花妖怪は恋をする   作:『向日葵』

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はい、なんか思いついたので書きました!この短編……なんかこう、思いついたゆうかりんのお話を書く!みたいなとこになってますね:(;*'ω'*):。

ま、まあ、いいんですけど!


花妖怪は花屋に恋をする√3

「さて……へ、変じゃないわよね、うん。どこも、変じゃ、ない……よね?」

 

自分の部屋のど真ん中に小さめのテーブルをちょこんと置き、改めて部屋を見渡して、そう自問自答のように呟く。

 

がしかし、やはり不安だ。

 

あぁ、不安だ。不安すぎる。不安をどうしても拭えない。私こと風見幽香の人生ーー私は妖怪なので、妖生と言った方が正しいかーーの中で一番不安と感じているのではないだろうか。

 

人間初めてのことに対して不安を抱くのは当然のことである。それは至極当然のこと。そしてそれは私達妖怪も何ら変わりなく、初めてのことには不安を抱く他ない。……ちなみに催促しておくが、別に部屋の掃除が初めてのことなわけではない。

 

まぁ何が言いたいかというと、初めてのことの内容にもよるが、恐らく私が今日行う初めてのことというのは、私が生きてきた今までで一番不安になるようなこと、というわけだ。

 

それもそのはず……なぜなら。

 

「なぜなら今日は、彼がこの家に来てくれるんだから……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふんふふーんっ♪」

 

と、いうわけで。家の掃除を終わらせたあとは、家の周りの花たちの世話。水やりだ。この子達もいつもより元気になってくれたら、見栄えが少しでもよくなるから、今日はいつにも増して水を多めにあげよう。

 

「さぁて、彼の前で元気に咲いてね?」

 

はーい、なんていう可愛らしい花たちの返事を聞き、私は満足げに頷く。これならきっと大丈夫。この子達も応援してくれている。そう、これなら成功間違いなしだ。なんの失敗もない。……邪仙の言う通りなら。いや、彼女の言ってることは何も間違っていない。数多の男を手玉にとって来ただろう彼女のことだ、言うことは正しいはず。

 

「よーしっ、これで出迎えはバッチリね!流石私……できる女!!これなら幻想郷支配出来るわね!!」

 

などと意味不明なことを言っているのは自分でもわかっているのだが仕方ない。それほどまでに今の私は舞い上がっているのだ。簡単に言えば、最高にハイッてやつね。ふふん。

 

さーて、お次はっと。

 

「料理ね!!」

 

そう、料理だ。これも重要。できる女をアピールする重要なポイント。これがあるかないかだけで印象はだいぶ変わる!……まあ、全部とある邪仙から聞いた話なんだけど。

 

……と、いうわけで。花たちの世話も終えたので、家の中へと入ってキッチンへと向かう。

 

ふふん。正直な話を言えば、料理にはちょっと自信あるのよね、私。実はいつかこんな日が来るだろうという予想ーー願望とも言うがーーをしていた私は、密かに数ヶ月ほど前から料理の勉強をしているのだ。つまり予行演習も完璧。パーフェクト。今ならどこぞのメイドにだって負けないわ。

 

「材料は、すっぽん、ナマコ、カキ、にんにく、etc……」

 

呟きながら、材料を手に取って確認していく。ちなみに材料もレシピも間違っていない。幻想郷にはない海の食材なども入っているが、スキマの力で入手しただの云々かんぬんらしい。……全部、邪仙に教えてもらったことだが。ほんとに彼女に話を聞いて正解だった。有益な情報ばかりくれる。今度からは師匠と呼びたいくらいだ。

 

「さーて、あとはそれらをすべて鍋にぶっこんで、っと。あとは、この調味料の、『邪仙特製!栄養(意味深)ドリンク』を入れて……」

 

おお、名前から予想はしていたが、特製と言うだけあって、この調味料はすごいわね。入れた瞬間匂いが香ばしいものとなった。色も先程までの紫色紛いのものから透明になったし……うん、実にいい。調味料一つでこんなに変わるなんて、流石は師匠。なんでこの日に限って、いつものレシピじゃなくてこれを作れって言ったのかはわからないけれど……まあ、些細な問題だ。

