徒然なる中・短編集(元おまけ集)   作:VISP

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前半のホラーリヨぐだ子と後半の説明を書くためのお話。



よくある転生作家系サーヴァントの話 いつかのイベント編とステータス

 「石板ルーラーが逃げたぞー!」

 「追え、逃がすなぁ!!」

 「絶対に捕らえろ!マスターが帰って来る前にだ!」

 

 (いやはや流石にこれは無いんじゃないかなー?)

 

 

 とある美味しいイベント期間中、無銘のルーラーは度重なる周回に嫌気がさして逃げ出した。

 

 

 ……………

 

 

 始まりは、いつものコメディ系イベントが始まった事だった。

 開始と同時にマスターは貯めた聖晶石をつぎ込んでガチャ=召喚を実行、多数のイベント専用礼装を獲得すると、新たに発生した微小特異点に殴り込みを掛けた。

 そこで見つけてしまったのだ、今現在足りていない全ての素材と多額のQPを同時に稼ぐ事の出来る戦場を。

 但し、問題があった。

 

 

 敵が全てライダー属性だった。

 

 

 効率的な周回には☆5相当のNP供給力を持ったキャスターの存在が必要不可欠なのは自明の理だ。

 しかし、弱点属性のみの戦場では使い難く、もしもの時の事故が怖い。

 無論、無理を押しての出撃は可能だが、今回はマスターは正攻法を選んだ。

 即ち、「弱点属性のキャスター以外のサポート鯖で殴れば良い」である。

 ここで参考に無銘のルーラーこと石板の著者さんのFGO的ステータスとスキル、宝具を簡単に開示してみよう。

 

 

 筋力C 耐久D 敏捷E 魔力B+ 幸運C 宝具EX

 

 スキル1…無辜の怪物B:自身に毎ターン星獲得状態を3T付与

 スキル2…高速執筆C:自身のNPを大量に増やす(最大で100)

 スキル3…深淵の叡智B:味方全体のNPを増やす(一律20)+味方全体の精神弱体耐性3Tダウン(デメリット)

  

 宝具「『最古聖典・人理英知(キタブ・テリフィ)』」

  汎用性の高い石板による効果を支援に限定したもの。

  人類史の石板に記された情報を元に、味方を最盛期の状態に近づける。

  神代系の鯖には効果大だが、後世の史実系鯖には単に回復と魔力補給に留まる。

  味方全体の全状態異常を解除・味方全体のHPを回復・神代系鯖の攻撃力と防御力UP(3T)・味方全体にNPを50供給(OCで最大70まで上昇)

 

 

 はっきり言って、周回デスマーチ不可避である。

 1T目から自分で宝具使用可能かつ味方にも大量のNP増やす上に回復・攻防UPとなればマーリンばりに持久戦にも対応可能。

 なお、カード構成もA3B1Q1と典型的なキャスターそのものなので、他の☆5キャスター勢と同じ様に組み込み易い。

 何より、ルーラーなので対ライダーや対アルターエゴであろうと問題なく運用できるのが大きい。

 こんなサーヴァント、そりゃもう重宝されるのが当然で、彼はステラァッ!!さんと同じくこのカルデアで最初期に絆レベル上限到達(その後上限突破)させられた鯖の一人となった。

 故にこそ、彼の過労死は必然であった。

 

 

 (今回という今回は絶対に嫌だとも。私には紫式部君が揃えてくれた玉石混交の各種小説を読むために事前に休暇申請していたのだから。) 

 

 

 その予定だったのだが、見事新たなイベント特異点の発生で、彼の願いは潰えてしまった。

 だがまだだ、まだ終わらんよ!と赤くてロリコンでシスコンでマザコンの三重苦で額が心無し後退してる彗星の人の様な事を考えつつ、無銘のルーラーは自身の宝具で作った隠れ部屋に潜みつつ、他の周回☆5キャスター勢が諦めるのを待った。

 だがしかし、現実は非常であった。

 

 

 バギャンッ!!

 

 

 何の前触れもなく、ルーラーの隠れ部屋の隠し扉が金色の斧に突き破られた。

 

 「な…!」

 「はぁいルーラー」 CV金田朋子

 

 某有名な「輝き」と「それ」のホラー映画をミックスした様な光景。

 つまり、破られた壁からこちらを見つめる瞳孔かっ開いた二頭身の少女となったマスターの姿に、ルーラーの全身が総毛立つ。

 

 「休憩は楽しかった?礼装の用意は?周回で血の小便撒き散らしながら走り続ける心の準備はおk?」

 「」

 

 よく見れば、マスターの背後にはバーサーカーの源頼光にアヴェンジャーの巌窟王、そしてよく見るステラぁ!!さんとかわいいスカディ様の姿が見える。

 誰がどう見たって周回前提絶対鬼畜確殺メンバーである。

 絶対に1Tで周回してやるという漆黒の意思を感じる…!

