Talesof・Lyrical spin-off〜救世主の軌跡〜 作:かもめカメ
ルドガーの開始の合図により、セシリアは銃を構えてそして撃った。
しかし…
ガキィィン!
「なっ⁉︎」
「ん?…レーザーなのに相殺されてちゃ、話にならないぞ?」
なんと、セシリアが放ったビームはディセが放った矢に相殺されてしまったのだ……普通ではあり得ない事なのだ。
まず、レーザーやビームは銃器の形や構造こそは物理的技術だが、放った際に放たれる弾丸等は科学的技術で作りあげられた光学兵器である。
対して弓矢はと言うと形は勿論、構造、そして弾丸等は全て物理的技術のみで作りあげられた逸品である。
レーザー等には熱量反応がある。
それに対して矢は熱や火に対しては先端に取り付けない限りは灰となって消えるしかないのである。
つまり…何が言いたいのか?
答えは至極単純。矢は絶対に光学及び科学兵器には勝てないと言う事である。
だが、ディセの放った矢はそれを相殺させた。
それ即ち、先の根本を簡単に覆してしまったと言う事である。
「あり得ませんわ⁉︎」
「そう言ってる暇があったら頭上を注意する事だな!」
「え?……⁉︎」
セシリアが普通では絶対に不可能な事をやってのけたディセに対して、驚愕させていたが、そう言ってる間にディセからの一言で頭上を見ると、そこから多数の矢が降ってきた……雨のように。
「しまっ…きゃあああ!」
「震天!更に…」
しまった…と言おうとしたセシリアだが、それを許さず、矢の雨がセシリアを襲った。
だが、ディセは更に矢を番え、頭上に向けてまた放った。
「天の嘆き!」
すると今度は範囲こそ先程よりも一回り小さいものの、それを補うかのように先程の1.5倍の量の矢の雨が降ってきた。
「エンドレスブルー!」
更に追い討ちでまた矢の雨を降らせるディセ。
セシリアはその行動により最早、一歩も動ける隙を与えてくれなかった。
「うぐっ⁈…?」
徐々にダメージを受けていくセシリア。
だが、此処でふとある物を見た。それは自分を守るシールドエネルギーの残量メーターだった。
普通ならダメージを食らえばシールドエネルギーはそれに反応し、エネルギーを消費して己を守ってくれる。
しかし、セシリアが見たのは残量メーターがほんの1,2%程度しか消耗していなかった事だった。
「(変ですわ…普通なら、あれ程の量では消耗量は途轍もなく多い筈なのに…ほんの1,2%程度しか減っていないのは可笑しいですわ⁉︎じゃあ…一体…)」
セシリアは模擬戦そっちのけで思考を巡らせていた。
だが、それが仇になった。
「セシリア!」
ふと、一夏の声が聞こえて来たので、現実に戻るとそこには既にディセの姿が無かった。
「⁉︎何処に⁈」
「ぼぉーとしてるのは良くないぜ!」
「‼︎きゃあああ‼︎」
探そうとした矢先に真上から声がして、そのまま攻撃を食らった。
しかし、流石代表候補生。
受け身に入って、そのまま銃による反撃をした。
それを見たディセは驚かされながらも瞬時に後方へと回避した。
「ふぅ…危ねえ危ねえ」
「いつの間に私の真上を⁉︎」
冷や汗を掻くディセに質問を飛ばすセシリア。しかし、ディセは直ぐにその質問の答えを言った。
「今のは瞬間移動攻撃技《陽炎》。敵の真上に瞬時に移動し、そのまま踏みつけ攻撃をする技さ。まあ、それは良いとして…
これはお前のだよな?」
《陽炎》
それは相手の真上に直ぐに移動して、そのまま踏みつけ攻撃をする技。
それを先程、ディセは行ったのだ。
そんな事を言っているとディセが何かをぶらんぶらんと何かを振っていた。
それを見たセシリアは驚きを見せた。
「⁉︎私の武器!」
それはセシリアの唯一の近接武器《インターセプター》だった!
