です。1の部分は前半で使い切りました。シリアスはもう二度と帰って来ないかも知れない…

 

 

 

そんなこんなで道を歩いていると、

 

 

(ん?道路に遊戯王が落ちている…)

 

一枚の遊戯王カードを発見。誰かが捨てたのかそれとも落としたのか…

手に取って確認してみる。

 

(ふーん、こいつかぁ…)

 

エクシーズが出始めた頃に出てきたカードである。使った事がある者も多いだろう。

 

 

『……』

 

「ふーん…、捨てたろっ!!」

 

『?!』

 

ぽいーと後ろに放り投げ、落ちていた辺りに再び戻った。

 

 

(持ち主が取りに戻るかもしれんし、そのままにしとこっ!)

 

 

そのまま歩き出そうとするが…ふとその動きを止める。

 

 

「なんだか…、俺はあのカードを拾わなくちゃいけない気がする…」

 

 

何故だか分からない。まるでサブリミナルでガイコツの絵を見てアンデット・ウォーリアーを出さないといけないと感じたように、あれを拾わなければ大変な事になると感じているのだ。

 

 

「雨でも降ったらもう終わりだし…拾っておくか!」

 

 

『ホッ…』

 

 

カードを手に取りカバンに入れる。カードは拾った。

 

(そうだ、せっかくだからこいつを使ったデッキを作ろう。今度あいつらとやる時にお披露目だ)

 

思い立ったが吉日。早速内に帰ったらデッキを組もう。

彼は自分に課せられた運命をよそに、自宅に向けて足を歩み始めた…。

 

 

 

世界の運命を賭けたデュエル。

 

片方は勝利の決まっていた戦いで絶望を与えた。

 

片方は敗北の決まっていた戦いで希望を託した。

 

この勝負の真の勝者はどちらであろう…

 

その答えは彼にかかっている…。




元は本編での一デュエルにする予定がなんかプロローグになってた。
本当はクトゥルフデッキ使いたかっただけ。本編じゃ自由に神のカードとか使えないからね。
出来れば各主人公対ラスボス対決や三幻神対三邪神とかアニメじゃ神扱いの三極神の活躍とかしたかったけど長くなりそうなのでカットしました。
一応黒き者の正体はバレバレな気がするが秘密。決して他作者様の作品にまんま出てきたからボヤしておこうとかじゃないです。
白き者達は自分たちが勝てない事を薄々感づいており、それでも諦めず負けが決まった戦いで自らも犠牲にしながらも希望を繋ぎました。デュミナス・ヴァルキリアのフレーバーテキストをわざわざ載せたのはその為でした。後はOCG使って俺TUEEEな主人公が無双して世界を救ってくれるでしょう(え?原作カードの方がヤバい?知らん、そんな(ry)。

御覧の通りこの作品はまともなデュエルをしないので真面目なデュエルが見たい人はブラウザバックを推奨します。

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