 

ちらりと、壁にかけられている時計を一瞥する。時刻は昼ちょっと前。彼には料理は私の家で食べていきなさい、って予め言ってるから、準備はこれで万端。あとは彼を待つだけ。……っと、よく見るとこのレシピ、まだ裏になにか書いてあるわね。

 

「なになに……『雰囲気を良くするためには、部屋の雰囲気も!カーテンや枕はピンク色にすると、雰囲気が良くなるわよ!あなたのにゃんにゃんより』」

 

なるほど。部屋の雰囲気を変えるだけで、雰囲気は変わるのか。ならば良い方が何事も良いに決まっている。そうとなれば、早速実行しなければ。……と思ったが、だがしかし。私の家にはピンク色のカーテンや枕などない。これは困った、一体全体どうしたものか、と考えていた時だった。キッチンからリビングを通り、自分の部屋に入った瞬間に、『それ』はあった。

 

「私の部屋に、こんな物あったかしら……いや、なかった、わね」

 

いつの間に置かれていたのだろうか、部屋には見たことない一つのダンボールが。いや、あった。見たことあるもの……正確には、見たことある字が、ダンボールに書かれていた。

 

『困った時は、これを使いなさい!正義の味方、にゃんにゃんより』

 

「師匠……!!」

 

ぶわっ、と。涙が溢れそうになったのをぐっとこらえて、目尻に涙を留めることに成功する。まったく、なんて弟子想いのある師匠なのだろうか……大妖怪風見幽香、不覚にも泣きそうになったではないか。

 

「これだけ応援されている……これはもう、成功させるしかない!!」

 

いつまでも感動しているわけにもいかない。すぐさまダンボールに手をかけ、中身を引っ張り出す。……出てきたのは、予想通り、ピンク色のカーテンと枕、なのだが。

 

「は、ハート型の枕……」

 

しゅう、と顔が赤くなる。これは恥ずかしい。しかも二つある。なにか。もう一つを彼に渡せ、と師匠は伝えているのだろうか。いや、実際そうなのだろう。

 

「ええい、しのごの言ってられない……!女は度胸よ、幽香!」

 

そうだ。師匠に間違っていることはない。ならば、これもきっと成功するはずだ。いける。今の私なら、完璧な私なら、いけるはずだ。

 

「で、でも、ハート型の、枕かぁ……」

 

ふ、ふふ。この枕二つで、私一人では大きめのこのベッドで、二人寄り添うように横になって……そ、それから、彼から迫ってきて、私は、そーっと目を閉じて。

 

「それこそ、このハート型の枕のようにあまーい関係になっーー「一人でそんな枕抱きしめてブツブツと、どうしたのよ幽香」ーーひやぁぁぁぁぁぁっ!?!?」

 

凄まじい声が出た。それも、生まれたことを後悔するくらいの恥ずかしい声が、だ。原因はわかっている。いや、わからなければおかしい。

 

「しぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!死になさい死になさい死になさいいいいいいいい!!!!」

 

「ちょ、待って幽香!!落ち着いて私よ!?ゆかりんよ!?いいからそのいつの間にか手に持った日傘振り回すのやめて!?」

 

「この世に生まれてきたことを後悔しろぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「何か、言うことは?スキマ」

 

「はい、不法侵入した私が大変悪うございまーーーすいませんちゃんと謝りますからその喉元に突きつけた日傘をしまってください」

 

はぁ、ちょっとした悪ふざけだったのに、こーんなに怒るなんて。ゆかりん激おこだわ。ぷんぷん。……喉元に突きつけられた日傘が少し食い込んできたのは、勘違いと思いたい限りだ。

 

「もおー、ちょっと様子見に来ただけじゃない。何がいけなかったのよ」

 

「存在かしら」

 

