徒然なる中・短編集(元おまけ集)   作:VISP

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ちょいやっつけですが、リハビリなので許して頂きたいです…

先の地震でPC破損してしまってまた修理に出さねば…(白目)


呪術廻戦ss 転生特典はとあるPCゲームでした

 「TerraTech」とはイギリスのペイロードスタジオと言う会社の作ったオープンワールド形式のサンドボックス型アドベンチャーゲームである。

 

 プレイヤーはクラフト、戦闘、発見を通じて無数の創造物を設計し、組み立てることができる。

 ブロックの膨大なライブラリから乗り物を設計し、様々なミッションをクリアしながら舞台となる星を探検していく。

 新しいパーツを漁り、クラフトし、購入して生き延びて、惑星で最高の探鉱者になりましょう!と言うのがこのゲームの概要である。

 パーツを販売する各企業の出すミッションのクリア報酬や撃破した敵ユニットから入手する事で新パーツを解放し、資金を入手していく。

 後半に出て来る新企業や強力なパーツは基本的に高価であり、資源やパーツの売買による資金繰りも大事になってくる。

 また、敵ユニット以上に複雑極まりない地形を走破する事が重要であり、迂闊に山地や荒れ地を行くと嵌ってしまう事もしばしばな事から「真の敵は地形」とか言われたりする。

 個人的には大人向けのレゴブロックみたいなゲームで、前世でもとても嵌っており、暇さえあればプレイしていた記憶があった。

 だからって、これは無いと思う。

 

 「転生特典がリアルテラテックとかマジかよ…。」

 

 現在7歳となった紅葉の様な自分の掌には、テラテックのスタート時の自機にしてコアパーツともなるGalactic Survey Organization(通称GSO)社製の操縦ブロックがあった。

 

 (自分の思う通りに動く。武装もこの分じゃ使えるな。)

 

 試しに何故か見える様になった妙な化け物(30cm程の邪悪なポケモンかウイルス種のデジモンみたいな奴)がベランダに来ていたので、GSO操縦ブロック内蔵のめっちゃ弱いレーザーをそいつ目掛け発射する。

 

 『ギュェッ』

 

 化け物はあっさりと消えたが、自分は頭を抱えた。

 転生したと漸く実感して早数日、余りにも酷い世界に転生した事を自覚してしまった。

 祖母を始めとした他人には見えない奇妙な怪物達。

 それを殺傷可能な特殊能力を持った自分という存在。

 この時点でもう大体転生先は判明した。

 これでも支部民であり笛民なので流行りのSSは一通り把握しているのだ。

 

 「よりにもよって呪術廻戦とか、最悪の部類だぞ…。」

 

 狩人×狩人や鬼滅、電ノコ男並みに一般人に過酷過ぎる世界など、読者目線なら兎も角として一住民としては地獄同然である。

 最近のジャンプはダーク路線過ぎて辛い…(白目)。

 

 さて、そんな地獄同然の世界における自分の状況を整理してみよう。

 

 両親はいない。

 事故で死んだらしいが、遺体は発見されていないとの事。事故(呪霊)ですね分かります。

 肉親は祖母のみで、祖父は自分が生まれる前に他界済み。

 現在は祖母の住む安アパートで年金と両親の遺産で生活している。

 追記…お隣の部屋の表札が「伏黒」って書いてあります。

 

 待って待って、自分原作履修は0~10巻だけで渋谷事変とか詳しく知らないの!

 だからいきなり両親いなくて幸薄い姉弟の伏黒さん達のお隣になるなんて困るの!

 

 「量一~津美紀ちゃん達呼んできて~。」

 「はーい!」

 

 なお、今世における自分の名前は木手量一である。

 キテレツさんの御親族か、はたまた量の字はペイロードスタジオさんからかな?