「い、い、いつの間に盗ったのですか⁈」
「?…ついさっき♪」
慌てながらも質問をするセシリアにディセはニコッと笑顔を見せながらそう答えた。そしてディセは弓を粒子変換させるとセシリアの武器を地面に刺し、そしてそのまま足で踏みつけた。
踏みつけた跡に残っていたのは地面に思いきり突き刺さったセシリアの武器が柄を残して後は全て埋まっていた。
そしてディセはそのまま拳同士をぶつけて、そしてファイティングポーズを構えた。
「良し!一丁暴れてやるか!」
これによりセシリアは近接時及び接近に持ち込まれた際の対処法が消去されてしまった。
つまり、接近されれば……
「…で、ですが!私に近付けなければ意味が無いですわ!」
と、セシリアがそう発した。
それを聞いた一夏は…
「…なんでだろう…デジャヴを感じるんだが…」
と、ぽそり呟いていた。
いや、デジャヴを感じるんだが…じゃなくて、諸にデジャヴですよね⁈一夏君⁈
「行きますわ!ブルー・ティアーズ!」
そう言ってる間にセシリアの機体から4基のビットが現れた。
それを見たディセはそれを見てニヤついて、
「ヘェ〜……弾返しの訓練には持って来いだな♪」
そう言い返した。
「た、弾返し?」
いきなり気になる用語を口にしたディセにセシリアは不思議がる。
弾をよける事やら、弾を全て止める事は流石のセシリアもそれは分かる事だった。
だが、弾返しとは何か?
それを気になりながらもビットに命令を繰り出した。
そうすると一基のビットからビームが放たれた。
それを見たディセは、構えを変えた。
先程は右手を前に左手を頭上に掲げるポーズだったのが、
そこから両手を腰あたりまで下ろしてはそこにクロスさせる形の構えを取った。
そしてビームがディセを襲った…刹那。
「
なんと手掴みでビットにそのまま返した……ビームを。
「⁉︎嘘ですわ⁈」
「よっし!実戦成功!」
ディセの言動によりセシリアはまた脅かされた。
一方のディセはと言うと実戦に成功したのか、かなりご機嫌だった。
《旋衝破》
それはかつて、ディセの前に現れた未来からやって来た娘・ヴィヴィオと共にやって来た女の子…アインハルト・ストラトスの
それをこの男…ディセはぶっつけ本番でやってのけたのだ…
化け物なのも大概にして欲しいものである…。
「それじゃあ行くぜ!」
そう言うとディセは真っ直ぐセシリアの方へと走ってきた!
それを見たセシリアは好機と言わんばかりにビットである《ブルー・ティアーズ》を展開させて、四方八方から射撃の雨が降り注ぐ!
「貰いましたわ!」
「はっ!セシリア・オルコット!貴殿は浅はかなり!」
セシリアが勝利宣言を発するも、当の本人ディセがそれを否定していた。
何故なら……
「⁉︎嘘…被弾して……無い⁈」
そう……ディセは全ての弾丸の雨の中を悉く避けているのだ!
「こんな雨!ルドガーがやった事より雲泥の差って言うもんだ!
こんなのに負けてたまるかよ!」
とディセが言っていた。
何故ここでルドガーが入ってくるのかって?
彼は仲間の内の1人にして黎明王の異名を持つ男・ガイアスと共に放つ合体秘奥義《閃剣斬雨・駕王閃烈交》を放つ際、
ルドガーはガイアスが放った光の斬雨の中を走っているのだ…。
常人では無理に等しい荒技である。
それを此処にいるディセは例えたのだ。
尤も、彼自身もシグナムと共に放つ合体秘奥義《炎剣斬雨・豪炎裂閃交》の際にはルドガーと同じポジションにいながら、炎の剣を模した斬雨の中を悠々と疾走しているので、化け物クラスなのは最早否定出来ない。
なので、弾丸降りしきる中を余裕で躱す事など朝飯前に等しい事なのだ。
「?(そう言えば、オルコット嬢の奴、さっきから一歩も動いていないな?それだと、敵に狙われるだけだってのに…もしや…?)」
とそんな中、ディセはセシリアの様子を見た。先程からビットの雨を降らせてはいるのだが、肝心の本人が微動だにしていない事に今更ながら気付いたのだ。
弾丸の雨を避けていながらそんな事を考えているディセは相変わらず凄いものだと思ってきている……。
と、そうこうしている内にディセはまた弓と矢筒を展開させてはその降りしきる弾丸の雨の中……
シュパァァン!