汚物を見るような目を向けられた。いやん、ゾクゾクしちゃう。……いや、私には至ってそんなアプノーマルな趣味はないけども。

 

しっかしまあ……ちょっと中を拝見してたけれど、なかなかこれは、まあ、その、勘違いが勘違いを呼び起こしてるような状況だったわね。見てるぶんには面白いからグッジョブだけどね。きりっ。

 

「さて、と。あなたが来たということは、もちろん?」

 

「ええ、彼も来てるわよ。畑の向こうにね。あと数分もしたら来るんじゃないかしら?」

 

そう伝えた途端、満面の笑みになる我が友、風見幽香。……本人はあれで隠しているつもりなんだろうけど、流石は恋する乙女。その様子はとても可愛らしいわね。

 

「にしても、いつも彼は人里からここまで歩いて来れてるんだから、私の助力なんていらなかったでしょ?」

 

「う、うるさいわね。今日は特別な日だから、念には念を入れただけよ。わ、悪いかしら!?」

 

はいはいリア充爆発しなさい。ちくしょう見せつけちゃってもお。とっととくっつけよこの鈍感、と言いたいくらいだ。事実なのだから何も問題はないのだが、真実を伝えたら伝えたらで、それは面白くない。この微妙な関係がいいのだ。……だから趣味悪いって言われるのかしらね。

 

「ーーーって、どうやら来たみたいね」

 

「うぇっ!?」

 

途端に顔を赤くする我が友。まったく、先程まで自信満々ではなかったのか。いざ彼を近くに感じると、一瞬で引っ込み思案になるんだから。……ま、そこが見ていて面白いんだけどね。

 

「じゃ、私は帰るわねー幽香ちゃん。あとは任せたわよ?」

 

「え、え、ええっ!?い、いてよ!!ここにいてよぉ!!」

 

だ、駄々をこねはじめたぞこの大妖怪。ほんとに大妖怪なのだろうか。お楽しみ中がどうだとか私にグチグチ文句言ってきてたくせに。

 

「い、いやいや。私がいたらおかしいでしょ。それとも何?私が彼を奪っちゃっていいのかしーー「今すぐ出ていきなさい」ーーはい……」

 

こ、ここ、こわっ。怖すぎる。一瞬死を覚悟したわ。何よあの殺気。やっぱり大妖怪だったわ。触らぬ乙女に祟りなしね。

 

ま、邪魔者はとっとと退散しますよー。楽しんでくださいな。……うん、まあ、でも。いつもこうやってふざけてる私だけど。

 

 

 

 

 

「いい結果報告、期待してるわよ」

 

「ふ、ふんっ。言われなくても、わかってるわよばーか!……まあ、その、お礼は言っとくわ。あ、ありがと」

 

 

 

 

 

不器用だけどホントはとても優しい、そんな友人の幸せを願うこの気持ちは、悪ふざけなんかじゃなくて、心の底からから思ってることなんだけどね……まぁ、頑張りなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談は、まあ、『何故』か幽香の家に泊まっていた彼と、『何故』かその彼と一緒に寝ていた幽香と……『何故』か前日の記憶がない、そんな二人のお話。『何故』か、については、まあ?ご想像にお任せ、ってことかしらね。

 

何故ならそれは、このお話は、生まれて初めて恋を知った、とある花妖怪のお話なのだからね。ふふ。

 

 

 

 




どうでしたか、初めてのことをやるゆうかさんは!え?にゃんにゃんは誰かって?師匠?邪仙?だ、誰でしょうねぇ(震え声)。

ゆかりんはいつもミステリアスな女性!意味深なことを言ったりしては消えていく!そこに痺れる憧れるぅ!!ゆっかりーん!……はい、すいません。

感想、評価、批判等、心よりお待ちしております(決してドMではない)。

続編きぼんぬ!って方は、評価やメッセージなどに一言お願い致します:(;*'ω'*):!←自惚れる作者乙!

P.S.活動報告にこの小説における重要な書き加えをしました。どうぞご覧ください。
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