 

 「津美紀ちゃーん!恵くーん!ご飯作ったからおいでー!」

 「はーい!」

 「待って、今行く。」

 

 取り敢えず、婆ちゃんの指示に従う事にしよう。

 原作キャラで関わり合いに成りたくないとは言え、幼女と幼児相手に善行積むのは良い事だからネ!(目逸らし)

 

 

 ……………

 

 

 時折帰って来ては金を置いては去って行った津美紀の実母が姿を消したのは、もう半年も前の事だった。

 それでも何とか生活してこれたのは、お隣さんであるうちが二人の生活を何くれと支えてきたからだ。

 しかし、それだって何れは限界が来る。

 何せお年寄りの年金はそう多くないし、両親の遺産だって有限だ。

 自分に関しては転生特典らしく結構成績が良いため、学校は奨学金制度(第一種の方)を利用できるだろう。

 しかし、流石に伏黒姉弟もとなると厳しい。

 食費なら兎も角、教科書も更新された場合は新品で揃えねばならず(そうでなければ古本屋や近所に頭を下げて譲ってもらう)、また制服やカバンに修学旅行の費用等々はどう足掻いても厳しい。

 自分が学校を卒業して稼げるようになるにはまだまだ掛かるし、その間に祖母がボケては介護もままならないだろう。

 

 (どう考えても詰んでる。)

 

 今はまだ良い。

 だが、時間経過と共に状況はじわりと悪化の一途を辿っている。

 

 (あー手っ取り早く金稼ぐ方法とか無いかなー!?)

 

 いや、あるにはある。

 だが、それは余りにもリスキーであり、最初に選択肢から外したものだった。

 それは呪術師になる事。

 高専に入り、上の指示通り呪霊を祓い、呪詛師を殺せば短期間に多額の金が入る。

 が、それは最強さんこと五条悟曰く「腐ったミカン」な上層部の管理下に入るという事。

 御三家だろうが一般出だろうが、腐敗し切った上層部の眼に留まればどんな目に合うか分かったものじゃない。

 

 最悪、原作以上に酷い事態になりかねない。

 

 あの五条悟すら入念に対策を重ねられて酷い事になる(らしい)のに、一般出の小僧っ子がんな歴史の転換期に巻き込まれて無事に済むわきゃー無い訳でして。

 勿論、もしもの時を考えて自分の転生特典が判明した後、前世の知識を利用して様々な機体を作りましたとも。

 近所の呪霊(ちっこいのからでっかいの)を祓いまくって経験積んで、全ての企業パーツ(2020年1月現在まで)を解放するまで頑張りましたとも!

 現在は余りに多いのに頭に来たため、多数のタレット(要は無人砲台。バリア・リペアフィールド・ソーラーパネル付きで対空・対地両用)が近所に十基以上設置してあるため、この辺じゃ一番治安が良くなっている。

 なお、この機体群は式神みたいな扱いのためか、一般人には見えないが、普通の式神とかと違って自分の意識が無くても稼働してくれる。

 更に害のある存在と判断すればバリアで呪霊も人間もその他(飛んできたボールや看板)も防いでくれる便利さよ。

 更に言えば、一つ辺り拳大程度だったパーツの最小単位であるブロックを一辺1mの立方体にサイズまで拡張できるようにもなっていた。

 

 Q つまり?

 A 構造そのままに巨大化できるって事です。

 

 お陰で弱い初期の武装でも大きな呪霊相手にそこそこ使えるようになったし、コアパーツを自動車みたいな感じに使えて便利になった。

 何より、巨大な機体を作るのがとっても楽になったのが何よりも収穫と言えた。

 加えて、それらが十全に稼働するための電力や弾薬は自分の呪力で賄う事が出来る。

 ゲームでの太陽光や燃料を用いての火力発電の方が効率が良いのだが、呪霊や呪詛師相手に常に事前準備が出来るとも限らないため、呪力を使用してその辺の手間をカットできるのは大助かりだった。

 

 さて、そんなこんなで自分の術式?を頑張って鍛えてる訳なのだが、未だ幼児と言える自分に出来る事はご近所の安全確保しか無い訳でして。

 …マジでGTG頑張ってくれとしか言えない自分の無力が辛い…。

 そんな時だった、五条悟がこの辺にやってきたのは。

 

 「りょ、量一…!恵が変な人に…!」

 「津美紀は110番!警察呼んで!防犯ブザー投げて!」

 