矢を放った。
「⁉︎くっ!」
流石のセシリアも一瞬動揺するも直ぐに回避に回った。
だが、それが仇になった。
「!(成る程な〜…そう言う事か!)」
ディセは直ぐに理解したのだ……
「セシリア・オルコット!貴殿はこれで負けは確定した!」
そうディセは言い放った。
「⁉︎な、何が言いたいので…「ビットの雨を降らせる間は、自分は動けない」⁈」
「その驚き樣だとビンゴらしいな?」
セシリアが何が言いたいのか問おうとした時、ディセの意表を突く言葉で、激しく動揺してしまった。
そしてそれと同時にディセに弱点を教えてしまったのだ。
「で、ですが!この雨の中で私を射抜く事など出来ませんわ!」
そう鼻を伸ばして天狗のように威張るセシリア。
だが、対してディセはマイペースに弓を構えた。
ただ、構え方が可笑しかった。
「アルマ。ダビングシステム…【プライマルエルヴンボウ】」
【了解。ダビングシステム…インストール】
そう言うと今度は弓の姿が変わって行く。
そしてその弓は鉄製から木製へと…変わった。
「先ずはビットを全て落とす!」
そう高らかに宣言したディセは弓を縦…では無く、横に構えた。
そして、
「矢は破壊の徒となり…地の果てまでも追い詰める!」
そう言うと多数の矢を散弾のように弾き飛ばした!
その攻撃により、前方のビット達に少なくても3HIT命中させた。
そして矢をまた番えて、
「
その一言で放った矢は光を帯びたたせ、まるで某光の巨人が放つ光線技のように弓と同じ長さから光の光線を発射させた!
その一撃により、セシリアは咄嗟に回避するも、右脚側のスラスターがヒットした。
そしてそれと同時に自身が守っていたビット達は全滅してしまった!
「嘘…⁉︎」
衝撃的な行動を見せられ、恐怖に駆られたセシリア。
しかしそんな彼女はまだ不幸の最中にいる。
センサーに警告表示が出されていた。
そして詳細を見ると先程のスラスターが完全にイかれていたのだ。
其れを見たセシリアはそのまま自動落下してしまう。
しかし、其の先には既にディセが拳を構えて来ていた!
「そんな⁉︎」
「チェックメイトだ!プリンセス!」
そう言うとディセは先ずは中段回し蹴りでセシリアを後方へと蹴り飛ばした。
「荒れ狂う殺劇の宴!その身を以って味わうがいい!」
そこから疾風怒濤のラッシュが決まる。
途中からは後ろへと回り更に追撃をして行く。
そして軽く吹っ飛ばした後に力を込めて一気に距離を詰めてそして、
「
「きゃあぁぁぁぁ‼︎」
最後に特大のストレートナックルをまともに受けたセシリア。
そしてそのままアリーナの反対側まで吹っ飛ばされた。
土煙が舞う。そしてそれが晴れた時…
セシリアのISは機能を停止していた。
「そこまで!この勝負、ディセの勝ち!」
ルドガーの審判により、ディセがセシリアに勝ったのであった。
「嘘だろ…」
自身の友人がこうも負けた事に未だに否定しているのは一夏であった。
さて、此処でおさらいしておこう。
先程、ディセが放った技は二つ。
先ず一つ目の技。名称《天威浄破弓》。
この技は彼の仲間の一人にして凄腕の狩人としての実力を持つ、
《時空剣士》クレスの親友…チェスターの秘奥義である。
その一撃で大地は抉り、そして光の矢で直線状の敵を一掃する。
弓使いとしては異例の荒くれ技なのである。
そして二つ目の技の名は《殺撃舞荒拳》。此方も先の技と同じ秘奥義である。
この技は手足を使い、相手一体に猛烈ラッシュ攻撃を繰り出す技である。
扱う人によっては同じ名称でも、攻撃パターンが変わる変則秘奥義である。
例えば、脚のみで戦う者が放つと、脚だけで攻撃をする事もあれば、
人形使いでは、その人形で猛烈ラッシュを繰り広げたりするのである。
今回ディセが使用したのは、彼の仲間の一人にして医学者であるジュードの攻撃パターンを真似たのだ。
彼の攻撃は、先ず回し蹴りで吹き飛ばした後、拳の連打を浴びせた後に、そのまま相手の真後ろを取ってそこから更に追撃を食らわせ、そして最後に右手のストレートでフィニッシュさせると言う物である。
ディセはこの二つを使って
尚、その後はセシリアをお姫様抱っこさせてはそのまま医務室に運んで行ったそうな……。
そしてそれを見た生徒は羨ましい目をされたのは言うまでも無く、
セシリアは一夏以外の男の人がお姫様抱っこされた事で、顔を茹で蛸状態にさせていたのは言うまでも無い。
…と言うより、何このフラグ?…
次の世界…何処にしよう…。
次回
対戦後の様子