 

 「し」

 「し?」

 「周回はいやだあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

 カルデアに響いたルーラーの叫びはいつもの事として処理され、誰にも顧みられずに消えていった。

 この後、滅茶苦茶いっぱい周回した。

 

 

 ……………

 

 マテリアル情報 石板のルーラー

 

 最古の預言者にして賢者。

 外界神話の執筆者にして、人類の歴史と叡智を石板に刻んだ者。

 彼が刻んだ石板は人類史に無くてはならない多くの叡智を齎し、それ以上の災厄と戦乱を招いた。

 彼の素性は彼の石板の執筆者としか知られておらず、後世において多くの者の想像を掻き立てた。

 しかし、実際の彼はただ後世の者達がそれらを役立ててくれるように願った、極普通の人間だった。

 

 「私は人を信じているとも。人の悪性も善性も、美しさも醜さも。そして何よりそのしぶとさを。故に何れ人は私の残した知識をちゃんと有効活用してくれるだろう。それまでにどんな犠牲を払う事になろうともね。」

 

 基本的には陽気なお爺さんだが、根本的な所で常に第三者としての客観的な姿勢を崩さないが、それは後世の人間を信じているからこそであり、既に終わった死人が現世に手出しするべきではないという考えから。

 今回、人理の危機で尚且つ現世に対して何の欲望もない(但し執筆のネタとして観察する)ためにルーラーとして召喚された。

 が、本来はルーラーとしての適性は低い。

 これは抑止力による封印処置であり、彼の石板の本来の効果を封じるための措置である。

 

 

 

プロフィール1

 

 パラメーター

 筋力C 耐久D 敏捷E 魔力B+ 幸運C 宝具EX

 

 身長/体重:175cm・69kg

 出典:世界最古の石板群

 地域:アラビア半島

 属性:中立・中庸

 性別:男性

 

 なお、筋力が他の作家系サーヴァントよりも多少あるのはずっと石板刻んで執筆してたから。

 

 

 

プロフィール2

 

 その氏素性は全くの不明である。

 世界最古の石板全ての共通の執筆者という点のみであり、それ以上の事は分からない。

 それでも彼が人類とその未来を信じ、その知識を後世に託した事だけは確かな事だった。

 

 「何で態々ルーラーに…。まぁ歴史好きな私の方がこの戦いには向いてるとは思うがね?」

 

 

プロフィール3

 

 宝具「『最古聖典・人理英知(キタブ・テリフィ)』」

 無銘のルーラーが持つ唯一の宝具、その最もポピュラーな使い方。

 彼が刻んだ世界最古の石碑にある神代を除いた2011年までの人類史、その一部を指定して再現する。

 限定化された空想具現化であり、記述された人類史上の出来事ならば魔力さえ用意できるのならば幾らでも展開できる。

 攻撃・防御・回復・強化・陣地設置など、極めて汎用性に富むもののその知名度の高さから燃費が悪い。

 初期型原爆程度の火力だと、マスター(普通の魔術師)の全てを使い潰して漸く使用可能となるため、純粋な打ち合いでは最上位の聖剣等には劣る。 

 汎用性の高い石板による効果を支援に限定したもの。

 人類史の石板に記された情報を元に、味方を最盛期の状態に近づける。

 神代系の鯖には効果大だが、後世の史実系鯖には単に回復と魔力補給に留まる。

 宝具名はアラビア語での歴史書から。

 

 スキル1:無辜の怪物B

 彼の氏素性は全くの不明であり、後世の人々は彼の事を想像でしか知らない。

 本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を表すこのスキルを高いランクで保持している。

 美幼女からお爺さん、エルフから邪神までと多種多様な想像をされた辺り、どっかの第六天魔王ばりに後世のネタとして重宝された。

 なお、本人は「面白いからOK!」と自分が女体化やら外界神話に出る邪神眷属呼ばわりされても何のその。

 執筆するのに問題無いしネタが増えるのならカモン!状態である。

 

 

プロフィール4

 

 スキル2:高速執筆C

 その一生涯を石板に叡智と神話を刻む事に費やした彼の生前の行いから来るスキル。

 執筆活動に関してはどんな道具(筆や鉛筆のみならずPCやタブレット等の精密機械等)でも可能となる他、執筆活動そのものが早くなる。

 このスキルさえあれば、締め切りにも怯えなくて済むとは本人の談。

 なお、作家系サーヴァント(同人組含む)からはガチで嫉妬されたりしてる。

 

 スキル3:深淵の叡智B

 この世ならざる領域を覗き、知識を手にしてしまった事で得たスキル。

 しかし、彼は自分の意志で覗き込んでしまったのではなく、本来この世ならざる領域にあった彼の魂がこの世界に落ちてきた事で刻まれてしまった。

 この世界の人間として再誕した彼は、警告と誰かが有効活用してくれる事を願って後世の人類へとその叡智を託した。その生涯の全てを賭けて。

 だが、皮肉にもその叡智は人類に多くの成功と栄光を与えるも、それを遥かに上回る災厄と戦乱を巻き起こした。

 しかし、彼は諦めてはいない。

 人類は歴史から失敗を学び、短所を埋め、長所を伸ばす事が出来る存在だと信じているから。

 

 

プロフィール5

 

 彼は人間を信じている。信仰していると言っても良い。

 だからこそ死人たる自分は手出しすべきではないと思い、抑止力が致命的に弱体化するまで召喚に応じる事は決してない。

 それは自身の執筆した叡智によって多くの人々の人生を狂わせてしまった後悔からでもあり、人類のしぶとさへの信頼でもある。

 しかし、人理焼却・漂白に関しては流石に見過せず、抑止力からの封印処置を受け入れた上で召喚に応じた。

 それは紛れもなく人類のためであり、一人の人間としての憤りであり、作者として自分の作品を読んでくれる上に数多くの二次創作を書いてくれた人々のためでもある。

 何だかんだ言って、彼は人間が好きなのだ。

 

 「でも私の最適クラス、フォーリナーなんだよなぁ。」

 

 

 

 

 




なお、第二部ではフォーリナー版が出ます。

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