 高専時代で既に身長180cm超えであり、更に言えば高専特有の喪服染みた真っ黒な学生服を身に纏った若白髪(脱色にしてはスゲー綺麗)にサングラスの軽薄そうな青年が小学生に声を掛けている。

 原作知ってなけりゃ、間違い様もなく事案な光景だった。

 二階のアパートの窓からその様子を見てしまった津美紀は、動揺した様子で自分の袖を引っ張り、震える声で助けを求めて来た。

 

 (原作知ってる身としては大丈夫って分かるんだけど、当然の反応だからなー。)

 

 そんな訳で、自分は津美紀に通報させつつ、周辺の自動砲台に命じて五条悟をロックオン、自分も恵から五条悟を引き離すべく防犯ブザー片手にアパート前の道路へと駆け出すのだった。

 

 

 ……………

 

 

 「恵!」

 

 その少年を見た時、五条悟はその空を閉じ込めた様な六眼によって、この地域一帯を守っている砲台型の式神の主人だと見抜いた。

 四級の蠅頭一匹すら存在を許さないこの地域の各所に配された強力な砲台群。

 高専や家での集まりでは見かけた事の無い英語表記の術式で、やたら堅く火力の高いそれらに感心し、あの呪術師殺しの仲間とも思ったが、その主人が未だ小学生の子供とは想定外も想定外だった。

 色々と聞きたい事が増えてしまったが、登場と同時に容赦なく防犯ブザーからピンを引き抜いて鳴らされたため、そんな余裕は一瞬で消えてしまった。

 マズイ。

 こちらは(今は)特に犯罪はしていないが、これでも五条は自分の恰好と言動が不審者染みているという自覚はある。

 このご時世では幼児に声掛けしてくる目立つ格好の男性なんて当然ながら不審者扱い一択である。

 

 「量い」

 「良いから逃げるぞ!」

 

 やっべーどうすっかな?と五条がこの場を穏便に切り抜けようと思考を巡らせるが、その隙に伏黒恵の手を取って、駆けこんで来た少年がこの場を離脱する。

 向かうのは人気の多い通りであり、ここで自宅のアパートではなく人目のある場所を目指したのは中々良い判断だった。

 相手が単なる変質者であり、五条悟ではなければ、と注釈が付くが。

 

 「おっと、君にもちょっと話を…」

 

 そう言って、五条が二人に伸ばした手に飛来した銃弾が直撃した。

 それは星漿体事件から反転術式のお陰で常時発動している無下限術式によって阻まれたが、驚きでその手を止める事は出来た。

 

 「あらま。敵認定されちゃったか。」

 

 そう暢気に零す五条目掛け、合計8基のタレットがその武装を発射した。

 マシンガンが、ガトリングが、レールガンが、迫撃砲が、ミサイルが、レーザーが、砲弾が着弾してはぜる音が静かな午後の市街地へと響き渡った。

 

 

 この後、五条悟はタレットを無力化する間に駆けつけた警察官により器物破損に児童に対する不審な行動の証言から身柄を確保され、警察署に連行された。

 事態を知らされて急ぎ警察署に来た高専の夜蛾正道教諭に引き取られるまで、彼は取調室にて調書を取られつつ暢気にかつ丼の出前を取ったりして警官らの神経を逆立て続けた。

 それを見た夜蛾教諭により、その場で五条は頭に漫画なたんこぶ三つ程こさえる事となり、警官達から感嘆の声が漏れ出たそうな。

 

 

 「あ、そうそう夜蛾センセー。あのスーパーゴリラの息子とお隣さんの男の子だけど、禅院家の相伝と外国産らしき術式持ってたからこっちで保護しねーとヤバいよ。」

 「」

 

 翌日、夜蛾教諭はすっかり愛飲する羽目になってしまった胃薬を携帯しつつ、菓子折り持って件の伏黒姉弟とそのお隣さんの下へと謝罪に赴くのだった。

 三人の子供達が今後どうなるのか、それはまだ誰にも分からなかった。

 

 

 

 


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